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甘い保守シリーズ8」(2008/05/15 (木) 19:56:40) の最新版変更点

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<p>ほのかな保守を致すんだよ<br> <br> 「あれ、珍しいね。今日は自転車で来たんだ?」<br> 「ん、あぁ、ちょっと寝坊して………。1本逃すとこっちの方が早く着くんだ」<br> 「あはは、そっちの線路、時間帯によってはちぐはぐだもんね」<br> 「そうなんだよなぁ………自転車は寒いから、ヤなんだけど」<br> 「風が結構吹いてるもんね。ご苦労様」<br> 「まったくだ。――そうだ、良かったら駅まで送っていこうか?」<br> 「いいの?じゃあ、お言葉に甘えて………」<br> 「………あの、蒼星石さん?」<br> 「――どうかした?あ、やっぱり、早く帰りたいから降りて………とか?」<br> 「自分から振っておいて、そんな事は言わないけど。――僕が前のつもりだったんだけど」<br> 「へ?………………ぁ。あ、あはは、ほら、ボク、いっつも前だから………っ」<br> 「わからんでもないけど。――と、そろそろ行くぞ。ステップに足乗せて」<br> 「ぅ、うん。――………こう、でいいのかな?」<br> 「?あぁ、落ちない様に肩だけはもっとけよ。――じゃ、出発、とっ」<br> 「わわわ、ととと、ば、バランスがっ?」<br> 「――そんなにスピードは出してないつもりだけど、悪そうなら、もうちょっと掴まっておけよ?」<br> 「こ、こうっ?(むぎゅ」<br> 「――!?わ、こら、そんなにはくっつくなって!?」<br> 「え、え、えっ?だ、だって、君がくっつけって………」<br> 「くっつけとは言って……!?――あぁもぅ、『押し潰されてる』から、恥ずかしいんだってば!」<br> 「ふぇ?押しつぶ…………………………ぁ、ぇと。………………………えっち」<br> 「ぐ………っ!?お、男なんだからしょーがないだろ!と言うか、だから離れろって――!?」<br> 「………んと、運転しづらい?」<br> 「むしろ、加速しそう。――じゃなくて!そーいう風に考えたくないから――」<br> 「いいよ、そう言う風に考えても。――それに、こうしてる方が暖かいし………えへへ」<br> 「………ん、OK。じゃあ、お前の家まで飛ばすぞ、落ちないようになっ」<br> 「うんっ、出発進行ー!」</p> <hr> <p>乙女な保守を致すですぅ<br> <br> 「冬が………っ、冬がやってきちまったですよ………!」<br> 「………お前さ、春夏秋冬の変わり目でいつも騒いでるよな」<br> 「な、そんな事は………!――や、でも、冬は他の季節よりも殊更危険なのですよ!?」<br> 「ほー。具体的には?」<br> 「冬にはですね、白い悪魔がいやがるのですよ…あぁ!考えただけでも震えが………!」<br> 「武者震いか。と言うか、涎を拭く様に」<br> 「んぐ………ゴシュゴシュ」<br> 「んー、ちょっと意外だな。お前って、お菓子とか果物は好きだけど、餅もなのか?」<br> 「勿論、お餅単体も好きですが………お餅は、色々工夫を凝らせるのですよ。<br> きなこ餅に餡餅、草餅………あぁ、お汁粉や善哉も………意外とアイスに乗せるのも………」<br> 「わー、聞いてるだけでお腹一杯。と言うか、全部甘い――デザート感覚だよな」<br> 「当然ですぅ。雪華綺晶の様に、何でもかんでも食う訳じゃねぇですよ」<br> 「ふむ。………でも、太るんじゃ――?」<br> 「あーあー、聞こえなーい聞こえないデース」<br> 「雪華綺晶は幾ら喰っても太らないもんなぁ………いや、実は陰でダイエットとか………?」<br> 「あれだけ食べてたら、ダイエットも何もあったもんじゃないですぅ」<br> 「………聞こえてるんじゃないか」<br> 「あーあー聞こえなーい」<br> 「あのなぁ………いじけて隅っこで座んな。――どれ、どんだけ重りが付いたかな、と(ぷに」<br> 「――!?て、てててててめぇ!乙女の柔肌を服の上からとは言――ひゃぁ!?」<br> 「――おりょ?………翠星石。流石に段腹になってるのはどうかと………(もにゅもにゅ」<br> 「ひゃぁぁ――そ、そーこーはー!お腹の上ですぅ!!?」<br> ――僕がその瞬間に見たモノは、腕を捻りながら拳を放つ翠星石だった。は、ハートブレイクショ(ry<br> 「………えと、うん。僕が悪かった。全面的に」<br> 「つーん」<br> 「ぁ~、ぅ~………そうだ、今度、スケート場でも行こうか?体動かせるしさ」<br> 「それはそれで微妙に失礼な誘いと思うですが。――仕方ありません、帰りにパフェをつけるなら」<br> 「いや、だから、運動の目的を………。まぁ、いいか。りょーかい(ぽんぽん」</p> <hr> <p>乙女な保守を致す…<font color="#FF0000">(※ユリユリ)</font><br> <br> 「さてと。まずは………」<br> 「やぁ………やだよぅ、金糸雀ぁ………やっぱり………止めよう?」<br> 「駄目なのかしら、薔薇水晶。貴女だって年頃なんだから――」<br> 「ぇぅぅ………乱暴にしちゃ、やだよ………?」<br> 「そんな事しないのかしら。だから、ちょっとだけ、我慢して?」<br> 「………ぅん、わかった。初めてだから………優しく、して」<br> 「………えーと。薔薇水晶。………お前、わざと変に言ってるだろ?」<br> 「ぇぅぅ、ちょっとでも気を紛らわす為に………お化粧なんて面倒くさいぃ………」<br> 「………まぁ、うん。金糸雀、何事も無理強いはよくないんじゃナイカナ?」<br> 「なんで口をかくかくさせながら言うのかしら??――今は、お節介だと思うけど」<br> 「気の所為だ。――うん?『けど』?」<br> 「このままじゃ何時まで経ってもノーメイクになっちゃうわ―教えられる時に教えていた方がいいと思うの」<br> 「そんなにノーメイクって駄目なのかなぁ………」<br> 「駄目とは言わないわ。