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Another RozenMaiden 第4話  異変」(2006/03/26 (日) 11:49:59) の最新版変更点

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<p><a title="anotherrozenmaiden4" name= "anotherrozenmaiden4"></a>        Another RozenMaiden<br>           第4話 異変 <br> <br> JUM「やっと着いた・・・。」走り出すこと約20分。ようやく自宅へとたどり着く。<br> 急いで家の扉を開くと、玄関に水銀燈の靴があることに気づく。<br> どうやら、水銀燈は自宅に戻っていたらしい。<br> すぐさま荷物を玄関に放り出すと階段を駆け上がり、水銀燈の部屋に前に立つ。<br> JUM「水銀燈、居るのか?」数回ノックしつつ、扉越しに中の様子を伺う。<br> 銀「JUMぅ?」部屋の主、その声が聞こえる。<br> JUM「ああ。水銀燈・・・・部屋に居たんだな。<br>    面談の後、急に居なくなったから心配したよ。」<br> 水銀燈を見つけられた安堵から、疲労がどっと押し寄せてくる。<br> 銀「心配かけて、ごめんねぇ。」<br> JUM「それにしても、一体どうしたんだ?」<br> 銀「ちょっと一人になりたいなって、思っただけなのぉ。」<br> 扉越しで水銀燈の様子は分からない。だが、その声は普段より暗く感じられる。<br> JUM「そうだったのか。気が回らなくてすまんな。」<br> 銀「我がまま言って、ごめんねぇ。」<br> やはり水銀燈の声は暗い。きっと何かあったのだろう。<br> 話したくないというなら、本人が話してくれるのを待つしかない。<br> JUM「何かあったら言うんだぞ。」<br> 銀「そうするわぁ。」<br> そういい残すと、僕は水銀燈の部屋を離れた。<br> この日は結局、水銀燈が部屋から出てくることはなかった。<br> </p> <br> <p>翌日。水銀燈の部屋。<br> 銀「まだこんな時間なのぉ。」<br> 昨日の事のせいか、いつもより早く目が覚めてしまう。時計が示す時間は、まだ6時。<br> 時間を持て余した私は、ついJUMのことばかり考えてしまう。<br> JUMのことを想うと、必ず面談の時に聞いたあの言葉を思い出す。<br> それが辛いので、あれ以来JUMことはなるべく考えない様に努めてきた。<br> 銀「私もダメねぇ。」よぎる想いを振り払おうとする。<br> しかし、止めどなく溢れる想いを振り切ることなどできない。<br> 銀「朝食の支度でもしようかなぁ。」<br> 体を動かせば気が紛れる。そう考え、服を着替えると台所に向かった。<br> <br> いつもより時間を掛けて料理を終える。後は二人分に取り分けるだけだ。<br> 銀「このおかず・・・・JUMの好物なよねぇ。」<br> 何気ない自分の台詞で、私は現実に引き戻されてしまう。<br> 銀「JUM・・・・。」<br> 不意に一粒の滴が頬をつたう。食卓に落ちた液体、それは涙だった。<br> 銀「JUM・・・・私の大好きなJUM・・・・。」<br> その涙を皮切りに、想いと涙が溢れ出す。<br> 全身から力の抜けた私はその場に座り込んでしまう。<br> どの位の間そうしていただろうか。ピンポーン。不意に玄関のチャイムが鳴る。<br> 時間を確認すると、既に時計は8時30分を指している。<br> 真紅達が迎えに来たのだ。このままでは、みんなに私の無様な姿を見られてしまう。<br> それだけでなく、JUMもこの音に気が付いて起きてくるだろう。<br> そうなれば、涙でグチャグチャになった私の顔をJUMに見られてしまう。