「DIABOROS 第一話 「Misty」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<p> 僕の話が聞きたいって?物好きだな。<br>
あぁ、ごめん。興味を持つとは思ってなかったんだ。<br>
最後に会ってからずいぶん経つよね。人って変わるもんだね。<br>
昔はそんなキャラだったっけ?思い出せないや。<br>
ん?あぁ、そういや僕の話だったよな。<br>
心臓の弱い人間は聞かないほうがいい。この話を、よくある、誰にでも起こりうる、平凡な人間の話だというやつがいたら、そいつは、大嘘つきだ。<br>
でも、心配しないでいい。退屈になんかさせないよ。まだ面白いと思える部分だけをかいつまんで話すから。<br>
じゃあ、始めようか。君と会えなかった日々に何があったかを・・・<br>
<br>
<br>
DIABOROS</p>
<p><br>
<br>
2023年、今より科学技術、文明は少しは発展した。<br>
ガンなんかも、治らない病じゃなくなった。<br>
車はまだ、空を飛んではないけど。<br>
いや、飛ばそうと思えば飛ばせる。<br>
まぁ、運転が難しいから飛ばしてないだけだ。それに高いし。<br>
アメリカとかの上流階級の人、昔の言葉で言うならセレブか、は一応持っているらしい。<br>
その代わり、車の自動運転技術がある。都心部だけだけど、操作のネットワークは張られている。<br>
宇宙も少しずつ開発されてきて、大昔流行った月の土地の所有権も少しは価値が出てきた。<br>
色々トラブルもあるみたいだけど、僕には関係ない。持ってないからね。<br>
<br>
政治の面では、外国人に参政権が付与された。<br>
当然のことながら、反発はかなり大きかったけど、与党の強行手段によって決定された。<br>
結果、今議員の2割を外国人が占めている。</p>
<p><br>
そうそう、世界情勢も変わって来た。<br>
2010年には、日本のご近所、北朝鮮が潰れて、今では新しい国家になっている。<br>
あと、5年前には、第三次世界大戦が起きそうになった。<br>
あわや、核発射か?というすんでの所で済んだ。<br>
それも、一人のテロリストが全ての元凶だったらしい。<br>
しかも、そいつは日本人。今はどこにいるのやら。会ってみたいとは思わないけどね。<br>
<br>
もう一つは日本が東と西に分断されたぐらいかな?<br>
大切なことと言えば。<br>
全部そいつのせいなんだけどね。<br>
<br>
テロリストはあろうことか、日本で蜂起しやがった。<br>
イラク、ミャンマーのテロリストや軍事政権派の人々や、北朝鮮の残党、日本の右翼や暴力団など、<br>
世界中の危ない人々を束ね上げ、まず警視庁を爆破鎮圧。<br>
在日米軍基地を程よく混乱させた後、悠々と緊急招集のかかった国会議事堂をジャック。<br>
で、日本から世界へ宣戦布告。<br>
そして、その一時間後に同じようなことをして、滅茶苦茶になった4ヶ国からアメリカへミサイルを発射。<br>
次は核とのブラフ。いや本気だったのだろう。<br>
で、怒ったアメリカが徹底反撃。<br>
1ヶ月もたたずに暴動は鎮圧されるだろうとの見込みだったけど、予想に反して4年の奮闘。<br>
テロリストの掲げた理想に惹かれていった人々も結構いて、かなり苦戦したようだ。<br>
まぁなんとか鎮圧。そいつは死んでないとの噂。<br>
日本にもしかしたら潜伏してるのかも知れない。<br>
この国も戦場になっちゃって大変なことに。<br>
世界中から今は軍隊が集まって、名目上は復興支援。だけど実質占領。<br>
そうやって溜飲を下げてるみたい。<br>
<br>
まぁ、そんなに色んな国が集まればもちろん仲違いも起きるわけで…。<br>
<br>
去年、ついに静岡、長野、新潟より東と、愛知、岐阜、富山より西とで日本は分断された。<br>
<br>
<br>
<br>
第一話 「Misty」<br>
<br>
<br>
深い霧の中にいるような、幼い頃の夢、幻。<br>
あの頃は何に縛られるでもなく、ただ無邪気に遊んでたっけ?<br>
<br>
場面は飛んで、僕が京都に引っ越す時。<br>
二人とも泣いている。他にも友達はたくさんいたけど、やっぱり彼女のことが一番記憶に残っている。<br>
そういや、最後に何か約束したよな?何だったかな?<br>
<br>
そして僕は、目覚ましの音に起こされた。<br>
あ、時間が。<br>
<br>
姉が作ってくれた朝食も摂らず、急いで家を出た。<br>
