episode-01 水銀燈 ~suiginto~
ローゼン家の人々<episode-01水銀燈~suiginto~>僕は桜田ジュン、15歳で高校1年生。由緒ある桜田家の跡取りらしいのだがいまいち実感がわかない。そしてここはローゼン邸。桜田家と友好の深いローゼン家が日本に建てた屋敷らしいが詳しいことは知らない。今は三月某日、日曜日だ。ゆっくりと羽を伸ばしたい。しかしそれを破る黒い天使の声がした「ジュン~、起きてるぅ?」そういいながらずかずか入ってくる。僕は眠たいのに邪魔されるだなんてやってられないよ。僕は銀姉ちゃんにありったけのいやみを言う。「今寝てるのを邪魔されたよ。さすがはドミニオンだ…」「何よぅそれぇ?」「いや…何でも」「変なのぉ…」ちなみにドミニオンはガンダムSEEDに登場する黒い戦艦で「主天使」という意味だ。…黒い天使、シャレがきいてるでしょ。さてここで彼女…水銀燈を説明しよう。17歳でスタイルが恐ろしくいい。とてもイタズラ、と言うよりセクハラばかりするじつに大人気ない人だ。さて本編に戻ろう。「で、今日は何?」「別にぃ、ただイタズラに来ただけよぅ」そんなんで起こさないでくれよ…心の中でそう思いつつ再び寝ようとする。と姉ちゃんはベッドに入ってくる。ちなみに世界に名高いローゼン家の屋敷のベッドであるのでダブルベッドのサイズである。「わわ、何?何で入ってくるの姉ちゃん!?」「だってまだ肌寒いでしょう」いやそんなベッドにさっきまで寝てたのですが?まったく…困ったものだ。そんな姉ちゃんも明日は誕生日、この日のためにプレゼントを用意してある。そして当日、プレゼントの指輪を姉ちゃんに渡す。そのとき姉ちゃんがにやりと笑った気がした。このセリフを聞いた瞬間実際に笑っていたことを悟った。「あらぁ、ジュン婚約指輪ねぇ」反射的に姉妹が僕をにらむ。「いや…そん…」「恥ずかしがっちゃってぇ」刺さる目線が貫く目線へと変わった。「さぁ、私の部屋に行きましょぉ、ほかの姉妹はほっといてぇ」引きずられる僕、とっさに口パクで(助けて誤解だ…)と言う。ここで翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんが気づいてくれる。「水銀燈、それはただの誕生日プレゼントだろうがですぅ!」「そうだよジュン君も困ってるよ!」しかし姉ちゃんはこう切り返す。「あらぁ負け惜しみぃ?」もうお終いだ…さよなら僕の貞操…姉妹の辛そうな目線が…と思ったら姉ちゃんが意外なことを言った。「まぁ今日はぁこのくらいにしとこうかなぁ。」「えっ…」一同は姉ちゃんに目を向ける。「せっかくの誕生日だしねぇ。あんまりいざこざは嫌だわぁって思ってねぇ。あっでもジュン、婚約指輪はいつでもいいわよぅ」いや、きっとこないとは思うけど、まあ助かってよかった。そう思う今日であった。 fin.
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