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<p>奴の名は桜田ジュン。<br> 神枦市在住の奴は凡人であったが、変人でもあった。<br> 燦宮から素町の一駅間を坂神電車のジェットカーに乗った後に、<br> 面倒臭いからと言って西台まで歩き、<br> そこから参陽電車に乗るような人間だった。<br> <br> 奴は滅多にし尺に乗らず、坂神電車と参陽電車を意識的に利用していた。<br> そして、関最私鉄を溺愛していた。<br> <br> また、奴は憎まれにくい人間だったので、<br> 時々やらかす鉄道話に抵抗を感じる者はほとんどおらず、<br> 周囲の人間は瞬く間に鉄道に関する基礎知識を植えつけられていった。<br> <br> 例えば、し尺大坂駅から地下鉄卸堂筋線への最短の乗り換えコースについてだとか、<br> 平日の申子園は特急が停まらない時間帯があることだとか、<br> ボートライナーの新車は銀色だとか、そんな程度の事である。<br> <br> だが、そんな奴にも苦手な鉄道があった。<br> 坂神元町・坂急三宮~西台と湊側~新閉地にある神炉低速鉄道だ。<br> <br> それは、社名に似合わず最寄り駅の大閉をバコバコと直通特急が通過し、<br> 坂急電車は手前の新閉地で折り返すわで、嫌悪感を抱いていたためだ。<br> <br> <br> そんな折も折、斤鉄電車と坂神電車による難破を経由する直通運転が決定した。<br> ドキドキしながら新聞を読み進めると、具体的な直通区間が載っていた。 <br> <br> <br> 菜良~燦宮<br> <br> <br> 奴は新聞を畳に叩きつけた。<br> <br> 新閉地にすら来ない。燦宮で折り返すのか。情けない。<br> 酉区はどうせ燦宮での乗り換えであることには変わらないからまだしも、<br> 兵車区、長由区、須摩区、垂氷区、コヒ区の人間からすれば面白くないはずだ。<br> こんな事では南部4区の客はし尺-卸堂筋コースからシフトせず、<br> 新閉地経由のコヒ区の客に至っては直通先が遠く感じられるままで終わるに決まっている。<br> <br> そんな事でし尺に勝てると思ってるのか!<br> <br> <br> しかし、奴には納得のいくところが一つあった。<br> 高校時代に転校していった双子の幼馴染たちの件だ。<br> <br> <br> 蒼星石と翠星石。<br> <br> <br> 彼女らは両親の仕事の都合で大閉から菜良の最大寺へ転居した。<br> 実は、この直通運転により燦宮から一発で行けるようになるのである。<br> <br> 奴は叩きつけた新聞を再び拾い上げた。<br> もう一度、その記事に目を通す。<br> そして、携帯でメールを送った。 <br> <br> <br> “2009年に新線が出来るついでに遊びに行っていい?” <br> <br> <br> その返信はすぐに帰って来た。 <br> <br> <br> “坂神電車で来いです~”<br> “僕たちの距離も近くなるね。楽しみだよ” <br> <br> <br> 奴は涙を流した──</p> <hr> <p><br> <br> →正規の地名・社名でいくとこんな感じ。<br> <br> <br> 奴の名は桜田ジュン。<br> 神戸市在住の奴は凡人であったが、変人でもあった。<br> 三宮から元町の一駅間を阪神電車のジェットカーに乗った後に、<br> 面倒臭いからと言って西代まで歩き、<br> そこから山陽電車に乗るような人間だった。<br> <br> 奴は滅多にJRに乗らず、阪神電車と山陽電車を意識的に利用していた。<br> そして、関西私鉄を溺愛していた。<br> <br> また、奴は憎まれにくい人間だったので、<br> 時々やらかす鉄道話に抵抗を感じる者はほとんどおらず、<br> 周囲の人間は瞬く間に鉄道に関する基礎知識を植えつけられていった。<br> <br> 例えば、JR大阪駅から地下鉄御堂筋線への最短の乗り換えコースについてだとか、<br> 平日の甲子園は特急が停まらない時間帯があることだとか、<br> ポートライナーの新車は銀色だとか、そんな程度の事である。<br> <br> だが、そんな奴にも苦手な鉄道があった。<br> 阪神元町・阪急三宮~西代と湊川~新開地にある神戸高速鉄道だ。