――けれど、奇麗になれる方法を知っていても悪くはないかしら。<br> 特に――そう思ってほしい人が、傍にいるなら、尚更、ね?」<br> 「ぅん?あぁ、まぁ、そうかもしれないなぁ………??」<br> 「………わかった、金糸雀。我慢する」<br> 「――うん、いい子よ、薔薇水晶。元がいいんだから、ちょっとだけなのかしら」<br> <br> 「――よし、是で全部終わり、と。そんなにかからなかったでしょう?」<br> 「確かに。――でもまぁ……印象は変わるもんだなぁ」<br> 「………金糸雀は、どう思う?」<br> 「もぅ!もうちょっとちゃんとした感想を――!……ん、勿論、奇麗になってるのかしら」<br> 「………褒められた。金糸雀、ありがとぉ(抱きゃっ」<br> 「なるほど、急に素直になったのはそう言う事か、ご馳走様。―お邪魔虫は退散するよ、じゃな」<br> 「――ち、違っ!?そーいう意図じゃ………!あぁぁ、行っちゃったかしら!?」<br> 「えへへぇ………もふもふぽかぽかぁ………♪」<br> (タグに百合をつけていますが、信条的には百合ではありません。どんな信条だ) </p> <hr> <p>乙女な保守を致します<br> <br> 「すぅ………………」<br> 「――と、やっと見つかった。おーぃ、柏――」<br> 「――………………ぜぃっっっっっっ」<br> 「――ば………?」<br> 「………………ふぅ。――………?あ、………何時から?」<br> 「いや、ついさっきだけど………今のは?」<br> 「………気合いを入れる発声。試合中でもないから、単なる気紛れだけどね」<br> 「そうなのか?端で聞いてると、凄く気合い入ってた様に聞こえたけど」<br> 「………滅多に耳にしないからじゃないかな。クラブで練習してる時だと茶飯事よ」<br> 「そういうもんなのか。――そういや、柏葉、結構強かったっけ」<br> 「………凄く前向きに言うと、習練の賜ね」<br> 「含みのある言い方だな――人の事は言えないけどさ」<br> 「人並の体格で人並のセンス、無駄に気真面目だから練習量は人並み以上。<br> ………『以上』が一つでもあるんだから、相対的には『強い』部類に入るんじゃないかな」<br> 「あのなぁ………もっとこう素直にだな」<br> 「貴方に言われたくないな。――ところで、私に用があったんじゃ………?」<br> 「ん、あぁ………『下校時間で外は真っ暗だから青春少女を送りなさいっ』って」<br> 「誰がそんな事………いえ、いいわ、何となく想像がついたから」<br> 「うん、まぁ。――確かに、外も暗いから一人で帰るのは危ないかなって」<br> 「――心配、してくれてるの?」<br> 「………先生に言われたから、こう義務感が………いや、そりゃちょっとは心配もしてなくも」<br> 「………もぅ。――いいわ、帰りましょう」<br> 「でもなぁ………もし万が一、何かあっても逆に助けられそうな気がする………」<br> 「――そんな事ないわよ。女の子は、時と場合によって強くなったり弱くなったりするんだから」<br> 「随分都合のいい事で」<br> 「都合の問題じゃないわ。半自動のシステムなの。特に――」<br> 「はいはい。――とりあえず、待ってるから着替えてこいよ」<br> 「――守って欲しい人の前だと、ね。――覗いちゃ、駄目だよ?」</p> <hr> <p>蕩ける保守を致すわよぅ4<br> <br> 「風邪ひいた………ただいまぁ」<br>  ………………………………<br> 「あれ、ねーちゃん?ただいま………」<br>  ………………………………<br> 「って、そういやサークルの会合があるとか言ってたっけ………」<br>  ………………………………<br> 「偶に人が必要にしてみれば………は、はくしゅっくしゅっ………ぅー」<br>  ………………………………<br> 「まずい………家について安心したら、頭まで痛く………」<br>  ………………………………<br> 「せめて二階に………もぅいいや、リビングで横になろ………」<br>  ………………………………<br> 「熱も………ありそうだな………ふぅ………………――――すぅ………すぅ………」<br> <br> ~~世界中の大好きを―― 君に――たい想いに足りない――♪~~<br> (ん………なんか………温かくて柔らかくて………――する声………)って、え!?」<br> ~~体中の愛が――♪、あら、起しちゃった?――ただいまよぅ」<br> 「おかえり………膝枕なのは、見上げてる事からもわかるんだけど、なんでまたスカートで」<br> 「風邪を引いていて寒い時は人肌で温めるのが一番だもの」<br> 「暖房器具がなけりゃな。………なんで、風邪引いてるってわかった?」<br> 「お顔が赤かったから――こうして(ぴと」<br> 「って、額をくっつけるな!?口で言えばわかるから!」<br> 「そぅ?――と、起きたのなら、お薬飲む為にも何か食べないとね」<br> 「………なぁ、さっき口ずさんでたの――」<br> 「んん?昔、こうやってよく歌ってたなぁって。お姉ちゃんが幼稚園位の頃の歌よぅ」<br> 「………それで全然知らないのに聞き覚えがあるのか。なぁ、その………」<br> 「なぁに?」<br> 「えと、もうちょっと………温めてもらっていいかな、お姉ちゃん………?」</p> <hr> <p>楽しい保守を致す (【お願い】【笑って…】&gt;&gt;190)<br> <br> 「――さぁ、午前中に着けるよう、目的地に出発よっ!」<br> 「………いざいかん、魅惑の中南米文明展………!」<br> 「………みっちゃんがテンション高いのは何時もの事だけど」<br> 「ばらしーが目に見えて楽しそうなのは珍しい。いい事だ。――所で、金糸雀君?」<br> 「薔薇水晶が好きそうなイベントですものね。――何かしら、槐先生?」<br> 「君も、ばらしーや草笛先生と同じ、後ろ…後部座席でなくていいのか?」<br> 「カナ~、こっちに来ましょうよ。みっちゃん、左手にも可愛いお花が欲しいなぁうへへ」<br> 「………ばらしーも、来て欲しい。