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「コノ子ノ名前ヲ呼ブ時ニ」(2006/02/27 (月) 21:35:00) の最新版変更点
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<p>コノ子ノ名前ヲ呼ブ時ニ</p>
<p>銀「どうしたのぉ?こんなところによびだしてぇ」<br>
ジ「・・・」<br>
場所は屋上。僕と水銀燈以外だれもいない<br>
ジ「水銀燈、僕と付き合ってくれないか」<br>
いつからだったろう。水銀燈のことが好きになったのは<br>
最初は人を馬鹿にしているような嫌な奴と思っていたけど<br>
薔薇水晶と知り合って、彼女が素直に本音が言えなくて<br>
わざと反対のことを言ってるのを知った<br>
そして、彼女と話すことが当たり前になって<br>
一緒に悪ふざけしたり<br>
食事したり<br>
喧嘩したり<br>
いつの間にか彼女は僕にとって大きな存在になっていた</p>
<p>銀「だめよぅ」<br>
ジ「どうして」<br>
銀「生まれつき持病でね長く生きられないのよぅ」<br>
ジ「そんなことは知ってるよ」<br>
言ったとき、彼女は凄く驚いた顔をしていた<br>
このことは以前、薔薇水晶に聞かされた<br>
彼女は生まれつき持病で今生きていること自体奇跡らしい<br>
僕はそれを聞いた時凄くショックを受けた<br>
けど、すぐに受け入れた<br>
ジ「あのさ水銀燈、僕は持病だとかで抜きで水銀燈のことが<br>
好きなんだ。絶対後悔なんかしない。だから、もう一度<br>
言うけど、僕と付き合ってほしい」<br>
僕ができる精一杯の告白<br>
銀「そこまでいうのならいいわよぅ<br>
私に言ったこと絶対後悔させてあげるからぁ」<br>
瞳に涙を溜めながら彼女は僕の返事に答えてくれた</p>
<p>雪の降る季節<br>
雪空の下、返事を受けた僕は涙を溜めた彼女にキスをした</p>
<p>そして、次の日彼女は学校に来なかった</p>
<p>朝のHR<br>
梅「あー、大変残念なことだが水銀燈は入院することになった」<br>
梅岡がそのことを言った瞬間教室は騒然となった<br>
「えっ、あの水銀燈が」<br>
「うそだろ・・・」<br>
「交通事故か?」<br>
ジ「・・・・・」<br>
薔「・・姉さまが・」<br>
薔薇水晶は相当ショックを受けているみたいだった<br>
梅「・・・化委員は放課後、委員会があるので残るように<br>
朝の連絡は以上だ」<br>
梅岡が他の連絡を話しているが全くそんなことは聞こえなかった</p>
<p>朝のHR終了後僕は昇降口ヘ向かった<br>
するとそこには薔薇水晶が<br>
ジ「考えることは一緒だな」<br>
薔「ええ・・・」<br>
ジ「ところで薔薇水晶、水銀燈が入院している病院ってどこだ?」<br>
今気づいた、病院名知らなかったらいけないじゃないか<br>
薔「多分、薔薇総合病院だと思う。姉さまここに入院していたから<br>
でも、知らずに行こうとするなんて雛苺の言動並み」<br>
いつもより少し皮肉った言い方をする薔薇水晶<br>
そうでもしないと耐え切れないだろう<br>
ジ「悪かったな・・・」<br>
そういい、昇降口を出る<br>
今日は雪のない曇り空<br>
いつも見慣れている空だけど、僕たちの心を表しているようで<br>
とても嫌な気持ちだった</p>
<p>薔薇総合病院<br>
看「水銀燈さん、お客様ですよ」<br>
銀「だれぇ」<br>
親戚だろうと思い白いカーテンを開ける<br>
しかし、それは予想外の人物で<br>
銀「うそ・・・」<br>
ジ「容態はどう?」<br>
薔「・・・姉さまっ!!」<br>
銀(なんで、ジュンが!?)<br>
思わず、顔を背ける<br>
薔薇水晶が来るのは予想していたことだった<br>
でもジュンは予想できていなかった<br>
むしろ、絶対こないと思っていたのだ<br>
銀(本当に後悔させちゃった・・・)<br>
昨日、言ったことが心の中でリフレインする<br>
ごめんなさいといいたい<br>
でも</p>
<p>銀「ジュン、本当に後悔したでしょぉ」<br>
口で言うのは正反対の言葉<br>
銀(本当私って馬鹿・・・)<br>
しかし、水銀燈の予想はまた外れた<br>
ジ「昨日言ったろ、絶対後悔はしないって」<br>
水銀燈の顔が赤くなる<br>
薔「ジュン、昨日姉さまと何かあったの?」<br>
ジュンは照れくさそうに頭をかきながら<br>
