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DIABOROS 第一話 「Misty」」(2008/07/01 (火) 21:26:23) の最新版変更点

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<p>            僕の話が聞きたいって?物好きだな。<br>             あぁ、ごめん。興味を持つとは思ってなかったんだ。<br>             最後に会ってからずいぶん経つよね。人って変わるもんだね。<br>             昔はそんなキャラだったっけ?思い出せないや。<br>             ん?あぁ、そういや僕の話だったよな。<br>             心臓の弱い人間は聞かないほうがいい。この話を、よくある、誰にでも起こりうる、平凡な人間の話だというやつがいたら、そいつは、大嘘つきだ。<br>            でも、心配しないでいい。退屈になんかさせないよ。まだ面白いと思える部分だけをかいつまんで話すから。<br>             じゃあ、始めようか。君と会えなかった日々に何があったかを・・・<br> <br> <br>           DIABOROS</p> <p><br> <br> 2023年、今より科学技術、文明は少しは発展した。<br> ガンなんかも、治らない病じゃなくなった。<br> 車はまだ、空を飛んではないけど。<br> いや、飛ばそうと思えば飛ばせる。<br> まぁ、運転が難しいから飛ばしてないだけだ。それに高いし。<br> アメリカとかの上流階級の人、昔の言葉で言うならセレブか、は一応持っているらしい。<br> その代わり、車の自動運転技術がある。都心部だけだけど、操作のネットワークは張られている。<br> 宇宙も少しずつ開発されてきて、大昔流行った月の土地の所有権も少しは価値が出てきた。<br> 色々トラブルもあるみたいだけど、僕には関係ない。持ってないからね。<br> <br> 政治の面では、外国人に参政権が付与された。<br> 当然のことながら、反発はかなり大きかったけど、与党の強行手段によって決定された。<br> 結果、今議員の2割を外国人が占めている。</p> <p><br> そうそう、世界情勢も変わって来た。<br> 2010年には、日本のご近所、北朝鮮が潰れて、今では新しい国家になっている。<br> あと、5年前には、第三次世界大戦が起きそうになった。<br> あわや、核発射か?というすんでの所で済んだ。<br> それも、一人のテロリストが全ての元凶だったらしい。<br> しかも、そいつは日本人。今はどこにいるのやら。会ってみたいとは思わないけどね。<br>  <br> もう一つは日本が東と西に分断されたぐらいかな?<br> 大切なことと言えば。<br> 全部そいつのせいなんだけどね。<br>  <br> テロリストはあろうことか、日本で蜂起しやがった。<br> イラク、ミャンマーのテロリストや軍事政権派の人々や、北朝鮮の残党、日本の右翼や暴力団など、<br> 世界中の危ない人々を束ね上げ、まず警視庁を爆破鎮圧。<br> 在日米軍基地を程よく混乱させた後、悠々と緊急招集のかかった国会議事堂をジャック。<br> で、日本から世界へ宣戦布告。<br> そして、その一時間後に同じようなことをして、滅茶苦茶になった4ヶ国からアメリカへミサイルを発射。<br> 次は核とのブラフ。いや本気だったのだろう。<br> で、怒ったアメリカが徹底反撃。<br> 1ヶ月もたたずに暴動は鎮圧されるだろうとの見込みだったけど、予想に反して4年の奮闘。<br> テロリストの掲げた理想に惹かれていった人々も結構いて、かなり苦戦したようだ。<br> まぁなんとか鎮圧。そいつは死んでないとの噂。<br> 日本にもしかしたら潜伏してるのかも知れない。<br> この国も戦場になっちゃって大変なことに。<br> 世界中から今は軍隊が集まって、名目上は復興支援。だけど実質占領。<br> そうやって溜飲を下げてるみたい。<br>  <br> まぁ、そんなに色んな国が集まればもちろん仲違いも起きるわけで…。<br>  <br> 去年、ついに静岡、長野、新潟より東と、愛知、岐阜、富山より西とで日本は分断された。<br>  <br>  <br>  <br>     第一話 「Misty」<br>  <br>  <br> 深い霧の中にいるような、幼い頃の夢、幻。<br> あの頃は何に縛られるでもなく、ただ無邪気に遊んでたっけ?<br>  <br> 場面は飛んで、僕が京都に引っ越す時。<br> 二人とも泣いている。他にも友達はたくさんいたけど、やっぱり彼女のことが一番記憶に残っている。<br> そういや、最後に何か約束したよな?