<br> 私は急いでJUMの朝食を並び終え、<br> 玄関にあるブーツ掴むと裏口から家を飛び出した。</p> <br> <p> ピンポーン。ピンポーン。断続的に鳴る玄関のチャイムで目が覚める。<br> JUM「うるさいなぁ。今何時だと・・・・・って。」<br> 時計が示すのは8時30分。ピンポーン。またチャイムが鳴る。<br> JUM「もうこんな時間なのか!?ということは、このチャイム・・・・真紅たちか。」<br> 急いで服を着替えると、廊下に飛び出し水銀燈の部屋をノックする。<br> JUM「水銀燈!もう起きないと遅刻するぞ。」<br> 返事も待たずに扉を開け、水銀燈の部屋に入り込む。<br> JUM「居ないのか!?」部屋には誰も居なかった。水銀燈は何所に行ったのだろう。<br> ピンポーン。またもチャイムが鳴る。<br> JUM「うるさいな!今行くよ!」慌てて階段を降り、玄関の扉を開けてやる。<br> 雛「JUM。おはようなのー。」扉を開けると同時に、雛苺が飛びついてくる。<br> 遮る者が居ないので、今日は腕を掴まれてしまう。<br> 紅「8時30分を7分も回っているのだわ。成長しない家来ね。」<br> 真紅が愛用の懐中時計を取り出して言う。<br> JUM「僕が、いつお前の家来になった・・・・・って口論している暇もないな。」<br> 雛「JUMの頭。すごいのー。」僕の頭を指差す雛苺。<br> 僕の頭の何が凄いのだろう。玄関にある鏡で自分の姿を映してみる。</p> <br> <p> 翠「ひでー頭ですぅ。寝癖で、どこかの戦闘民族みたいな頭ですぅ。」<br> 鏡に映る僕は、まるで某伝説の戦士のような髪型になっている。<br> 金「ひょっとして寝癖?そこから推理するに、JUMは今起きたのかしらー?」<br> JUM「そうなんだよ。ごめん。先に行っていてくれ。」<br> 寝坊したのは自分の責任だ。他人を巻き込むわけにはいかない。<br> 蒼「JUM君一人を置いては行けないよ。」さすが蒼星石。何て頼りになる奴なのだ。<br> 地獄に蒼星石とは正にこのことである。<br> 翠「ここで見殺しにして、末代まで祟られても困るですぅ。」<br> 泣きっ面に翠星石とは正にこのことである。悪いのは、寝坊した俺なのだけど。<br> 紅「仕方ないわね。5分待ってあげるわ。」勝手に家へ上がり込む真紅。<br> 蒼「JUM君の髪は僕が直すから、翠星石は荷物の方を頼むよ。」<br> 蒼星石に腕を掴まれ、家に連れ戻される。<br> 翠「ついでに弱みの一つでも、探してくるですぅ。」<br> 翠星石が意気揚々と僕の部屋に向かう。<br> 止めようにも、蒼星石の手から逃れられそうにない。<br> 弱みを握られるのは諦め、思考を他に移す。<br> JUM「それにしても、水銀燈は何所だ?」<br> これだけ騒いでも、水銀燈が出てくる気配は無い。<br></p> <br> <p> 紅「人のことはいいから、急いで頂戴。」いつの間にか居間を占拠し、紅茶を啜る真紅。<br> 蒼「水銀燈の靴は無かったから、もう学園じゃないかな。」<br> JUM「そうなのか。」蒼星石に指摘され落ち着きを取り戻す。<br> 蒼「JUM君。動いちゃダメだからね。」<br> 洗面台前の椅子に座らされ、蒼星石が馴れた手つきで寝癖を直す。<br> 姉妹で最も髪の短い彼女には、寝癖という同じ悩みがあるのだろうか。<br> JUM「寝癖の蒼星石も見てみたいな。」何気なく思ったことを口に出してみる。<br> 蒼「な、何を言っているんだい?JUM君。」蒼星石の手が震え、くしが頭皮に当たる。<br> JUM「蒼星石。整髪が上手いから、慣れているのかなと思ってね。」<br> くしが少し痛いが、顔には出さない。<br> 蒼「JUM君。普段は自分で直しているのかい?」<br> JUM「たまに水銀燈がやってくれるけどな。」一瞬、蒼星石の手が止まる。<br> 蒼「ねえJUM君。水銀燈と僕、どっちが上手かな?」</p> <br> <p>少し間を挟み、蒼星石が口を開いた。