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第1話【なんてことはある1日】」(2007/09/19 (水) 01:48:30) の最新版変更点

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<p><br> とある街の賑やかなメインストリート、その片隅に実に古ぼけたお店がありました。<br> お店の名前は『薔薇華園』<br> <br>     第1話【なんてことはある1日】<br> <br> <br> 「ふあぁぁあ…眠う…」<br> <br> 大あくびをしながら店に向かう。<br> <br> 僕は桜田ジュン。<br> この骨董店の代理店主になる。<br> 本当は両親の店なんだけど、本人達は買い出しと言ったまま、もう3年も帰ってきていない。<br> 丁度大学受験を落とし今後の進路について悩んでいた時で、そんな僕に書き置き1つ残して行ってしまったんだ。<br> <br> 『ジュン、店をお前に任せる。まあ、頑張ってくれ。』<br> <br> なんていい加減な両親なんだか…<br> 小さい頃から骨董に囲まれてきたから、多少は目が利くけど何もそんな時になぁ…<br> 結局お店をやる傍ら、独学で洋裁の勉強をする生活を続けてるって訳さ。<br> 昨日は遅くまでデザインをしていたから、眠くて仕方ないよ。<br> <br> <br> そこそこの広さの庭を通り過ぎようとすると、何色もある薔薇が綺麗に咲いている。<br> 僕の曾爺ちゃんが植えたらしく、店名の由来もここからきているらしい。<br> 暫く前までは姉ちゃんが世話していたけど、ここ最近は僕が管理している。<br> 後で摘んで店に飾ってもいいなぁ、なんて思いながら店の鍵を開けて看板を【開店】にしておく。<br> まあ、殆ど開店休業中なんだけどね。<br> 中に入ってまず、カーテンを開け日の光を入れて変わりがないか店内を見回すと、売り物のダイニングセットの椅子に座り込む。<br> …まだアイツらは起きてないみたいだな。<br> <br> そう思って持ってきたサンドイッチを食べようとした時だった。<br> <br> 『おはよう、ジュン。美味しそうねぇ。』<br> <br> 後ろから伸びた手が僕のハムサンドをさらっていく。<br> <br> 「…おはよう、水銀燈。それ僕の朝食なんだけど?」<br> 『そう聞くとますます美味しいわぁ♪』<br> <br> 振り返ると十代前半位の女の子が美味しそうにハムサンドを食べている。<br> <br> 「あのなあ…」<br> 『あらぁ?よそ見してていいのぉ?』<br> <br> 嫌な予感にまた振り向くと。<br> <br> <br> 『やっぱり卵サンドが一番かしら♪』<br> 『サラダサンドの方が体に良くてヘルシーなのだわ。』<br> 『フルーツサンドもおいしーのよ?』<br> 『…ポテトサラダが正義…』<br> 『あら、カツサンドこそ王道ですわ。』<br> <br> …無惨にもサンドイッチが…<br> <br> 「…おはよう、金糸雀、真紅、雛苺、薔薇水晶、雪華綺晶…それ僕の朝食なんだけど?」<br> 『そう聞くと(ry』<br> <br> くそっ…同じセリフをハモって言うなんて。<br> だがこれ位予測していた。<br> <br> 「甘いっ、こんな事もあろうかと今日はおにぎりを持って来…ってあれぇ!?」<br> <br> そこには未開封なのに空のおにぎりのパックが。そしてむせる声の方を見ると…双子がおにぎりを食べてた…<br> 崩れ落ちる僕に更に追い討ちがかかる。<br> <br> 『最近ジュンはメタボリ気味ですから、ダイエットになるし翠星石のお腹も満たされて一石二鳥ですぅ♪』<br> 『あわわわ、ごめんねジュン君。翠星石が食べていいって言ったから…』<br> <br> <br> 情けない顔でヘコんでいる僕に、ヤクルトだの紅茶だの注文が容赦なく降り注ぐ。<br> 蒼星石が半分おにぎりを分けてくれたのがせめてもの救いか…<br> こうしてこいつらに振り回される1日がまた始まる…<br> <br> <br> ……つづく</p>

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