<br> <br> それは、社名に似合わず最高速度制限が65km/hであり、<br> また、最寄り駅の大開をバコバコと直通特急が通過し、<br> 阪急電車は手前の新開地で折り返すわで、嫌悪感を抱いていたためだ。<br> <br> <br> そんな折も折、近鉄電車と阪神電車による難波を経由する直通運転が決定した。<br> ドキドキしながら新聞を読み進めると、具体的な直通区間が載っていた。 <br> <br> <br> 奈良~三宮<br> <br> <br> 奴は新聞を畳に叩きつけた。<br> <br> 新開地にすら来ない。三宮で折り返すのか。情けない。<br> 西区はどうせ燦宮での乗り換えであることには変わらないからまだしも、<br> 兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、北区の人間からすれば面白くないはずだ。<br> こんな事では南部4区の客はJR-御堂筋コースからシフトせず、<br> 新開地経由の北区の客に至っては直通先が遠く感じられるままで終わるに決まっている。<br> <br> そんな事でJRに勝てると思ってるのか!<br> <br> <br> しかし、奴には納得のいくところが一つあった。<br> 高校時代に転校していった双子の幼馴染たちの件だ。<br> <br> <br> 蒼星石と翠星石。<br> <br> <br> 彼女らは両親の仕事の都合で大開から奈良の西大寺へ転居した。<br> 実は、この直通運転により燦宮から一発で行けるようになるのである。<br> <br> 奴は叩きつけた新聞を再び拾い上げた。<br> もう一度、その記事に目を通す。<br> そして、携帯でメールを送った。 <br> <br> <br> “2009年に新線が出来るついでに遊びに行っていい?” <br> <br> <br> その返信はすぐに帰って来た。 <br> <br> <br> “阪神電車で来いです~”<br> “僕たちの距離も近くなるね。楽しみだよ” <br> <br> <br> 奴は涙を流した──</p> <p><!-- ad --></p>
<p>奴の名は桜田ジュン。<br> 神枦市在住の奴は凡人であったが、変人でもあった。<br> 燦宮から素町の一駅間を坂神電車のジェットカーに乗った後に、<br> 面倒臭いからと言って西台まで歩き、<br> そこから参陽電車に乗るような人間だった。<br> <br> 奴は滅多にし尺に乗らず、坂神電車と参陽電車を意識的に利用していた。<br> そして、関最私鉄を溺愛していた。<br> <br> また、奴は憎まれにくい人間だったので、<br> 時々やらかす鉄道話に抵抗を感じる者はほとんどおらず、<br> 周囲の人間は瞬く間に鉄道に関する基礎知識を植えつけられていった。<br> <br> 例えば、し尺大坂駅から地下鉄卸堂筋線への最短の乗り換えコースについてだとか、<br> 平日の申子園は特急が停まらない時間帯があることだとか、<br> ボートライナーの新車は銀色だとか、そんな程度の事である。<br> <br> だが、そんな奴にも苦手な鉄道があった。<br> 坂神元町・坂急三宮~西台と湊側~新閉地にある神炉低速鉄道だ。<br> <br> それは、社名に似合わず最寄り駅の大閉をバコバコと直通特急が通過し、<br> 坂急電車は手前の新閉地で折り返すわで、嫌悪感を抱いていたためだ。<br> <br> <br> そんな折も折、斤鉄電車と坂神電車による難破を経由する直通運転が決定した。<br> ドキドキしながら新聞を読み進めると、具体的な直通区間が載っていた。 <br> <br> <br> 菜良~燦宮<br> <br> <br> 奴は新聞を畳に叩きつけた。<br> <br> 新閉地にすら来ない。燦宮で折り返すのか。情けない。<br> 酉区はどうせ燦宮での乗り換えであることには変わらないからまだしも、<br> 兵車区、長由区、須摩区、垂氷区、コヒ区の人間からすれば面白くないはずだ。<br> こんな事では南部4区の客はし尺-卸堂筋コースからシフトせず、<br> 新閉地経由のコヒ区の客に至っては直通先が遠く感じられるままで終わるに決まっている。<br> <br> そんな事でし尺に勝てると思ってるのか!<br> <br> <br> しかし、奴には納得のいくところが一つあった。