「7月のおわり」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

7月のおわり」(2010/02/10 (水) 02:06:30) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<div class="mes">『保守かしら』<br /> 2007年7月22日 はれ<br /><br />  ついについにやったのかしらピチカート!<br />  36回の失敗にしてようやくつきとめたわ。<br />  テスト期間中でみんなが早く帰る中、がんばって情報を集めたかいがあったかしら!<br />  今カナの目の前お家が、あの衣装の張り紙の主、桜田さんが住んでるところ。<br />  あとはもう、桜田さんのお家を訪ねるだけよね!<br /><br /><br /> 11時45分<br />  現在、カナは桜田さん家の植え込みの影に隠れているかしら。<br />  何でかってゆうとね、ピチカート。<br /><br />  まず、桜田さん家を訪ねたらドアから出てきたのは、真紅だったかしら。<br />  真紅はカナを見て、きょとんとしてた。<br />  「あら、貴女は…神奈川?」<br />  「カ・ナ・リ・アかしらっ」<br />  「じょ、冗談よ。それで何のご用?」<br />  なんだかごまかされた気がするけれど、ここでゆっくりしてる場合じゃないもの。とりあえず気にしなかったわ。<br /><br />  「学校に張り出されてた、あのデザインを作った桜田ジュンさんに会わせてほしいかしら」<br />  カナが用件を伝えたら、真紅の顔がくもったわ。<br />  「今は遠慮して頂戴。あの子は今大事な時期だもの」<br />  「大事な時期?それはしかたないかしら」<br />  ってカナが言ったら、真紅は拍子抜けしたみたい。<br />  「意外とあっさりしてるわね。ここまでわざわざ探しに来たんじゃないの?」<br />  「創作者の集中を乱すようなことをしてはいけないもの。それに、このくんくん並みの探偵乙女・金糸雀にとっては、 これくらいの探索どうってことないかしら」</div> <div class="mes"><br />  この時真紅が、まるでおねえちゃんがほっぺたをつねってくるときみたいな表情になったかしら。<br />  <br />  「へえぇ?くんくん並み、くんくん並みねぇ…」<br />  声もだいぶ低かった。<br />  「おもしろいわ。貴女が本当にくんくんほどなのか、試してあげる」<br />  真紅は条件を出してきたかしら。<br />  このお家に侵入することができたら、桜田さんに合わせてくれるって。<br />  「創作中なら悪いし、真紅が桜田さん家を好きにしていいの?」<br />  カナはそう聞いたんだけど。<br />  真紅は平然としてて、すらっとこう言ったかしら。<br />  「問題ないわ。ジュンは私の下僕だもの」<br />  そうして、くるっとカナに背を向けてから、もう一つ言ったの。<br />  「期限は今日一日。…それから、この家は私の家でもあるもの。気にしないでせいぜいがんばりなさい」<br />  ばたん、と扉が閉じられたかしら。<br /><br />  さてとりあえずは、慌てず騒がずお弁当を食べながらチャンスを待つかしら! <br /><br /><br /> 13時00分<br />  おねえちゃんといっしょに作ったたまご焼きが…。<br />  泣いてない。気にしてないかしらピチカート。<br /><br /><br /> 14時05分<br />  ラクロスのラケットを持った女の人が、お家に帰ってきたから、そ~っとあとをつけたかしら。<br />  カナにも聞こえないくらいの静かさで歩いたら、たいていの人はカナに気がつかないかしら。<br />  その女の人も3歩後ろのカナに気がつかずに、塀から玄関に向かって歩いてた。<br />  けど、その女の人が急にこけたかしら。<br />  「きゃ、あいたた…あらっ、めがねめがね」<br />  女の人はこけた拍子にめがねがとんで行っちゃって、すっごく困ってた。<br />  おもわず、めがねを拾ってあげちゃった。<br />  「あらあら、ありがとう。あなたは…」<br />  「見つかってしまってはしかたないかしらーっ!」<br />  女の人がめがねをかける前に、走って逃げたかしら。<br /><br />  くよくよせずに、次のアタックチャンスを待つのよピチカート。<br /><br /><br /> 15時30分<br />  掃除機の音が聞こえてきたかしら。<br />  もうすぐ、掃除が終わったらゴミ捨てのために勝手口が開くんじゃないかしら!? <div class="header"><span class="date"><br /></span></div> <div class="mes">16時25分<br />  おでこが痛いわピチカート…。<br />  勝手口のひさしの上で待ち構えてたけれど、なかなか出てこなかったから、ついついのぞき<br /> こんだら、ちょうど扉が開いて、おでこをぶつけちゃったかしら。