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「あなたを呼ぶ」後日談4」(2006/05/21 (日) 10:01:21) の最新版変更点

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<p>外で遊ぶという情報のない頭を絞って考えた結果、<br> ショッピングについては、彼女のほうが詳しいから駄目。<br> 遊園地にいこうと思う。<br> ちょうど、くんくん関連の催し物があるらしい。<br> 彼女の部屋に行ったとき、<br> くんくんのDVDが置いてあったし、ちょうど、いいだろう。<br> 昨今のくんくんブーム再燃に、僕は最大限の感謝の意を表する。<br> 財布と服装、その他諸々のチェックを済ませ、<br> 水銀燈を呼びに行く。<br> ジ「水銀燈?準備できたか?」<br> 銀「はぁい」<br> 彼女は、いつもの黒い服とは、正反対の白い服を着ていた。<br> 銀「どうかしらぁ?」<br> ジ「うん、白もかわいいよ。」<br> よかった。どうやら機嫌は大分直ってるようだ?<br> 銀「それで、どこに連れていってくれるの?」<br> ジ「行きたい所ある?」<br> 銀「そうねぇ、特にないかしら。<br>   当然、ジュンがエスコートしてくれるのよねぇ?」<br> ジ「う、お気に召せばいいんだがな。<br>   遊園地のRosengartenでどうだ。<br>   今、くんくんの催し物がやってるらしい。」<br> 銀「くんくんの催し物!?なにそれ!?始めて聞いた。」<br> テンションが高い水銀燈に驚きつつも、僕はチラシを手渡す。<br> しかし、日本語にすると、薔薇園って名の遊園地で、<br> くんくんショー(正式名称:名探偵くんくん、すべての謎をここに)はどうかと思う。<br> 相当経営きついんだなーとかどうでもいいことを考えていると、水銀燈がしゃべり始めた。<br> 銀「……まぁ、私は別にこんなのどうでもいいんだけどぉ、<br>   せっかく、ジュンが考えてくれたんだし、付き合ってあげるわぁ。」<br> 言い終わると、彼女は僕の手を引き、歩き出した。<br> ……というより、走り出したという速度に近い。<br> ジ「水銀燈、歩くの速すぎ。もうちょっとゆっくり……。」<br> 腕が引っ張られてイタイ。<br> 銀「ジュンが遅いのよぉ。ほら、早くいきましょ?」<br> 彼女の速度は変わらず、遊園地につくまで、僕は引っ張られっぱなしだった。</p> <p>くんくんショーの中身としては、、<br> 撮影に使用した人形や台本の展示、<br> で、目玉は会場限定のオリジナルストーリーの放送だそうだ。<br> 会場限定のくんくんグッズもきっちり販売している。<br> 彼女は、時間をかけその全てを堪能した。<br> 会場限定のくんくんグッズは、僕がおごった。<br> 銀「まぁ、ジュンが買ってくれたものだし、<br>   大切にするわぁ」<br> と、会場限定、薔薇をくわえたくんくんを抱きしめる。<br> オリジナルストーリーの放送後には、<br> 銀「うふふ、くんく~ん」<br> と、幸せそうにつぶやいていた。<br> ……ちょっと、くんくんが羨ましいかも。<br> その後、ロッカーに荷物を保管し<br> 僕と水銀燈は、遊園地を楽しんだ。<br> 最初は、「私は別に、こんな子どもっぽいもの」とか言っていたけど、<br> 途中から、「ほんとに楽しいわぁ」と言ってくれるようになった。<br> 本当に、心の底から楽しんでくれてるみたいでよかった。<br> やっぱり、僕は、笑っている水銀燈が好きだ。<br> 日も暮れかけ、そろそろ閉園時間だ。<br> 楽しい時間も今日は、これでおしまい。<br> 銀「ジュン、おみやげ見ていっていいかしら?」<br> 当然、二つ返事でOKした。<br> 店に入ると、Rosengartenだけあって、<br> 薔薇をあしらったお菓子や、<br> キーホルダーや、シールや、シャツなどが所狭しと並べられていた。<br> しばらく見てると水銀燈が声をかけてきた。<br> 銀「買い物終わったわよぉ。」<br> ジ「ん、じゃ帰ろうか?」<br> 銀「うん。」