かむおーん」<br> 「みっちゃん、うるさいのかしら。――ごめんね、薔薇水晶。行きは助手席にいるわ」<br> 「ひぐえぐ。最近、カナがとっても冷たい………」<br> 「………かわいそ、かわいそ」<br> 「――草笛先生に花を譲るつもりはないが………本当にいいのかい?」<br> 「ええ、構わないのかしら。………理由は、後々分かってくると思います」<br> 「………ふむ。では、出発するぞ」―――――――<br> 「くーくーzzz」<br> 「すやすや………zzz」<br> 「――走り出してから約一時間で二人とも爆睡、と」<br> 「そこそこに早い時間に集合したからな。まぁ仕方ないだろう」<br> 「ええ。――やっぱり助手席で良かったのかしら」<br> 「ん、どういう事だい?」<br> 「ペーパードライバーな槐先生を一人で放っておくなんて危険すぎるのかしら」<br> 「くく、なるほど、是は手厳しい」<br> 「みっちゃんも、ちょっと無責任かしら。運転できるのは先生とみっちゃんだけなのに…」<br> 「金糸雀君、それは少し違う。草笛先生は、私の運転が安全だと確信して寝てるんだと思うぞ」<br> 「………その根拠は?」<br> 「少しでも危険だと判断していたら、彼女が君を其処に座らせる訳ないだろう?」<br> 「あ………」<br> 「くーくーzzz」</p> <hr> <p>ほのかな保守を致すわよっ(【お願い】【笑って…】&gt;&gt;190の続き)<br> <br> 「………色々見れた。楽しかった。………金糸雀は?」<br> 「カナ『も』よ。――やっぱり文化ある所、音楽もあり、だったのかしら」<br> 「でも、太鼓みたいなのしかなかった。………弦楽器は、ヨーロッパ特有?」<br> 「うーん………古代ギリシャにはあったみたいだけど…詳しくは知らないのかしら」<br> 「じゃ、今度はギリシャ展に行こ。………いいよね、お父様、みっちゃん先生?」<br> 「勿論よ、ばらしーちゃん。でもまぁ、とりあえず――」<br> 「――帰ろうか。三人とも、車に乗ってくれ」<br> 「帰りは私が助手席に座るから、カナ、交代しましょう」<br> 「あれ、みっちゃんも後ろじゃないのかしら?」<br> 「………センセ、両手に花だよ?」<br> 「あっはっは、凄く嬉しい誘惑。でも、前のおじさんにも花を与えてあげないとね」<br> 「………おじさん?――ふむ、花は花でも、姥桜――ごふぅ!?」<br> 「おとーさま、………怒るよ?」<br> 「わはー、見事なストレート。――ほらほら、槐先生、蹲ってないで帰りましょう」<br> 「薔薇水晶、容赦ない………。撃沈しているから、暫く無理なんじゃないかしら………?」<br> <br> 「――すぅすぅzzz」<br> 「――すやすや………zzz」<br> 「………花――椿姫達は眠り姫になったみたいだな」<br> 「ふふ。――二人とも、まだまだ子どもですから」<br> 「ああ、そうだな。君も、疲れているなら寝てもいいんだぞ、草笛君?」<br> 「………私まで、この子達と同じ(子ども)扱いですか、槐『先輩』?」<br> 「ん、あぁ………すまない。今のは全く意識していなかったんだが」<br> 「尚、悪いですよ。――それに、今起きる為に行きは寝てたんですから」<br> 「ふむ………なるほどな」<br> 「『行きはよいよい、帰りは怖い』――姥桜で誠に申し訳ありませんが、お付き合いしますよ」<br> 「それは関所の歌なのだが………。それに、姥桜単体は綺麗な花なんだぞ?」<br> 「さぃですか。――ともかく、帰りましょう、槐セ・ン・パ・イ!」</p> <hr> <br> クリスマスな保守を致すわよぅ<br> <br> 「ぁ………あぁーーーーーー!?」<br> 「痛………っ、なんだよ、いきなり………?」<br> 「お、お姉ちゃん、皆にクリスマスパーティのお誘いメールを送ったんだけど………」<br> 「知ってる――当日になっていきなりな。集まるもんかねぇ………」<br> 「だけど、文章の途中で送っちゃったみたいで………『皆で、うち』で送信しちゃってたのよぅっ」<br> 「………まぁ、その。それじゃ来なくてもしょうがな――?」<br> 「あぅぅ………折角、皆で楽しく騒ごうと思ってたのにぃ………」<br> 「――いや。はは、僕が思ってたよりも、暇人は多いみたいだ」<br> 「………………ふぇ?」<br> <br> 「やっと………やぁっと、補習から解放されたわぁ!」<br> 「其れはこっちの台詞。もう少し早く終わらせて欲しかったのだわ」<br> 「ふふ、でも真紅ちゃん、一度も急かさなかったわよね?<br> ――と、こんばんは。めぐ、真紅、銀ちゃん、到着したわよ」<br> <br> 「ごめん………金糸雀。ばらしーが、録画に手間取ってた所為で………」<br> 「後で一緒に見せてもらうのかしら、ね?<br> ――ちょっと遅れちゃったけど、金糸雀、薔薇水晶、着いたのかしら!」<br> <br> 「流石にワシらはお邪魔だと思ったのだが………」<br> 「あら、貴方、そう言う割には『森伊蔵』なんて出してきちゃったではないですか」<br> 「ま、翠星石はどっちでもよかったのですが、二人が迷ったらいけないので付添いですぅ。<br> ふ、二人ともその顔はなんですか!?――えと、翠星石、おじじ、おばば、参上ですぅ!」<br> <br> 「なかなかに盛況している様だな。来た甲斐があったと言うものだ」<br> 「ええ、先生も家で煮詰まりながらプロット作ってるよりも、今日位は騒いだ方がいいですよ。<br> まぁ、ボクも人の事は言えないんですけど………。蒼星石、結菱先生、参加させてもらうよ」<br> <br> 「――二人とも、早く来るのよ!パーティが始まっちゃうの!」<br> 「あらあら、雛姉様、そんなに駆けると転んでしまいますわよ」<br> 「ふふ、雪華綺晶も、お料理の匂いがしてきた辺りから早足になってるよ?<br> お招き頂いてありがとうございます。雛苺、雪華綺晶、巴、参りました」<br> <br> 「――な?」<br> 「――うんっ、お姉ちゃん、張り切って御馳走作っちゃうわ!」