<br />  ひさしから落ちて、おしりも地面にぶつけちゃった。<br />  さっきの女の人が「あら?あなたはさっきの…」<br /><br />  おしりが痛いから、ほふく後進で逃げたかしら。<br /><br /><br /> 16時35分<br />  「真紅ちゃんから話は聞いたわよう、カナちゃんとりあえず出ていらっしゃいな~<br />  ケーキがあるわよ、みんなでいっしょに紅茶を飲みましょう」<br />  うう…悪魔のささやきが聞こえるかしら。<br />  でも、カナは潜入しなきゃいけないのかしら…!<br />  ピチカート、こうなったら最後の手段よ!<br /><br /><br /> 16時50分<br />  屋根の上から2階のベランダに降りて、窓をおねえちゃん直伝の三点破りで窓をあけるかしら!<br />  このお家は屋根が凄くでっぱってるから、正直怖いけれど、<br />  鉄ぼうみたいにぶら下がる→体をふってジャンプ→ベランダに着地。これなら完璧ではないかしら?<br /><br />  さぁ、そうと決まったら行くわよ</div> <div class="header"><span class="date"><br /></span></div> <div class="mes">20時40分<br />  ぶら下がるところまでは完璧だったかしら。<br />  ぶら下がって、さぁ、後は着地だけっていう時に、めがねをかけた男の子と目が合ったかしら。<br />  その子はパソコンをしてたみたいだったけど、口を開けてこっちを見てた。<br />  「ど、泥棒?」<br />  「違うかし」<br />  説明しようとしたら、指がすべって、しかもその時は、体が後ろ側に振れてたから、みるみる窓が遠ざか<br /> って行ったかしら。<br /><br />  木にひっかかって、何とか助かったんだけど、降りられなかったの。<br />  そこに真紅がやってきたかしら。<br />  真紅は嬉しそうだった。<br />  「ふふ…ずいぶんといい格好ね、金糸雀」<br />  真紅は携帯を取り出して、カナに向けたかしら。<br />  「写真を撮らないで!」<br />  「だいじょうぶ、ビデオよ」<br />  「なお悪いかしらっ」<br /><br />  とられまくったかしら恥ずかしいかしら。<br /><br />  けっきょく女の人がはしごを持ってきてくれて、助けてくれた。<br />  真紅は満面の笑顔だったわ。<br />  「これで証明されたわね。貴女はくんくんの足元にも及ばないわ」</div> <div class="header"> </div> <div class="mes"> 「あうー」<br />  おもわずちょっと泣きそうになっちゃったけれど、その時、真紅がスケッチブックを取り出したかしら。<br />  「今のジュンに会わせるわけには行かないけれど、これはジュンのアイデアが詰まったスケッチブックよ。 貸してあげる」<br />  だって。<br />  「ありがとう真紅!」<br />  「泣いたと思ったら、すぐに笑顔…貴女は完璧にはほど遠いわね」<br />  なんだかおねえちゃんみたいな言い回し。ほんのちょびっと目とくちびるが笑ってるところもそっくり。<br />  「あらあら、よかったわぁ。二人ともすっかり仲良くなって」<br />  女の人もにこにこしてた。<br /><br />  帰り道、槐さんのお店の前で翠星石と蒼星石に会ったかしら。<br />  桜田さん家に行ってたことを話したら「どどど、どー言うことですかオバカナリア!理由をとっくり聞かせ<br /> るですぅ!」っていきなり叫ばれた。<br />  すっごく慌ててたのに、理由を話したら<br />  「へえ。そうなんですか。まぁ、翠星石には関係のない話ですぅ」<br />  だって。さっきはあんなに叫んでたのに…。翠星石はわけがわからない人かしら。<br />  「けれど…真紅が…これは…ジュン」<br />  別れ際もなんかつぶやいてた。<br /><br />  このスケッチブック…、カナは服のことはよくわからないけれど、きれいなものが多いかしら。これならきっとおねえ<br /> ちゃんの役に立てるわ。<br />  お姉ちゃん今日はアトリエだから、明日さっそく見てもらおうっと。<br /><br /><br /><hr /><br /><br /><div class="mes"> 『保守かしら』<br />  2007年7月23日 はれ<br /><br />  おねえちゃんに桜田さんのスケッチブックを見てもらったら、とっても反応が良かったかしら。<br />  「これでおねえちゃんの仕事もはかどる?」って聞いたら。<br />  「まちがいなくね」だって。<br />  カナも役に立てて、これでばっちり完璧で。今日はみっちゃん家に遊びに行こうと思ったかしら。<br /><br />  けど朝ごはんを食べ終わったら。「じゃあ行くわよ」っておねえちゃんが言ったかしら。<br />  「どこにかしら?」