<br> 彼女は店からでると、<br> 薔薇のモチーフにしたネックレスとリングをとりだした。<br> 銀「ふふ、コレ買ったの。なかなか可愛いでしょ。」<br> そういいながら、ネックレスとリングを身に着ける……が、<br> リングのサイズが大きいようだ。<br> 銀「ちょっとリングが大きいわねぇ。<br>   ジュンならピッタリなんじゃない?<br>   ジュンにあげるわ。」<br> そういいながら、彼女は指輪を差し出してくる。<br> ジ「僕に、指輪か……似合うかな?」<br> とりあえず、受け取る。と、ここであることに思いつく。<br> ジ「サイズ変えてこようか?」<br> 銀「駄目……。」<br> ジ「なんで?」<br> 銀「なんでも。駄目なものは駄目なの。」<br> ジ「そんなこと言われてもなぁ……<br>   僕には必要ないし。<br>   ……ちょっと待ってて?」<br> そういって、僕は店に向かう。<br> 薔薇のリングを前にして、考える。<br> 水銀燈のリングのサイズってどのくらいだろう?<br> リングを手に取り、チェックしてみる。<br> ……ってか、試しに身に着けることができるのに、<br> なんで、水銀燈は、サイズ間違えたんだ。<br> ……そっか、最初から僕にくれるつもりだったんだ。<br> だから、交換は駄目ってわけか。<br> なら……………。<br>  <br> 僕が、水銀燈の元に戻ると、彼女は泣いていた。<br> 僕はあわてて駆け寄る。<br> ジ「水銀燈?どうしたんだよ?」<br> 銀「なんで、私のプレゼント受けとってくれないの?<br>   ジュンは、やっぱり真紅って子が好きなの?」<br> ジ「え?」<br> 意外な言葉に僕は止まった。<br> 銀「だって、電話で真紅と話してたとき、<br>   すっごい嬉しそうな顔してたよ。<br>   私といるときよりも、嬉しそうな……」<br> ジ「そっか……。僕、そんな顔してたか……。」<br> たしかに、真紅と話すのは嬉しい。<br> 彼女は、僕にとって大切な人だから。<br> 銀「私と紅茶飲むのだって、<br>   私が、彼女の代わりだからなんでしょ?<br>   私は、ジュンのことが好きなのに……<br>   ほんとに、ほんとに、大好きなのに…………。<br>   なんで?……なんで、私じゃないの……」<br> 確かに、僕にとって、真紅は大切な人だ。<br> でも、僕が好きなのは――。<br> ジ「水銀燈、手を出して。」<br> 銀「手?」<br> ジ「いいから」<br> 彼女は、泣きながらも手を出す。<br> 僕は彼女の手に薔薇の指輪を置く。<br> ジ「はい。水銀燈の分。」<br> 銀「……違うの、私が欲しいのは、こんなものじゃないの!<br>   私は、ジュンとペアでつけたいのよ!」<br> ジ「どうせペアなら、指輪のほうがいいだろ?」<br> 僕は、僕の左手の指輪を見せた。<br> ジ「たしかに、真紅は大切な人だけど……<br>   僕が、好きなのは水銀燈だけだから。」<br> 水銀燈が、笑ってくれるように。<br> 水銀燈が、そばにいてくれるように。<br> 水銀燈に、僕の気持ちが伝わるように精一杯の思いをこめて、言った。<br> 銀「ほんとに、ほんと?」<br> ジ「ああ、本当だ。」<br> 彼女は、さっきよりすごい勢いで泣きじゃくる<br> ジ「水銀燈?僕、へんなこといったか?」<br> 銀「違…うの。……私……嬉しくって……<br>   ……すっごい………………嬉しくって」<br> とりあえず、水銀燈をベンチまで連れて行った。<br> 目が真っ赤になってるし、<br> 冷たいものでも買ってやろうと思って立ち上がると、<br> 水銀燈が裾を引っ張ってきた。<br> 僕は、彼女のそばにいる。<br> しばらくして、水銀燈は落ち着いたようだ。<br> 彼女は、指輪を薬指にはめた。<br> 水銀燈は、僕の目をみて、はっきりした声で言った。<br> 銀「ねぇ、ジュン……愛してるわよ」<br> 少し頬を赤くした彼女。<br> ジ「僕も、愛してる。水銀燈」<br> 僕は、あなたを呼ぶ。</p>

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