<br> 「いや、もう皆が持ってきてくれたので十分………まぁ、こんだけいればなんとかなるか」<br> 「――騒がしくなりそうね」<br> 「………真紅。嫌いか?」<br> 「だったら、来やしないのだわ」<br> 「それもそうだな。――ところで、よくあの文章、と言うか単語で通じたな」<br> 「まぁ、ね。――他の人ならともかく、のりだもの」<br> 「それは、褒めてるのか貶してるのか」<br> 「どちらでもないわ。言葉通りの意味。のりだから、『皆でうちで楽しみましょう』と理解できたのよ」<br> 「………そっか」<br> 「ええ。――あら?みっちゃん先生と槐先生は――」<br> <br> 「――はぁい、サンタコスで今来たわよ!ついでに皆の分もあるからねっ!」<br> 「君の場合は単に、赤い服を着ているだけだろう。<br> と言うか、私がトナカイか。――槐、みつ君、遅ればせながら到着だ」<br> <br> 「――メール出した、ほぼ全員が来たんじゃないか………?」<br> 「みたいね。――いい事じゃない」<br> 「まぁ、な。――それじゃ、主催者の意向に沿おうか」<br> 「ええ、そうね。――のり、お料理してないで、最初の一言を言って頂戴」<br> 「え、え、お姉ちゃ、じゃなくて、私が?――えと、それじゃ――<br> <br> 『メリークリスマスっ!』 <p><br></p> <hr> <br> クリスマスな保守を致すぞ<br> <br> 「子どもたちは厳禁ですが、ほらほら、先生方は飲みましょうっ!」<br> 「もう、みっちゃんたらっ!絶対、自分が飲みたいだけなのかしら」<br> 「そう怒ってやるな、金糸雀君。なに、私は飲まないから、君も含めて帰りは送るさ」<br> 「………お父様、そんなに強くないし」<br> 「はっはっは、槐君、そんな事は許さんゾ!」<br> 「結菱先生、原稿から解放されて生き生きし過ぎですよ………はぁ」<br> 「ま、偶にはいいじゃねーですか、蒼星石。――ん、おじじとおばばは飲まないですか?」<br> 「ええ、私は飲まないから、『おじじ』さんに注いでやってくださいな。ふふ」<br> 「――む、いいのか?なら、少し頂こうかの」<br> <br> 「つーまーりー!いっちばんぐぃっぐぃ飲めた方の愛が一番大きいんですよ!」<br> 「くくく、みつ君、何度も言わせるな。私のばらしーへの愛に、君のそれでは勝てない」<br> 「ふむ、何か一つに対する執着心は薄いのだがな。面白い、飲み比べに参加しようではないか」<br> <br> 「話が変な方向に………頭が痛いのかしら」<br> 「………同上」<br> 「………以下略」<br> 「ま、まぁまぁ。でもまぁ、暴飲暴食は良かぁないですね。<br> おじじ、止めてやってもらえませんか?」<br> 「興を削ぐのも申し訳ないが………生徒たちに示しが付かんのはいかんな、よし――」<br> <br> 「あら、参加しないのですか、『元治』さん――」<br> <br> 「………………ぇぅ」<br> 「………………ぉぁ」<br> 「………………ぅぇ」<br> 「――なんじゃ、もう終わりか?呆気ないな」<br> 「因みに、私は元治さんよりも飲めますからね。――うふふ」 <p><br></p> <hr> <br> クリスマスな保守を致しましょう<br> <br> 「――あら、カラオケなんてものまであるのね」<br> 「歌っちゃいなさいよぉ、めぐぅ。貴女、歌好きでしょぉ?」<br> 「私も、水銀燈からそう聞いているのだわ。めぐ先生、一曲聞かせて頂けない?」<br> 「マイクは此方に。――そう言えば、雛姉様もお歌好きでしたわよね」<br> 「ほとんどが即興の鼻歌だけど、ね。――雛苺、何か歌ってみる?」<br> 「うゅ?うんっ、ヒナ、沢山歌うのよ!」<br> 「――ふふ、じゃあ、皆で順番に歌いましょうか。じゃ、まずは水から」<br> 「誰が『水』よぉっ。と言うか、言いだしっぺは貴女なんだから――」<br> 「はい、銀の持ち歌。ほらほら、早くマイク持って」<br> 「だぁから! ――~~♪―― って、『薔薇獄乙女』!?あぁもぉ、やってやるわよぉ!」<br> 「………なぜか、微妙に水銀燈に苛つきがきたのだわ………何故………?」<br> <br> 「次は私?えーと……… ――~~♪―― 『聖少女領域』、ね。わかったのだわ」<br> 「そぉ言えば、真紅ぅ。貴女、この前抜けがけして二人っきりでお茶会してたで――あ、逃げるなぁ!」<br> <br> 「あら、『コッペリアの棺』。ワタクシ、宜しいでしょうか?――頂きますわね」<br> 「うに?羊さんの歌なの?」<br> 「コッペリアのひっつっじ♪………雰囲気台無しだから、歌っちゃだめよ、雛苺?」<br> <br> 「次はヒナなの!ほら、巴も一緒に、ね?」<br> 「え、あ、私は………うん、じゃあ、雛苺の声に合わせて歌うね」<br> 「巴様も奇麗なお声ですのに………。――『ピアニィ・ピンク』ですね、癒されますわ、姉様」<br> <br> 「さあぁ、次は貴女よぉ、めぐぅ。もう言い逃れは――って、また私の持ち歌ぁ!?」<br> 「はい、灯、マイク。――私は聞いているだけでいいの」<br> 「水銀燈、さっさと歌うのだわ。――………でも、どうしてです、めぐ先生?」<br> 「――私はね、沢山一人だけで歌い過ぎたの。だから、今は他の誰かの歌を、沢山聞いていたいのよ」<br> 「――解りました、先生。――水銀燈、私にもマイクを回すのだわ!」
