第八話『全てを飲み込む白い雪』
一瞬の隙が命取りになる。そんな言葉が、僕の脳裏をよぎる。僕と対峙する少女の姿はまさに戦士!この戦いに敗れれば、命を落とす…そんな顔をしている。でも、そんな少女の顔も美しい…ハッ!?見とれた僕の一瞬の隙をつき、少女の手が伸びる!J「しまったぁ!!」思わず叫ぶ僕勝利を確信し、不敵に微笑む少女次の瞬間地面に倒れ込む僕。勝利を勝ち取った少女の手には……少女の持つ箸の先には、一本のエビフライがあった。それを、高々とかかげあげる姿は『食の化身!雪華綺晶』と呼ぶにふさわしい姿だった。
そんなこんなで第八話『全てを飲み込む白い雪』前回あらすじ僕は、翠星石さんに連れられ屋上へそこには、姉妹が大集合自己紹介を済ませ、いざ弁当タイム!僕は、驚きを隠せずただそこに立ち尽くすしかなかった。なっ、なんだ!?その量は?重箱が五段重ねだとぉ!?雪「どうかいたしたました?JUN様」いや、どうかいたしました?じゃないよ。キミはそれ1人で食べるつもりか?雪「まさかですわ。皆さんと御一緒にです」…だよな。ビックリしたよドサッ一瞬の安堵を掻き消すには十分の音がする。雪華綺晶は、さらに8段重ねの重箱を取り出す。雪「こっちが皆さんと一緒に食べる分ですわ」ハハハ……雛「雪華綺晶は、大食いなのぉ」銀「それでも、今日は少ないほうなのよぉ」ハハハハハハ……笑うしかないよ。いったいどうしたら、これだけ食べてこのスタイルを維持できるんだ?栄養は全部、胸にいってるみたいだ
食べようかと僕がいいと、雛「JUNの隣はヒナなのぉ」翠「翠星石は別に隣になんかならなくていいですけど、JUNがどうしてもって言うなら、座ってやらねえこともねーです」何やらギャーギャー言い始める座る位置なんてどうでもいいだろ…そんなヒナちゃん達を無視して、先輩が僕の隣に座り、銀「JUN…あ~んしてぇ」そう言って、玉子焼きを差し出してくる。J「えっ?あの……その」銀「慌てちゃってぇ、可愛いわぁ」お得意のからかいですか……ちょっと落ち込む僕がいたりする。ふと、雪華綺晶を見ると、もの凄い勢いで弁当を食べている。しかし、その姿は下品とは正反対、華麗で流麗、思わず見とれてしまうほど美しかった。でも、もう自分用の重箱が空になってるよ。
それから、たわいもない話をしながら楽しく弁当を食べた。こんな楽しい時間…いつぶりだろう?こんな時間がずっと続けば良いと思った。ふと、重箱に目をやると最後のエビフライが…雪華綺晶と目があう。どうやら彼女も狙っているようだ…しかし、僕の胃は血を求める妖刀のごとくエビフライを求めている。譲るわけにはいかない。2人の間にだけ重たい空気が流れる。刹那……一瞬の出来事だった……結果は上の通り。負けたよ、雪華綺晶…キミのその美しさになんてことをやってるとチャイムがなり、片付けをして解散することになった。別れ際雪「JUN様。楽しかったですわ。また御一緒しましょうね」そう言って笑いかけてきた雪華綺晶が、なんとも言えない可愛さだった続く
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