のー=喃
NG:hokano manga neta
それはいつものおやつの時間。放課後の学校屋上。翠星石が雛苺のケーキから苺をとったのも、いつものことといえば、いつものことだった。
雛「ぼやっ…ヒナ…いちごが…ばっ」翠「ひひひ」雛「かえすのー!」翠「ぼやっとしてるやつが悪いんですぅ」雛「ぐす…」雛は無念の涙を流した。
ただひとつ、いつもと違っていたのは
翠「?…いったいなんです?」翠星石は自らの肌があわ立つのを感じた。雛「…はかった喃、はかってくれた喃」
ただひとつの違いは、この日の雛苺が寂しがり屋でも甘えんぼでもない一匹の剣虎へと変貌をとげたこと。
巴は無言で竹刀袋の中から刀を取り出し。片ひざを突いて、刀を雛苺へと捧げ持った。当然のようにそれを受け取り、抜き払う雛苺。鞘から出でたものは勿論真剣である。ジ「翠星石」異様な場の雰囲気に飲まれていた翠星石は、はっと我に返った。翠「じゅ…ジュン!たすけ…っ!!」 ズムッジュンは翠星石の左肩を掴み。その骨子術でもって翠星石の動きを封じ、なおかつ膝まづかせる。ジ「決して動いてはならぬ」
すばやく近づいてきた真紅が翠星石の額に手を伸ばす。
ぴた
マポロチョコである。真紅は翠星石の額にマポロチョコを押し付けたのだ。翠(い、いったい何をする気ですぅ…!?)叫ぼうにも声はでない。
日没の残光は狂おしく血のごとき色で皆を染め上げている。雛「あの折、雛がよそ見したるはうぬが指図」ぎりぎり、と幼虎の刀を握る手に力がこもる。その持ち方は、猫科動物が爪を立てるが如き異様な掴み。雛「やってくれた喃、翠星石!」
そして、目にも留まらぬ速度で雛の一閃は放たれた。眼前で雛苺の所作を目撃していた翠星石ですら、はっきりとは視認できなかった。ただ自分の頭部に「熱さ」を感じたのみである。
永遠とも感じられる間。
ジュンは翠星石から手を離した。真「お美事!」巴「お美事にございまする!」この様子(ためし)こそ雛苺が「涎麻歩露」である。
解放された翠星石が呟く。翠「は…はは。なにを大げさな。チビ苺はただ素振りをしただけじゃねえですか」と、額に押し付けられていたマポロチョコが転げ落ちる。それは鋭利な刃物に両断されていた。雛苺の一閃がマポロチョコを両断していながら自らの額は皮一枚とも切られていないことに翠星石は気づいた。自分の頭部に感じた「熱さ」の真相を知った時。翠星石は気絶していた。
じょ ぼ ぼ ぼ ぼ ぼ
金「という夢をみたかしら~」ジ「おまえかよっ!」
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