真紅短編18
真紅は警戒心が強い。真紅はいつも僕のことを見張っている。真紅の調査の細かさは尋常ではない。PCや携帯の履歴の削除・手帳の書き込みなどには細心の注意を払わなければならないのだ。こういった対策は常に心掛けてはいるのだが人間というものは不完全な生き物な訳で。真「JUM、このレシートはいったい何なの?」J「う、それは・・・。」うっかり処分し忘れたレシートを僕の財布から発掘した真紅がものすごい剣幕で問い質してきた。僕は動揺を表に出さないようにするのが精一杯で言い訳を見つけることができなかった。真「私というものがありながら内緒でこんな店に。これが初めてなの?」J「違うって。仕事でたまたま通りかかっただけなんだ。 強引に同僚に誘われてだな(ry」真「正直におっしゃい!」J「・・・すまん、週一回。」真「週一ですって!?なんてことなの。 毎週出張だなんておかしいと思ったのだわ。」J「出張じゃなくて外(ry」真「暑い中苦労して働いてるのかと思ったらとんだ命の洗濯なのだわ。」J「ゴメン真紅、許してくれ。」真「―――そうね、これからはちゃんと帰りにお土産を買ってくれば許さないこともないのだわ。 たっぷりとトッピングを乗せた特製ババロアをお願いね。 それから詳しい場所を教えなさい。今度雛苺を連れて行ってみるのだわ。」こうしてまた、僕の隠れ家的存在のお店が消えてしまった。
『届けれぬ思い』この気持ちは知られてはならない。知られれば彼女の傍から遠ざけられてしまう。そんなこと耐えられるわけが無い。だから誰にも気付かれてはいけない。この気持ちは一生秘めていなければならない。たとえリッサの鉄柩に押し込まれた咎人のように、じわり、じわりと心に押し潰されるような苦痛があっても。深紅の彼女の傍に居れれば。それだけで僕は生きていけるから。この気持ちは知られてはいけない。知られれば彼を遠ざけられる。そんなことに耐えられるわけが無い。だから誰にも気付かれてはいけない。この気持ちは一生秘めていなければならない。たとえ鉄の処女にだかれる咎人のように、ぐさり、ぐさりと心に刺し貫かれるような苦痛があっても。魔法の指を持つ彼が傍に居てさえすれば。それだけで私は生きていけるのだから。
「初めてのゲーセン」紅「これが、ゲーセンなの?ごちゃごちゃしてるのだわ。それに、うるさいのだわ」J「まぁ、しょうがないよそういうとこだし。それじゃ、くんくんとりに行くか」今日は、ゲームセンターにくんくん探偵のぬいぐるみが入る・・謎の情報網で得た話題によりJUMはかりだされた。曰く、レディー1人で入る場所じゃないのだわだそうだ。紅「早く行くのだわ。なくなってしまうのだわ」珍しく慌てる真紅。どうやら、スグ取れると勘違いしてるらしい。J「一つ聞こう。真紅は今日初めてだよな?」紅「当たり前なのだわ。くんくん探偵が無ければ、来るはずの無いところよ」J「それで、何処に入荷するって?」紅「?UFOで捕まえる機械に入るって聞いたわ」やはりだ。今日は、帰れるのだろうか・・少し不安になってきたJ「やったことあるのか?」紅「愚問ね。今日が初デビューよ。で、UFOはスグ捕まえちゃうんでしょ? 早く行くのだわ」どうやら前途多難のようだ・・・
JUM「この手に持ーつぅ!真紅のパッドはぁ!ナイチチの証 soultaker!!」真紅「・・・・・・JUMなにを歌っているの?」JUM「JUMProjectっていうバンドを立ち上げたんだ、これはその一曲だよ。」真紅「そう・・JUM、少し言いたいことがあるのだけれどいいかしら?」JUM「いいぞ何だ?」真紅「では・・まずどこから私のパッドを手に入れたの!返しなさい!次に二度とナイチチなんていうのではないわ!後、何JUMProjectって!?訳がわからないわ!!まだまだ言いたいことあるけどとりあえず絆ックル!!」JUM「ゲフゥ!!!!」
「二人は新婚」ボロアパートにて……J「今日からここが僕等の家だな、真紅。」紅「安いアパートだけどね。仕方ないのだわ。頑張ってマイホームを買うのだわ。」J「うん、頑張ろう。そして何時か僕等の子供と……」紅「JUM……」夕食時J「真紅の御飯は美味しいな。頑張ろうって気になるよ。真紅?寒いの?」紅「ええ、少しだけ。隙間風がピューピュー言ってるわ。」J「そっか。じゃあ……こうすれば、引っ付いてれば温かい。」紅「JUM……ええ、とても温かいのだわ……あんっ、ダメよJUM。まだ夕食が……」J「真紅が可愛すぎるからいけないんだ。僕は御飯より真紅を食べたい……」紅「んんっ……服脱いだら寒いのだわ…せめて電気消して?」J「肌くっつけ合えば温かいし、これから嫌でも熱くなるよ。」以下自主規制
