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「11月のはじめ」(2009/12/17 (木) 23:15:17) の最新版変更点
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<div>『保守かしら』<br />
2007年11月3日 晴れ</div>
<p> </p>
<div> なんだか今日は色々あった日だったわ。<br />
授業とかはふつー。でも放課後ばらしーちゃんが急いで来て、音楽の先生がまたカナに会いに来るってわかったかしら。<br />
ばらしーちゃんにお礼を言って、それからカナは逃げたかしら。<br />
先生に捕まるといっつもお稽古をさせられちゃうから嫌なのに、お見舞いに行く時間も なくなっちゃうから絶対捕まりたくないの。<br />
でも玄関まできたら先生の足音が聞こえ始めて、カナは本当に困ったかしら。<br />
玄関から門まではけっこう放れてるのに見晴らしがいいから、カナが門を越えるまでに見つかって、音楽室に連れて行かれちゃう。<br />
でも校舎にも戻れないしカナは走って外に出ようとしたら、ぐうぜん玄関を出た所に蒼星石に会ったから、作戦変更。<br />
蒼星石の持ってたバッグの中に隠れさせてもらって、先生をけむに巻いたかしら。<br />
蒼星石は先生の信用されてるから、ばっちり。<br />
先生が言っちゃった後は、しばらく蒼星石と話したわ。蒼星石と話したのは真紅の事。<br />
やっぱり蒼星石も真紅の事は心配してたみたい。<br />
蒼星石は真紅を傷つけないように距離を置いてるみたい。前から思っていたけれど、蒼星石は<br />
たぶん私たちの中で一番優しい性格をしてるかしら。<br />
真紅の事を話してた時もすっごく真剣な顔してたし。<br />
きっとあんまり自分が何を考えてるか言いたがらないのも、他のみんなにエンリョしてるからなのかしら?</div>
<p> </p>
<div> それで蒼星石がチェスの技(殺し技って言うんだって)を教えてくれて、カナは意気揚々と真紅の所に行ったかしら。<br />
蒼星石のおかげで真紅にはじめてチェスで勝つ事ができたんだけれど、そしたら真紅が泣き出してしまったの。<br />
真紅はすっごく負けず嫌いだけれど、たぶんそれだけじゃないかしら。<br />
この入院中でも真紅は一回も弱音を吐かずに気合いでがんばってたから、どっと、疲れが出たんだと思う。<br />
でもそれがきっかけになって、真紅といろんな話ができたわ。今までずっと勝負とかしてないと
話ができなかったから、普通に話せる事がとっても嬉しかったかしら。</div>
<p> </p>
<div> 小さなことから大切なことまで色んなことを話せたしね。ピチカート、何を話したか気になる?<br />
もちろんそれはヒミツ。教えてあげないかしら♪</div>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<div>2007年11月5日 いわし雲いっぱい</div>
<p> </p>
<div> 今日も真紅のお見舞いに病院に行って来たかしら。<br />
真紅の声がしてたかしら。壁越しに耳に入っただけだから、おぼろげだけど多分こんなこと を言ってたかしら。<br />
「私が欠けた不完全な存在だとしても、それを埋めようとしてくれる人がいる…私というものは一つきりだと思っていたけれど、私が私でいるための要素、それを持っているのは私だけではなかったのだわ」<br />
それから、ちょっとだけ間があいたわ。<br />
「私はきっと幸せね」<br />
真紅の声が本当に幸せそうだったから、カナはノックしてお話の邪魔をするのもどうかなーと思って、<br />
しばらくドアの前で待ってみたの。でもそれ以上声が聞こえてこなかったから、そっとノックしてみたのね。<br />
それでも返事がないし、ちょびっとドアを開けて中をのぞいてみたかしら。<br />
そしたら、部屋には真紅とジュンがいたかしら。<br />
二人はとなりあってベッドの背もたれにもたれかかってて、足はかけ布団のなかに収まってた。<br />
ジュンの右手と真紅の左手は握り合ってて、二人は頭をお互いの方に傾けながら目を閉じていたわ。<br />
カナが真紅の声を聞いた時には、ジュンはもう寝てたのかしら?<br />
なんだか部屋中に安らぎと幸せがいっぱいにつまっている気がして、カナは邪魔しないようにドアを閉めて、<br />
買って来たお菓子をドアノブにかけたわ。</div>
<p> </p>
