そんな彼女と恋をした
いつも微笑んでいる。物腰が柔らかく、皆のお姉さん的な存在。ちょっぴり意地悪なところもあるが本当はとても優しい。泣いたり怒ったりしない。それが皆がいだく"彼女"のイメージだった。ただ、それはやっぱりイメージであったんだなぁと今になって実感した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「服飾学校の先生が貴方を推薦しているんですけれども、どうですか?」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
………ブブブブブ…………携帯がなっている。from:笹岡件名:無題本文:うぃーす。今何してた? それより水銀燈先輩のアドレス教えてくれない?マジで頼む。ジュン「……唐突だな……笹岡のやつも……」
to:笹岡件名:Re:本文:本人に聞いてみるからちょっとまってろ。
ジュン「さて……っと。…………こんなもんかな………」
to:水銀燈先輩件名:無題本文:こんばんは。お久しぶりです。 ところで、友達が先輩のアドレスを教えて欲しいそうなんですけど教えていいですか?
ジュン「送信っと…………うぉ」………ブブブブブ…………ジュン「返信早いな……」
from:水銀燈先輩件名:Re:本文:別にいいわよぉ。でもタダっていうのわねぇ…… そういえば今週の土曜日予定が入ってないのよねぇ……
ジュン「………どこかに連れて行けって事か……」
to:水銀燈先輩件名:Re:Re:本文:じゃあどこかにいきましょうか?どこがいいですか?
間髪いれずに返信が来る。
from:水銀燈先輩件名:Re:Re:Re:本文:え?おごってくれるの?うれしなぁ。 私は映画が見に行きたいな。サイレントヒルがみたいよぉ
ジュン「………先輩のことだし……自分の分はちゃんと払うだろうな……」
to:水銀燈先輩件名:Re:Re:Re:Re:本文:自分の分はちゃんと払ってくださいね。 じゃあ来週の土曜日のお昼に迎えに行きます。そのあと、映画に行きましょう。
何も考える前に返信が来る。先輩ってば暇人か?
from:水銀燈先輩件名:Re:Re:Re:Re:Re:本文:ちぇ……けちんぼ。 まぁいいや。じゃあ土曜日待ってるからねぇ。
そのメールが最後となりその日の先輩とのメールは終わった。
to:笹岡件名:無題本文:許可が出たので教えます。しつこくメールすると嫌われるからな。 やくると_すいぎんとー@………………
そのメールを送り、携帯をベットに投げると、風呂にはいった。風呂から上がり携帯を見てみる。受信メッセージ1つ
from:笹岡件名:Re:本文:おおおおお、さんきゅううううう 今度なんかおごってやるよ。ありがとおおおおお
その日は返信をせずにそのまま寝た。
今更だけど人物を紹介したいと思う。水銀燈先輩:同じ部活の先輩だ。いつも微笑んでいる。物腰が柔らかく、皆のお姉さん的な存在。 ちょっぴり意地悪なところもあるが本当はとても優しい。泣いたり怒ったりしない。笹岡:同じクラスの友達。先輩を狙ってるらしい。ジュン:僕のことだ。
次の日
笹岡「昨日はありがとな。水銀燈さんといっぱい話できたよ。」ジュン「おーそうか。僕は部活行かないといけないからもういくよ。」笹岡「くそっいいなぁ………水銀燈さんと同じ空気を吸っていられるってだけで相当すごいことなのに、普通におしゃべりできるなんて…………」ジュン「あーそうですか…………じゃあな」笹岡「おう。じゃあな」
笹岡と別れ部室に向かう。ガチャ水銀燈「あらぁ、ジュン。早かったのね。」ドアを開けると先輩にあった。ジュン「あ、先輩も早いですね。ホームルームは?」水銀燈「先生が風邪で休みだから代わりの先生が来たのぉ」ジュン「じゃああの長い話を聞かなくてすんだってことですか。」水銀燈「そうよぉ。」ジュン「他の人はどうしたんですか?」水銀燈「顧問の先生が休みだから今日は部活無いのぉ」ジュン「じゃあなんで先輩がいるんですか?」水銀燈「ジュンに伝えるためよぉ」ジュン「別にメールでもよかったんじゃないんですか?」水銀燈「残念ながら電池切れ。」ジュン「…………そうですか。」水銀燈「ふふっ。ちょうどいいから一緒に帰りましょぉ」ジュン「え?」水銀燈「嫌ぁ?」ジュン「別に嫌じゃないですけど…………」水銀燈「なら決まり~~」そういうと先輩に無理やり腕をつかまれ引きずられた。その後、体勢を立て直し並んで帰った。