<p>71:甘ぁい保守を致しますわ<br /><br /> 「う~ん………やっぱり、見よう見まねじゃ上手くは作れないなぁ………」<br /> 「――1日に置いて3度ある至福の時間に、お一人で何の独り言ですの?」<br /> 「んぁ、雪華綺晶。たかが昼食に至福はいい過ぎ――いや、何でもない」<br /> 「口は災いの元………賢い選択ですわ」<br /> 「うん、身を持って知ってる。――んー、今日、姉ちゃんが寝坊しちゃってさ」<br /> 「あら、のり様、朝はお強そうですのに。――なるほど、それで、ご自分で」<br /> 「そ、弁当作ってみたんだ。だけどまぁ、結果は散々で………皆に見られるのも癪だし」<br /> 「ふふ、意地っ張りですわね。――ワタクシは………ご相伴しても宜しいでしょうか?」<br /> 「ばれちゃったし………笑わないなら」<br /> 「横、失礼いたしますわ(―ふわり)―一生懸命作られたのでしょう?笑う訳ありませんわ」<br /> 「べ、別にそんな頑張って作った訳じゃ………!」<br /> 「いいえ、作られた筈ですわ」<br /> 「………なんで、断言できるんだよ?」<br /> 「だって――貴方様お一人のお弁当ならともかく、のり様のお弁当でもあるのでしょう?」<br /> 「………ふん。――で、お前は何を食べるんだ?」<br /> 「五時間目が体育ですから…少なめに、スタミナ定食のみ……のつもりだったのですが」<br /> 「足りなけりゃ、終わった後にでも学食に行けば………ん?」<br /> 「え、えと、その――宜しければ、交換………して頂けないでしょうか………?」<br /> 「是と?」<br /> 「それと」<br /> 「腹壊しても知らないぞ。それに、美味しくないだろうし………」<br /> 「――有難う御座います。では、頂きますわ」<br /> 「躊躇なく食べるなぁ………。――なぁ、やっぱり、美味しくないだろ?」<br /> 「あら、美味しいに決まってますわよ――貴方様の、想いが込められているんですもの」<br /> 「………気にしてなかったから、髪とかは入っちゃってるかもな」<br /> 「ワタクシは気にしませんわよ?ついでに、調味料として………唾液も下さいな―――(ちゅく」<br /> 「ん………僕のにも、今の調味料、貰っていいか?」<br /> 「次に作られる時に、ワタクシを想っていただけるなら――幾らでも、お望みのままに―ふふ」</p> <hr /><p><br /><br /> 72:ほのかな保守を致すんだよ<br /><br /> 「あれ、珍しいね。今日は自転車で来たんだ?」<br /> 「ん、あぁ、ちょっと寝坊して………。1本逃すとこっちの方が早く着くんだ」<br /> 「あはは、そっちの線路、時間帯によってはちぐはぐだもんね」<br /> 「そうなんだよなぁ………自転車は寒いから、ヤなんだけど」<br /> 「風が結構吹いてるもんね。ご苦労様」<br /> 「まったくだ。――そうだ、良かったら駅まで送っていこうか?」<br /> 「いいの?じゃあ、お言葉に甘えて………」<br /> 「………あの、蒼星石さん?」<br /> 「――どうかした?あ、やっぱり、早く帰りたいから降りて………とか?」<br /> 「自分から振っておいて、そんな事は言わないけど。――僕が前のつもりだったんだけど」<br /> 「へ?………………ぁ。あ、あはは、ほら、ボク、いっつも前だから………っ」<br /> 「わからんでもないけど。――と、そろそろ行くぞ。ステップに足乗せて」<br /> 「ぅ、うん。――………こう、でいいのかな?」<br /> 「?あぁ、落ちない様に肩だけはもっとけよ。――じゃ、出発、とっ」<br /> 「わわわ、ととと、ば、バランスがっ?」<br /> 「――そんなにスピードは出してないつもりだけど、悪そうなら、もうちょっと掴まっておけよ?」<br /> 「こ、こうっ?(むぎゅ」<br /> 「――!?わ、こら、そんなにはくっつくなって!?」<br /> 「え、え、えっ?だ、だって、君がくっつけって………」<br /> 「くっつけとは言って……!?――あぁもぅ、『押し潰されてる』から、恥ずかしいんだってば!」<br /> 「ふぇ?押しつぶ…………………………ぁ、ぇと。………………………えっち」<br /> 「ぐ………っ!?お、男なんだからしょーがないだろ!と言うか、だから離れろって――!?」<br /> 「………んと、運転しづらい?」<br /> 「むしろ、加速しそう。――じゃなくて!そーいう風に考えたくないから――」<br /> 「いいよ、そう言う風に考えても。――それに、こうしてる方が暖かいし………えへへ」<br /> 「………ん、OK。じゃあ、お前の家まで飛ばすぞ、落ちないようになっ」<br /> 「うんっ、出発進行ー!」</p> <hr /><p>73:乙女な保守を致すですぅ<br /><br /> 「冬が………っ、冬がやってきちまったですよ………!」<br /> 「………お前さ、春夏秋冬の変わり目でいつも騒いでるよな」<br /> 「な、そんな事は………!――や、でも、冬は他の季節よりも殊更危険なのですよ!?」<br /> 「ほー。具体的には?」<br /> 「冬にはですね、白い悪魔がいやがるのですよ…あぁ!考えただけでも震えが………!」<br /> 「武者震いか。と言うか、涎を拭く様に」<br /> 「んぐ………ゴシュゴシュ」<br /> 「んー、ちょっと意外だな。お前って、お菓子とか果物は好きだけど、餅もなのか?」<br /> 「勿論、お餅単体も好きですが………お餅は、色々工夫を凝らせるのですよ。<br /> きなこ餅に餡餅、草餅………あぁ、お汁粉や善哉も………意外とアイスに乗せるのも………」<br /> 「わー、聞いてるだけでお腹一杯。と言うか、全部甘い――デザート感覚だよな」<br /> 「当然ですぅ。雪華綺晶の様に、何でもかんでも食う訳じゃねぇですよ」<br /> 「ふむ。………でも、太るんじゃ――?」<br /> 「あーあー、聞こえなーい聞こえないデース」<br /> 「雪華綺晶は幾ら喰っても太らないもんなぁ………いや、実は陰でダイエットとか………?」<br /> 「あれだけ食べてたら、ダイエットも何もあったもんじゃないですぅ」<br /> 「………聞こえてるんじゃないか」<br /> 「あーあー聞こえなーい」<br /> 「あのなぁ………いじけて隅っこで座んな。――どれ、どんだけ重りが付いたかな、と(ぷに」<br /> 「――!?て、てててててめぇ!乙女の柔肌を服の上からとは言――ひゃぁ!?」<br /> 「――おりょ?………翠星石。流石に段腹になってるのはどうかと………(もにゅもにゅ」<br /> 「ひゃぁぁ――そ、そーこーはー!お腹の上ですぅ!!?」