<div> 今でもあの時の二人がすぐに思い出せるかしら…ねぇピチカート、愛って目に見える物なのね。</div>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<div>『保守かしら』<br />
2007年11月7日 晴れ</div>
<p> </p>
<div>今日もお見舞いに行ったら、真紅の部屋がもぬけの殻になってたかしら!<br />
隣のメグさんに質問に行ったら、もう退院しちゃったんだって。そういえば、退院する日を確かめてなかったわ。<br />
せっかくだから、メグさんとおしゃべりしてから帰ったかしら。<br />
メグさんも真紅が退院できてとっても嬉しそう。メグさんがおとなりさんだったことは真紅にとって幸運な事<br />
だった気がするかしら。</div>
<p> </p>
<div>真紅が退院したこと、おねえちゃんにも伝えたいけど、おねえちゃんはアトリエにこもってるみたい。<br />
しかたないからカナもヴァイオリンを弾くかしら。<br />
真紅に電話してもいいけど…まぁ今日の所は家族水入らずだろうし、見逃してあげるかしらっ!</div>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<div>2007年11月10日 くもり</div>
<p> </p>
<div>今日は恐ろしい目にあったかしら…。<br />
部室でばらしーちゃんとシフォンケーキを食べてたら真紅が来たの。<br />
真紅はこれからの事を担任の二階堂先生に相談しに来たんだって。<br />
まだしばらく学校は休むけれど、それからはいつもどうりに通えるんだって。雛苺よりも学校に来るのは早いみたい。<br />
「よかったかしら」ってカナは言ったんだけれど、真紅は残念そうだったわ。<br />
「そうでもないわ、新しい飛び級の依頼が通らなかったのよ」だって。<br />
「ジュンと貴女のいる学年に通えるようにしてもらおうと思ったんだけれど、飛び級で上がるのは良くても、下がるのは<br />
いけないんですって。3学年下がって元の学年に戻るのは良くて、行きたい学年に下がれないのはおかしくない?」<br />
真紅はかなりそのことで腹を立ててるみたいだったわ。この事だけで先生と一時間も話してたんだって。<br />
「まったく、二階堂があんなに分からず屋だとは思わなかったわ」<br />
「工作クラブ時代にお世話になったけど、スーツはしわくちゃだけどいい先生だと思うかしら」<br />
「ま…そのことはもういいのよ。新しい解決方法を思いついたから」<br />
真紅はとってもにこやか。<br />
「私が下がれないなら貴女たちが私の学年まで上がってくればいいのよ」<br />
「飛び級ってすごく勉強ができないといけないんじゃなかったかしら?」<br />
「ええ、そうよ」<br />
「カナはそこまでテストの点数良くないかしら」<br />
「だいじょうぶよ。ちゃんと私が教えてあげるわ」<br />
それから真紅は鞄からたくさんの参考書を取り出し始めたから、カナも真紅の本気を感じて困ったかしら。<br />
「でもカナあんまり勉強はしたくないかしら?」<br />
「そうは言うけれどカナリアさん、貴女随分私に負けが溜まっているのだわ?借りはきっちり耳そろえて返してもらいませんと」<br />
って…。ぶっちゃけ借金取りな言葉遣いだったかしら。ドSかしら。<br />
カナは慌てたわ。<br />
「ええっと、そういえばジュンは?」<br />
カナはジュンと一緒なら、真紅をなんとか説得できないかなーって思ったのよ。<br />
「ああ、なんでも通販で買った背伸び薬があたって、お腹が痛いから早く帰るそうよ。今日はもうベッドから立ち上がれそうもない、<br />
って言っていたのだわ」<br />
「どう考えても逃げてるかしらー!?」<br />
「話を逸らそうとしてもムダよ」</div>
<p> </p>
<div>ここからが地獄だったかしら…家に帰るまでずっと勉強させられてたわ。<br />
国語とか歴史なんてテスト前に勉強するだけでいいかしら…。</div>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<div>『保守かしら』<br />
2007年11月13日 あめ</div>
<p> </p>
<div> 真紅の家でくんくん探偵のDVD見て来たかしら!<br />
真紅の家には雛苺も来てたわ。くんくん探偵が観てみたかったんだって。<br />
カナはくんくんを観た事がなかったけれど、今まで観なかった事を後悔するくらいおもしろかったわ。<br />
めくるめく推理とショッキングな事件の連発でくらくらで、雛苺と一緒にキャーキャー叫びっぱなし。<br />