土曜日
水銀燈先輩の家に行き、チャイムを押す。ピンポーン………………ガチャ水銀燈「おはよう。ジュン。さあ行きましょぉ」ジュン「もうおはようって時間じゃないですけどね………」水銀燈「細かいことは気にしないのぉ。」そういうと僕は先輩の横に並び歩き始めた。映画館までは歩いて10分。その間は他愛の無い話をしていた。
ジュン「やっとつきましたね。」水銀燈「結構すぐだったじゃなぁい」ジュン「そうですか?」水銀燈「貴方運動不足なのよぉ」ジュン「それは…………否定できませんね……」水銀燈「ふふっ。さてチケットでも買いましょうかぁ」ジュン「僕買ってきますよ。先輩は飲み物でも買ってきててください。」水銀燈「わかったわぁ。ジュンは何のみたぁい?」ジュン「僕は………コーラでいいですよ。」水銀燈「わかったわぁ」
………………。ジュン「あれ…………先輩は…………」水銀燈「だーれだ」ジュン「…………先輩しかいないでしょう。」水銀燈「ちぇ……つまんなぁい……」ジュン「つまんなくて結構です。はい。チケット」水銀燈「ありがとぉ。じゃあはい。コーラ」ジュン「ありがとうございます」水銀燈「さていきますか。」ジュン「そうですね…………(さっきの柔らかい感覚ってなんだったんだろう……)」
………………。ジュン「えーっとE-5、E-5っと……ここか。」水銀燈「じゃあ私はジュンの隣ねぇ。」ジュン「そうですよ。じゃあ始まるまで暇ですね。」水銀燈「飲み物でも飲んだらぁ?」ジュン「そうですね。そうします」そういうとジュンは右手に持っているものを飲んだ。ジュン「ーーーー!!!」水銀燈「くすくす……どうしたのぉ?」ジュン「せ、先輩…………これ……コーヒーじゃないですか……」水銀燈「やっと気づいたのぉ?いつ気付くかずっと待ってたのになかなか飲まないんだもん。」ジュン「けほ……コーラは?」水銀燈「こっちよぉ。」そういうと先輩は自分の手に持ってるものをジュンに渡した。水銀燈「まったく……もうちょっと空気読まなきゃだめよぉ」そういうと先輩は僕の手からコーヒーを奪い取り、自分の口に運んだ。ジュン「あれ、そういえば先輩。ヤクルトじゃないんですね。」水銀燈「どうしてぇ?」ジュン「先輩って言ったらヤクルトっていうイメージがあるもので……」水銀燈「残念ながら無かったのぉ」ジュン「あと…………」水銀燈「なぁに?」ジュン「間接キスですよね…………それ」水銀燈「え!?…………」ちょうどよく、映画館が暗くなった。暗かったのだが先輩の顔は少し赤くなっていたような気がする。
映画が始まった。ジュン「うぉ」水銀燈「きゃぁぁ」先輩は僕に抱きついてきた。怖いものは得意ではなかったのだろうか……それよりさっきも感じた柔らかい感覚が腕にある……
物語も佳境に入ってきた。ジュン「…………うぉぉぉ」水銀燈「…………きゃああぁぁぁぁ」さっきからずっと僕の腕を抱きしめている先輩だがずっと柔らかい感覚が腕にある……
映画が終わった。僕たちは映画館から出て商店街を歩き始めた。ジュン「ふぅ…………」水銀燈「おもしろかったねぇ」ジュン「先輩って怖いもの大丈夫そうなイメージありますけどそんなでもないんですね。」水銀燈「あら?私は怖いもの苦手よぉ。」ジュン「じゃあなんでこの映画を見に来たんですか?」水銀燈「この映画は面白そうだったけど………友達とか誘うと……ほら。この通り、怖いものが苦手ってことがばれちゃうでしょ?」ジュン「じゃあなんで僕と……」水銀燈「ジュンならよかったのぉ。」僕が「何故?」と聞く前に先輩が発言した。水銀燈「あ、ここのお店おいしいんだよ。食べない?」ジュン「いや………お昼食べましたよね?」水銀燈「当たり前でしょぉ」ジュン「大丈夫なんですか?」水銀燈「大丈夫よぉ。私食べても太りにくい体質だから……」ジュン「いや、そうじゃなくて……」水銀燈「ん?他に問題があるのぉ?」ジュン「いや…………ないです」水銀燈「なられっつごー」僕たちはそのお店へと入っていった。
流石は先輩のオススメの店といった感じだった。料理もおいしく、話にも花を咲かせながら話していた。