ってカナが聞いたら、おねえちゃんがきょとんとしてた。<br />  「どこですって?もちろん桜田さんの家よ」<br />  『インスピレーションを手にするチャンスは絶対に逃がしちゃだめよ』<br />  おねえちゃんの教え最新版かしら。<br /><br />  チャイムを鳴らすと、昨日のめがねの女の人(のりさんって名前なんだって)が出てきたかしら。<br />  「はいはい。…会長?」<br />  のりさんはおどろいてた。<br />  「会長って、何年も昔の話じゃない」<br />  「生徒総会の演説はまだ覚えてます。あ、握手してください!」<br />  「うふふ、変な子ねぇ」<br />  おねえちゃんはのりさんに握手してあげながら、ちょっと嬉しそうだった。<br />  のりさんは中学生のとき、高等部の生徒会長だった、おねえちゃんのファンだったんだって。</div> <div class="mes">  のりさんの案内でジュンさんの部屋の前にきたら、「うるさい、そんなの僕の勝手だろ!」「じゃあ勝手にしろですぅ!」ってどなり声が聞こえて、 翠星石が飛び出してきたかしら。<br /><br />  翠星石は何も言わずにのりさんに頭を下げたら、すぐに階段を下りていっちゃった。<br />  「翠星石涙目だったかしら」<br />  ってカナが言ったら、<br />  「そうよね。どど、どうしましょう」<br />  のりさんがすごく困ってた。<br />  「のり。こっちはいいから追いかけてあげて」<br />  おねえちゃんがそう言って、のりさんは翠星石を追いかけて階段を降りていった。<br />  はじめて会ったばかりなのに、おねえちゃんはすっかり信用されてたかしら。<br /><br />  「だ、大丈夫かしら」<br />  男の人のどなり声って初めて聞いたし、ちょっと心配だったかしら。<br />  けれどおねえちゃんは「むしろ好都合よ」だって。よゆーの笑顔。<br /><br />  「おじゃまするわよぉ」<br />  おねえちゃんが一声かけて扉を開けたら、部屋の奥からすっごく不機嫌そうな男の子がこっちをにらんでた。いすに座りながら、うずくまるみたいな姿勢。<br />  「なんの用?」<br />  ぶすっとした声。<br />  「ずいぶんとご機嫌ねぇ。そうカッカしないで。私はこのスケッチブックのお礼がしたいだけよぉ」<br />  スケッチブックはカナが持ってたから、おねえちゃんはカナを手でさしたかしら。<br />  ジュンさんは、カナが胸に抱いてたスケッチブックを見たら、顔が一気に青くなったかしら。それから、のどが「きゅうっ」って鳴ったの。<br />  (あ、ジュンさんはいちゃう)ってカナは思ったかしら。</div> <div class="header"> </div> <div class="mes"> 「私は素敵だと思うわよ。だから、ちょっとだけ落ち着いて」<br />  おねえちゃんはあっというまに、だけど静かに、ジュンさんのそばに立ってた。<br />  「う…」<br />  ジュンさんは、すごい勢いでおねえちゃんを見た。<br />  「ね?」<br />  おねえちゃんのささやきは人の心も鎮めちゃうかしら。<br /><br />  おねえちゃんとジュンさんの話はカナにはよくわからなかったかしら。<br />  おねえちゃんと槐さんの人形作りのお話をさらにぼやかした感じ。<br />  スケッチブックをめくりながら、この衣装のイメージは、これでそのためにこの細部は…<br />  って二人で話してた。<br />  ジュンさんはとつとつと、話してて。言葉も途切れがち。<br /><br />  ジュンさんがトイレに言ってる時に<br />  「なんでジュンさんはおびえてるのかしら。」<br />  って聞いたら、<br />  「作品を否定されるのは悲しいことだからよ。笑われればなおさらね。」<br />  「おねえちゃんまで、悲しそうかしら」<br />  「心配なのよ。翼は勝手に生えているものでしょう?」<br />  「翼?」<br />  「ようするに才能よ。あの子の才能はきっと生まれつきのものだけれど、だからこそ羽ばたかなければ、きっとそれは腐ってしまう」<br />  「縛り付けられて、腐らせていくなんて、くだらないわ…ねえ、ジュン。そう思わない?」<br />  いつの間にか、ジュンさんは部屋に入り口まで戻ってきたみたい。<br />  「僕にはそんな大層なものはないよ」<br />  おねえちゃんの言うことが、カナにはさっぱりわからないかしら…心をこめてなにかを作ったことがないから?<br /><br />  おねえちゃんは作品の写真を見てもらって、衣装について質問してた。ジュンさんはそれに、つっかえつっかえ答えてた。 <br />  それはおねえちゃんにとって収穫だったみたい。<br />  おねえちゃんはジュンさんの作品も言葉も一度も否定しなかったかしら。 </div> <div class="mes"> 3人で居間に下りたら、のりさんと翠星石がお茶を飲んでた。<br />  のりさんがいきなりお茶を吹いたかしら。