何だったかな?<br>  <br> そして僕は、目覚ましの音に起こされた。<br> あ、時間が。<br>  <br> 姉が作ってくれた朝食も摂らず、急いで家を出た。<br> 流石にパンをくわえながら走るなんて、器用な芸当は出来ない。<br> 落として凹むのも嫌だし。<br>  <br> チャイムと同時にクラスに飛び込む。どっちだ?<br> 「桜田、次からは妄想早くに来るんだぞ。今回はセーフにしてあげるが」<br> セーフか…。今回ばかりは梅岡でよかった。<br> 副担だったらこうはならず、朝から小言を聞かされる羽目になっただろう。<br>  <br> ホームルームが終わっての休み時間、後ろの席の奴に、<br> 「全く、どうしてあなたはそうやっていつも遅刻するのかしら。下僕としての自覚がたりないのだわ」<br> と流暢な日本語で話しかけられた。<br> 「なんでだよ。間に合ったからいいじゃんか、真紅」<br> 彼女の名は真紅。主従関係という名の下の恋人付き合いをしている。<br> ちなみにドイツ人。父親は軍に在籍しているが、もともと日本には戦争が始まる前からいるので、あまり反日的ではない。<br> 「そういうものではないわ。なぜあなたは、もう少しゆとりを持って行動出来ないの」<br> 「真紅ぅ。そんなに怒るようなことでもないでしょ?<br> それに怒ってばっかだとカロリーが欲しい所まで届かないわよぉ?」<br> なんて火に油を注ぐ御人。水銀燈。<br> いや、お前がそれを言うか?真紅以上に沸点低いじゃんか…、<br> なんてツッコミを入れる前に真紅が火を吹いた。<br> あぁ、騒がしい。<br>  <br> そう思い、避難。その先にもやっぱりうるさい奴等がいた。<br> 金糸雀、翠星石。あぁ、蒼星石がいる分少しはマシか。<br> その辺の会話は略。眠すぎて言葉なんて耳を気持ちいいぐらい右から左へ素通りする。<br> 気付けば、翠星石からクッキーを貰ってたけど。ちょっとありがたい。朝抜いてきたし。<br> あんまり関係無いけど、この高校には、そこそこの外国人生徒がいる。<br> 一クラスに五人程度。前述の五人は全てそう。<br> ちなみに、本名は別にあるけど、彼女たちはニックネーム?で呼ばれている。<br> ええっと…、本名は思い出せないが。まぁ仕方ないよな。一回でも聞いてるかどうかのレベルだし。<br>  <br>  <br> そんなこんなで始まった、いつもの日々。それはこの日を境に転がり始めた。<br> 良い方向か、悪い方向かは分からないけど。<br> 少なくとも、今とは違う方向へ。<br> 日本の真ん中の壁へと惹かれるように。<br>  <br>  <br> DIABOROS 第一話 「Misty」 了<br>  </p>
<p align="left"> 2023年、今より科学技術、文明は少しは発展した。<br /> ガンなんかも、治らない病じゃなくなった。<br /> 車はまだ、空を飛んではないけど。<br /> いや、飛ばそうと思えば飛ばせる。<br /> まぁ、運転が難しいから飛ばしてないだけだ。それに高いし。<br /> アメリカとかの上流階級の人、昔の言葉で言うならセレブか、は一応持っているらしい。<br /> その代わり、車の自動運転技術がある。都心部だけだけど、操作のネットワークは張られている。<br /> 宇宙も少しずつ開発されてきて、大昔流行った月の土地の所有権も少しは価値が出てきた。<br /> 色々トラブルもあるみたいだけど、僕には関係ない。持ってないからね。<br /><br /> 政治の面では、外国人に参政権が付与された。<br /> 当然のことながら、反発はかなり大きかったけど、与党の強行手段によって決定された。<br /> 結果、今議員の2割を外国人が占めている。</p> <p align="left"><br /> そうそう、世界情勢も変わって来た。<br /> 2010年には、日本のご近所、北朝鮮が潰れて、今では新しい国家になっている。<br /> あと、5年前には、第三次世界大戦が起きそうになった。<br /> あわや、核発射か?というすんでの所で済んだ。<br /> それも、一人のテロリストが全ての元凶だったらしい。<br /> しかも、そいつは日本人。今はどこにいるのやら。会ってみたいとは思わないけどね。<br />  <br /> もう一つは日本が東と西に分断されたぐらいかな?<br /> 大切なことと言えば。<br /> 全部そいつのせいなんだけどね。<br />  <br /> テロリストはあろうことか、日本で蜂起しやがった。<br /> イラク、ミャンマーのテロリストや軍事政権派の人々や、北朝鮮の残党、日本の右翼や暴力団など、<br /> 世界中の危ない人々を束ね上げ、まず警視庁を爆破鎮圧。<br /> 在日米軍基地を程よく混乱させた後、悠々と緊急招集のかかった国会議事堂をジャック。