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「「あなたを呼ぶ」一話」(2006/05/05 (金) 22:02:54) の最新版変更点
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<dd>僕が新しく住む、アパートに着いた。<br>
ジ「早く、慣れなきゃな………」<br>
新しい生活にも、真紅がいない寂しさにも。<br>
あまり、荷物がなかったけれど、引越しも終わった。<br>
あとは、引越しの挨拶周りかな。<br>
僕の部屋は、端のほうにあるので、お隣さんは、一部屋だけ。<br>
チャイムを鳴らす。<br>
?「はぁい」<br>
そういいながら、扉が開き女の人がでてきた。<br>
黒のシンプルな長袖シャツに、<br>
黒のアシンメトリーのスカートを着た背が高い人。<br>
長い白銀の髪がひときわ目を引く。<br>
スタイルもいいし、立っているだけで絵になる。<br>
?「………え~っと、ジーっとこっち見て、<br>
そんなにおかしいかしら?」<br>
不機嫌な顔でこっちを見てくる。<br>
ジ「え、いや、、その、あまりにかわいかったので。」<br>
かわいいよりむしろキレイだろ何言ってるんだ僕、<br>
って、問題はそこじゃないと、混乱しているけれど、意外なことに、<br>
?「……え、かわいい?………いきなり何を……」<br>
少し顔を赤くしてそう答えた。<br>
まんざらでもないみたい。<br>
言われなれてないカワイイっていうのがよかったのかな。<br>
………って、さっさと挨拶しろよ、僕。<br>
ジ「えと、隣に引っ越してきた、桜田ジュンと申します。<br>
これ、つまらないものですが……」<br>
<br>
<br>
?「どうも、ありがとぉ。<br>
私は、水銀燈っていうのぉ。<br>
どうぞ、よろしく。」<br>
さっきとは違って、猫撫で声だ。<br>
まぁ、嫌われてはないみたいかな。<br>
さすがに、僕も、初日からお隣さんと仲が悪くはなりたくない。<br>
ジ「よろしくお願いします。」<br>
銀「学生さんかなぁ?」<br>
ジ「あ、はい。服飾の勉強をしたくて、こっちに来ました」<br>
銀「服飾?ってことはお裁縫とかできるの?」<br>
ジ「はい。一応は」<br>
少し僕を見て、考えてようなそぶりを見せた彼女が口を開いた。<br>
銀「…じゃあ、ちょっと待ってねぇ?」<br>
彼女は部屋の中へ入っていった。<br>
銀「おまたせぇ」<br>
そういいながら出てきた彼女は、ぬいぐるみを抱いていた。<br>
僕が小学生くらいのときにTVで放送してた、くんくんの人形だ。<br>
真紅はいまだお気に入りでDVDとか見ていたな。<br>
それにしても、ずいぶん古い人形だな。いつのだろう?<br>
そう思って、製造年でも書いてそうなタグを探したけど、<br>
タグはすでに取れてしまっているようだった。<br>
銀「私は、別にこんなのどうだっていいんだけどねぇ」<br>
というわりには、人形はずいぶん大事にされていることが伺える。<br>
銀「ここの糸がほつれちゃってるのよぉ。<br>
当然、直せるわよねぇ……」<br>
ジ「はい。針と糸あります?」<br>
銀「はぁい。これ。」<br>
<br>
昔、真紅によくやらされたっけ…<br>
僕は、そんなことを思いながら、直していく。<br>
銀「あらぁ…あざやかなものねぇ……」<br>
真紅も、良く褒めてくれたっけ…<br>
って、僕はなにを考えているんだ。<br>
こっちに来て1日目で、懐かしがるな。<br>
ジ「……はい。できましたよ。水銀燈さん」<br>
銀「私は、こんなのホントにどうでもいいんだからねぇ。<br>
………でも、一応お礼は言っておくわ。ありがとう。」<br>
くんくんを抱きしめつつ、<br>
なんか、必死に否定する姿がかわいい。<br>
少しイジめてみようかな。<br>
ジ「そんなに大事そうに抱きしめながら<br>
いっても説得力に欠けますよ?<br>
まぁ、お隣さんがいい人そうでよかったです。」<br>
銀「……な……」<br>
彼女は、顔を真っ赤にして口ごもった。<br>
ジ「今後とも、よろしくお願いします。それでは。」<br>
<br>
<br>
階段に向かおうとすると後ろから声がかかった<br>
銀「ま、待ちなさい。<br>
………さん付けと敬語はやめなさい。」<br>
ジ「いや、でも、僕18ですし、年上を呼び捨てって……」<br>
銀「ひっどぉい。これでも私は18よ。」<br>
ジ「や、えと、その、あの」<br>
銀「ふふふっ、やぁねぇ、焦られなくてもいいわよぉ。<br>
謝ったら許してあげる。」<br>
彼女は、おかしそうに笑ってる。くそ、やりかえされた。<br>
ジ「ごめん、水銀燈」<br>
銀「ふふっ、いいわよぉ、許してあげる<br>
これからよろしくねぇ。ジュン。じゃぁねぇ」<br>
僕の名を呼んで、部屋の奥へ消えていった。<br>
あ、ちゃんと覚えてくれたんだ。<br>
悪そうな人じゃなくてよかった。<br>
……オモチャにされそうって意味では怖くはあるが。<br>
大家さん、僕の部屋のと上と下の人にも挨拶にいった。<br>
全員いい人そうで、近場のオススメの店とかを教えてもらった。<br>
これからの新生活、どうにかなりそう…かな。<br>
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