1時間くらいしてそのお店から出た。ジュン「おいしかったですね。」水銀燈「でしょ?今度はおごってねぇ。」ジュン「何言ってるんですか?バイトしてるんですから先輩は自分で払ってくださいよ」水銀燈「こういうのは社交辞令っていって嘘でも『おごります』っていうものよぉ」ジュン「嘘ついたら怒るじゃないですか…………その前にいったら絶対覚えてるでしょ。先輩。」水銀燈「うそつかれたら誰でも怒るわよぉ」ジュン「だから嫌なんですよ。」水銀燈「いじるわだなぁ。ジュン」ジュン「意地悪で結構ですよ。」水銀燈「ふーんだ。…………あ、ちょっとこの店よって行かない?」そこは洋服屋さん………服飾の勉強になるからちょうどいいか。そんなことを考えながら先輩の後ろに続いた。水銀燈「これはどぉ?似合う?」ジュン「似合いますよ。」水銀燈「じゃあこれは?」ジュン「似合ってますよ。」水銀燈「本当にそう思ってる?」ジュン「思ってますよ。」本当に思っていた。というか先輩は何を着ても似合うんだ。服に負けない美しさがあるといった感じだった。その後、何も買わずに店を出た。先輩は「今度来たときにでも ……」といっていた。そろそろ暗くなってきたので先輩を送り帰ろうと思った。
帰り道の途中、先輩が急に止まった。俯いている……ジュン「先輩?どうかしたんですか?」水銀燈「ぐすっ………ジュン…………」先輩は泣いていた…………ジュン「え?どうしたんですか?どこか痛いんですか?」水銀燈「違うのぉ…………」ジュン「じゃあどうしたんですか?」水銀燈「………ジュンと…………」ジュン「なんですか?もう一度いってください。」水銀燈「ジュンと今日はもう会えないんだなぁって思ったら涙出てきちゃって…………馬鹿だよね……私」そう先輩が言い切るとしばらくして僕の体が勝手に動いた。先輩の柔らかな手を引っ張り人気の無い公園まで連れてきた。そしてベンチに座らせた。ジュン「先輩………」水銀燈「ジュン……私のことどう思う?」ジュン「どうって…………」水銀燈「やっぱりいいや………でも……今日は楽しかったよ」ジュン「……………」水銀燈「本当はね…………他の友達と来るのが嫌なんじゃなくて……ジュンと来たかったの……」ジュン「先輩…………」水銀燈「ジュンとさ、一緒に居れたらいいなって思って…………」ジュン「…………」水銀燈「でもさ、一緒にいてたらね、もっと居たくなってね」ジュン「…………」水銀燈「私って実は寂しがり屋だったんだ…………私ってわがままだよね…………こんなんだから…………彼氏もいないんだよね…………」僕は先輩のその告白を聞くと先輩を抱きしめていた。ジュン「…………」水銀燈「え!?……ジュン……」ジュン「先輩が寂しいなら僕がずっと抱いていてあげますよ。」水銀燈「ジュン………」ジュン「その涙が乾くまでずっと一緒にいてあげますよ。」水銀燈「ジュン…………」その後、時間の感覚がなくなるほど先輩を抱いていた。先輩が「もういいよ。」といったので、手をつないで先輩を家まで送り届けた。
数日後「おい、聞いたか?」「ああ、桜田のやつが水銀燈さんを泣かしたって話だろ?」「ああ、俺の聞いた話だと別れたらしいぜ。」「水銀燈さんって彼氏いないんじゃないのか?」「デート初日に振ったらしいぜ」「マジか。」
その数日後その日僕は笹岡に屋上に来るように呼び出された。笹岡「よぉ」ジュン「なんだ話って、屋上に呼んで」笹岡「単刀直入に聞く。お前このあいだ、水銀燈さんを泣かしたか?」ジュン「…………」笹岡「噂じゃあお前が泣かせたって言うんだが俺はお前の口から聞かなきゃ信じられない」ジュン「…………」笹岡「どうなんだ?」ジュン「泣かせてはない………」笹岡「そうか。よかった」ジュン「だけど、泣いている場所に僕も一緒にいた。…………直接的な原因は僕かもしれないな…………」笹岡「…………嘘だろ?」ジュン「…………」笹岡「そうか………じゃあこいつはそのお礼だ」僕は笹岡から殴られた。本気で…………
次の日、この話を屋上で隠れて聞いていたやつが情報を漏らし、僕は殆どの人から無視されるようになった。たえられなくなったので、昼休みのときに帰った。その次の日には推薦を受けた北海道にある服飾学校の門の前にいた。半年…………半年、先生のもとで仮に教わり、半年後には正式に入学する…………僕が全てを背負えばいいんだ…………それで全てが終わるんだ。それが一番いい方法なんだ。僕はそう考えた。
