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ずっと傍らに…激闘編 第十九章~ジュンside~」(2008/05/14 (水) 01:17:12) の最新版変更点

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テ『トゥートゥートゥートゥートゥートゥットゥトゥー♪』 ゴールデンウィークもそろそろ終盤。 僕はいつものごとく翠星石の家に上がりこんで、 リビングでゴロゴロしていた。 翠星石たちの家は、今年のゴールデンウィークはそれぞれに忙しくて、 全員で揃って遊びに行くことはなかったらしい。 何か、僕が引き篭もりになったのも間接的に関わってるんじゃないのかと考えると、 ちょっと気持ちが沈む…。 翠星石と蒼星石は『関係ない!』って言ってくれたけれど…。 まぁ、今の僕に出来ることは、こいつらと一緒にいることだけだ。 …昼上がりの日差しが差し込んできて気持ちがいい。 今日の天気は快晴。風が少ない分、少し外は暑そうだ。 適当にテレビを見ている僕の背中の上で、 ばらしーが腹ばいで乗っかって、同じようにテレビを見ている。 ばらしーと雛苺はリビングのテーブルでお絵かき。 翠星石は庭で花の水遣り。 真紅は2階で読書。 ここのお父さんとお母さんは車で家電量販店へ。 水銀燈と蒼星石は今日も朝から部活だ。 いつも通りののんびりとした平凡な休日なのだが、 こんなに穏やかな休日を迎えることが出来たのは、 いつ以来だったかなぁ…としみじみ思う。 翠「おめぇら!こんなに天気がいいのに外で遊ばねぇとは何事ですか!」 ──開けていたリビングの窓。 庭から翠星石のけたたましい声が聞こえてきた。 ジ「パス!」 翠「ジュンはむしろ家にいろです!」 何だ。僕は除外されてるんだw ヒッキーは引き篭もってナンボですか。 ジ「はいはい!」 じゃ、適当にテレビの続きでも見とくか── 金「…じゃあ、アレでもするかしら?」 金糸雀が思いついたように声を上げた。 薔「さんせー!」 雪「やりますわ」 金「じゃあ決定~!」 へぇ。 やるのか…w 雛「ヒナもヒナも~!」 薔「ヒナはちょっと危ないよ…」 さっそくみんな一斉に動き出した。 ジ「じゃあ僕参加!雛苺でチームだ!」 ちゃっかり僕も動き出した── ~~~~~ 庭の物置の中に大量の水鉄砲が保管されている。 そこにみんなが殺到した。 それでも取り合いにはならない。 水鉄砲ごとに誰の所有であるか決めているからだ。 そして、決められた位置につく。 金「ふっふっふ~」 雪「戦闘開始ですわ!」 薔「おっけー」 雛「うゆーい!」 ジ「さぁこいw」 ──いよいよ戦いが始まりそうだ。 水鉄砲バトルの幕開けである。 ちなみにこの庭、植え込みの配置が絶妙で防御がしやすい。 裏へ回っても、チャリやら室外機やらである程度は身を守りやすい。 蛇口も二箇所にある。水の補給には便利だ。 まさに、この遊びが生まれた事に必然性を感じざるを得ないw そしてこの遊び、何と時間の許す限り、 誰かが次々と飽きでもしない限り、永遠に続く。 さすが、暑い日にしかやらないだけのことはあるが、 すなわち体力勝負でもあるのだ。 今の僕にはかなり合ってないけど、鍛えられるかもしれない遊びである! あ、それと… 僕が幼稚園年長の頃にねーちゃん、水銀燈、翠星石、蒼星石 …の5人でやったのが最初なんだけど、今でも普通にやっているw …で、大体集中砲火を食らうんだよなぁ。 3対1とかにもよくなってた…w 翠星石がブチ切れてバケツに水溜めてぶっ掛けてきた時もあった。 水銀燈と蒼星石によるガチンコバトルもあった。 台風の中でも無茶な事覚悟で決行したこともあった。 ──とまぁ思い出のたくさん詰まった遊びなのだ。 金「ジュン狙い撃ち、準備はいいかしら?」 薔「アイアイサー!」 雪「…」 ジ「さぁいつでも来い!w」 翠「ちょっ…ちょっと待つです!」 近くで翠星石のうめき声が上がった。 植え込みを盾にして縮こまっていた。 …翠星石の奴、今日はこの間に街で買ったばかりのキャミソールを着ている。 しかも何かワンピースみたいな感じだ。キャミソールワンピースってやつか? そしてやっぱり膝よりちょっと下まで丈があるんだよな…w まぁとにかく思ったよ。 ジ「何でそんな格好で庭の手入れしてんだよw」 翠「う…うるさいですねぇ。今日はそういう気分なんです!」 こっちを見てた翠星石は僕から視線を逸らした。 翠「…ったく、誰がこんな状況にしたんですかぁ?」 