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第三話」(2006/05/26 (金) 09:27:39) の最新版変更点

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<p><br> 雛「…じゃあまた明日ね!JUM!」</p> <br> <p>雛「……はぁ」</p> <p>あの日からもう半年近く経とうとしている。<br> 季節は移り変わり、春。もうすぐ春休み。<br> 私はあれからまだ…一度もJUMの顔を見ていない。<br> 日に日に募るのは焦りばかり。<br> もしかしたら…ううん!そんなことない!絶対に大丈夫!</p> <p>そう思いなおして家路へと急ぐ。</p> <br> <p>不意に後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。誰?</p> <p>金「雛苺!待つのかしら!」</p> <p> 金糸雀だ。でも、どうしてこんなとこにいるんだろう?<br> <br> 雛「金糸雀…どうかしたの?」<br> 金「…ヒナに話があるのかしら」<br> 雛「話?何の話なの?」<br> 金「ヒナ…今日もJUMのとこに行ったのかしら?」<br> 雛「…うん。そうなの」<br> 金「まだ…あれからJUMに一度も会えてないんでしょ?」<br> 雛「……うん」<br> 金「もう半年も経つのにそんなんじゃ、いくら毎日JUMのとこに行ったって無駄かしら!」<br> 雛「……」<br> 金「そろそろ考えを変えた方がいいんじゃないかしら」<br> 雛「じゃあ…じゃあどうすればいいの!ヒナだって…ヒナだって…」</p> <p><br> 私だってそんなことぐらい分かってる。<br> このまま毎日JUMのとこに行ったって何の意味もないことくらい。<br> どうにかして変わらなきゃ前には進めないことくらい。<br> でも、どうすればいいの?<br> …涙が出てきた。どうすることも出来ない自分が情けなくて…</p> <p><br> 金「ちょ、ちょっと!ヒナ泣かないでかしら!別にヒナを責めに来たわけじゃないのよ!」<br> 雛「でもぉ…ヒッグ」<br> 金「カナが知恵を貸してあげるのかしら!だから泣いちゃダメかしら!」<br> 雛「エック…なにかいいアイデアでもあるの?」<br> <br> 金「ヒナ、あなたJUMのとこには毎日決まった時間に行ってるでしょ」<br> 雛「…うん。そうなの」<br> 金「やっぱりね。それだからJUMと会えないのかしら」<br> 雛「どういうこと?」<br> 金「JUMはヒナが来る時間が分かってるんだもの。その時間になったら部屋に入ってるに決まってるかしら」<br> 雛「……」<br> 金「だから、少し時間をずらしてJUMのとこに行って見たら、もしかしたらJUMに会えるかもしれないかしら!」<br> 雛「時間をずらすって言っても…学校があるのよ」<br> 金「明日は短縮授業かしら。いつもより学校終わるの30分は早いかしら!」<br> 雛「でも……大丈夫かな?急に行って、JUM怒ったりしないかな?」<br> 金「それは…わかんないかしら」<br> 雛「そ、そんな無責任なの!」<br> 金「ただ分かってるのは、このままじゃ何も変わらないって事だけかしら」<br> 雛「……」</p> <p><br> …金糸雀の言うとおりかもしれない。<br> このままじゃ何も変わらないもん。<br> ずっとこのままでいるくらいなら…</p> <p><br> 雛「…わかったの。金糸雀ありがとうなの!」<br> 金「うん。がんばるのよヒナ!」</p> <p><br> 金「…ふう」</p> <p> ちょっと雛苺には可哀想な事をしてしまったかもしれない。<br> 私がもっと早く決心してれば、雛苺がこんなに長い間辛い思いをしなくてすんだかも…</p> <p><br> …いや、そうじゃない。急いては事を仕損ずるかしら。<br> わざわざこれだけ待ったんだもの。きっとJUMだって少しは心を開いてくれてるはず…</p> <p><br> でも…ほんとによかったのだろうか。<br> まだJUMが心を閉ざし続けているなら…ヒナが傷つくことになるかもしれない。<br> そしたら、ヒナは今よりもっと辛い思いをするかも…</p> <p><br> 金「…考えてても仕方ないかしら!」</p> <p><br> そう、もう行動を起こしてしまったのだから悩んでも仕方ない。<br> そして、策士の名にかけて失敗するわけにはいかない。<br> 大丈夫。すべての場合は想定済み。<br> …最悪の場合に備えて次の策を行動に移さないと!