<br /> ――僕がその瞬間に見たモノは、腕を捻りながら拳を放つ翠星石だった。は、ハートブレイクショ(ry<br /> 「………えと、うん。僕が悪かった。全面的に」<br /> 「つーん」<br /> 「ぁ~、ぅ~………そうだ、今度、スケート場でも行こうか?体動かせるしさ」<br /> 「それはそれで微妙に失礼な誘いと思うですが。――仕方ありません、帰りにパフェをつけるなら」<br /> 「いや、だから、運動の目的を………。まぁ、いいか。りょーかい(ぽんぽん」</p> <hr /><p>74:乙女な保守を致す…<font color="#FF0000">(※ユリユリ)</font><br /><br /> 「さてと。まずは………」<br /> 「やぁ………やだよぅ、金糸雀ぁ………やっぱり………止めよう?」<br /> 「駄目なのかしら、薔薇水晶。貴女だって年頃なんだから――」<br /> 「ぇぅぅ………乱暴にしちゃ、やだよ………?」<br /> 「そんな事しないのかしら。だから、ちょっとだけ、我慢して?」<br /> 「………ぅん、わかった。初めてだから………優しく、して」<br /> 「………えーと。薔薇水晶。………お前、わざと変に言ってるだろ?」<br /> 「ぇぅぅ、ちょっとでも気を紛らわす為に………お化粧なんて面倒くさいぃ………」<br /> 「………まぁ、うん。金糸雀、何事も無理強いはよくないんじゃナイカナ?」<br /> 「なんで口をかくかくさせながら言うのかしら??――今は、お節介だと思うけど」<br /> 「気の所為だ。――うん?『けど』?」<br /> 「このままじゃ何時まで経ってもノーメイクになっちゃうわ―教えられる時に教えていた方がいいと思うの」<br /> 「そんなにノーメイクって駄目なのかなぁ………」<br /> 「駄目とは言わないわ。――けれど、奇麗になれる方法を知っていても悪くはないかしら。<br /> 特に――そう思ってほしい人が、傍にいるなら、尚更、ね?」<br /> 「ぅん?あぁ、まぁ、そうかもしれないなぁ………??」<br /> 「………わかった、金糸雀。我慢する」<br /> 「――うん、いい子よ、薔薇水晶。元がいいんだから、ちょっとだけなのかしら」<br /><br /> 「――よし、是で全部終わり、と。そんなにかからなかったでしょう?」<br /> 「確かに。――でもまぁ……印象は変わるもんだなぁ」<br /> 「………金糸雀は、どう思う?」<br /> 「もぅ!もうちょっとちゃんとした感想を――!……ん、勿論、奇麗になってるのかしら」<br /> 「………褒められた。金糸雀、ありがとぉ(抱きゃっ」<br /> 「なるほど、急に素直になったのはそう言う事か、ご馳走様。―お邪魔虫は退散するよ、じゃな」<br /> 「――ち、違っ!?そーいう意図じゃ………!あぁぁ、行っちゃったかしら!?」<br /> 「えへへぇ………もふもふぽかぽかぁ………♪」<br /> (タグに百合をつけていますが、信条的には百合ではありません。どんな信条だ) </p> <hr /><p>75:乙女な保守を致します<br /><br /> 「すぅ………………」<br /> 「――と、やっと見つかった。おーぃ、柏――」<br /> 「――………………ぜぃっっっっっっ」<br /> 「――ば………?」<br /> 「………………ふぅ。――………?あ、………何時から?」<br /> 「いや、ついさっきだけど………今のは?」<br /> 「………気合いを入れる発声。試合中でもないから、単なる気紛れだけどね」<br /> 「そうなのか?端で聞いてると、凄く気合い入ってた様に聞こえたけど」<br /> 「………滅多に耳にしないからじゃないかな。クラブで練習してる時だと茶飯事よ」<br /> 「そういうもんなのか。――そういや、柏葉、結構強かったっけ」<br /> 「………凄く前向きに言うと、習練の賜ね」<br /> 「含みのある言い方だな――人の事は言えないけどさ」<br /> 「人並の体格で人並のセンス、無駄に気真面目だから練習量は人並み以上。<br /> ………『以上』が一つでもあるんだから、相対的には『強い』部類に入るんじゃないかな」<br /> 「あのなぁ………もっとこう素直にだな」<br /> 「貴方に言われたくないな。――ところで、私に用があったんじゃ………?」<br /> 「ん、あぁ………『下校時間で外は真っ暗だから青春少女を送りなさいっ』って」<br /> 「誰がそんな事………いえ、いいわ、何となく想像がついたから」<br /> 「うん、まぁ。――確かに、外も暗いから一人で帰るのは危ないかなって」<br /> 「――心配、してくれてるの?」<br /> 「………先生に言われたから、こう義務感が………いや、そりゃちょっとは心配もしてなくも」<br /> 「………もぅ。――いいわ、帰りましょう」<br /> 「でもなぁ………もし万が一、何かあっても逆に助けられそうな気がする………」<br /> 「――そんな事ないわよ。女の子は、時と場合によって強くなったり弱くなったりするんだから」<br /> 「随分都合のいい事で」<br /> 「都合の問題じゃないわ。半自動のシステムなの。特に――」<br /> 「はいはい。――とりあえず、待ってるから着替えてこいよ」<br /> 「――守って欲しい人の前だと、ね。――覗いちゃ、駄目だよ?」</p> <hr /><p>76:蕩ける保守を致すわよぅ4<br /><br /> 「風邪ひいた………ただいまぁ」<br />  ………………………………<br /> 「あれ、ねーちゃん?ただいま………」<br />  ………………………………<br /> 「って、そういやサークルの会合があるとか言ってたっけ………」<br />  ………………………………<br /> 「偶に人が必要にしてみれば………は、はくしゅっくしゅっ………ぅー」<br />  ………………………………<br /> 「まずい………家について安心したら、頭まで痛く………」<br />  ………………………………<br /> 「せめて二階に………もぅいいや、リビングで横になろ………」<br />  ………………………………<br /> 「熱も………ありそうだな………ふぅ………………――――すぅ………すぅ………」<br /><br /> ~~世界中の大好きを―― 君に――たい想いに足りない――♪~~<br /> (ん………なんか………温かくて柔らかくて………――する声………)って、え!?」