<br /> で、日本から世界へ宣戦布告。<br /> そして、その一時間後に同じようなことをして、滅茶苦茶になった4ヶ国からアメリカへミサイルを発射。<br /> 次は核とのブラフ。いや本気だったのだろう。<br /> で、怒ったアメリカが徹底反撃。<br /> 1ヶ月もたたずに暴動は鎮圧されるだろうとの見込みだったけど、予想に反して4年の奮闘。<br /> テロリストの掲げた理想に惹かれていった人々も結構いて、かなり苦戦したようだ。<br /> まぁなんとか鎮圧。そいつは死んでないとの噂。<br /> 日本にもしかしたら潜伏してるのかも知れない。<br /> この国も戦場になっちゃって大変なことに。<br /> 世界中から今は軍隊が集まって、名目上は復興支援。だけど実質占領。<br /> そうやって溜飲を下げてるみたい。<br />  <br /> まぁ、そんなに色んな国が集まればもちろん仲違いも起きるわけで…。<br />  <br /> 去年、ついに静岡、長野、新潟より東と、愛知、岐阜、富山より西とで日本は分断された。<br />  <br />  <br />       DIABOROS <br />     <br />            第一話 「Misty」<br />  <br />  <br /> 深い霧の中にいるような、幼い頃の夢、幻。<br /> あの頃は何に縛られるでもなく、ただ無邪気に遊んでたっけ?<br />  <br /> 場面は飛んで、僕が京都に引っ越す時。<br /> 二人とも泣いている。他にも友達はたくさんいたけど、やっぱり彼女のことが一番記憶に残っている。<br /> そういや、最後に何か約束したよな?何だったかな?<br />  <br /> そして僕は、目覚ましの音に起こされた。<br /> あ、時間が。<br />  <br /> 姉が作ってくれた朝食も摂らず、急いで家を出た。<br /> 流石にパンをくわえながら走るなんて、器用な芸当は出来ない。<br /> 落として凹むのも嫌だし。<br />  <br /> チャイムと同時にクラスに飛び込む。どっちだ?<br /> 「桜田、次からは妄想早くに来るんだぞ。今回はセーフにしてあげるが」<br /> セーフか…。今回ばかりは梅岡でよかった。<br /> 副担だったらこうはならず、朝から小言を聞かされる羽目になっただろう。<br />  <br /> ホームルームが終わっての休み時間、後ろの席の奴に、<br /> 「全く、どうしてあなたはそうやっていつも遅刻するのかしら。下僕としての自覚がたりないのだわ」<br /> と流暢な日本語で話しかけられた。<br /> 「なんでだよ。間に合ったからいいじゃんか、真紅」<br /> 彼女の名は真紅。主従関係という名の下の恋人付き合いをしている。<br /> ちなみにドイツ人。父親は軍に在籍しているが、もともと日本には戦争が始まる前からいるので、あまり反日的ではない。<br /> 「そういうものではないわ。なぜあなたは、もう少しゆとりを持って行動出来ないの」<br /> 「真紅ぅ。そんなに怒るようなことでもないでしょ?<br /> それに怒ってばっかだとカロリーが欲しい所まで届かないわよぉ?」<br /> なんて火に油を注ぐ御人。水銀燈。<br /> いや、お前がそれを言うか?真紅以上に沸点低いじゃんか…、<br /> なんてツッコミを入れる前に真紅が火を吹いた。<br /> あぁ、騒がしい。<br />  <br /> そう思い、避難。その先にもやっぱりうるさい奴等がいた。<br /> 金糸雀、翠星石。あぁ、蒼星石がいる分少しはマシか。<br /> その辺の会話は略。眠すぎて言葉なんて耳を気持ちいいぐらい右から左へ素通りする。<br /> 気付けば、翠星石からクッキーを貰ってたけど。ちょっとありがたい。朝抜いてきたし。<br /> あんまり関係無いけど、この高校には、そこそこの外国人生徒がいる。<br /> 一クラスに五人程度。前述の五人は全てそう。<br /> ちなみに、本名は別にあるけど、彼女たちはニックネーム?で呼ばれている。<br /> ええっと…、本名は思い出せないが。まぁ仕方ないよな。一回でも聞いてるかどうかのレベルだし。<br />  <br />  <br /> そんなこんなで始まった、いつもの日々。それはこの日を境に転がり始めた。<br /> 良い方向か、悪い方向かは分からないけど。<br /> 少なくとも、今とは違う方向へ。<br /> 日本の真ん中の壁へと惹かれるように。<br />  <br />  <br /> DIABOROS 第一話 「Misty」 了<br />  </p>

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