流石にパンをくわえながら走るなんて、器用な芸当は出来ない。<br>
落として凹むのも嫌だし。<br>
<br>
チャイムと同時にクラスに飛び込む。どっちだ?<br>
「桜田、次からは妄想早くに来るんだぞ。今回はセーフにしてあげるが」<br>
セーフか…。今回ばかりは梅岡でよかった。<br>
副担だったらこうはならず、朝から小言を聞かされる羽目になっただろう。<br>
<br>
ホームルームが終わっての休み時間、後ろの席の奴に、<br>
「全く、どうしてあなたはそうやっていつも遅刻するのかしら。下僕としての自覚がたりないのだわ」<br>
と流暢な日本語で話しかけられた。<br>
「なんでだよ。間に合ったからいいじゃんか、真紅」<br>
彼女の名は真紅。主従関係という名の下の恋人付き合いをしている。<br>
ちなみにドイツ人。父親は軍に在籍しているが、もともと日本には戦争が始まる前からいるので、あまり反日的ではない。<br>
「そういうものではないわ。なぜあなたは、もう少しゆとりを持って行動出来ないの」<br>
「真紅ぅ。そんなに怒るようなことでもないでしょ?<br>
それに怒ってばっかだとカロリーが欲しい所まで届かないわよぉ?」<br>
なんて火に油を注ぐ御人。水銀燈。<br>
いや、お前がそれを言うか?真紅以上に沸点低いじゃんか…、<br>
なんてツッコミを入れる前に真紅が火を吹いた。<br>
あぁ、騒がしい。<br>
<br>
そう思い、避難。その先にもやっぱりうるさい奴等がいた。<br>
金糸雀、翠星石。あぁ、蒼星石がいる分少しはマシか。<br>
その辺の会話は略。眠すぎて言葉なんて耳を気持ちいいぐらい右から左へ素通りする。<br>
気付けば、翠星石からクッキーを貰ってたけど。ちょっとありがたい。朝抜いてきたし。<br>
あんまり関係無いけど、この高校には、そこそこの外国人生徒がいる。<br>
一クラスに五人程度。前述の五人は全てそう。<br>
ちなみに、本名は別にあるけど、彼女たちはニックネーム?で呼ばれている。<br>
ええっと…、本名は思い出せないが。まぁ仕方ないよな。一回でも聞いてるかどうかのレベルだし。<br>
<br>
<br>
そんなこんなで始まった、いつもの日々。それはこの日を境に転がり始めた。<br>
良い方向か、悪い方向かは分からないけど。<br>
少なくとも、今とは違う方向へ。<br>
日本の真ん中の壁へと惹かれるように。<br>
<br>
<br>
DIABOROS 第一話 「Misty」 了<br>
</p>
<p align="left"> 2023年、今より科学技術、文明は少しは発展した。<br />
ガンなんかも、治らない病じゃなくなった。<br />
車はまだ、空を飛んではないけど。<br />
いや、飛ばそうと思えば飛ばせる。<br />
まぁ、運転が難しいから飛ばしてないだけだ。それに高いし。<br />
アメリカとかの上流階級の人、昔の言葉で言うならセレブか、は一応持っているらしい。<br />
その代わり、車の自動運転技術がある。都心部だけだけど、操作のネットワークは張られている。<br />
宇宙も少しずつ開発されてきて、大昔流行った月の土地の所有権も少しは価値が出てきた。<br />
色々トラブルもあるみたいだけど、僕には関係ない。持ってないからね。<br /><br />
政治の面では、外国人に参政権が付与された。<br />
当然のことながら、反発はかなり大きかったけど、与党の強行手段によって決定された。<br />
結果、今議員の2割を外国人が占めている。</p>
<p align="left"><br />
そうそう、世界情勢も変わって来た。<br />
2010年には、日本のご近所、北朝鮮が潰れて、今では新しい国家になっている。<br />
あと、5年前には、第三次世界大戦が起きそうになった。<br />
あわや、核発射か?というすんでの所で済んだ。<br />
それも、一人のテロリストが全ての元凶だったらしい。<br />
しかも、そいつは日本人。今はどこにいるのやら。会ってみたいとは思わないけどね。<br />
<br />
もう一つは日本が東と西に分断されたぐらいかな?<br />
大切なことと言えば。<br />
全部そいつのせいなんだけどね。<br />
<br />
テロリストはあろうことか、日本で蜂起しやがった。<br />
イラク、ミャンマーのテロリストや軍事政権派の人々や、北朝鮮の残党、日本の右翼や暴力団など、<br />
世界中の危ない人々を束ね上げ、まず警視庁を爆破鎮圧。<br />
在日米軍基地を程よく混乱させた後、悠々と緊急招集のかかった国会議事堂をジャック。<br />
