第七話 少女達の休息
超機動戦記ローゼンガンダム 第七話 少女達の休息「やれやれ・・・みんな元気なもんだよなぁ・・・」砂浜の上に立てられた大きなパラソルの下の日陰でJUMは寝転がっていた。水着で。そう、ここはリュウキュウのビーチなのだ。先日JUM達が日本を占領したとの報はレジスタンス中に伝わり結構な数のレンジスタンスが日本に駐留した。ここを拠点に反アリスを貫こうというのだ。で、現在色々な編成中であり功労者であるJUM達メイデンには先に休暇が与えられたわけである。もっとも、JUMの予想ではメイデンは都市の守備にはつかずに各地の戦場を飛び回ることになりそうだが。「早いね、桜田君。」JUMが顔をあげる。そこには白の清潔そうなワンピースを着た巴が居た。JUMは少しドキリとしてしまう。同年代の女の子の水着だ。もっとも、ここでドキドキしていたら後はもたない気がしなくもないが。「あ、ああ。男は着替えが早いんだよ。み、みんなは?」JUMが後ろを振り返ろうとした時、JUMの首にするっと腕が回り頭部には柔らかい感触が当たった。「はぁい、JUM~。水銀燈はここにいるわよぉ~。」その犯人は水銀燈だった。水銀燈らしいというべきか、黒のビキニ。軍服の上からでも分かるスタイルのよさが水着になると顕著に現れる。「ちょ、ちょっと水銀燈!?JUMに何をしているの!?」若干ヒステリックに甲高い声をあげるのは真紅だった。「あらぁ、ごめんなさぁい。真紅にはしたくてもできないでしょうけどぉ~。」水銀燈がニヤリと笑う。そんな真紅の水着は赤の・・・ビキニ・・・か?JUMが断定できないには訳があった。なんと真紅は水着の上から白のTシャツを着ていたのだった。ちなみに、麦藁帽子もかぶっている。「?何だ、真紅泳ぐ気ゼロか?ビーチでも本呼んでそうだもんなぁ。」「そ、そんな事ないのだわ。ただその・・・ひ、日焼けが嫌なのだわ!」そう言うと真紅はJUMの隣にちょこんと座った。そこで近くで見て初めて真紅はビキニだと分かった。「真紅は幼児体系見られたくないだけですよ。」そして後ろからやってきたのは翠と蒼の双子だった。二人とも緑と青のビキニで腰には鮮やかな色のパレオを巻いていた。翠星石はともかく、あまり肌の露出が好きそうじゃない蒼星石には正直JUMも意外な感じを抱いていた。「うぅ・・・やっぱりちょっと恥ずかしいよ、翠星石・・・僕には似合わない・・・」「だ~いじょうぶですぅ!蒼星石はスタイルもいいですし、可愛いですぅ!それとも・・・こっちにするですか?」顔を赤くしてモジモジしている蒼星石の背中をバンバン叩きながら翠星石が言う。そして、青い布を出す。「あ・・・や・・・それだけは嫌だよ・・・うん・・・・」「なら文句言うなですぅ。しかしあのM字ハゲは本当変態ですぅ。こんなの送ってきやがって・・・」翠星石がその布をピローンと広げる。それはいわゆるスクール水着だった。胸には「そうせいせき」とかかれたネームが貼られている。JUMは正直頭が痛くなってきた。「ふぅ~ん・・・蒼星石ってやっぱりぃ・・・」水銀燈は舐めるように蒼星石を見ると急に抱きつき体をまさぐりだした。「ええっ・・ちょ・・・やめ・・・あう・・・水銀燈!?」「な、何してるですか!?離れるですぅ!!」翠星石が水銀燈を引っ張って引き剥がす。水銀燈はフムと一呼吸考えると言った。「・・・蒼星石のがデカイわね。間違いないわぁ。」「なっ!?どうしてそれを・・・は、しまったです・・・」再び顔を赤くする蒼星石と自爆した翠星石。JUMにしてみればここでそんな話をするなって所だ。「みんな、早いの~。JUM~♪トゥモゥエーー!!」走ってくる音が聞こえたかと思えば巴に飛び掛ったピンクの物体。それは雛苺だった。ピンクの可愛らしいワンピースの水着で、すでに浮き輪を装着している。「雛苺ははしゃぎ過ぎかしら~。淑女はどんな時も焦らずかしら。」金糸雀が日傘を差しながら歩いてくる。金糸雀もワンピースだが若干フリルが付いている。「・・・こういうのも可愛いのだわ。」真紅が二人をマジマジ見ながら言う。「あらぁ?真紅もこっちのがいいんじゃないかしらぁ?無理に大人っぽくしてもねぇ~。」「う、うるさいのだわ!私は大人よ?」「胸以外は・・・ですう・・・いた!殴る事ないですぅ~。」ムスっとした顔の真紅と半べそをかいている翠星石。まぁ、自業自得だろう。「あら~、みんな早いのね~。お姉ちゃんびっくりよぅ。」