<br> 高校時代に転校していった双子の幼馴染たちの件だ。<br> <br> <br> 蒼星石と翠星石。<br> <br> <br> 彼女らは両親の仕事の都合で大閉から菜良の最大寺へ転居した。<br> 実は、この直通運転により燦宮から一発で行けるようになるのである。<br> <br> 奴は叩きつけた新聞を再び拾い上げた。<br> もう一度、その記事に目を通す。<br> そして、携帯でメールを送った。 <br> <br> <br> “2009年に新線が出来るついでに遊びに行っていい?” <br> <br> <br> その返信はすぐに帰って来た。 <br> <br> <br> “坂神電車で来いです~”<br> “僕たちの距離も近くなるね。楽しみだよ” <br> <br> <br> 奴は涙を流した──<br> <br> <br> <br></p> <hr> <p><br> <br> →正規の地名・社名でいくとこんな感じ。<br> <br> <br> 奴の名は桜田ジュン。<br> 神戸市在住の奴は凡人であったが、変人でもあった。<br> 三宮から元町の一駅間を阪神電車のジェットカーに乗った後に、<br> 面倒臭いからと言って西代まで歩き、<br> そこから山陽電車に乗るような人間だった。<br> <br> 奴は滅多にJRに乗らず、阪神電車と山陽電車を意識的に利用していた。<br> そして、関西私鉄を溺愛していた。<br> <br> また、奴は憎まれにくい人間だったので、<br> 時々やらかす鉄道話に抵抗を感じる者はほとんどおらず、<br> 周囲の人間は瞬く間に鉄道に関する基礎知識を植えつけられていった。<br> <br> 例えば、JR大阪駅から地下鉄御堂筋線への最短の乗り換えコースについてだとか、<br> 平日の甲子園は特急が停まらない時間帯があることだとか、<br> ポートライナーの新車は銀色だとか、そんな程度の事である。<br> <br> だが、そんな奴にも苦手な鉄道があった。<br> 阪神元町・阪急三宮~西代と湊川~新開地にある神戸高速鉄道だ。<br> <br> それは、社名に似合わず最高速度制限が65km/hであり、<br> また、最寄り駅の大開をバコバコと直通特急が通過し、<br> 阪急電車は手前の新開地で折り返すわで、嫌悪感を抱いていたためだ。<br> <br> <br> そんな折も折、近鉄電車と阪神電車による難波を経由する直通運転が決定した。<br> ドキドキしながら新聞を読み進めると、具体的な直通区間が載っていた。 <br> <br> <br> 奈良~三宮<br> <br> <br> 奴は新聞を畳に叩きつけた。<br> <br> 新開地にすら来ない。三宮で折り返すのか。情けない。<br> 西区はどうせ燦宮での乗り換えであることには変わらないからまだしも、<br> 兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、北区の人間からすれば面白くないはずだ。<br> こんな事では南部4区の客はJR-御堂筋コースからシフトせず、<br> 新開地経由の北区の客に至っては直通先が遠く感じられるままで終わるに決まっている。<br> <br> そんな事でJRに勝てると思ってるのか!<br> <br> <br> しかし、奴には納得のいくところが一つあった。<br> 高校時代に転校していった双子の幼馴染たちの件だ。<br> <br> <br> 蒼星石と翠星石。<br> <br> <br> 彼女らは両親の仕事の都合で大開から奈良の西大寺へ転居した。<br> 実は、この直通運転により燦宮から一発で行けるようになるのである。<br> <br> 奴は叩きつけた新聞を再び拾い上げた。<br> もう一度、その記事に目を通す。<br> そして、携帯でメールを送った。 <br> <br> <br> “2009年に新線が出来るついでに遊びに行っていい?” <br> <br> <br> その返信はすぐに帰って来た。 <br> <br> <br> “阪神電車で来いです~”<br> “僕たちの距離も近くなるね。楽しみだよ” <br> <br> <br> 奴は涙を流した──</p> <p><!-- ad --></p>

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