で、日本から世界へ宣戦布告。<br />
そして、その一時間後に同じようなことをして、滅茶苦茶になった4ヶ国からアメリカへミサイルを発射。<br />
次は核とのブラフ。いや本気だったのだろう。<br />
で、怒ったアメリカが徹底反撃。<br />
1ヶ月もたたずに暴動は鎮圧されるだろうとの見込みだったけど、予想に反して4年の奮闘。<br />
テロリストの掲げた理想に惹かれていった人々も結構いて、かなり苦戦したようだ。<br />
まぁなんとか鎮圧。そいつは死んでないとの噂。<br />
日本にもしかしたら潜伏してるのかも知れない。<br />
この国も戦場になっちゃって大変なことに。<br />
世界中から今は軍隊が集まって、名目上は復興支援。だけど実質占領。<br />
そうやって溜飲を下げてるみたい。<br />
<br />
まぁ、そんなに色んな国が集まればもちろん仲違いも起きるわけで…。<br />
<br />
去年、ついに静岡、長野、新潟より東と、愛知、岐阜、富山より西とで日本は分断された。<br />
<br />
<br />
DIABOROS <br />
<br />
第一話 「Misty」<br />
<br />
<br />
深い霧の中にいるような、幼い頃の夢、幻。<br />
あの頃は何に縛られるでもなく、ただ無邪気に遊んでたっけ?<br />
<br />
場面は飛んで、僕が京都に引っ越す時。<br />
二人とも泣いている。他にも友達はたくさんいたけど、やっぱり彼女のことが一番記憶に残っている。<br />
そういや、最後に何か約束したよな?何だったかな?<br />
<br />
そして僕は、目覚ましの音に起こされた。<br />
あ、時間が。<br />
<br />
姉が作ってくれた朝食も摂らず、急いで家を出た。<br />
流石にパンをくわえながら走るなんて、器用な芸当は出来ない。<br />
落として凹むのも嫌だし。<br />
<br />
チャイムと同時にクラスに飛び込む。どっちだ?<br />
「桜田、次からは妄想早くに来るんだぞ。今回はセーフにしてあげるが」<br />
セーフか…。今回ばかりは梅岡でよかった。<br />
副担だったらこうはならず、朝から小言を聞かされる羽目になっただろう。<br />
<br />
ホームルームが終わっての休み時間、後ろの席の奴に、<br />
「全く、どうしてあなたはそうやっていつも遅刻するのかしら。下僕としての自覚がたりないのだわ」<br />
と流暢な日本語で話しかけられた。<br />
「なんでだよ。間に合ったからいいじゃんか、真紅」<br />
彼女の名は真紅。主従関係という名の下の恋人付き合いをしている。<br />
ちなみにドイツ人。父親は軍に在籍しているが、もともと日本には戦争が始まる前からいるので、あまり反日的ではない。<br />
「そういうものではないわ。なぜあなたは、もう少しゆとりを持って行動出来ないの」<br />
「真紅ぅ。そんなに怒るようなことでもないでしょ?<br />
それに怒ってばっかだとカロリーが欲しい所まで届かないわよぉ?」<br />
なんて火に油を注ぐ御人。水銀燈。<br />
いや、お前がそれを言うか?真紅以上に沸点低いじゃんか…、<br />
なんてツッコミを入れる前に真紅が火を吹いた。<br />
あぁ、騒がしい。<br />
<br />
そう思い、避難。その先にもやっぱりうるさい奴等がいた。<br />
金糸雀、翠星石。あぁ、蒼星石がいる分少しはマシか。<br />
その辺の会話は略。眠すぎて言葉なんて耳を気持ちいいぐらい右から左へ素通りする。<br />
気付けば、翠星石からクッキーを貰ってたけど。ちょっとありがたい。朝抜いてきたし。<br />
あんまり関係無いけど、この高校には、そこそこの外国人生徒がいる。<br />
一クラスに五人程度。前述の五人は全てそう。<br />
ちなみに、本名は別にあるけど、彼女たちはニックネーム?で呼ばれている。<br />
ええっと…、本名は思い出せないが。まぁ仕方ないよな。一回でも聞いてるかどうかのレベルだし。<br />
<br />
<br />
そんなこんなで始まった、いつもの日々。それはこの日を境に転がり始めた。<br />
良い方向か、悪い方向かは分からないけど。<br />
少なくとも、今とは違う方向へ。<br />
日本の真ん中の壁へと惹かれるように。<br />
<br />
<br />
DIABOROS 第一話 「Misty」 了<br />
</p>