ジュン「真紅、話がある」真紅「今忙しいの。手短にして頂戴」ジュン「下僕を辞めさせてもらう」真紅「……一応、理由は聞いておくのだわ」ジュン「お前の下僕とかやってると、周囲の目が痛い。変人扱いされる。 お前みたいな触れれば即爆発する爆弾みたいな奴と一緒にいると 心が休まらない。紅茶淹れろとかもうアホかと。バカかと。 他にも色々あるが、まあ下僕を辞めさせてもらうってことで」真紅「本当にいいの? 誰かに隷属してなければ生きていけない あなたが、私の元を離れて生きていける?」ジュン「その点については心配するな。水銀燈の下僕に内定した」真紅「そ……そう。でもジュン、あなたは後悔するわ」ジュン「後悔なんかしないさ。ダラダラした関係を引きずるよりはいい」真紅「待遇の改善なら考えないでもなかったのに。あなたは、その機会を 永遠に失うのよ?」ジュン「そんなもん、どうせすぐ忘れるだろ」真紅「~~~……っ! 絆パンチ!!」ガスッ!ジュン「……そう、こういうところだよ。こうやってすぐ暴力に訴えるから 僕だって下僕を辞めたくもなったんだ」真紅「や、辞めたいなら好きにすればいいのだわ。今日をもって私とジュンは 赤の他人なのだから、私を抱っこする事も出来なくなるのよ」ジュン「代わりに水銀燈を思う存分抱っこするよ。じゃあな」バタン!真紅「……ジュン? わかってるわ、その扉の向こうにいるんでしょう? 水銀燈とグルになって、私を笑っているんでしょう? 早く出てきなさい。 ねえ、早く……早く出てきて、お願い……」真紅「……ジュンっ!」ガバッ真紅「…………夢?」真紅「ジュン。あなた、今の下僕としての待遇に不満はないの?」ジュン「何だよ真紅、今日はやけに絡むな。さっきから言ってるだろ? 別に不満なんかない、って」真紅「本当に? 本当にそうなの? 私の元で働く事に、何か不満でも あるんじゃないかと思って……」ジュン「まあ、不満が全くないわけでもないけど、今すぐにどうにかしたい とも思っちゃいないしさ」真紅「ジュン……私じゃない別の人の下僕になりたいと思ったことはない? たとえば、水銀燈とか……」ジュン「んー……何かイメージ湧かないな。やっぱり、真紅のとこが一番 しっくりくるよ。やりやすいって言うかさ」真紅「そ、そう……」ジュン「……真紅。お前が何を不安に思ってるのかは知らないけど、大丈夫。 僕がお前を一人にしてどこかに行くなんて事はないよ。一人じゃ何にも 出来なくて、そのくせ意地っ張りでワガママで、人に誤解される要素 満載のお前を、僕がほっぽっておくもんか」真紅「……っ、そ、それならいいのだわ。少しは下僕としての心構えが出来て いるようね。主人としても安心したのだわ」ジュン「はいはいワロスワロス。まあ大方変な夢でも見て、不安になったんだろ。 そういうところもガキみたいでさ……」真紅「し、主人になんてことを言うの! お仕置きなのだわ!」いつもそばにいてくれる人を、大事にしようね。
-対決-⊂(^ω^)⊃「ブーン」紅「みつけたのだわ!私の偽!」⊂(^ω^;)⊃「ブーン真紅が本物なのだわだお」紅「タダでさえ人気がないのに・・・さらに人気がなくなってしまじゃない!」⊂(^ω^;)⊃「しらないなのだわだお」紅「ふっとびなさああああああい!!!!!!絆ックル・改!!!!!!」バコッ!!!!!!!!!!!!⊂(^ω^;)⊃「宇宙の果てまでブーン!」紅「ふっ、これで私の人気が・・・あ、ジュン!・・・あれ?」ジ「蒼星石・・・」蒼「ジュン君・・・」紅「(^ω^#)ビキビキ」ジ・蒼「あ・・・真紅」紅「絆ックル・零式!!!!!!!!!!!」バキ!バコ!!!!!!ジ・蒼「ぎゃああああああああああああああああ!!!」紅「悪は滅びるのだわ・・・・」
真紅「ジュン、紅茶を淹れなさい。」ジュン「人ん家に来るなりそれか。まぁいい。僕の部屋で待っててくれ。」真紅「早くするのだわ。」手馴れた手つきで紅茶を準備するジュン。その背を眺める真紅。ジュン「ん?どうした?」真紅「手馴れたものね」ジュン「ああ、おかげさんでな」真紅「ジュン。」ジュン「ん?」そういって振り向くといつもの顔で表情を崩さずにこういった。真紅「ありがとうなのだわ。」ジュン「…どうした?急に」そしてそのまじめな表情のまま続けた。真紅「いえ、思い返してみると今という状況が幸せなんだろうと思ったのだわ」ジュン「この何気ない日常が幸せ?」真紅「好きな人と一緒に過ごせるという状況が…なのだわ。」ジュン「あーそうだな………って今なんていった?」真紅「好きな人と一緒に過ごせるという状況がといったのだわ。」ジュン「え?あ・・・真紅は僕のことが好きなのか?」真紅「何を言っているのかしら?そんなことも気が付かなかったの?」ジュン「え、いや・・・その…」真紅「貴方だって私のことが好きでしょう。」ジュン「え、うん。まぁ…」真紅「ならいいのだわ。早く紅茶を持ってくるのだわ。」そういうと真紅は二階へと上がっていた。ジュン「…………/////」その後、ジュンは告白しました。真紅は普通に紅茶を飲みながら「別にいいのだわ」といい、また紅茶を飲み始めました。恋人同士になってもやることは変わりません。ただ最愛の人に紅茶を淹れてあげるということだけです。
end
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