1週間後
水銀燈「ジュン………どうしたんだろう………同じクラスの子に聞いてみよっかなぁ」
to:笹岡くん件名:無題本文:お久しぶりぃ。元気? ところでジュンってどうしたの?最近部活に来ないんだけど………
数分後
from:笹岡くん件名:Re:本文:知りませんよ。あんなやつ
水銀燈「………?喧嘩でもしたのかなぁ?」
to:笹岡くん件名:Re:Re:本文:どうしたのぉ?何かあったのぉ?
返信は異常に早いものだった。
from:笹岡くん件名:Re:Re:Re:本文:どうしてあんなやつの話をするんですか? 水銀燈さんはもっと別な人を見つけたらいいじゃないですか。 あんなひどいやつのどこがいいんですか?
水銀燈「なにが………あったの?」ここで水銀燈は異変に気付いた。喧嘩ではない………どういうこと?水銀燈には周りの人が気を使い、ジュンの情報を全て遮断していた。振られたことを思い出さぬように………水銀燈は笹岡に電話をかけた。
笹岡「はい。なんですか?」水銀燈「ジュンの知っていることを全部言って頂戴!」その水銀燈の口調はいつもの柔らかい口調とは違い厳しいものだった。笹岡「言えませんよ。」水銀燈「どうして?いいから言いなさい」笹岡「あんな水銀燈さんを泣かせるような男のどこがいいんですか?」水銀燈「え?」笹岡はしまったと思った。このことを思い出させてはいけない、そう思ったからである。しかし水銀燈「どうして私が泣いたってことを知ってるの?」笹岡「最初は噂で聞きました。そのあと本人に聞いたらそういってましたから。」水銀燈「違う!!」笹岡「え?」水銀燈「それは違うわ。」笹岡「じゃあ何が正しいんですか。」水銀燈「じゃあそのことを話すわ。」水銀燈はそのことを話した。ジュンと一緒にいたいと思った気持ち、そして突然泣いてしまったこと。それをジュンが優しく介抱してくれたこと。
水銀燈「どう………これでもジュンを蔑める?」笹岡「じゃ、じゃあなんで………ジュンは………」水銀燈「ジュンの優しさがこのことをおびき寄せたのよ」笹岡「じゃあ、どうすれば………」水銀燈「他の人にこのことを伝えて、」笹岡「え?」水銀燈「早く!」笹岡「は、はい。」そこで電話は途切れた。そして水銀燈は泣いた。あの日以降涙は流さないと誓ったはずなのに、泣いた。
1ヵ月後
先生「桜田くん。やはり君の腕はすごいよ。」ジュン「ありがとうございます。」先生「半年かかるものを1ヶ月で終わらせるなんて、凄いとしか言いようが無いね。」ジュン「ありがとうございます。」先生「一度、故郷のほうに帰ってから本当にここに入学するかどうか考えて見なさい。」ジュン「先生、僕は………」先生「人は熱中しすぎるとそちらにしか考えが向かないものだよ。一度一休みして考え直してみるといい。費用はこっちで出すよ。」ジュン「そうですか………じゃあ一度帰らせていただきます。」先生のよく分からない理論に圧倒され僕は帰ることにした。
ジュンの家
ジュン「ただいま」のり「おかえりなさい。ジュンくん」ジュン「疲れたから今日は風呂に入って寝ることにするよ。」のり「ご飯はいらないの?」ジュン「帰りの電車の中で食べてきたから今はおなかが減ってないからいいよ。」のり「そう。」そういうと僕は鞄を姉に預けると風呂にはいった。心地よかった。やはり家というものはおちつくものである。風呂から上がり自室へと向かう。自室は何も変わっていなかった。定期的に掃除をしているのか、汚れは無かった。机の上には携帯がのっていた。あの日以来迷惑メールや無言電話などが来るようになったから電源を切り家においていったものだ。寝る前に電源をつけてみる。そしてセンター問い合わせをしてみる。限度の1000通が来ていたらおもしろいな。そんなことを思いながら待っていた。やはり相当な数がきていた。だが、ジュン「件名:ごめんなさい………?」僕はびっくりした。何故、謝罪のメールが来る?ジュン「最近のは全部謝罪のものだ………」僕はメールを見ていた。1ヶ月前を境に謝罪のメールしか来なくなっている。なにがあったんだ?そんな事を思っているとまたメールが届く
from:水銀燈先輩件名:返信頂戴。本文:どうしたの?誤解は解いたよ?だから学校に来ようよ。 家族の人に聞いてもジュンが教えることを拒否してるってしか言わないの。どうしたの?