<br /> ~~体中の愛が――♪、あら、起しちゃった?――ただいまよぅ」<br /> 「おかえり………膝枕なのは、見上げてる事からもわかるんだけど、なんでまたスカートで」<br /> 「風邪を引いていて寒い時は人肌で温めるのが一番だもの」<br /> 「暖房器具がなけりゃな。………なんで、風邪引いてるってわかった?」<br /> 「お顔が赤かったから――こうして(ぴと」<br /> 「って、額をくっつけるな!?口で言えばわかるから!」<br /> 「そぅ?――と、起きたのなら、お薬飲む為にも何か食べないとね」<br /> 「………なぁ、さっき口ずさんでたの――」<br /> 「んん?昔、こうやってよく歌ってたなぁって。お姉ちゃんが幼稚園位の頃の歌よぅ」<br /> 「………それで全然知らないのに聞き覚えがあるのか。なぁ、その………」<br /> 「なぁに?」<br /> 「えと、もうちょっと………温めてもらっていいかな、お姉ちゃん………?」</p> <hr /><p>77:楽しい保守を致す<br /><br /> 「――さぁ、午前中に着けるよう、目的地に出発よっ!」<br /> 「………いざいかん、魅惑の中南米文明展………!」<br /> 「………みっちゃんがテンション高いのは何時もの事だけど」<br /> 「ばらしーが目に見えて楽しそうなのは珍しい。いい事だ。――所で、金糸雀君?」<br /> 「薔薇水晶が好きそうなイベントですものね。――何かしら、槐先生?」<br /> 「君も、ばらしーや草笛先生と同じ、後ろ…後部座席でなくていいのか?」<br /> 「カナ~、こっちに来ましょうよ。みっちゃん、左手にも可愛いお花が欲しいなぁうへへ」<br /> 「………ばらしーも、来て欲しい。かむおーん」<br /> 「みっちゃん、うるさいのかしら。――ごめんね、薔薇水晶。行きは助手席にいるわ」<br /> 「ひぐえぐ。最近、カナがとっても冷たい………」<br /> 「………かわいそ、かわいそ」<br /> 「――草笛先生に花を譲るつもりはないが………本当にいいのかい?」<br /> 「ええ、構わないのかしら。………理由は、後々分かってくると思います」<br /> 「………ふむ。では、出発するぞ」―――――――<br /> 「くーくーzzz」<br /> 「すやすや………zzz」<br /> 「――走り出してから約一時間で二人とも爆睡、と」<br /> 「そこそこに早い時間に集合したからな。まぁ仕方ないだろう」<br /> 「ええ。――やっぱり助手席で良かったのかしら」<br /> 「ん、どういう事だい?」<br /> 「ペーパードライバーな槐先生を一人で放っておくなんて危険すぎるのかしら」<br /> 「くく、なるほど、是は手厳しい」<br /> 「みっちゃんも、ちょっと無責任かしら。運転できるのは先生とみっちゃんだけなのに…」<br /> 「金糸雀君、それは少し違う。草笛先生は、私の運転が安全だと確信して寝てるんだと思うぞ」<br /> 「………その根拠は?」<br /> 「少しでも危険だと判断していたら、彼女が君を其処に座らせる訳ないだろう?」<br /> 「あ………」<br /> 「くーくーzzz」</p> <hr /><p>78:ほのかな保守を致すわよっ(【お願い】【笑って…】&gt;&gt;190の続き)<br /><br /> 「………色々見れた。楽しかった。………金糸雀は?」<br /> 「カナ『も』よ。――やっぱり文化ある所、音楽もあり、だったのかしら」<br /> 「でも、太鼓みたいなのしかなかった。………弦楽器は、ヨーロッパ特有?」<br /> 「うーん………古代ギリシャにはあったみたいだけど…詳しくは知らないのかしら」<br /> 「じゃ、今度はギリシャ展に行こ。………いいよね、お父様、みっちゃん先生?」<br /> 「勿論よ、ばらしーちゃん。でもまぁ、とりあえず――」<br /> 「――帰ろうか。三人とも、車に乗ってくれ」<br /> 「帰りは私が助手席に座るから、カナ、交代しましょう」<br /> 「あれ、みっちゃんも後ろじゃないのかしら?」<br /> 「………センセ、両手に花だよ?」<br /> 「あっはっは、凄く嬉しい誘惑。でも、前のおじさんにも花を与えてあげないとね」<br /> 「………おじさん?――ふむ、花は花でも、姥桜――ごふぅ!?」<br /> 「おとーさま、………怒るよ?」<br /> 「わはー、見事なストレート。――ほらほら、槐先生、蹲ってないで帰りましょう」<br /> 「薔薇水晶、容赦ない………。撃沈しているから、暫く無理なんじゃないかしら………?」<br /><br /> 「――すぅすぅzzz」<br /> 「――すやすや………zzz」<br /> 「………花――椿姫達は眠り姫になったみたいだな」<br /> 「ふふ。――二人とも、まだまだ子どもですから」<br /> 「ああ、そうだな。君も、疲れているなら寝てもいいんだぞ、草笛君?」<br /> 「………私まで、この子達と同じ(子ども)扱いですか、槐『先輩』?」<br /> 「ん、あぁ………すまない。今のは全く意識していなかったんだが」<br /> 「尚、悪いですよ。――それに、今起きる為に行きは寝てたんですから」<br /> 「ふむ………なるほどな」<br /> 「『行きはよいよい、帰りは怖い』――姥桜で誠に申し訳ありませんが、お付き合いしますよ」<br /> 「それは関所の歌なのだが………。それに、姥桜単体は綺麗な花なんだぞ?」<br /> 「さぃですか。――ともかく、帰りましょう、槐セ・ン・パ・イ!」</p> <hr /><p><br /> 79:クリスマスな保守を致すわよぅ<br /><br /> 「ぁ………あぁーーーーーー!?」