雛苺は何度か見た事があるらしいけれど、すごく楽しんでたわ。ああやって、はじめて観た時みたいなリアクション<br />
をするのが何度も楽しむ秘決なのかしら?<br />
そういえば真紅はくんくん探偵のベストショット集を作ってインターネットで投稿してるんだって。いぃなー、<br />
インターネット。カナもPCとかケータイとかIT端末が欲しいな。<br />
それから、またくんくん探偵をみんなで見る約束をして、帰って来たかしら。</div>
<p> </p>
<div> …まぁこの調子で真紅に勉強の話を忘れて欲しいっていうのは、ジュンとカナ二人のヒミツね。</div>
<p> </p>
<hr /><p> </p>
<div>『保守かしら』<br />
2007年11月14日 晴れ</div>
<p> </p>
<div> 真紅の義手をよく見せてもらったんだけれど、今はレンタルしてるだけの仮の物なんだって。<br />
筋電義手っていって、体表面の電位を利用して意思通りに動かせる義手を作ってもらってる所なんだけれど、<br />
できあがるまでに2・3ヶ月はかかるらしいの。もっと早くできればいいのにね。<br />
レンタルの義手の指はかなり簡単な作りで、真紅には気に入らなかったみたい。でもそれを知ってたジュンが<br />
刺繍入りの手袋を真紅にプレゼントしたんだって。<br />
それで真紅ってば<br />
「下僕にしてはいい出来でしょう?」<br />
なんて言ってたけれど、手袋の刺繍を眺めてすごく嬉しそうにしてるのよ。<br />
本当に素直じゃないかしら。</div>
<hr /><p> </p>
<div>『保守かしら』<br />
2007年11月15日</div>
<p> </p>
<div> 明日の実験の事を思うとなかなか寝付かれないかしら。<br />
だからこんな時間にピチカートに話しかけたりね。ようするにラジオの発信・受信なんだけれど、<br />
ラジオを受信しつつ、リモコンを使って部室にあるミニ発信局の周波数を変えてみたりするの。<br />
ちなみにDJはばらしーちゃん。<br />
うふふ、成功するかしら?</div>
<div>『保守かしら』<br />
2007年11月3日 晴れ</div>
<p> </p>
<div> なんだか今日は色々あった日だったわ。<br />
授業とかはふつー。でも放課後ばらしーちゃんが急いで来て、音楽の先生がまたカナに会いに来るってわかったかしら。<br />
ばらしーちゃんにお礼を言って、それからカナは逃げたかしら。<br />
先生に捕まるといっつもお稽古をさせられちゃうから嫌なのに、お見舞いに行く時間も なくなっちゃうから絶対捕まりたくないの。<br />
でも玄関まできたら先生の足音が聞こえ始めて、カナは本当に困ったかしら。<br />
玄関から門まではけっこう放れてるのに見晴らしがいいから、カナが門を越えるまでに見つかって、音楽室に連れて行かれちゃう。<br />
でも校舎にも戻れないしカナは走って外に出ようとしたら、ぐうぜん玄関を出た所に蒼星石に会ったから、作戦変更。<br />
蒼星石の持ってたバッグの中に隠れさせてもらって、先生をけむに巻いたかしら。<br />
蒼星石は先生の信用されてるから、ばっちり。<br />
先生が言っちゃった後は、しばらく蒼星石と話したわ。蒼星石と話したのは真紅の事。<br />
やっぱり蒼星石も真紅の事は心配してたみたい。<br />
蒼星石は真紅を傷つけないように距離を置いてるみたい。前から思っていたけれど、蒼星石は<br />
たぶん私たちの中で一番優しい性格をしてるかしら。<br />
真紅の事を話してた時もすっごく真剣な顔してたし。<br />
きっとあんまり自分が何を考えてるか言いたがらないのも、他のみんなにエンリョしてるからなのかしら?</div>
<p> </p>
<div> それで蒼星石がチェスの技(殺し技って言うんだって)を教えてくれて、カナは意気揚々と真紅の所に行ったかしら。<br />
蒼星石のおかげで真紅にはじめてチェスで勝つ事ができたんだけれど、そしたら真紅が泣き出してしまったの。<br />
真紅はすっごく負けず嫌いだけれど、たぶんそれだけじゃないかしら。<br />
この入院中でも真紅は一回も弱音を吐かずに気合いでがんばってたから、どっと、疲れが出たんだと思う。<br />
でもそれがきっかけになって、真紅といろんな話ができたわ。今までずっと勝負とかしてないと
話ができなかったから、普通に話せる事がとっても嬉しかったかしら。</div>
<p> </p>
<div> 小さなことから大切なことまで色んなことを話せたしね。ピチカート、何を話したか気になる?<br />