僕はあっちの学校でも被害が出るのを恐れ、家の人に誰にもこのことを言わないように言っていた。僕はとっさに携帯を持ち、先輩に電話をしてみる。すぐに出た。水銀燈「ジュン!?ジュンなの?」久々に聞く先輩の声………ジュン「そうですよ………」水銀燈「よかったぁ。どうして一ヶ月も無視してたの?」ジュンは自分の思いを伝えた。このままこの学校にいても、先輩に迷惑をかけるだけであると思ったこと。自分がいなくなれば解決するとおもったこと。推薦されていた学校で学んでいたこと。水銀燈「じゃ、じゃあ明日、ちゃんと学校にきなさい。いいわね。」先輩は今にも泣き出しそうな声でいったジュン「はい。わかりました。」水銀燈「約束よ?」ジュン「約束ですね。」その日はそこで電話を切った。
僕はいつもより速い時間に家を出ると早めに学校についた。教室には数人の人がいた。「桜田……………」「きたのか………」「どこかいってたのか?」ジュン「あぁ………」「………ゴメン」ジュン「え?」「悪かった。俺も水銀燈さんのこと狙ってたからさ、なんか泣いたって聞いたらイライラしちゃって」「僕も………変な噂に惑わされてたよ。ゴメンな」「ごめんなさい。私、先輩のこと尊敬してるから………なんか………ゴメン」「ごめんなさい。私もなんか先輩を泣かせたってことにイライラしちゃって」ジュン「いや………いいよ。僕も悪いんだし………」「いいや、ジュンは悪くない。悪いのは僕だ。」徐々に人が集まってきた。人がくるたびに僕に謝っていく。そして囲まれたままチャイムが鳴る。そのチャイムと同時に水銀燈先輩が教室に入ってきた。と、同時に僕への道が出来た。。水銀燈「ジュン………」先輩は目にいっぱいの涙を浮かべて、今にも泣き出しそうだ。ジュン「先輩。」水銀燈「………ん?」
ジュン「先輩は先輩のままでいてくださいね。」
水銀燈「うっ……うん…………」一度うつむいた先輩だったが顔を上げ、いつもの笑顔に近い顔で
水銀燈「おかえり………ジュン」
ジュン「ただいま。先輩。」
後日談
服飾学校の方には断りの電話を入れた。その時のことだ。先生「やっぱり断ったね。」ジュン「やっぱりって分かってたんですか?」先生「雰囲気がね、何か大切なものを置いてきたんだけどそれを忘れようと必死になってる雰囲気があってね。」ジュン「そうですか。」先生「だから早く帰してあげようと思ったんだけど」ジュン「先生!?」先生「けど、君が必死にやったから本当に1ヶ月で終わったんだよ。」ジュン「あ、はぁ」先生「じゃあ誰か分からないけどその人を大切にしなよ。」ジュン「あ、はい。ありがとうございました。」
その後僕から先輩に告白した。あのことが無かったら僕は先輩に抱いたこの恋の気持ちを分からないまま過ごしていただろう。条件付きで付き合ってもらえることになった。その条件とは………『ずっと一緒にいること』今でも僕らは一緒にいる。先輩は先輩のイメージらしく。時々、甘えてくる。僕の前だけだけど………………
fin
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