淡い日々
此処は・・・嗚呼そうか、自分の家だったな・・・随分牢獄みたいになったな・・・目指してたのは何だっけ?確か凄い夢だった気がする、何だったんだろう?今日も起きて、服を作らなきゃ。ベットから起きて、設計図に何かを書く。今はこの空間を、紙に書く音だけが占領している。・・・夢って何だっけ?凄い大志を抱いてたような・・・何だったんだろう?今日も今日とて、設計図を元に服を作り上げる。ガガガガ・・・糸を縫う機械の音が、やがて支配し始めた。
J「ふぅ・・・」
パッと作り上げる・・・うん、問題は無い。ふと其処に、アルバムを見つけた。何時の物だったっけか・・・嗚呼其れは数年前に卒業した、学業の勤しんでいた時の写真か・・・そう考えていると、ふとアルバムをあける。随分開けていなかったのだろうか、煙が中に舞った。
J「ケホケホ・・・」
ふと目を移す・・・これは・・・真紅だったっけ?上の名前を覚えていないが、何とか思い出せる。どんな子だったっけ・・・嗚呼そうか、紅茶ジャンキーだったっけ。あの日々は面白かったなぁ・・・少しばかり無茶してみたり。馬鹿な事をしてみたり、俺が良く紅茶を入れてあげていたな。この子は・・・水銀燈だっけか・・・こいつとは良く悪さしたよな、授業サボったり。高校のどっかでタバコ分けてもらったり、けど良い奴だったな・・・今は何処か良いところで、働いていれば良いんだが。これは・・・雛苺か、随分子供子供してたがね。今は何処で何してるかな・・・けど其れでいて皆に優しかったな。水銀燈も雛苺と居る時だけは、随分柔らかな顔してたしな。このデコ助は・・・金糸雀か・・・アホの子で、間抜けばっかりしていたけど。皆の笑わせ役で、其れで居てしっかりしていたな。ちゃんとしていたら、今頃は良い会社にでも入ってるんだろうな・・・こいつは・・・薔薇水晶か。こいつは不思議な奴だったな、いつの間にか皆に馴染んでいて。それで居て不思議と、色々話したな・・・意外とアホな事もしてたな、シュウマイ大好きで。それでこいつは・・・雪華綺晶か。皆のお姉さんみたいな奴で、其れでいて凄く気軽に話せて。少々天然だが、基本的に静かで。皆に心配かけないように、色々必死にしてたな・・・こいつは・・・翠星石か・・・随分最初はいがみ合ったりしたな、何故だったんだろうな?こいつが居たお陰で、随分学園生活は楽しかったな。色々企画してくれたり、まぁ・・・馬鹿だったが・・・この子は・・・蒼星石・・・最初は随分静かな子だったが、ありゃあ御爺さんに、迷惑をかけない為だったんだよな。皆の相談に乗ったり、随分やんちゃな一面もあったな。・・・寝顔が可愛かったな、結構学園でも人気だったっけ。皆懐かしいな・・・そう言えば俺は・・・嗚呼そうか俺は、蒼星石に約束したんだっけ。必ず世界で有名な服の、アーティストになるって。今俺は何処に居るんだろうか?ろくに外にも出てないな。・・・そうだ、今度皆に会いに行こうか。俺は多分駄目な奴に成っちまったが、皆が懐かしくなった。・・・電話しよう、どいつから掛けようか?・・・今一番会いたい奴に掛けようか、そうだな・・・蒼星石に掛けよう。今は誰と結婚したかな?でも・・・取り合えず逢いたいや・・・
数日後の話、一つの式が挙げられた。かの有名なイギリスの○○社の、とあるブランドデザイナーが。日本に久しぶりに帰国し、学生時代の皆と同窓会を開いた所。昔の彼女に会い、式を挙げたとの事。○○社の社長は、あいつならこんな事しても可笑しくは無いよ、と笑っていたとの事。式は学生時代の友人と、華やかに行われ。式はめでたく終わったとの事、後日談で彼はこう語ります。闇雲に頑張ったらこうなった、ただ其れだけの事。続いて、午後の天気予報を・・・プチンと短い音を立てて、テレビの電源が落ちる。此処はイギリス、ジュンの家だ。
J「幸せは願えば叶うか・・・」蒼「ジュン君、如何したの?」J「いや何でもない。」蒼「そう?けれど隠し事とかはいやだよ?」J「ああ、分かった。」
そう言うと、一つの本をジュンは、物置に仕舞った。その本には、学生時代のアルバムとだけ書いてあった。その本には、後日こう付け加えられる。「8人の赤ちゃんの、子育て日記」と。
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