もちろんそれはヒミツ。教えてあげないかしら♪</div>
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<hr /><p> </p>
<div>2007年11月5日 いわし雲いっぱい</div>
<p> </p>
<div> 今日も真紅のお見舞いに病院に行って来たかしら。<br />
真紅の声がしてたかしら。壁越しに耳に入っただけだから、おぼろげだけど多分こんなこと を言ってたかしら。<br />
「私が欠けた不完全な存在だとしても、それを埋めようとしてくれる人がいる…私というものは一つきりだと思っていたけれど、私が私でいるための要素、それを持っているのは私だけではなかったのだわ」<br />
それから、ちょっとだけ間があいたわ。<br />
「私はきっと幸せね」<br />
真紅の声が本当に幸せそうだったから、カナはノックしてお話の邪魔をするのもどうかなーと思って、<br />
しばらくドアの前で待ってみたの。でもそれ以上声が聞こえてこなかったから、そっとノックしてみたのね。<br />
それでも返事がないし、ちょびっとドアを開けて中をのぞいてみたかしら。<br />
そしたら、部屋には真紅とジュンがいたかしら。<br />
二人はとなりあってベッドの背もたれにもたれかかってて、足はかけ布団のなかに収まってた。<br />
ジュンの右手と真紅の左手は握り合ってて、二人は頭をお互いの方に傾けながら目を閉じていたわ。<br />
カナが真紅の声を聞いた時には、ジュンはもう寝てたのかしら?<br />
なんだか部屋中に安らぎと幸せがいっぱいにつまっている気がして、カナは邪魔しないようにドアを閉めて、<br />
買って来たお菓子をドアノブにかけたわ。</div>
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<div> 今でもあの時の二人がすぐに思い出せるかしら…ねぇピチカート、愛って目に見える物なのね。</div>
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<div>2007年11月7日 晴れ</div>
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<div>今日もお見舞いに行ったら、真紅の部屋がもぬけの殻になってたかしら!<br />
隣のメグさんに質問に行ったら、もう退院しちゃったんだって。そういえば、退院する日を確かめてなかったわ。<br />
せっかくだから、メグさんとおしゃべりしてから帰ったかしら。<br />
メグさんも真紅が退院できてとっても嬉しそう。メグさんがおとなりさんだったことは真紅にとって幸運な事<br />
だった気がするかしら。</div>
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<div>真紅が退院したこと、おねえちゃんにも伝えたいけど、おねえちゃんはアトリエにこもってるみたい。<br />
しかたないからカナもヴァイオリンを弾くかしら。<br />
真紅に電話してもいいけど…まぁ今日の所は家族水入らずだろうし、見逃してあげるかしらっ!</div>
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<div>2007年11月10日 くもり</div>
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<div>今日は恐ろしい目にあったかしら…。<br />
部室でばらしーちゃんとシフォンケーキを食べてたら真紅が来たの。<br />
真紅はこれからの事を担任の二階堂先生に相談しに来たんだって。<br />
まだしばらく学校は休むけれど、それからはいつもどうりに通えるんだって。雛苺よりも学校に来るのは早いみたい。<br />
「よかったかしら」ってカナは言ったんだけれど、真紅は残念そうだったわ。<br />
「そうでもないわ、新しい飛び級の依頼が通らなかったのよ」だって。<br />
「ジュンと貴女のいる学年に通えるようにしてもらおうと思ったんだけれど、飛び級で上がるのは良くても、下がるのは<br />
いけないんですって。3学年下がって元の学年に戻るのは良くて、行きたい学年に下がれないのはおかしくない?」<br />
真紅はかなりそのことで腹を立ててるみたいだったわ。この事だけで先生と一時間も話してたんだって。<br />
「まったく、二階堂があんなに分からず屋だとは思わなかったわ」<br />
「工作クラブ時代にお世話になったけど、スーツはしわくちゃだけどいい先生だと思うかしら」<br />