ジ「水銀燈に告白したんだ」<br>
銀「そんなことここで言わなくてもいいじゃないのぉ」<br>
そう軽く言っているが心では<br>
銀(昨日のキス思い出すじゃない)<br>
とものすごく純情な水銀燈なのであっ</p>
<p>最後のたが抜けた・・・</p>
<p>その日から僕たちは毎日水銀燈に会いに行った<br>
そして、会いに行けば会いに行くほど日に日に痩せて行く<br>
彼女を見るのがとても辛かった<br>
でも、彼女の前では辛い顔ができなかった<br>
いつもと同じ空気でどうでもいいことを話し<br>
笑って<br>
怒って<br>
呆れて<br>
そんな彼女を見るだけで辛いのが無くなってゆく</p>
<p>ある日の夜<br>
♪~♪♪~<br>
ジ「もしもし、桜田ですが」<br>
薔「姉さまがっ!!姉さまがっっ!!」<br>
ジ「水銀燈がどうしたんだ!!」<br>
薔「き、危篤状態だって・・さっき電話が・・」<br>
ジ「わかたすぐいく」<br>
受話器を乱暴に戻し、ジャンパーを羽織る<br>
の「ジュン君どうしたの?」<br>
ジ「ちょっと出かけてくる」<br>
の「え、ちょっとジュン君?」<br>
僕は全速力で自転車をこいだ</p>
<p>病院につくと一目散に水銀燈の病室へ向かった<br>
いたのは医者と薔薇水晶そして<br>
ジ「水銀燈!!」<br>
銀「あ、ジュン・・」<br>
ベッドで寝ている彼女は弱弱しく答えた<br>
以前のような軽い口調はもう彼女からは出ていなかった<br>
銀「ごめんね、私もうダメみたい」<br>
泣きながら彼女はいった<br>
ジ「そんなことはない」<br>
銀「私の体のことだから私自身がよく知っているの<br>
でもごめんね最後まで後悔させて・・」<br>
ジ「後悔はしてないっていっただろ・・」<br>
僕も泣きながら答える<br>
銀「私ね生まれてずっと自分の体が嫌だった<br>
欠陥品のダメな体。でもねジュンのおかげで楽になったの<br>
親も何でこんなジャンクを生んだんだとかいって私を認め<br>
てくれなかった。認めてくれてのは薔薇水晶とジュンだけ」<br>
薔「姉さま・・」<br>
ジ「・・・」<br>
銀「本当に嬉しかった、けれど恥ずかしくて、いつも反対の事<br>
しかいえなくて・・でも、そんな私を受け止めてくれるジ<br>
ュンが好きだった」<br>
ジ「・・・・」<br>
どういったらいいのか言葉が浮かばない</p>
<p>銀「薔薇水晶・・」<br>
薔「何・・姉さ・・・ま・・」<br>
薔薇水晶は泣きじゃくっている<br>
いつもの無表情からは考えられない顔だった<br>
銀「もっと、自己主張しなさい。そして、もっと強くなりなさい」<br>
薔「わかった。わかったからっ姉さまっ」<br>
銀「もう泣かないで・・薔薇水晶<br>
ジュン、私の最後の願い聞いてくれる?」<br>
ジ「ああ・・」<br>
銀「1つ目は薔薇水晶を支えてあげて。」<br>
ジ「約束するよ」<br>
銀「2つ目はキスしてほしい」<br>
無言でキスをした<br>
一秒でも長く、そしてその感触を忘れないように<br>
銀「・・・最後だけど別れましょう」<br>
ジ「なんでだよ」<br>
銀「恋人残したまま死ぬのは嫌だから<br>
ロマンティックだけれど、未練が残って嫌なの」<br>
泣き笑いながら答える</p>
<p>ジ「本当に?」<br>
銀「本当よぉ」<br>
苦しいのに辛いのに涙が出てこない<br>
それは告白した時から覚悟を決めていたからだろうか<br>
ジ「・・・わかった・・別れよう<br>
水銀燈、楽しかったよ君と付き合った日々は」<br>
銀「私はつまんかかったわよぅ」<br>
嘘、本当は凄く楽しかった<br>
ジ「そうか・・悪かったなつまんなくて」<br>
銀「次の子にはつまらなくしちゃだめよぅ」<br>
楽しくてジュンが来るのを楽しみにしていた<br>
銀「ジュン・・・」<br>
ジ「なんだよ」<br>
銀「世界で一番だぁいきらい」<br>
満面の笑みで天邪鬼な彼女が言った最後の言葉だった</p>
<p>10年後<br>
看「おめでとうございます、元気な女の子ですよ」<br>
看護婦が僕に赤ちゃんを見せた<br>
ジ「よかった」<br>
薔「そうね」<br>
僕と薔薇水晶は結婚して、今日薔薇水晶は赤ちゃんを出産した<br>
ジ「この娘の名前決めたのか」<br>
薔「ええ、たぶんあなたと一緒」<br>
ジ「じゃあ、一緒にこの娘の名前を呼ぼうか」<br>
薔「いいわよ」<br>
一呼吸おいて呼ぶ</p>
<p>「「水銀燈」」</p>