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<p>第三話<br>
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+++桜田ジュン(6/19AM8:35薔薇学園3-B教室)+++<br>
梅「えー、ホームルームは以上だ。あと水銀燈は今日も休みだから心配な奴は見舞いに行ってやれ」<br>
あの日から水銀燈はずっと学校を休んでいた。僕にフられたことがそれほどショックだったらしい。<br>
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薔「ねえねえジュン」<br>
梅岡が教室から出た後薔薇水晶が話しかけてきた。彼女は僕の隣の席なのでよく話しかけてくる。<br>
薔「銀ちゃんどうしたのかな?今日でもう3日目だよ」<br>
J「さあ…僕も知らないな」<br>
僕が水銀燈に告白されたことも、僕が水銀燈をフったことも学園内では僕しか知らない。<br>
休みの理由について聞かれてもいつも曖昧に答えていた。別に他人に話すことじゃないし、<br>
話して事を大きくする必要もないと判断したからだ。<br>
薔「ジュン」<br>
J「ん?」<br>
薔「昼休みに校舎裏に来て……少し話したいことがあるから」<br>
薔薇水晶は真面目な顔で言った。僕はたいした用事もなかったのですぐに頷いた。<br>
それに薔薇水晶が話したいことも予想がつく。<br>
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いそいで昼食を食べ終えた僕は校舎裏へと急いだ。校舎裏は学園内で一番人が少ない。<br>
そのため僕たちは人に聞かれたくない話をするときによく校舎裏を利用していた。<br>
薔「やっと来た」<br>
薔薇水晶は僕より先に校舎裏に来ていた。<br>
J「で、なんだよ話って」<br>
薔「うん……銀ちゃんのことで聞きたいことがあるの」<br>
予想は的中した。水銀燈と薔薇水晶は中学時代からの親友でとても仲が良く、まるで本当の姉妹のようだった。<br>
そんな彼女が水銀燈のことを心配するのは当然のことだろう。<br>
J「またかよ…だから僕は何も知らないって言ってるじゃないか」<br>
薔薇水晶は黙って僕の目を真っ直ぐに見据えた。その眼差しに僕はそれ以上ウソをつくことができず、<br>
薔薇水晶に本当のことを話した。<br>
J「わ、わかった言うよ。実は…水銀燈に告白されたんだ」<br>
その返事に薔薇水晶は驚いた様子もなく、僕に聞き返してきた。<br>
薔「それで、なんて答えたの?」<br>
J「断ったよ。僕は君の恋人にはなれないって」<br>
薔「そう……」<br>
そう言うと薔薇水晶は黙り込んでしまった。<br>
薔「ねえジュン」<br>
J「うん?」<br>
薔薇水晶が不意に口を開いた。<br>
薔「銀ちゃんには言ったの?」<br>
J「なにを?」<br>
薔「私と付き合ってること」<br>
そう、僕は薔薇水晶と付き合っていた。僕が薔薇水晶に初めて出会ったのは中学二年のときだった。<br>
その頃薔薇水晶は一部の連中からイジメを受けていてそれを僕が助けたのがきっかけだ。<br>
しばらくして、薔薇水晶は僕を通して水銀燈とも知り合った。初めは警戒していた薔薇水晶だったが、<br>
すぐに打ち解けて仲良くなった。そんな彼女と親しくしているうちに水銀燈とはまた違った魅力をもつ彼女に<br>
僕はだんだんと惹かれていった。そして、僕は薔薇水晶に告白した。それは今から十日前のことだ。<br>
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~回想中~<br>
J『薔薇水晶、僕と付き合ってくれ!』<br>
薔『……ごめんねジュン、それは出来ないの』<br>
J『ど、どうしてさ!!』<br>
薔『だって銀ちゃん裏切れないもん』<br>
J『え……』<br>
薔『銀ちゃんはね、ジュンのことが好きなんだよ。大好きなんだよ。ジュンは気付いてないみたいだけど……<br>
だからジュンは本当に大切な人のところへ行ってあげて。私は……』<br>
J『……知ってたよ』<br>
薔『えっ?』<br>
J『もうとっくに気付いてたんだよ、あいつの気持ちに.でもあいつは僕にとっては幼馴染で、<br>
それ以上じゃないんだ。僕が好きな女の子は薔薇水晶、君だけなんだ』<br>
薔『でも……でも……』<br>
J『僕は薔薇水晶が好きなんだ。薔薇水晶は僕が嫌いなのか?』<br>
薔『わ、私も…ジュンが好き、ジュンが大好き!』<br>
J『だったら…ずっと僕の側にいてください』<br>
薔『……はい』<br>
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薔「……言ってないんだね」<br>
僕は無言で頷いた。<br>
薔「ふう…ジュン、付き合うときも他人には話さないでって言ってたもんね」<br>
僕は薔薇水晶に告白したときにひとつの頼みごとをした。それは<br>
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『僕たちが付き合ってることを他人には絶対に言わないこと』<br>
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そのとき僕は「他人に知られて騒がれるのが嫌だから』と説明したがその本当の理由は……<br>
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薔「銀ちゃんとの関係が崩れるのがそんなに嫌なんだ」<br>
J「!!そ、そんなことは」<br>
薔「そうなんでしょ」<br>
J「………」<br>
その通りだ。僕は水銀燈との関係も崩したくはなかった。<br>
J「でも水銀燈も言ったんだ。明日からも幼馴染として仲良くしようって、だから僕は…」<br>
薔「バカだね、本当にバカだ」<br>
J「な……!」<br>
薔「銀ちゃんの恋人にはなれない。でも離れたくない。今までと同じ関係を保ちたい。でも私とも恋人でいたい。<br>
……そんなことが本当にこれから先も許されると思ってるの?だとしたら最低だね」<br>
ヤバイ。薔薇水晶は本気で怒ってる。<br>
J「でも言ってしまったらお前だって水銀燈と一緒に居られなくなるかもしれないんだぞ!<br>
本当にそれでいいのか!」<br>
薔「かまわないよ。ジュンと付き合うって決めたときから、もう覚悟は出来てたから……」<br>
なんてことだ、薔薇水晶は水銀燈との絶縁も覚悟の上だったんだ。それに比べて僕は……<br>
薔「ジュン、ジュンがもし本当に私と恋人で居たいのなら」<br>
薔薇水晶が僕に近より耳元でこう囁いた<br>
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薔「銀ちゃんとさよならして」<br>
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