「ま…そのことはもういいのよ。新しい解決方法を思いついたから」<br />
真紅はとってもにこやか。<br />
「私が下がれないなら貴女たちが私の学年まで上がってくればいいのよ」<br />
「飛び級ってすごく勉強ができないといけないんじゃなかったかしら?」<br />
「ええ、そうよ」<br />
「カナはそこまでテストの点数良くないかしら」<br />
「だいじょうぶよ。ちゃんと私が教えてあげるわ」<br />
それから真紅は鞄からたくさんの参考書を取り出し始めたから、カナも真紅の本気を感じて困ったかしら。<br />
「でもカナあんまり勉強はしたくないかしら?」<br />
「そうは言うけれどカナリアさん、貴女随分私に負けが溜まっているのだわ?借りはきっちり耳そろえて返してもらいませんと」<br />
って…。ぶっちゃけ借金取りな言葉遣いだったかしら。ドSかしら。<br />
カナは慌てたわ。<br />
「ええっと、そういえばジュンは?」<br />
カナはジュンと一緒なら、真紅をなんとか説得できないかなーって思ったのよ。<br />
「ああ、なんでも通販で買った背伸び薬があたって、お腹が痛いから早く帰るそうよ。今日はもうベッドから立ち上がれそうもない、<br />
って言っていたのだわ」<br />
「どう考えても逃げてるかしらー!?」<br />
「話を逸らそうとしてもムダよ」</div>
<p> </p>
<div>ここからが地獄だったかしら…家に帰るまでずっと勉強させられてたわ。<br />
国語とか歴史なんてテスト前に勉強するだけでいいかしら…。</div>
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<div>2007年11月13日 あめ</div>
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<div> 真紅の家でくんくん探偵のDVD見て来たかしら!<br />
真紅の家には雛苺も来てたわ。くんくん探偵が観てみたかったんだって。<br />
カナはくんくんを観た事がなかったけれど、今まで観なかった事を後悔するくらいおもしろかったわ。<br />
めくるめく推理とショッキングな事件の連発でくらくらで、雛苺と一緒にキャーキャー叫びっぱなし。<br />
雛苺は何度か見た事があるらしいけれど、すごく楽しんでたわ。ああやって、はじめて観た時みたいなリアクション<br />
をするのが何度も楽しむ秘決なのかしら?<br />
そういえば真紅はくんくん探偵のベストショット集を作ってインターネットで投稿してるんだって。いぃなー、<br />
インターネット。カナもPCとかケータイとかIT端末が欲しいな。<br />
それから、またくんくん探偵をみんなで見る約束をして、帰って来たかしら。</div>
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<div> …まぁこの調子で真紅に勉強の話を忘れて欲しいっていうのは、ジュンとカナ二人のヒミツね。</div>
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<div>2007年11月14日 晴れ</div>
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<div> 真紅の義手をよく見せてもらったんだけれど、今はレンタルしてるだけの仮の物なんだって。<br />
筋電義手っていって、体表面の電位を利用して意思通りに動かせる義手を作ってもらってる所なんだけれど、<br />
できあがるまでに2・3ヶ月はかかるらしいの。もっと早くできればいいのにね。<br />
レンタルの義手の指はかなり簡単な作りで、真紅には気に入らなかったみたい。でもそれを知ってたジュンが<br />
刺繍入りの手袋を真紅にプレゼントしたんだって。<br />
それで真紅ってば<br />
「下僕にしてはいい出来でしょう?」<br />
なんて言ってたけれど、手袋の刺繍を眺めてすごく嬉しそうにしてるのよ。<br />
本当に素直じゃないかしら。</div>
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<div> 明日の実験の事を思うとなかなか寝付かれないかしら。<br />
だからこんな時間にピチカートに話しかけたりね。ようするにラジオの発信・受信なんだけれど、<br />
ラジオを受信しつつ、リモコンを使って部室にあるミニ発信局の周波数を変えてみたりするの。<br />
ちなみにDJはばらしーちゃん。<br />
うふふ、成功するかしら?</div>