<br />  「ジュ、ジュンくんっ!?」<br />  後から聞いたんだけれど、ジュンさんが居間に降りてきたのは一週間ぶりだったんだって。<br />  ジュンさんを見て、翠星石はぷいっ、と顔をそむけちゃった。<br />  けれど、「さっきは言いすぎた…ごめん」ってジュンさんが言ったら、「べっ、別に翠星石は気にしてなかったですよ! そんなことよりこのスコーンでも食ってやがれですぅ」だって。<br />  二人のやり取りを見て、おねえちゃんは笑ってて、のりさんはすっごく嬉しそうだった。<br />  仲直りできてよかったかしら。<br /><br />  最後に、もうお暇しようかって時に、梅岡先生がきたかしら。<br />  その瞬間から、ジュンさんは最初のときみたいにいすの上で丸まっちゃてた。<br />  のりさんが玄関に行ったときに<br />  「玄関の話が聞こえる?」<br />  おねえちゃんから聞かれたから、梅岡先生とのりさんの話をそのままお姉ちゃんに伝えたかしら。そしたら、おねえちゃんは<br />  「あの阿呆は何一つ変わってないみたいね」って呟いたの。<br />  「ジュン。私に任せときなさい。カナ、聞いちゃだめよ」<br />  おねえちゃんはジュンさんを安心させるために笑っていったけど、すごく怒ってた。<br />  おねえちゃんも玄関に行ったかしら。<br /><br />  どうなったか、カナは耳をふさいでたからわからないかしら。<br />  ジュンさんはやっぱり黙ってた。<br />  翠星石は最初ジュンさんに話しかけてたみたいだったけれど、そっとしておくことにしたみたい。あとは玄関に繋がる扉のすりガラスに耳をぺったりつけてた。<br />  一時間くらいたった後、ジュンさんがのりさんに呼ばれていった。それから10分位して、お話は終わって、おねえちゃんたちが戻ってきたかしら。 </div> <div class="mes"> 両手を耳から離したら、のりさんとジュンさんがお姉ちゃんにたくさんお礼をいってた。<br /><br />  翠星石がため息ついてたから、どうしたのってきいたら、<br />  「水銀燈がうらやましいですよ。だって、ジュンを…って何を言わせる気ですかぁ!」<br />  だって。何を言う気だったのかしら?<br /><br /><br /><hr /><br /><br /><div class="mes"> <p>『保守かしら』<br /> 2007年7月24日 はれ時々あめ<br /><br />  おねえちゃんは今日もアトリエ。昨日つかんだイメージを一つも逃がさないんだって。<br /><br />  朝起きたとき窓を見たら、遠くに雲が一つ浮かんでたかしら。<br />  その雲は入道雲だったみたいでお昼の後に、急などしゃ降りになっちゃった。<br />  まるで台風が来たみたいで、園芸部の活動ができない蒼星石が部室にやってきたかしら。<br />  チェスを7回したから、1時間くらい後かしら?真紅とジュンがたずねてきたかしら。<br />  そうそう、「いらっしゃいかしら真紅、ジュンさん」っていったらジュンさんが「ジュンでいいよ」だって。<br /><br />  真紅は生徒会の書記をやってて、夏休みの部活動の予定と部室の使用状況を確認しにきたかしら。 <br />  ジュンさんは生徒会とは関係ないんだけど、真紅が「ジュンは私の下僕だから当然のことよ」だって。 ジュンが「お前なぁ」ってタイミングよく突っ込みを入れて、「まだ立場を理解してないのね、頭の悪い下僕だこと」 「誰がいつ下僕になったよ、この性悪」二人のかけあいの息がぴったり合ってて、ちょっと笑っちゃった。<br /><br />  真紅が確認のためにこ問の先生と話している時に、真紅がベージュの帽子をかぶってる理由をジュンが教えて くれたかしら。昨日電車を3つも乗り継いで、くんくん探偵のイベントに参加してきて、そこで買ったものなんだって。<br />  「あいつ幼稚園のころからくんくん探偵の大ファンなんだよ」そういいながら、ジュンは真紅を妹を見るみたいな目で見てた。<br /><br />  けど、真紅がジュンを連れて生徒会活動をしているのはたぶん、ジュンの通学再開のための準備かしら。真紅は ジュンを弟を見るみたいな目をするもの。<br />  どっちも優しくって意地悪そうで、そういうのはカナ大好きかしら。</p> </div> <div class="mes"><br />  部活動の内容と「電波等の伝達を主旨として、赤外線リモコン付きラジオ作り」と夏休みの部室利用状況を伝えたら、 なんでか蒼星石がびっくりしてた。<br />  「え、ここ科学部だったの?」だって。<br />  なんでおどろいてたのか、聞いたんだけど、「雨が上がったし、僕はもう行くよ」って言われちゃった。<br />  <br />  なんでかしら~って、ばらしーちゃんと考えたんだけれど、やっぱりよくわからなかったかしら。そうそう。そのときに食べた プチパンケーキがとっても美味しかったわ。<br />  明日はワッフルにしようかしら、チョコプチパンケーキにしようかしら?<br />  そういえば、ばらしーちゃんに明日もヴァイオリンを聞かせてって言われたけれど、何を弾くか決めなきゃ。<br />  これは難問ねピチカート…。<br /><br />  そういえば、真紅とジュンさんが出てった後に、翠星石がジュンを探してやってきたんだけれど、タッチの差で残念賞かしら~。</div> </div> </div> </div>