そしてのりがやって来る。何を血迷ったかスクール水着だった。「な、ね、ちょ・・・何だよそれ!?」「えぇ?だって探したらこれが見つかったから懐かしくていいかなぁって~。それにこういうの萌えって言うんでしょ?」べジータに続き実の姉の奇行に頭痛がするJUM。「のりも何気にスタイルいいわよねぇ~。」「あらぁ、そんな事ないわよぉ~。水銀燈ちゃんや雪華綺晶ちゃんに比べたら全然よぉ~。」「くっ・・・胸胸胸胸胸・・・馬鹿みたいなのだわ・・・くぅっ・・・」真紅が何故か悲しみに打ちひしがれている。とりあえず触れないでおこう。「あら、みんな早いのね。」「♪お日様ぽかぽか、とっても気持ちいい♪」そして最後にやってきたのは雪華綺晶と薔薇水晶だった。「き、きらきー結構大胆ですぅ・・・」雪華綺晶の水着の色は白。色事態は普通だが、見事にハイレグだった。切れ込みと谷間が悩ましい。「薔薇水晶が可愛い感じだね。よく似合っているよ。」薔薇水晶は紫のお腹の部分が出たワンピースのような水着だった。「じゃあ、みんな揃ったし遊ぶのーー!!」雛苺が走って海に入っていく。他のみんなも走ったり歩いたりと個人差はあるものの海に入っていく。「真紅は行かないのか?」JUMが唯一残っている真紅に言う。「JUMこそ・・・どうなの?貴方が行くなら私も行くのだわ。」「そうだな・・・せっかく海に来たんだもんな・・・よし、行くか!」JUMが重い腰を上げて立ち上がり真紅に手を差し伸べる。「ふふ・・・じゃあ行きましょう?」真紅はJUMの手を握って立ち上がるとTシャツを脱いだ。真っ赤なビキニが露になる。JUMは再びドキリとする。確かに・・・胸は残念だが全体的に真紅は本当に細かいし、何より綺麗だった。もっと自信もってもいいのに・・・とJUMは思った。思っただけで言わないが。「ふぅ~。気持ちいいですぅ~!海はいいですね~。」長い髪を二つで結びイルカの浮き輪でプカプカ浮いている翠星石が言う。「本当かしらー。こんなゆっくりできるのは久しぶりかしら。」金糸雀が水中眼鏡をしながらパシャパシャ泳いでいる。「でもいいのかな・・・僕たちだけこんな事してて。「蒼星石は真面目ねぇ~。まぁ、実際今はレジスタンスの編成中で私たちは居ても仕方ないのよぉ。」水銀燈が蒼星石に言う。真面目な蒼星石はそれでもう~んと考えているが、水銀燈は完全に休暇を楽しんでいる感じだ。「でも・・・スパ○ボだったら・・・こういう時に敵が来るよね。」薔薇水晶が言う。その時だった。「!?あ・・・あれは・・・?」上空に戦艦が見える。アリスの艦だろうか。だとしたら・・・非常にマズイ。しかし、それはある意味アリスよりマズイものだった。「~~~~~~~う嬢~~~~~~!!」声が聞こえてくる。何と言ってるかは聞こえないが聞こえる。「~~~蒼嬢~~~~~!!!」今度は聞こえる・・・奴だ・・・奴が飛び降りてきたのだ。「へぶしっちゆ!!!!!」そして、水面に落下した。物凄い音と水飛沫をあげて・・・浮いてきた物体は数分間ピクリとも動かなかった。「はっはっはっは!お楽しみかな?メイデンのレディ達?」体の前面を真っ赤に晴らしたべジータが言う。未だに落下の衝撃が消えてないようだ。「な・・・な・・・な・・・何で居るの・・・?」「愚問よな、蒼嬢。リュウキュウはSAIYAの管轄!はっ!?蒼嬢、何故俺の送った水着を着ていないんだ?さぁ、着るんだ蒼嬢!必ず似合うから!!」「い、いやだぁあああああ!!!」物凄い勢いで逃走する蒼星石と追いかけるM字ハゲの変態。気が付けばビーチにはマッチョな漢が溢れていた。「SAIYAは戦闘集団だ。肉体の強化は欠かしていない。」デカイハゲ、ナッパがムンとポーズを取りながら言う。あっという間に華麗なビーチはむさ苦しくなった。「うっひょ~!キラ嬢の切れ込みさいこ~!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレーー!!」と、大騒ぎで少女達のひと時の休息は終わりを告げるのだった。次回予告 レジスタンスの編成にまだ時間がかかっており、しばらく自由時間を得たメイデン。すると、水銀燈がとある山奥の町にいきたいと言う。果たして、その目的とは。次回、超機動戦記ローゼンガンダム からたちの歌 その瞳で 真実を映せ雪華綺晶!
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