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「寝過ごし蒼と翠4(蛇足)」(2006/05/29 (月) 02:29:45) の最新版変更点
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<p>(蛇足の後日談)</p>
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あの後、朝になってホテルをチェックアウトした後、翠星石は沼津くんだりまで来たのだからと伊豆の方を観光で回ろうと言い出した。<br>
幸い、その日は僕らは予定がなかったので、僕もそれに乗ることにした。<br>
天城峠だの、河津七滝だのといった名所を回って、下田の温泉につかって、結局家に帰ったのは夕方近くになった。<br>
その日の夜、先輩や友人ら食事に行くことになり、家の近所のレストランに行った。<br>
先輩の水銀燈や雪華綺晶、友人の真紅や薔薇水晶とで思い切り盛り上がった。<br>
もちろん昨夜のことは心のうちにしまっておこうと思ったのだが……酒に酔った翠星石がそのことを漏らしてしまった。<br>
人の噂が大好きな水銀燈や雪華綺晶がそれを逃すわけがない。容赦なくそのことを酒の肴にして徹底的にからんできた。<br>
しかも真紅や薔薇水晶も興味津々といった様子で聞き入っている。<br>
(話の中で分かったのだが、翠星石にラブホの知識を教え込んだのは薔薇水晶だった。<br>
いくら、旅先で宿がなくて仕方なく使ったと薔薇水晶は言ってたが……まったく……)</p>
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「泥酔して茅ヶ崎で降りるつもりが沼津まで寝過ごした挙句にラブホでアツアツな夜を過ごすとは脳天気ですわね」<br>
「お馬鹿さんねぇ、まったく」<br>
「無茶苦茶にも程があるのだわ」<br>
水銀燈、雪華綺晶、真紅の3人はひたすらこの件をネタにして楽しんでいた。<br>
僕と翠星石はただ顔を赤くしながら、じっと見つめるだけしか出来なかった。<br>
「……私も新宿から八王子の家に帰ろうとして中央線の特快に乗ったら大月まで寝過ごして……帰りの電車がなかったから近くのビジホに泊まったことがあるから笑えない……」<br>
いきなり口を開く薔薇水晶。彼女はさらに続ける。<br>
「……でも、姉さんや銀ちゃんや真紅も笑えないはず……」<br>
「「「え?」」」<br>
いきなりの発言に唖然とする3人。<br></p>
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「……確か2ヶ月前に塊の家に行こうと東武の浅草から春日部に行くつもりが会津高原尾瀬口まで寝過ごして、帰りの電車がないからとやけを起こして、そのまま喜多方まで行って名物のラーメンをやけ食いしてたのは……どこの脳天気さん?」<br>
「う……」<br>
顔を真っ赤にして、手にしていたビールのジョッキを落としそうになる雪華綺晶。<br>
「……1ヶ月半前に松戸の連れの家に行こうと日暮里から常磐線乗ったのはいいけど、そのままいわきまで寝過ごして……挙句の果てに終電がないからと、真夜中に連れに迎えに来いとゴリ押しして、駅の外で待っている間に風邪引いて、おまけにその連れの人にまで風邪をうつしたのは……どこの無茶苦茶な人?」<br>
「うう……」<br>
やはり顔を真っ赤にして、思わず手にしていたティーカップを落としそうになる真紅。<br>
「……1ヶ月前の品川での合コンの帰りに小田原の家に帰ろうと『ながら』に乗ったのはいいけど、そのまま豊橋まで寝過ごして……これがバレたら気まずいと、飯田線に乗って、天竜峡の写真を携帯カメラに収めて、『あてのない旅してたのよぉ』なんてめぐに苦し紛れのはったりをこいていたのは……どこのお馬鹿さん?」<br>
「……」<br>
これも顔を真っ赤にして、思わず手にしていたカルピスの入ったグラスを落としそうになる水銀燈。<br>
「……みんな人のこといえない……」<br>
薔薇水晶の言うとおり。いや、よく言ってくれた。心から拍手を贈りたい。<br>
しかし……みんな思い切り寝過ごしてるんだね。しかも常識では考えられない場所まで。<br>
僕はただしみじみと思い、彼女の言葉に頷くだけだった。<br>
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(今度こそfin)</p>