<div class="mes">『保守かしら』<br /> 2007年7月22日 はれ<br /><br /> ついについにやったのかしらピチカート!<br /> 36回の失敗にしてようやくつきとめたわ。<br /> テスト期間中でみんなが早く帰る中、がんばって情報を集めたかいがあったかしら!<br /> 今カナの目の前お家が、あの衣装の張り紙の主、桜田さんが住んでるところ。<br /> あとはもう、桜田さんのお家を訪ねるだけよね!<br /><br /><br /> 11時45分<br /> 現在、カナは桜田さん家の植え込みの影に隠れているかしら。<br /> 何でかってゆうとね、ピチカート。<br /><br /> まず、桜田さん家を訪ねたらドアから出てきたのは、真紅だったかしら。<br /> 真紅はカナを見て、きょとんとしてた。<br /> 「あら、貴女は…神奈川?」<br /> 「カ・ナ・リ・アかしらっ」<br /> 「じょ、冗談よ。それで何のご用?」<br /> なんだかごまかされた気がするけれど、ここでゆっくりしてる場合じゃないもの。とりあえず気にしなかったわ。<br /><br /> 「学校に張り出されてた、あのデザインを作った桜田ジュンさんに会わせてほしいかしら」<br /> カナが用件を伝えたら、真紅の顔がくもったわ。<br /> 「今は遠慮して頂戴。あの子は今大事な時期だもの」<br /> 「大事な時期?それはしかたないかしら」<br /> ってカナが言ったら、真紅は拍子抜けしたみたい。<br /> 「意外とあっさりしてるわね。ここまでわざわざ探しに来たんじゃないの?」<br /> 「創作者の集中を乱すようなことをしてはいけないもの。それに、このくんくん並みの探偵乙女・金糸雀にとっては、 これくらいの探索どうってことないかしら」</div> <div class="mes"><br /> この時真紅が、まるでおねえちゃんがほっぺたをつねってくるときみたいな表情になったかしら。<br />  <br /> 「へえぇ?くんくん並み、くんくん並みねぇ…」<br /> 声もだいぶ低かった。<br /> 「おもしろいわ。貴女が本当にくんくんほどなのか、試してあげる」<br /> 真紅は条件を出してきたかしら。<br /> このお家に侵入することができたら、桜田さんに合わせてくれるって。<br /> 「創作中なら悪いし、真紅が桜田さん家を好きにしていいの?」<br /> カナはそう聞いたんだけど。<br /> 真紅は平然としてて、すらっとこう言ったかしら。<br /> 「問題ないわ。ジュンは私の下僕だもの」<br /> そうして、くるっとカナに背を向けてから、もう一つ言ったの。<br /> 「期限は今日一日。…それから、この家は私の家でもあるもの。気にしないでせいぜいがんばりなさい」<br /> ばたん、と扉が閉じられたかしら。<br /><br /> さてとりあえずは、慌てず騒がずお弁当を食べながらチャンスを待つかしら! <br /><br /><br /> 13時00分<br /> おねえちゃんといっしょに作ったたまご焼きが…。<br /> 泣いてない。気にしてないかしらピチカート。<br /><br /><br /> 14時05分<br /> ラクロスのラケットを持った女の人が、お家に帰ってきたから、そ~っとあとをつけたかしら。<br /> カナにも聞こえないくらいの静かさで歩いたら、たいていの人はカナに気がつかないかしら。<br /> その女の人も3歩後ろのカナに気がつかずに、塀から玄関に向かって歩いてた。<br /> けど、その女の人が急にこけたかしら。<br /> 「きゃ、あいたた…あらっ、めがねめがね」<br /> 女の人はこけた拍子にめがねがとんで行っちゃって、すっごく困ってた。<br /> おもわず、めがねを拾ってあげちゃった。<br /> 「あらあら、ありがとう。あなたは…」<br /> 「見つかってしまってはしかたないかしらーっ!」<br /> 女の人がめがねをかける前に、走って逃げたかしら。<br /><br /> くよくよせずに、次のアタックチャンスを待つのよピチカート。<br /><br /><br /> 15時30分<br /> 掃除機の音が聞こえてきたかしら。<br /> もうすぐ、掃除が終わったらゴミ捨てのために勝手口が開くんじゃないかしら!? <div class="header"><span class="date"><br /></span></div> <div class="mes">16時25分<br /> おでこが痛いわピチカート…。<br /> 勝手口のひさしの上で待ち構えてたけれど、なかなか出てこなかったから、ついついのぞき<br /> こんだら、ちょうど扉が開いて、おでこをぶつけちゃったかしら。