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『ねぇ、…しようよ!』」(2007/09/14 (金) 00:14:32) の最新版変更点

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<p>『ねぇ、…しようよ!』<br> <br> 私は彼の『お姉ちゃん』。<br> 何故かって?―今はお芝居の練習中だから。<br> 姉妹は彼の同級生や幼馴染の役の取り合い。<br> 構わないけど…―どうしてか、少し悔しい。<br> <br> 姉は彼の同級生―そんなに年下扱いが嫌?<br> 妹は彼の幼馴染―傍にいたいのね、可愛いな。<br> 君は私の弟―普段とあんまり変わらない…そう言ったら、君は怒っちゃうかな。<br> でも、少し違うから。<br> 今日の私はお姉ちゃん―いっぱい甘えていいからね?<br> <br> 君も普段と少し違う?<br> つんつんな態度、柔らかくなってるよ。<br> その態度、他の娘には見せないで。<br> 甘えられるのは『お姉ちゃん』の特権だから!<br> <br> 下から見上げられ、鼓動が速くなる。<br> 「姉ちゃん、えと…ありがとう」―その言葉は演技だよね?<br> 何時もの君はもっと不器用だもの。<br> わかっているのに、胸の疼きが止まらない。<br> <br> …ウソ?ホント?<br> うぅん、もうどちらでも構わない。<br> 君への「思い」を「想い」と認識できたから。 <br> <br> 君は不器用で無作法な、幼い少年。<br> いつも私や姉妹を振り回す―振り回してもいるけどさ。<br> だけども。<br> 貴方は優しくて暖かい、大切な男性(ひと)。<br> だから皆が惹かれる―どうやら、私も例外じゃない様だ。<br> <br> お芝居だからか、我が愛しの姉妹はいつもより大胆に迫っている様で。<br> でも、油断大敵―君が注意するべき相手は此処にいるんだよ。<br> 背中に呼びかけ、そのままぎゅうっと抱きしめてあげる。<br> これまでは『弟』だった君を―今からは『男の子』な貴方を、ね!<br> <br> ――――――――<br> <br> 「なななななな、何をしているのよ!?」<br> <br> 顔を名前通り朱くして叫ぶ妹。<br> 何をしている、も抱きついているだけなんだけど。<br> 『お姉ちゃん』なんだから、是くらいOKでしょ?<br> <br> 「はははははは、早く離れやがれですぅ!」<br> <br> 姉は視線を此方に向けて、言葉は君に…と。<br> どうやら錯乱しているのは姉妹だけじゃないみたいだね。<br> あたふたと慌てている君も可愛いよ。<br> <br> ―もっとぎゅっとしちゃえ。<br> <br> 「……スキンシップも大概にするのだわ…!!」<br> 「……まっとうな道に戻してやるですぅ…!!」<br> <br> おやおや。<br> まだ混乱している君に、『幼馴染』と『同級生』は容赦ないみたいだよ。<br> でも、安心してね―ジュン君。<br> <br> <br> 「ふふ、君のお友達は怖い娘ばっかりなんだね。<br> しっかりとしっとりと、ボクが―『お姉ちゃん』が、守り続けてあげるね♪」</p>

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