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=さらば!我が愛しき日々よ=第十六話」(2006/05/27 (土) 11:45:13) の最新版変更点

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翠星石はジュンの部屋を出た後、のりの部屋へ向かった。<br> 翠「ジュンなんて・・・ジュンなんて・・・。」<br>  翠星石は、乱暴にのりの部屋のドアを開け、押入れからコートを一枚乱暴に引っ張り出すと、それを着て階段を一目散に駆け下りた。<br> 翠「翠星石の気持ちも知らないくせに・・・、ひどいです・・・。」<br>  <br> 心は完全に潰れ、目からは涙が止まるところを知らない―――<br> <br> 翠「ジュンの、ジュンの馬鹿・・・。」<br>  袖で涙をぬぐい、ブーツを履くと、玄関を開けて外に出る。<br> <br>    翠星石はとにかく離れたかった。愛する人から。<br>  <br>  翠星石は、行く所もなく、ただただ走った。<br> 翠「ぐす、ひっく、もうジュンなんて知らないです・・・」<br>  道行く人の視線を感じるが、今はそれころではない。<br>  <br>    ただ離れたい。それだけの思いで、翠星石は走った。<br> <br> <br> ジュンの部屋<br> <br> 蒼「ジュン君・・・。」<br>  蒼星石は、小声でジュンに話しかける。<br>  他の薔薇姉妹達を起こさないためだ。<br> ジ「何だよ・・・お前もさっさと出てけよ・・・。」<br>  ジュンはベッドの中から面倒くさそうに、適当に返事を返す。<br>  蒼星石は少し傷つくが、踏みとどまる。<br> 蒼「君は・・・翠星石にひどいことをしたって、自覚してるのかい?」<br> ジ「んん?あんまり感じないよ・・・。お前らのせいで、僕は死にかけたんだ。」<br>  ジュンは気だるそうに、もごもごと喋る。<br> 蒼「そうかも知れない。けど、翠星石が君のためにどれだか尽くしたのか、<br>   君は寝ていたから知っているわけないけど、僕は知っている。」<br>  蒼星石は、真剣な眼差しで、ジュンの方をじっと見つめている。<br> ジ「あいつが僕に何をしてくれたって言うんだよ!・・・いてて、」<br>  大声で、蒼星石を威嚇する。<br>  それでも蒼星石は、退かない。<br> 蒼「君が怪我をしたとき、翠星石がどれだけ涙を流して悲しんだと思う?他のみんなも、どれだけ心配したと思う?」<br> <br> ジ「怪我をしてから心配するなんて、偽善だな。都合がいいんだな。」<br>  ジュンの言葉はきつくなっていったが、口調は弱々しくなっていた。<br> 蒼「皆付きっ切りで看病してくれたんだよ?翠星石と、雪華結晶なんて、徹夜で君についてたんだよ?そんな彼女に、あんな悪態をつくなんて・・・。」<br> ジ「そんなの僕が知るわけないだろ・・・。」<br>  蒼星石は構わず続ける。<br> 蒼「それに、翠星石は、君のことが・・・。」<br>  <br>     ジュンにはできるだけ伝えたくない想い―――<br> <br> ジ「なんだよ?早く言えよ・・・。」<br>  <br>    ―――しかし、双子の姉の傷ついた心をジュンに癒させるためには―――<br> <br> 蒼「翠星石は君のことが、好きなんだ。」<br> <br>     ―――伝えるしかない、蒼星石は悟った。<br> <br> ジ「!!!!・・・そんなわけ・・・。」<br>  ジュンはいきなりの宣言に、困惑する。<br> 蒼「僕が嘘つくと思うかい?」<br>  数秒の沈黙。<br> ジ「・・・一人にしてくれ、寝たい。」<br>  ジュンの静かな声。<br> 蒼「うん・・・。」<br>  蒼星石は返事をすると、部屋から静かに出て行った。<br> <br>

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