<br /> 「痛………っ、なんだよ、いきなり………?」<br /> 「お、お姉ちゃん、皆にクリスマスパーティのお誘いメールを送ったんだけど………」<br /> 「知ってる――当日になっていきなりな。集まるもんかねぇ………」<br /> 「だけど、文章の途中で送っちゃったみたいで………『皆で、うち』で送信しちゃってたのよぅっ」<br /> 「………まぁ、その。それじゃ来なくてもしょうがな――?」<br /> 「あぅぅ………折角、皆で楽しく騒ごうと思ってたのにぃ………」<br /> 「――いや。はは、僕が思ってたよりも、暇人は多いみたいだ」<br /> 「………………ふぇ?」<br /><br /> 「やっと………やぁっと、補習から解放されたわぁ!」<br /> 「其れはこっちの台詞。もう少し早く終わらせて欲しかったのだわ」<br /> 「ふふ、でも真紅ちゃん、一度も急かさなかったわよね?<br /> ――と、こんばんは。めぐ、真紅、銀ちゃん、到着したわよ」<br /><br /> 「ごめん………金糸雀。ばらしーが、録画に手間取ってた所為で………」<br /> 「後で一緒に見せてもらうのかしら、ね?<br /> ――ちょっと遅れちゃったけど、金糸雀、薔薇水晶、着いたのかしら!」<br /><br /> 「流石にワシらはお邪魔だと思ったのだが………」<br /> 「あら、貴方、そう言う割には『森伊蔵』なんて出してきちゃったではないですか」<br /> 「ま、翠星石はどっちでもよかったのですが、二人が迷ったらいけないので付添いですぅ。<br /> ふ、二人ともその顔はなんですか!?――えと、翠星石、おじじ、おばば、参上ですぅ!」<br /><br /> 「なかなかに盛況している様だな。来た甲斐があったと言うものだ」<br /> 「ええ、先生も家で煮詰まりながらプロット作ってるよりも、今日位は騒いだ方がいいですよ。<br /> まぁ、ボクも人の事は言えないんですけど………。蒼星石、結菱先生、参加させてもらうよ」<br /><br /> 「――二人とも、早く来るのよ!パーティが始まっちゃうの!」<br /> 「あらあら、雛姉様、そんなに駆けると転んでしまいますわよ」<br /> 「ふふ、雪華綺晶も、お料理の匂いがしてきた辺りから早足になってるよ?<br /> お招き頂いてありがとうございます。雛苺、雪華綺晶、巴、参りました」<br /><br /> 「――な?」<br /> 「――うんっ、お姉ちゃん、張り切って御馳走作っちゃうわ!」<br /> 「いや、もう皆が持ってきてくれたので十分………まぁ、こんだけいればなんとかなるか」<br /> 「――騒がしくなりそうね」<br /> 「………真紅。嫌いか?」<br /> 「だったら、来やしないのだわ」<br /> 「それもそうだな。――ところで、よくあの文章、と言うか単語で通じたな」<br /> 「まぁ、ね。――他の人ならともかく、のりだもの」<br /> 「それは、褒めてるのか貶してるのか」<br /> 「どちらでもないわ。言葉通りの意味。のりだから、『皆でうちで楽しみましょう』と理解できたのよ」<br /> 「………そっか」<br /> 「ええ。――あら?みっちゃん先生と槐先生は――」<br /><br /> 「――はぁい、サンタコスで今来たわよ!ついでに皆の分もあるからねっ!」<br /> 「君の場合は単に、赤い服を着ているだけだろう。<br /> と言うか、私がトナカイか。――槐、みつ君、遅ればせながら到着だ」<br /><br /> 「――メール出した、ほぼ全員が来たんじゃないか………?」<br /> 「みたいね。――いい事じゃない」<br /> 「まぁ、な。――それじゃ、主催者の意向に沿おうか」<br /> 「ええ、そうね。――のり、お料理してないで、最初の一言を言って頂戴」<br /> 「え、え、お姉ちゃ、じゃなくて、私が?――えと、それじゃ――<br /><br /> 『メリークリスマスっ!』</p> <p> </p> <hr /><p><br /> 80:クリスマスな保守を致すぞ<br /><br /> 「子どもたちは厳禁ですが、ほらほら、先生方は飲みましょうっ!」<br /> 「もう、みっちゃんたらっ!絶対、自分が飲みたいだけなのかしら」<br /> 「そう怒ってやるな、金糸雀君。なに、私は飲まないから、君も含めて帰りは送るさ」<br /> 「………お父様、そんなに強くないし」<br /> 「はっはっは、槐君、そんな事は許さんゾ!」<br /> 「結菱先生、原稿から解放されて生き生きし過ぎですよ………はぁ」<br /> 「ま、偶にはいいじゃねーですか、蒼星石。――ん、おじじとおばばは飲まないですか?」<br /> 「ええ、私は飲まないから、『おじじ』さんに注いでやってくださいな。ふふ」<br /> 「――む、いいのか?なら、少し頂こうかの」<br /><br /> 「つーまーりー!いっちばんぐぃっぐぃ飲めた方の愛が一番大きいんですよ!」<br /> 「くくく、みつ君、何度も言わせるな。私のばらしーへの愛に、君のそれでは勝てない」<br /> 「ふむ、何か一つに対する執着心は薄いのだがな。面白い、飲み比べに参加しようではないか」<br /><br /> 「話が変な方向に………頭が痛いのかしら」<br /> 「………同上」<br /> 「………以下略」<br /> 「ま、まぁまぁ。でもまぁ、暴飲暴食は良かぁないですね。<br /> おじじ、止めてやってもらえませんか?」<br /> 「興を削ぐのも申し訳ないが………生徒たちに示しが付かんのはいかんな、よし――」<br /><br /> 「あら、参加しないのですか、『元治』さん――」<br /><br /> 「………………ぇぅ」<br /> 「………………ぉぁ」<br /> 「………………ぅぇ」<br /> 「――なんじゃ、もう終わりか?呆気ないな」<br /> 「因みに、私は元治さんよりも飲めますからね。――うふふ」</p>

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