<br /> ひさしから落ちて、おしりも地面にぶつけちゃった。<br /> さっきの女の人が「あら?あなたはさっきの…」<br /><br /> おしりが痛いから、ほふく後進で逃げたかしら。<br /><br /><br /> 16時35分<br /> 「真紅ちゃんから話は聞いたわよう、カナちゃんとりあえず出ていらっしゃいな~<br /> ケーキがあるわよ、みんなでいっしょに紅茶を飲みましょう」<br /> うう…悪魔のささやきが聞こえるかしら。<br /> でも、カナは潜入しなきゃいけないのかしら…!<br /> ピチカート、こうなったら最後の手段よ!<br /><br /><br /> 16時50分<br /> 屋根の上から2階のベランダに降りて、窓をおねえちゃん直伝の三点破りで窓をあけるかしら!<br /> このお家は屋根が凄くでっぱってるから、正直怖いけれど、<br /> 鉄ぼうみたいにぶら下がる→体をふってジャンプ→ベランダに着地。これなら完璧ではないかしら?<br /><br /> さぁ、そうと決まったら行くわよ</div> <div class="header"><span class="date"><br /></span></div> <div class="mes">20時40分<br /> ぶら下がるところまでは完璧だったかしら。<br /> ぶら下がって、さぁ、後は着地だけっていう時に、めがねをかけた男の子と目が合ったかしら。<br /> その子はパソコンをしてたみたいだったけど、口を開けてこっちを見てた。<br /> 「ど、泥棒?」<br /> 「違うかし」<br /> 説明しようとしたら、指がすべって、しかもその時は、体が後ろ側に振れてたから、みるみる窓が遠ざか<br /> って行ったかしら。<br /><br /> 木にひっかかって、何とか助かったんだけど、降りられなかったの。<br /> そこに真紅がやってきたかしら。<br /> 真紅は嬉しそうだった。<br /> 「ふふ…ずいぶんといい格好ね、金糸雀」<br /> 真紅は携帯を取り出して、カナに向けたかしら。<br /> 「写真を撮らないで!」<br /> 「だいじょうぶ、ビデオよ」<br /> 「なお悪いかしらっ」<br /><br /> とられまくったかしら恥ずかしいかしら。<br /><br /> けっきょく女の人がはしごを持ってきてくれて、助けてくれた。<br /> 真紅は満面の笑顔だったわ。<br /> 「これで証明されたわね。貴女はくんくんの足元にも及ばないわ」</div> <div class="header"> </div> <div class="mes"> 「あうー」<br /> おもわずちょっと泣きそうになっちゃったけれど、その時、真紅がスケッチブックを取り出したかしら。<br /> 「今のジュンに会わせるわけには行かないけれど、これはジュンのアイデアが詰まったスケッチブックよ。 貸してあげる」<br /> だって。<br /> 「ありがとう真紅!」<br /> 「泣いたと思ったら、すぐに笑顔…貴女は完璧にはほど遠いわね」<br /> なんだかおねえちゃんみたいな言い回し。ほんのちょびっと目とくちびるが笑ってるところもそっくり。<br /> 「あらあら、よかったわぁ。二人ともすっかり仲良くなって」<br /> 女の人もにこにこしてた。<br /><br /> 帰り道、槐さんのお店の前で翠星石と蒼星石に会ったかしら。<br /> 桜田さん家に行ってたことを話したら「どどど、どー言うことですかオバカナリア!理由をとっくり聞かせ<br /> るですぅ!」っていきなり叫ばれた。<br /> すっごく慌ててたのに、理由を話したら<br /> 「へえ。そうなんですか。まぁ、翠星石には関係のない話ですぅ」<br /> だって。さっきはあんなに叫んでたのに…。翠星石はわけがわからない人かしら。<br /> 「けれど…真紅が…これは…ジュン」<br /> 別れ際もなんかつぶやいてた。<br /><br /> このスケッチブック…、カナは服のことはよくわからないけれど、きれいなものが多いかしら。これならきっとおねえ<br /> ちゃんの役に立てるわ。<br /> お姉ちゃん今日はアトリエだから、明日さっそく見てもらおうっと。<br /><br /><br /><hr /><br /><br /><div class="mes"> 2007年7月23日 はれ<br /><br /> おねえちゃんに桜田さんのスケッチブックを見てもらったら、とっても反応が良かったかしら。<br /> 「これでおねえちゃんの仕事もはかどる?」って聞いたら。<br /> 「まちがいなくね」だって。<br /> カナも役に立てて、これでばっちり完璧で。今日はみっちゃん家に遊びに行こうと思ったかしら。<br /><br /> けど朝ごはんを食べ終わったら。「じゃあ行くわよ」っておねえちゃんが言ったかしら。<br /> 「どこにかしら?」ってカナが聞いたら、おねえちゃんがきょとんとしてた。<br /> 「どこですって?もちろん桜田さんの家よ」<br /> 『インスピレーションを手にするチャンスは絶対に逃がしちゃだめよ』<br /> おねえちゃんの教え最新版かしら。