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「第6話【大食い電波発信中】前編」(2007/12/09 (日) 01:53:54) の最新版変更点
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<p>とある街の賑やかなメインストリート、その片隅に実に古ぼけたお店がありました。<br>
お店の名前は『薔薇華園』<br>
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第6話【大食い電波発信中】前編<br>
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グギュルルル~<br>
グギュルルル~<br>
グギュル(ry<br>
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『ちょっとジュン!何とかして頂戴!さっきから五月蝿いの…』グキュウ~<br>
『あらぁ?そんな事言ってる真紅もじゃなぁい。笑っちゃうわ…』クククキュウ<br>
『目が回って倒れそうかしらぁ…』ククッキキュウ<br>
『…武士は食わねど…高楊枝…なんて無理…ギヴミー…食べ物…』クウクウクウ<br>
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は、腹が減った…<br>
店の中は腹の虫八重奏のBGMが大音量で流れている。<br>
何故こんな事に鳴ってるのか。<br>
全ての原因はこの…幸せそうな顔でスヤスヤ寝てるコイツのせいだ…<br>
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~三日前~<br>
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「お~い。手伝ってくれ~」<br>
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買い物から戻って店の中に声をかけると、早速八姉妹が寄ってくる。<br>
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『ご苦労様。なまものの袋はどれかな?』<br>
『またスーパーで袋貰ってきたですか?早いとこエコバック買って自然保護に貢献するです』<br>
『乾物系はこの袋かしら?』<br>
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この3人は的確に家事をこなしてくれるので大助かりと言っても良いな。<br>
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『カボチャさんは重たいの~』<br>
『長ネギ流剣術…究極奥義…鳳凰十文字…大切斬…!』<br>
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トスされたカボチャが、空中で長ネギにより四分の一サイズにカットされた…<br>
この2人は遊びつつやるからなあ。<br>
取り敢えず、長ネギで勇者とカボチャでバレーは禁止です。<br>
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『紅茶は…ないなら興味はないわ。無駄な時間をとらせないで』<br>
『ヤクルトは…ちゃんとあるわねぇ。ご褒美あげちゃうわぁ』<br>
『(ゴリゴリ)大根は生でもいけますわね』<br>
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手伝え、抱きつくな、食うんじゃない。<br>
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居候が八人もできたので食費がやたらかかってしょうがない。<br>
…まあ、下手な僕より美味しい物作ってくれるから、食生活が向上したのは感謝してるけど。<br>
ところが次の朝…<br>
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『ど~なってるですかぁ!?』<br>
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翠星石の悲鳴を聞いて冷蔵庫に駆けつけると…<br>
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『空っぽじゃねえですか!!』<br>
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ピッカピカに掃除された後のようになんにもない。<br>
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『こっちも全滅かしらー!?』<br>
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乾物系をしまってある戸棚の方からは、金糸雀の悲痛な叫びが聞こえる。<br>
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あれは十日分の食料だぞ…<br>
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呆然と立ち尽くしていると、恐る恐る真紅が聞いてきた。<br>
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『…その、ジュン?つまり…どういうことなのかしら?』<br>
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引きつった笑みでこう返す事しか出来ない。<br>
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『暫く一日一食って事だよ…』<br>
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当然の事ながら犯人は一人しかいない。<br>
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『きらきー!起きるの!』<br>
『ふみゅ…ご飯の時間ですか?』<br>
『ご飯は君が全部食べちゃっただろ!?』<br>
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珍しく雛苺と蒼星石まで怒っている…って当然か。<br>
雪華綺晶…正に宇宙の如き胃袋を持つ少女。<br>
…正直洒落にすらならない。<br>
そんな怒りをどこ吹く風、雪華綺晶はイヤリングに変わると再び爆睡してしまった。<br>
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『ジュン、なんとかならないかしら…?』<br>
「『無い袖は振れない』ってことわざは知ってるか?」<br>
『ほんとにすっからかんなのぉ?』<br>
「無いわけじゃないが、代わりに水道と電気止められてもいいのか?」<br>
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『『『『『『『きらきーのばかぁ!!』』』』』』』<br>
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そして一日一食十日間なんて、黄金伝説みたいな生活が幕をあけたって訳さ…<br>
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一日一食生活三日目…<br>
いくら女の子とはいえ、流石に三日目になると腹の虫を抑えておく事は無理らしい。<br>
唯一雪華綺晶の腹だけが静かだ。<br>
食い貯めが効くらしくスヤスヤと夢の中。<br>
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『きらきーのほっぺがうにゅ~に見えてきたの…』<br>
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喰いつこうとした雛苺を止めながら、紅茶を飲み干す。<br>
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『ふぁぁぁ…よく眠れましたわ。あら?皆様何故怖い顔してますの?』<br>
『その胸に手を当ててよ~っく考えなさい』<br>
『…私が真紅より大きいから…ですか?』<br>
『誰がバストサイズの話をしろと言ったの!!みんなお腹が空いてるのよ!!貴女のせいで!!』<br>
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ステッキで殴りかかろうとする真紅を抑える姉妹達、それをよそに雪華綺晶が一枚のチラシを持ってきた。<br>
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『でしたらこれで万事解決ですわ』<br>
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ほお、なになに…商店街主催の蕎麦大食い大会?<br>
雪華綺晶がにたぁりと不気味な微笑みを浮かべている…<br>
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つづく</p>