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「序章-4」(2010/01/04 (月) 08:56:24) の最新版変更点
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<p>修学旅行前日のこの日は、さまざまな説明があった。<br />
基本的に、持ち物や、日程……旅行先でのマナーなどの事ね。<br />
個人的には、一日目の夜の『クラス対抗! 大枕投げ大会!』が楽しみなのだわ。</p>
<p>事前説明も終わったその日はみんなどこかうきうきしている。<br />
運動会とか遠足とかの前の日の夜の、あの気持ちだ。</p>
<p>ワイワイ話しているうちに、あっという間に放課後になってしまった。</p>
<p> </p>
<p>翠「イヒヒヒヒ。ちびちびどもの背中に冷たーい氷を当ててやるですぅ」<br />
金「そんなのお断りかしらー!」<br />
苺「やーなのー! 逃げるのー!」<br />
翠「ふっふっふ……。この翠星石から逃げられるわけねーですぅ!」<br />
蒼「ちょ……やめなよ、翠星石。……はぁ」</p>
<p> </p>
<p>翠星石は金糸雀と雛苺にいたずらをしようと追っかけまわしている。それをため息をついてながめる蒼星石……ストレスでやられないのかしら?</p>
<p> </p>
<p>薔「……カードを二枚入れ替える」<br />
仗助「おれは このままでいいぜ」<br />
薔「……コール 『4のスリーカード』」<br />
仗助「おれの役は『フラッシュ』だッ! おれの勝ちだな やったぜ~~~」<br />
薔「くぅ……」</p>
<p> </p>
<p>薔薇水晶は仗助とポーカーをやっているみたいだ。最近あの二人は妙にいい雰囲気よ。</p>
<p> </p>
<p>ベジータ「これでバスの中での花形は俺だな むふふふふ~♪」</p>
<p> </p>
<p>ベジータは一人で何かを作っている。絶対に下らないものなのだわ。<br />
下キーの無いゲームとか、取っ手の無いカップとか……</p>
<p><br />
雪「このお饅頭……とても美味しいですね」パクパク<br />
銀「こっちのモナカも絶品よぉ」<br />
ウルージ「おーおー そうであろう。結構高いものらしいからな」<br />
雪「何故そんなお菓子が手に入るんですか? 羨ましい限りですわ」パクパク<br />
ウルージ「私の家はお寺だからな。檀家の人が時々お布施と一緒に下さるのだ」<br />
銀「へぇ~ いいわね」<br />
ウルージ「甘いものは好きではないからな……何とも言えん」<br />
銀「贅沢な悩みねぇ……」</p>
<p> </p>
<p>雪華綺晶と水銀燈とウルージ君は三人仲良くお茶してるわ。<br />
ウルージ君の持ってきた和菓子の匂いが私の鼻にも届いてくる。<br />
びっくりする位……いつもどおりの放課後ね。</p>
<p> 私がみんなをぼーっと眺めていると、突然私の顔を誰かが覗き込んできた。</p>
<p> </p>
<p>ジュン「どうした、真紅?」</p>
<p> </p>
<p>墨汁のように黒い髪と眼鏡が私の視界に入った……ジュンね。<br />
私ったら、のほほんとしていたみたい……恥ずかしいのだわ。<br /><br />
紅「別に何でもないわ。そろそろ帰りましょう」</p>
<p> </p>
<p>そしてジュンと手を繋いで教室を出る・<br />
最初の頃はからかってくる人もいて恥ずかしかったけれど、見慣れてしまったのか今は何も言ってこないわ。<br />
教室を出る私たちに、残っているクラスメイト達がじゃあね、と声をかけてくる。<br />
私達も挨拶を返してドアを開けた。むわっと熱気が私たちを包み込んだ。<br />
冷房のきいた教室と違って、外は暑い。</p>
<p><br />
紅「まずは貴方の家で紅茶が飲みたいわ。淹れて頂戴ね」<br />
ジュン「お茶漬けのりにでも淹れてもらうか?」<br />
紅「いいや、貴方の淹れた紅茶が飲みたいのだわ」<br />
ジュン「……仕方ないなぁ」</p>
