あまのじゃく
太陽のひかりが窓から入ってきます朝を訪れを告げる太陽のひかりは町のみんなを元気にしまてくれますけどメグはこのひかりが嫌いでしたメグ:うっ…んひかりに起こされたメグはふぅとため息をつきますメグの1日は点滴をとりかえることから始まりそのあと看護婦さんが持ってきた味のない食事を食べ終えると1日の中でいちばん長い時間がやってくるのですメグに月曜日から土曜日はありませんそのかわり毎日が日曜日ですメグにとってきょうは週の第4日曜日なので水銀燈は学校が終わるまで病院に来れないからいつも一人ぼっちですメグ:からたちのとげは痛いよ 痛い痛いとげだよ寂しさがからだを包み込んでくるとメグはそれに負けないように歌をうたいます仕事が忙しくお見舞いに来れないパパとママそのママのさらにママに当たるおばあちゃんが今よりもっと小さな頃うたってくれた名前も知らない歌をうたい続けますメグ:そろそろかな…時計を見るとおやつの時間を30分ほど過ぎた頃でしたとっくに歌をうたうのはやめていましたが歌の終わりの方をうたい始めます水銀燈に自分が歌をうたっていたことを伝えるためです銀:遊びに来たよ、入るねメグの部屋の周りはいくつかの部屋があります病院なのでどんな人が住んでいるのかわかりませんだから水銀燈は部屋に入るときになるべく他の人の迷惑にならないように静かにとびらを開けます
メグ:からたちの畑はいつも通る道だよ…うん、きょうも来たのね歌の最後をうたい終えたメグはいつものようにからだを動かさずに言いました寂しくて寂しくてすごく寂しくて震えるくらい来てくれたのが嬉しかったのにそっけない返事しかしませんでしたほんとうは水銀燈が来る時間になるといつもいつもきょうは来てくれなかったらどうしよう、と思っているのに何も知らない水銀燈は当然のように笑顔で入ってきますそっけない態度をとるのはそんな水銀燈に対するちょっとしたイライラが入ってるからかもしれません銀:またその歌うたってたんだね、続きうたってほしいな水銀燈はメグの寝ているベッドに両手をつけてやや身を乗り出した格好で言いましたメグ:やぁよ…もう歌い終わっちゃったんだもん嘘ですほんとうはわざと水銀燈にうたってほしいと言わせたのです子供の頃から自分の大好きな歌をずっとうたってましたけど看護婦さんや今では来なくなったパパやママはあまり歌を褒めてくれなかったのですでも水銀燈は違いました誰も知らないようなメグの歌を褒めてくれました初めて人から歌を褒められて嬉しくて嬉しくてその夜は興奮で眠れませんでした銀:でも…めったに聞くことができないんだもの、メグの歌を聴いてるとこころが温かくなって幸せな気持になれるの少々言うことが大げさだけれどメグは悪い気がしませんでした水銀燈がこの歌を好きなのは二人の出会ったきっかけをこの歌が作ってくれたからですその日は雪が沢山降っていましたいつものようにメグが一人で寂しさに耐えながらうたっているときれいな銀色の髪を揺らして雪の日に舞い降りた天使のような女の子が入ってきました「すてきなうたね、もっときかせてほしいな」それからもうすぐ1年になります水銀燈が雪を好きなのは二人雪の日に出会えたからかもしれません銀:だから、ね…困りマユをしながらおねがいのまなざしを送る水銀燈の頼みに1回だけなら良いよ、と言ってため息をついてうたい始めますいつも歌を水銀燈に聞いてほしいのだけど自分はあまのじゃくだから素直になれない気持を歌に込めて最高の歌声でうたうのです銀:素敵な歌ね、もっと聞かせてほしいなメグは1回だけって言ったでしょと水銀燈に言ってもう一度うたい始めますもうすぐ雪の季節ほんの一瞬だけ昔を思い出したメグ今年は少しだけ雪が楽しみになりそうです
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