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「質屋のお客達その5」(2007/09/07 (金) 02:33:04) の最新版変更点
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<p>質屋のお客達その5<br>
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ついに来たエアコン………遅いよ。確かにまだ暑いけどもうエアコン無しでも耐えられるよ。<br>
まあいいか…。涼しいし。<br>
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「あら本当に暇そうね。水銀燈達の言うとおりね。ジュンこの店はきちんと経営できているのかしら?」<br>
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そんな容赦無しの感想を言いながら店に入ってきたのは僕の天敵。<br>
金髪のツインテールをなびかせた僕と同い年の真紅である。<br>
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「真紅か…なんだよ。お前が質屋に来るなんて……蒼星石も似合わないけどお前もかなり似合わないぞ。」<br>
「そうね。できれば一生来たくないわ。でも今日は貴方に頼みがあるのよ。」<br>
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真紅が僕に頼みなんて……いやよくするか。<br>
紅茶を入れろだの紅茶を入れろだの紅茶を入れろだの紅茶を………紅茶の印象が強すぎて他に何を頼まれたか思い出せない…。<br>
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「まあいいや。頼みとは?」<br>
「それにはまず思い出してもらわないことがあるわ。貴方は私の下僕よ。これは会った時から言っていたわよね?」<br>
「そうだな。言われ続けて定着してしまった僕の忘れたい称号だ。」<br>
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下僕ってパシリよりひどい言いかただよ。なぜ定着させてしまったのか…。<br>
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「それともう一つ。ついに私の夢の一つである紅茶専門店を作ることにしたわ。」<br>
「ふ~んなのにお前のマイカップを持ってきたのか?質屋に?」<br>
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まあ紅茶専門店と言うのがどんな物か気になる所だけど……。今はそれより真紅の持ってきた物に目がいく。<br>
真紅は学生時代目が腐るほど見たマイカップ…のセットを持ってきていた。 <br>
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「そうね。でもその前に私の言い分を聞きなさい。さっき言った私の店。従業員が一人も居ないの。…というか誰がやるか決まっていないのよ。それで…」<br>
「僕にやらせる気か…?」<br>
「あらよくわかったわね。そうよ。私の下僕で扱いやすい。それに紅茶を入れる技術もある。これ以上の人材はなかなかいないわ。」<br>
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つまりこのカップセットのお金で僕を雇うと…。しかし言い分の理不尽さがひどい。<br>
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「それで幾らくらいになるかしら?」<br>
「まあ人一人雇うのくらいは楽勝であるよ。ただ…」<br>
「ただ…なによ?」<br>
「唐突にも程がある。もう少し考える時間はないのか?」<br>
「あるわよ。オープンは1ヶ月後だから……それまでにこの店でやり残したこと、私の店では何をやればいいのか…。考える時間はたっぷりあるわよ。」<br>
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何がたっぷりあるわよ。だよ。<br>
しかも考える時間って…僕が真紅の店に行くのは確定事項なのか?<br>
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「それじゃあね。詳細は今度会った時か電話でするわね。」<br>
「ちょっと待てよ。お前の言い分は…」<br>
「ああそれと私の店に来るからには上等なティーカップを持ってきなさい。それじゃあまた今度会いましょう。」<br>
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僕の話を聞く前に真紅は店から出ていってしまった。……上等なティーカップ?<br>
つまりこれを返せと……。理不尽にもほどがあるだろ!?<br>
ああ……でもやっぱりやらなきゃならないんだろうな…。<br>
はぁエアコン取り付けたの…無駄になったな。<br>
でも真紅と一緒に働く…か。まあそれも悪くないかもな。<br>
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続く</p>