<p> </p>
<p>ジュンがはふぅ……とため息をつく。<br />
もう! 気合を入れなさいよ。<br />
私は得意のツインテールビンタをジュンの頬に軽くピシリと当てる。</p>
<p> </p>
<p>ジュン「痛っ……て程でもないか」<br />
紅「私の彼氏なら、もっと気合を入れなさい」<br />
ジュン「はいはい」<br />
紅「返事は一回でいいわ」</p>
<p> </p>
<p>ピシャリと言う。<br />
当然のことだもの、仕方ないわ。</p>
<p>ジュン「……はい」</p>
<p> </p>
<p> </p>
<p> </p>
<p> </p>
<p><br />
夜になり、私は修学旅行の荷造りをしていた。</p>
<p>Tシャツは……これが似合うかしら? いや、こっちのもいいわね……<br />
下着やタオルなんかを詰め込んで、今はインナーのTシャツを吟味しているのだわ。<br />
少し涼しくなってきたから、ブラジャーの上に夏服のカッターシャツは無理ね。</p>
<p>……こっちのくんくんTシャツも良いけど……イメージカラーの真っ赤なシャツも捨てがたいわね。<br />
二つのシャツを鏡の前で見比べる。<br />
どっちにしようかしら……? ……そうだ! どっちも持っていけばいいのだわ!<br />
そんな簡単なことに気がつかなかったなんて!<br />
私は一人でガックリと肩を落とし、二着のシャツをトランクの中に詰め込んだ。<br />
そしてジュンと付き合ってから日課になっている『おやすみなさい』のメールを打とうとしたんだけど……</p>
<p> </p>
<p>紅「メールが来てるわね。誰からかしら?」</p>
<p> </p>
<p>早速確認する……水銀燈だ。<br />
文面は……。……あの小姑! 『口の中はきれいにしときなさいよぉ。ミンティア買った?』だって!<br />
普段から綺麗にしているのだわ!<br />
……ふふっ、そういう問題じゃあないわね。<br />
私はくすっと笑って、そして水銀燈には返信せずに、ジュンに普段どおりメールを打った。<br />
そしてくんくんの抱き枕を抱いて、ベッドにもぐりこんだ。</p>
<p>修学旅行前日のこの日は、さまざまな説明があった。<br />
基本的に、持ち物や、日程……旅行先でのマナーなどの事ね。<br />
個人的には、一日目の夜の『クラス対抗! 大枕投げ大会!』が楽しみなのだわ。</p>
<p>事前説明も終わったその日はみんなどこかうきうきしている。<br />
運動会とか遠足とかの前の日の夜の、あの気持ちだ。</p>
<p>ワイワイ話しているうちに、あっという間に放課後になってしまった。</p>
<p> </p>
<p>翠「イヒヒヒヒ。ちびちびどもの背中に冷たーい氷を当ててやるですぅ」<br />
金「そんなのお断りかしらー!」<br />
苺「やーなのー! 逃げるのー!」<br />
翠「ふっふっふ……。この翠星石から逃げられるわけねーです!」<br />
蒼「ちょ……やめなよ、翠星石。……はぁ」</p>
<p> </p>
<p>翠星石は金糸雀と雛苺にいたずらをしようと追っかけまわしている。それをため息をついてながめる蒼星石……ストレスでやられないのかしら?</p>
<p> </p>
<p>薔「……カードを二枚入れ替える」<br />
仗助「おれは このままでいいぜ」<br />
薔「……コール 『4のスリーカード』」<br />
仗助「おれの役は『フラッシュ』だッ! おれの勝ちだな やったぜ~~~」<br />
薔「くぅ……」</p>
<p> </p>
<p>薔薇水晶は仗助とポーカーをやっているみたいだ。最近あの二人は妙にいい雰囲気よ。</p>
<p> </p>
<p>ベジータ「これでバスの中での花形は俺だな むふふふふ~♪」</p>
<p> </p>
<p>ベジータは一人で何かを作っている。絶対に下らないものなのだわ。<br />
下キーの無いゲームとか、取っ手の無いカップとか……</p>
<p><br />
雪「このお饅頭……とても美味しいですね」パクパク<br />
銀「こっちのモナカも絶品よぉ」<br />
ウルージ「おーおー そうであろう。結構高いものらしいからな」<br />
雪「何故そんなお菓子が手に入るんですか? 羨ましい限りですわ」パクパク<br />
ウルージ「私の家はお寺だからな。檀家の人が時々お布施と一緒に下さるのだ」<br />
銀「へぇ~ いいわね」<br />
ウルージ「甘いものは好きではないからな……何とも言えん」<br />
銀「贅沢な悩みねぇ……」</p>
<p> </p>
<p>雪華綺晶と水銀燈とウルージ君は三人仲良くお茶してるわ。<br />
ウルージ君の持ってきた和菓子の匂いが私の鼻にも届いてくる。<br />
びっくりする位……いつもどおりの放課後ね。</p>
<p> 私がみんなをぼーっと眺めていると、突然私の顔を誰かが覗き込んできた。</p>
<p> </p>
<p>ジュン「どうした、真紅?」</p>
<p> </p>
<p>墨汁のように黒い髪と眼鏡が私の視界に入った……ジュンね。<br />
私ったら、のほほんとしていたみたい……恥ずかしいのだわ。<br /><br />
紅「別に何でもないわ。そろそろ帰りましょう」</p>
<p> </p>
<p>そしてジュンと手を繋いで教室を出る・<br />
最初の頃はからかってくる人もいて恥ずかしかったけれど、見慣れてしまったのか今は何も言ってこないわ。<br />
教室を出る私たちに、残っているクラスメイト達がじゃあね、と声をかけてくる。<br />
私達も挨拶を返してドアを開けた。むわっと熱気が私たちを包み込んだ。<br />
冷房のきいた教室と違って、外は暑い。</p>
<p><br />
紅「まずは貴方の家で紅茶が飲みたいわ。淹れて頂戴ね」<br />
ジュン「お茶漬けのりにでも淹れてもらうか?」<br />
紅「いいや、貴方の淹れた紅茶が飲みたいのだわ」<br />
ジュン「……仕方ないなぁ」</p>
<p> </p>
<p>ジュンがはふぅ……とため息をつく。<br />
もう! 気合を入れなさいよ。<br />
私は得意のツインテールビンタをジュンの頬に軽くピシリと当てる。</p>
<p> </p>
<p>ジュン「痛っ……て程でもないか」<br />
紅「私の彼氏なら、もっと気合を入れなさい」<br />
ジュン「はいはい」<br />
紅「返事は一回でいいわ」</p>
<p> </p>
<p>ピシャリと言う。<br />
当然のことだもの、仕方ないわ。</p>
<p>ジュン「……はい」</p>
<p> </p>
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<p><br />
夜になり、私は修学旅行の荷造りをしていた。</p>
<p>Tシャツは……これが似合うかしら? いや、こっちのもいいわね……<br />
下着やタオルなんかを詰め込んで、今はインナーのTシャツを吟味しているのだわ。<br />
少し涼しくなってきたから、ブラジャーの上に夏服のカッターシャツは無理ね。</p>
<p>……こっちのくんくんTシャツも良いけど……イメージカラーの真っ赤なシャツも捨てがたいわね。<br />
二つのシャツを鏡の前で見比べる。<br />
どっちにしようかしら……? ……そうだ! どっちも持っていけばいいのだわ!<br />
そんな簡単なことに気がつかなかったなんて!<br />
私は一人でガックリと肩を落とし、二着のシャツをトランクの中に詰め込んだ。<br />
そしてジュンと付き合ってから日課になっている『おやすみなさい』のメールを打とうとしたんだけど……</p>
<p> </p>
<p>紅「メールが来てるわね。誰からかしら?」</p>
<p> </p>
<p>早速確認する……水銀燈だ。<br />
文面は……。……あの小姑! 『口の中はきれいにしときなさいよぉ。ミンティア買った?』だって!<br />
普段から綺麗にしているのだわ!<br />
……ふふっ、そういう問題じゃあないわね。<br />
私はくすっと笑って、そして水銀燈には返信せずに、ジュンに普段どおりメールを打った。<br />
そしてくんくんの抱き枕を抱いて、ベッドにもぐりこんだ。</p>