<br> JUM「もちろん、蒼星石だよ。」<br> 水銀燈には以前、整髪料のスプレーを顔に吹き付けられたことがある。<br> だが、余計なことは言わない主義なので黙っておく。<br> 噂はどこへ流れるか分からないからだ。<br> 蒼「えへへ。お世辞でも嬉しいよ。」蒼星石は素直に嬉しそうな表情をする。<br> 僕の髪を直す間、蒼星石と他愛のない言葉を交わす。<br> 蒼「はい。終わったよ。」程なくして、寝癖直しが終わる。<br> JUM「助かったよ。ありがとう蒼星石。」見事な普通の髪だ。<br> 僕の外見が普通なのだから、これが限界だろう。<br> 蒼「どういたしまして。」ほぼ同時に、翠星石が二階から僕の荷物を手に戻ってくる。<br> 紅「すぐ出発するのだわ。」僕らの様子を見るや、有無を言わさず出発を宣言する真紅。<br> しかし、まだ僕にはやり残したことがあるのだ。<br> JUM「まだ僕の食事が済んでないんだが。」<br> 居間には僕の分の朝食が用意されている。<br> まだ食事をしていないので、もちろん手付かずのままだ。<br> 真紅の目の前にあるのだから、とっくに気づいているはずなのだが。<br> 紅「遅刻したいのなら、一人で好きになさい。」<br> 雛「JUM。もう時間が無いのー。」袖を引っ張り、時計を指差す雛苺。<br> 8時45分。確かに食べている余裕は無い。もう5分早く起きていれば・・・・。<br> 翠「後悔しやがれですぅ。」とどめを刺す翠星石。たった今後悔していたところなのに。<br> JUM「仕方ないか・・・・・。」僕は朝食を諦め、学園に向かった。</p> <br> <p>JUM「おはよう。」いつもと変わらない教室。<br> 蒼「JUM君。水銀燈、居ないね。」<br> JUM「そうみたいだな。」軽く教室を一望する。そこに水銀燈の姿は無い。<br> JUM「水銀燈はまだ来てないのか?」<br> 適当なクラスメートを捕まえて水銀燈のことを尋ねてみる。<br> どうやら、まだ見かけていないらしい。<br> 蒼「大丈夫かな?」<br> JUM「梅岡が来るまでに、まだ少し時間はある。そのうち来るだろう。」<br> 慌てることに意味は無い。僕は携帯でメールを送り、様子を見ることにした。<br> やがて梅岡が教室に入り、出欠を採り始める。<br> しかし、一向に水銀燈が現れる気配はない。依然、送ったメールにも反応は無い。<br> 蒼「水銀燈、まだ来ないね。」僕の様子に気づいた蒼星石が、小声で話しかけてくる。<br> JUM「僕らより先に家を出ていたのなら、こんな時間まで学園に現れないのはおかしい。」<br> 梅岡の出欠が進む度に、気が焦る。<br> 蒼「何か・・・・あったのかも知れないね。」<br> JUM「ああ。梅岡が教室から出たら、一度家に戻ってみるよ。」<br> すぐにでも教室から出たいが、梅岡も簡単には許さないだろう。<br> JUM「学園の方は、任せてもいいか?」<br> 蒼「うん。梅岡先生には僕が上手く説明しておくよ。」<br> JUM「すまん。」<br> 蒼「困った時は、お互い様だよ。」やがてHRが終了し、梅岡が教室から出てゆく。<br> JUM「それじゃ、僕は家に戻るよ。」それを確認すると素早く荷物を纏める。<br> 蒼「JUM君、また明日。」これ以上の言葉を返す時間も惜しい。<br> 昨日、水銀燈の部屋の前での会話を最後に、水銀燈とは一度も会っていない。<br> それに加え昨日の面談以降、水銀燈の様子がおかしい。<br> 何かあったのかも知れない。<br> 言葉の代わりに僕は蒼星石に合図を返す、と教室を後にした。<br> Another RozenMaiden 第4話  異変 終<br> <br> Another RozenMaiden 第5話  愛憎 に続く。</p>

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