<br /><br /> チャイムを鳴らすと、昨日のめがねの女の人(のりさんって名前なんだって)が出てきたかしら。<br /> 「はいはい。…会長?」<br /> のりさんはおどろいてた。<br /> 「会長って、何年も昔の話じゃない」<br /> 「生徒総会の演説はまだ覚えてます。あ、握手してください!」<br /> 「うふふ、変な子ねぇ」<br /> おねえちゃんはのりさんに握手してあげながら、ちょっと嬉しそうだった。<br /> のりさんは中学生のとき、高等部の生徒会長だった、おねえちゃんのファンだったんだって。</div> <div class="mes">  のりさんの案内でジュンさんの部屋の前にきたら、「うるさい、そんなの僕の勝手だろ!」「じゃあ勝手にしろですぅ!」ってどなり声が聞こえて、 翠星石が飛び出してきたかしら。<br /><br /> 翠星石は何も言わずにのりさんに頭を下げたら、すぐに階段を下りていっちゃった。<br /> 「翠星石涙目だったかしら」<br /> ってカナが言ったら、<br /> 「そうよね。どど、どうしましょう」<br /> のりさんがすごく困ってた。<br /> 「のり。こっちはいいから追いかけてあげて」<br /> おねえちゃんがそう言って、のりさんは翠星石を追いかけて階段を降りていった。<br /> はじめて会ったばかりなのに、おねえちゃんはすっかり信用されてたかしら。<br /><br /> 「だ、大丈夫かしら」<br /> 男の人のどなり声って初めて聞いたし、ちょっと心配だったかしら。<br /> けれどおねえちゃんは「むしろ好都合よ」だって。よゆーの笑顔。<br /><br /> 「おじゃまするわよぉ」<br /> おねえちゃんが一声かけて扉を開けたら、部屋の奥からすっごく不機嫌そうな男の子がこっちをにらんでた。いすに座りながら、うずくまるみたいな姿勢。<br /> 「なんの用?」<br /> ぶすっとした声。<br /> 「ずいぶんとご機嫌ねぇ。そうカッカしないで。私はこのスケッチブックのお礼がしたいだけよぉ」<br /> スケッチブックはカナが持ってたから、おねえちゃんはカナを手でさしたかしら。<br /> ジュンさんは、カナが胸に抱いてたスケッチブックを見たら、顔が一気に青くなったかしら。それから、のどが「きゅうっ」って鳴ったの。<br /> (あ、ジュンさんはいちゃう)ってカナは思ったかしら。</div> <div class="header"> </div> <div class="mes"> 「私は素敵だと思うわよ。だから、ちょっとだけ落ち着いて」<br /> おねえちゃんはあっというまに、だけど静かに、ジュンさんのそばに立ってた。<br /> 「う…」<br /> ジュンさんは、すごい勢いでおねえちゃんを見た。<br /> 「ね?」<br /> おねえちゃんのささやきは人の心も鎮めちゃうかしら。<br /><br /> おねえちゃんとジュンさんの話はカナにはよくわからなかったかしら。<br /> おねえちゃんと槐さんの人形作りのお話をさらにぼやかした感じ。<br /> スケッチブックをめくりながら、この衣装のイメージは、これでそのためにこの細部は…<br /> って二人で話してた。<br /> ジュンさんはとつとつと、話してて。言葉も途切れがち。<br /><br /> ジュンさんがトイレに言ってる時に<br /> 「なんでジュンさんはおびえてるのかしら。」<br /> って聞いたら、<br /> 「作品を否定されるのは悲しいことだからよ。笑われればなおさらね。」<br /> 「おねえちゃんまで、悲しそうかしら」<br /> 「心配なのよ。翼は勝手に生えているものでしょう?」<br /> 「翼?」<br /> 「ようするに才能よ。あの子の才能はきっと生まれつきのものだけれど、だからこそ羽ばたかなければ、きっとそれは腐ってしまう」<br /> 「縛り付けられて、腐らせていくなんて、くだらないわ…ねえ、ジュン。そう思わない?」<br /> いつの間にか、ジュンさんは部屋に入り口まで戻ってきたみたい。<br /> 「僕にはそんな大層なものはないよ」<br /> おねえちゃんの言うことが、カナにはさっぱりわからないかしら…心をこめてなにかを作ったことがないから?<br /><br /> おねえちゃんは作品の写真を見てもらって、衣装について質問してた。ジュンさんはそれに、つっかえつっかえ答えてた。 <br /> それはおねえちゃんにとって収穫だったみたい。<br /> おねえちゃんはジュンさんの作品も言葉も一度も否定しなかったかしら。 </div> <div class="mes"> 3人で居間に下りたら、のりさんと翠星石がお茶を飲んでた。<br /> のりさんがいきなりお茶を吹いたかしら。<br /> 「ジュ、ジュンくんっ!?」<br /> 後から聞いたんだけれど、ジュンさんが居間に降りてきたのは一週間ぶりだったんだって。<br /> ジュンさんを見て、翠星石はぷいっ、と顔をそむけちゃった。<br /> けれど、「さっきは言いすぎた…ごめん」ってジュンさんが言ったら、「べっ、別に翠星石は気にしてなかったですよ! そんなことよりこのスコーンでも食ってやがれですぅ」だって。