ジ「お前だよ!w」 思わず突っ込んでしまった… 翠星石はハッとした様子でこっちに向き直った。 翠「黙れですチビ人間!」 ジ「今日みたいな暑い日に外に出ろって言ったら、   こうなることぐらい予想つくだろ?」 翠「…」 翠星石は僕の方に怒り肩で歩いてきた。 …あぁ…またちょっと熱くなり過ぎたかなぁ…。 翠「…」 ジ「…ごめん」 翠「宣戦布告と受け取ったです」 翠星石の燃えるような眼差しに僕は一瞬たじろいだ。 翠「着替えてくるです。ビショビショになってもいいような服に!」 そして踵を返し、玄関の方へ戻っていく。 玄関付近まで戻った時、翠星石は3人に指示を発した。 翠「おめぇら、今日はジュンを集中攻撃ですよっ!」 薔「おっけー♪」 金「言われなくても分かってるかしら~」 雪「…」 …ガチャン 翠星石は家の中に戻った。 あいつが来たら開始か。 ──しかし最近の翠星石って、何かイキイキしてるよな。 金「さて、じゃあ翠星石が来たら一斉にスタートよ」 薔「にひひw待ちきれないよ」 雪「…私、雛苺とジュンの側に立ってきますわ」 …お? 急にきらきーがこっちの味方になったぞ…。 薔「え~~~~!」 金「じゃ、もうチームはこれで固定するわ」 金糸雀が仕切った。 雛「ジュン、きらきー、頑張って!」 ジ「お…おう」 雪「任せて」 ──そして何分か経過した…はずだ。 持続した緊張感に包まれるのって、結構精神的にきつい。 このドキドキ感は良い意味でも悪い意味でもたまらない… ジ「早く来ないかなぁ…」 C「…ちょwwwww」 ──と、ここで誰か聞き覚えのある、不愉快な笑い声が聞こえてきた… B「桜田じゃ~ん」 A「てかロリコンwwwwwwwwwwwww」 C「幼女に興味あるんか?wwwへぇwww」 A「ギャハハハハハwwwww」 こんな時に通りがかってくるなんて… 最悪だ… B「しかも誰の家に侵入してんだよw」 C「とりあえず記念に一枚…っと」 撮られた… 何でデジカメなんか持ってんだよ… ジ「おい!やめろよ…」 A「あぁん?やんのかコラ?」 ジ「…」 ダメだ… 脅してくる… 怖くて震えてきた… 薔「…ジュンをイジめるな!どっか行け!」 びっくりした…。 果敢にもばらしーが声を上げてくれた。 C「何だとコラァ!五月蝿いんじゃボケ!」 雛「…こっ…怖いのぉぉぉぉぉ…」 雛苺は当然のごとく泣き出した… A「これは面白いことになるぞw」 B「“ロリコン裁縫バカ”の称号を授けようwww」 C「学校休んでる間にちっちゃい子と戯れてるとか、バカじゃんwwww」 B「さらに住居侵入…www腹痛てぇwwwwwwwwww」 ガチャ!! 翠「そこ!!どきやがれです!!」 翠星石はポンプ式の水鉄砲を片手に玄関から現れた。 ますます大笑いする3人。 A「うほぉwwwお前の家ってここかwww」 C「しかもそれ、何ごっこだ?www幼稚ぃなぁwwww」 B「てか何だ?桜田とは何の関係なんだよwwwwwウケルwww」 翠星石は水鉄砲を右手に握り、3人をキッと睨みつけた。 ジ「お…お前ら、ほら、早く家の中に入れ…」 徹底抗戦の構えのばらしーと泣き喚く雛苺、凍り付いてる金糸雀ときらきーを、 とにかく家の中へ誘導した。 僕が出来ることは、これでやっとだ…。 C「お?また暴力女がやる気だぜ?w」 A「楽しみだねぇw」 B「じゃ、こっちも本気出すかなwww」 暴力女…? 私怨を抱いてるわけか…。 翠「…」 翠星石は歯を食いしばってワナワナと震えていた。 僕は慌てて駆け寄って宥めた。 黙って家に戻ろう… ジ「翠星石、もう相手にしないほうがいいよ」 翠「…」 反応がない。 もうダメだ… A「おい、裁縫。邪魔だ。どけ」 ──翠星石は暴れだした。 翠「!!!」 僕は必死に止めようと翠星石をがっちり抱えようとしたが、 ことごとく投げ飛ばされた…。 ドスッ ジ「…うっ!」 ガシャン!! ──くそぅ…こりゃ本腰入れて鍛えないとダメだなぁ… 道路の方を見ると門扉は既に開けっ放しで、翠星石もABCも消えていた。 ──かなり焦った。 ジ「…」 …翠星石の奴、Tシャツと膝丈のスカートに着替えてたけど、 下手するとそんなの関係なしに大怪我するぞ… 街に行った時なんか翠星石に3人そろって倒されてたからなぁ。 それを踏まえて今回は本気だろうから、戦うとしたら確実に翠星石が不利だ…。 怪我して入院とか勘弁してくれ… あぁやばい… 翠星石が投げ捨てたと思われる水鉄砲の横で、僕は独りへたり込んだ──

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