</p> <br> <p>―――雛苺のために……そして、彼のために<br></p> <p>そして次の日…</p> <p>(キーンコーンカーンコーン…)</p> <p> ようやく学校が終わった!金糸雀が言ったとおりいつもより30分ほど早い。<br> もたもたしてられない……急ごう。</p> <p><br> 雛「はっは…」</p> <p><br> 不安と期待で胸を躍らせながら、息を切らしてJUMの家へ走る。<br> これならきっと金糸雀の言うとおり…<br> もうすぐJUMの家…あとちょっと…</p> <p><br> J 「ふう…この辺にしとくか」</p> <p>今日もいつもと同じサイトを巡回し終わった。<br> ふと、時計を見ると3時半。今日はなんだか早かったな。<br> まあ、毎日見てるし、そんなに頻繁に更新されてるわけじゃないもんな。</p> <p><br> J 「あいつが来るまであと30分はあるな…」</p> <p><br> 30分か…喉が渇いたし、何か飲み物でも取ってこよう。<br> そう思って僕は部屋を出た。<br></p> <p><br> 雛「はぁはぁ…」</p> <p>ようやくJUMの家に着いた。後はドアを開けるだけ…</p> <p>雛「…ゴクリ」</p> <p>(ガチャガチャ)</p> <p>雛「あ、あれ?」</p> <p> 鍵がかかってる。そうか。いつもより早いからまだのりが帰ってないんだ。</p> <p>雛「でも、大丈夫なの!」</p> <p> ちゃんと鍵の隠し場所くらい…あった!やっぱり植木鉢の下にあったの。</p> <p>雛「それじゃ改めて…」</p> <p>(カチャッ…)</p> <p> 階段を降りている途中、玄関の鍵が開く音が聞こえた。誰だ…?<br> おかしいな…まだ姉ちゃんが帰るには…</p> <p>不審に思って、すぐ玄関を見る。…僕は目を疑った。</p> <p>――そこにいたのは雛苺だった。</p> <p>なんで?どうして?<br> そんなはずは…だってまだ…</p> <p>雛「JUM!!!」<br> JUMだ!金糸雀の言ったとおり!<br> あんなに会いたかったJUMがそこにいる!</p> <p><br> J 「……っ!」<br> 考えてる場合じゃない。見られた!<br> 逃げなきゃ!早く部屋に!</p> <p><br> 雛「待ってJUM!ヒナは…」<br> どうして?どうして逃げるの?<br> 私はただ…</p> <p><br> (バタン!!!)</p> <p>J 「はぁはぁはぁ…」</p> <p>これでもう大丈夫。あいつは入って来れない。</p> <p>雛「お願いJUM!開けて!!」</p> <p>うるさい!頼むから黙っててくれ!</p> <p>雛「ヒナは…ただJUMとお話がしたいだけなの…」</p> <p>お前のことなんて聞いてない!</p> <p> 雛「…どうして…なの?ヒナは…ちっちゃい時みたいに…ただJUMと一緒にいたいだけなのに…」</p> <p>そうだ…元はと言えばお前が…お前のせいで僕は…</p> <p>雛「さびしいよぅ…JUM…」</p> <p>お前が僕につきまとったりしなければ…!!!</p> <p><br> 雛「ねぇ…JU…」</p> <p>J 「黙れ!」</p> <p>雛「!!!!!!JU…M?」</p> <p>J 「鬱陶しいんだよ!毎日毎日うちに来ては僕の部屋の前でべらべら喋りやがって…!」</p> <p>J 「もう僕に付きまとうのは止めろ!もう小学生の頃とは…子供の頃とは違うんだよ!!!」</p> <p>J 「お前がそんなだから…何も変わらないから…!!」</p> <p>J 「僕がこんなことになったのも…全部お前のせいだ!もう二度と来るな!」</p> <p>雛「……ッ!」</p> <p><br> (タッタッタッタ…)</p> <p><br> の「ただいま~!あら!ヒナちゃんいらっしゃい!今日は早いのねぇ」<br> 雛「……」<br> の「ちょ、ちょっと?どうしたの?…行っちゃった」</p> <p> の「…JUM君と何かあったのかしら?泣いてたみたいだけど…」<br> <br></p> <p>雛「……」</p> <p> ―――僕がこんなことになったのも…全部お前のせいだ!</p> <p><br> 私が…私のせいでJUMが…<br> 私が何もわかってなかったから?子どもだったから?<br> 私が…私が悪いの?</p> <p><br> 巴「どうしたの雛苺?」<br> 雛「!」</p> <p>巴だ。巴がいる。</p> <p>雛「巴…巴……うわーーん!!!」<br> 巴「雛苺!?一体何があったの?ねえ!ねえってば!」</p> <p>…私はそのまま巴の胸の中に泣き崩れた。</p> <br> <p>―――JUMの言葉が頭から離れない…</p> <p><br></p>

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