<br /> 二人のやり取りを見て、おねえちゃんは笑ってて、のりさんはすっごく嬉しそうだった。<br /> 仲直りできてよかったかしら。<br /><br /> 最後に、もうお暇しようかって時に、梅岡先生がきたかしら。<br /> その瞬間から、ジュンさんは最初のときみたいにいすの上で丸まっちゃてた。<br /> のりさんが玄関に行ったときに<br /> 「玄関の話が聞こえる?」<br /> おねえちゃんから聞かれたから、梅岡先生とのりさんの話をそのままお姉ちゃんに伝えたかしら。そしたら、おねえちゃんは<br /> 「あの阿呆は何一つ変わってないみたいね」って呟いたの。<br /> 「ジュン。私に任せときなさい。カナ、聞いちゃだめよ」<br /> おねえちゃんはジュンさんを安心させるために笑っていったけど、すごく怒ってた。<br /> おねえちゃんも玄関に行ったかしら。<br /><br /> どうなったか、カナは耳をふさいでたからわからないかしら。<br /> ジュンさんはやっぱり黙ってた。<br /> 翠星石は最初ジュンさんに話しかけてたみたいだったけれど、そっとしておくことにしたみたい。あとは玄関に繋がる扉のすりガラスに耳をぺったりつけてた。<br /> 一時間くらいたった後、ジュンさんがのりさんに呼ばれていった。それから10分位して、お話は終わって、おねえちゃんたちが戻ってきたかしら。 </div> <div class="mes"> 両手を耳から離したら、のりさんとジュンさんがお姉ちゃんにたくさんお礼をいってた。<br /><br /> 翠星石がため息ついてたから、どうしたのってきいたら、<br /> 「水銀燈がうらやましいですよ。だって、ジュンを…って何を言わせる気ですかぁ!」<br /> だって。何を言う気だったのかしら?<br /><br /><br /><hr /><br /><br /><div class="mes"> <p>2007年7月24日 はれ時々あめ<br /><br /> おねえちゃんは今日もアトリエ。昨日つかんだイメージを一つも逃がさないんだって。<br /><br /> 朝起きたとき窓を見たら、遠くに雲が一つ浮かんでたかしら。<br /> その雲は入道雲だったみたいでお昼の後に、急などしゃ降りになっちゃった。<br /> まるで台風が来たみたいで、園芸部の活動ができない蒼星石が部室にやってきたかしら。<br /> チェスを7回したから、1時間くらい後かしら?真紅とジュンがたずねてきたかしら。<br /> そうそう、「いらっしゃいかしら真紅、ジュンさん」っていったらジュンさんが「ジュンでいいよ」だって。<br /><br /> 真紅は生徒会の書記をやってて、夏休みの部活動の予定と部室の使用状況を確認しにきたかしら。 <br /> ジュンさんは生徒会とは関係ないんだけど、真紅が「ジュンは私の下僕だから当然のことよ」だって。 ジュンが「お前なぁ」ってタイミングよく突っ込みを入れて、「まだ立場を理解してないのね、頭の悪い下僕だこと」 「誰がいつ下僕になったよ、この性悪」二人のかけあいの息がぴったり合ってて、ちょっと笑っちゃった。<br /><br /> 真紅が確認のためにこ問の先生と話している時に、真紅がベージュの帽子をかぶってる理由をジュンが教えて くれたかしら。昨日電車を3つも乗り継いで、くんくん探偵のイベントに参加してきて、そこで買ったものなんだって。<br /> 「あいつ幼稚園のころからくんくん探偵の大ファンなんだよ」そういいながら、ジュンは真紅を妹を見るみたいな目で見てた。<br /><br /> けど、真紅がジュンを連れて生徒会活動をしているのはたぶん、ジュンの通学再開のための準備かしら。真紅は ジュンを弟を見るみたいな目をするもの。<br /> どっちも優しくって意地悪そうで、そういうのはカナ大好きかしら。</p> </div> <div class="mes"><br /> 部活動の内容と「電波等の伝達を主旨として、赤外線リモコン付きラジオ作り」と夏休みの部室利用状況を伝えたら、 なんでか蒼星石がびっくりしてた。<br /> 「え、ここ科学部だったの?」だって。<br /> なんでおどろいてたのか、聞いたんだけど、「雨が上がったし、僕はもう行くよ」って言われちゃった。<br /><br /> なんでかしら~って、ばらしーちゃんと考えたんだけれど、やっぱりよくわからなかったかしら。そうそう。そのときに食べた プチパンケーキがとっても美味しかったわ。<br /> 明日はワッフルにしようかしら、チョコプチパンケーキにしようかしら?<br /> そういえば、ばらしーちゃんに明日もヴァイオリンを聞かせてって言われたけれど、何を弾くか決めなきゃ。<br /> これは難問ねピチカート…。<br /><br /> そういえば、真紅とジュンさんが出てった後に、翠星石がジュンを探してやってきたんだけれど、タッチの差で残念賞かしら~。</div> </div> </div> </div>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: