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「バレンタインはドッキリの日」(2006/02/27 (月) 21:49:41) の最新版変更点
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<p>バレンタインはドッキリの日</p>
<br>
<p>今日はバレンタイン<br>
「仕方ないからあげるわ」<br>
「ジュン~チョコあげるの」<br>
「義理だけど貰いやがれです」<br>
彼がチョコレートを貰う人は限られている<br>
「はい、チョコよぉお返し期待してるわぁ」<br>
「ありがとな」<br>
別に他意はない<br>
「ふふっベジータにもあげようかしらぁ」<br>
鞄を覗くが他の男子に配ったせいでベジータの分は無かった<br>
「まっいっかぁ」<br>
チロルチョコとはいえ<br>
私があげたチョコだ<br>
お返しが楽しみだ</p>
<p>帰ろうとした時<br>
「水銀燈ちょっと待つです」<br>
珍しく翠星石に呼び止められた<br>
「今からドッキリをするですが水銀燈もどうですか?」<br>
「いいわよぉ何をするのぉ?」<br>
こんな楽しそうなことを断る理由がない<br>
「チビ人間の下駄箱にラブレターを入れたです」<br>
「ラブレタァ?」<br>
「ヒッヒッヒッチビ人間は騙されて校舎で待っているところに」<br>
【ドッキリ大成功】<br>
「この看板の出番かしら」<br>
いつのまに<br>
「早く行くです」<br>
「分かったわぁ」</p>
<p>
私たちはひとまず玄関から出てジュンが手紙に気付くのを待った<br>
「このドキドキがたまらないです」<br>
「そうねぇ」<br>
その時一人の人影が見えた<br>
「来たかしら」<br>
予想通りジュンが来た<br>
「早く下駄箱を開くです」<br>
彼は下駄箱を開けたとたん周りを確認した<br>
「ヒッヒッヒッ」<br>
ゆっくりと下駄箱から偽のラブレターを見て顔を真っ赤にした<br>
「かかったかしら」<br>
「ふふっおばかさぁん」<br>
「お楽しみはこれからですよ水銀燈」<br>
手紙を読み終えた彼は校舎裏へと向かって行った<br>
「先回りするわよぉ」<br>
「水銀燈ものってきたですね」</p>
<p>急いで校舎裏の茂みへと向かった<br>
「来たです」<br>
彼はそわそわしながらそこで待っていた<br>
「そろそろ行くぅ?」<br>
「まだ早いです」<br>
騙されたとは知らない彼の挙動がおかしいかった<br>
「そろそろかしら」<br>
「そうですね」<br>
私たちは<br>
【ドッキリ大成功】<br>
の看板を再確認した<br>
「せ~のですよ」<br>
「分かってるわよぉ」<br>
最終確認を終え出ていこうとした時<br>
「あの……来てくれてありがとうございます」<br>
知らない女性が彼へ向かって話した<br>
「もしかしてぇ」<br>
「これは」<br>
「ドッキリ失敗かしら」<br>
本当にラブレターがあったらしい<br>
「失敗って問題じゃねぇです」<br>
「そうよぉ」<br>
「これはこれで成功ですヒッヒッヒッ」</p>
<p>なんかモヤモヤする<br>
「私……ずっと前から桜田君のことが好きでした」<br>
そういいながらチョコを差し出す<br>
「……ごめん…俺好きなやつがいるんだ…受け取れないよ」<br>
なんだろうこの気持ち<br>
「…そうなんだ…そうだよね桜田君はモテるから私みたいな…」<br>
彼女は泣きながら逃げ出した<br>
「つまらないかしら」<br>
「そうですね今日はこれで解散です」<br>
「そうねぇ」<br>
好きな人って誰だろう<br>
それだけが気になる<br>
気にすれば気にするほど胸が苦しくなる<br>
何故か彼がいつもより遠くに感じる</p>
<p>モヤモヤが晴れない<br>
それどころか<br>
彼が他の女性と話している姿を見ると<br>
胸が痛い<br>
昨日のあの光景が頭から離れない<br>
「好きなやつがいるんだ」<br>
誰だろう<br>
私の知らない人でも彼を好きな人がいた<br>
私以外にも……<br>
私……以外?<br>
あれ?なんだろう<br>
以外?<br>
私は……好き?<br>
彼のことが?<br>
多分答えはもう出ていると思う</p>
<p>「ジュゥン」<br>
とっさに出た<br>
「なんだ?」<br>
「ホワイトデーは何をくれるのかなぁってぇ」<br>
多分本当に言いたいのはそんなことではない<br>
「まだ一ヶ月もしかだろ、気が早いな」<br>
「何よぉ」<br>
やっぱりそうだ<br>
「チロルチョコのお返しに期待するなよ」<br>
「あらぁチョコはチョコでしょぉ」<br>
彼と話をするとモヤモヤが晴れる<br>
「分かったわよぉ」<br>
この気持ちに気付いた<br>
だから遅くなったけど本命のチョコレートを……</p>
<p>
「……ごめん…俺好きなやつがいるんだ…受け取れないよ」</p>
<p>受け取ってくれなかったら?<br>
「どうした?」<br>
「ううん、何でもないわよぉ」</p>
<p>眠れない日が続く<br>
「これは恋……なのかなぁ」<br>
どうして急に?<br>
今まで何も感じていなかったのに</p>
<p>「私……ずっと前から桜田君のことが好きでした」</p>
<p>私にもそんな勇気があったら<br>
彼女は確に告白をした<br>
でも、私は彼女よりも彼と親しい<br>
親しい……<br>
そう思ってるのは私だけかな?<br>
言おう、今日こそこの気持ちを伝える</p>
<p>気が付いたら彼の下駄箱に手紙を入れていた<br>
校舎裏で待ってます</p>
<p>来てくれてよね?<br>
でも、恥ずかしい今ならまだ間に合う<br>
「どうした水銀燈?」<br>
「ジュッジュン何でもないわよぉ今から帰るところなのぉ」<br>
「そうなんだ」<br>
「そうなのぉじゃあねぇ」<br>
急いで玄関を後にした<br>
もう、後戻りは出来ない</p>
<p>校舎裏、そこは前に彼が他の女性に告白されたところ</p>
<p>
「……ごめん…俺好きなやつがいるんだ…受け取れないよ」</p>
<p>嫌な場面を思い出す<br>
何でここにしたのだろうか<br>
そろそろ彼が来る<br>
怖くなって茂みに隠れた<br>
「どうしたです?水銀燈」<br>
「えっ?翠星石と金糸雀あなた達こそぉ」<br>
「この前失敗に終わった作戦をもう一度、作戦かしら」<br>
前と一緒だ<br>
「そうなんだぁ」<br>
今度は私が彼女の役……<br>
「ヒッヒッヒッ来たですよ」<br>
「今度こそこれの出番かしら」<br>
それだけは嫌<br>
「二人ともぉごめんねぇ」<br>
私は彼の元へと駆け出した</p>
<p>「水銀燈どうしたんだ?」<br>
恥ずかしい<br>
「手紙…読んでくれたぁ?」<br>
翠星石も<br>
「……ああ」<br>
金糸雀も見ている<br>
「私……」</p>
<p>「私……ずっと前から桜田君のことが好きでした」</p>
<p>出かかった言葉を止めた<br>
私は彼女とは違う<br>
「…ずっと好きぃ」<br>
そして結果も彼女とは……<br>
「あなたを見ていると胸が苦しくて」<br>
言葉が出ない<br>
「だから……」<br>
けど、彼女の二の舞いだけにはなりたくない<br>
いくら探してもこれしか出ない<br>
昨日は一杯考えたのに<br>
全てが消しとんでしまった<br>
「…付き合って下さい」</p>
<p>「……ああ」<br>
今なんて?<br>
「えっ?」<br>
「…いいよって」<br>
本当に?<br>
「いいのぉ?こんな私でもぉ」<br>
私と……<br>
「お前だからだよ」<br>
嬉しい<br>
「これはホワイトデーが楽しみねぇ」<br>
付き合えただけで充分<br>
「それでもチロルチョコだろ」<br>
渡せる<br>
「はぁい」<br>
「これは…チョコ?」<br>
やっと……<br>
「今度は本命よぉ」<br>
「ありがとう」<br>
2月14日はバレンタイン<br>
「それとこれも…」<br>
ゆっくりと唇を重ねた<br>
「ホワイトデー期待してるわよぉ」<br>
遅くなったバレンタインチョコ<br>
でも、今日は私たちだけのバレンタイン<br>
二人だけの特別な日</p>
<p><br>
~fin</p>