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「くんくんゼミ 高校講座」(2007/08/28 (火) 00:04:47) の最新版変更点
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<p>「また赤点ギリギリなのだわ」<br>
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私は真紅。高校一年生。<br>
中学の時はあまり勉強しなくても結構成績がよくて、少しランクの高い高校にすんなりと入学できた。<br>
だけどそれからは散々。大好きな紅茶部に入部できたまではよかったんだけど・・・。<br>
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「おいおいｗもうちょい頑張れよ真紅、点数まで赤くなるのはやばいぜ」<br>
後ろからにやついた顔で声をかけてくるメガネの男子。<br>
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「うるさいのだわ、それよりジュン！主人よりいい点を取るなんてどういうつもり」<br>
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彼の名前は桜田じゅん。幼馴染の腐れ縁。<br>
小さい頃の約束で私の下僕をしている。・・・・と言っても中学にあがってからは私がそう言ってるだけなのだけれど。<br>
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「やれやれ、だいたいお前は勉強のやり方が間違ってるんだよ、そ」<br>
「うるさいのだわ！ジュンに説教されるなんてヤキが回ったものなのだわ！ほっといてちょうだい！」<br>
「お、おい！」<br>
私はそういうと振り返らずに教室を走り去った。<br>
ジュンにあんな点数を見られたと思うとたまらなく悲しくなったからだった。 <br>
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紅茶部の部室に着くと、先に同級生の雛苺がきていた。<br>
「あっ、真紅なの～ちょうどよかったの～♪」<br>
そういうと雛苺はよちよちと運んでいたティーポットを机の上に慎重に置いた。<br>
置くと同時にこちらに走り寄り、手を引いてイスに導いてくれる。<br>
「ヒナ特製の紅茶をいれたの～とってもおいしいのよ～」<br>
私は雛苺が注いでくれた紅茶を口にしてようやく一息つくことができた。<br>
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「ふぅ～なのだわ」<br>
「おっきなためいき～真紅どうしたの？」<br>
私のわざとらしいくらいのため息を聞いて雛苺が心配そうにこちらを見つめてくる。<br>
「雛苺はいいのだわ、頭がよくて。私はだめだわ。今回もぼろぼろだったんだもの」<br>
雛苺は頭がいい。学年でトップの教科が何個かあるくらいに。<br>
同じように部活をしているのになぜにこんなに差が開いているのだろうか。<br>
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「雛苺はどのような勉強法をしているの？ぜひ教えてちょうだい？」<br>
「え？普通なのよ～予習と復習をしてるだけなの～」<br>
「その予習と復習のやり方がわからないから困っているのよ、何か特別な方法があるんじゃないの？」<br>
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私の質問に雛苺の顔はいっそう笑みを強くしてこういった。<br>
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「ひなは、『くんくんゼミ』をしてるのよ～楽しいのよ～』<br>
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私は帰り道も頭の中では『くんくんゼミ』のことで一杯だった。<br>
雛苺があんなに頭がよくなったんだもの、とってもいいものなのだわ。<br>
だけど私に続けられるかしら・・・<br>
そう考えていると後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。<br>
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「真紅～やっと追いついたよ。」<br>
ジュンだった。私はまだジュンの顔をまともに見れなかった。<br>
きっと馬鹿な女だと思われているのだわ。<br>
「・・・真紅、あのさ勉強のことなんだけどさ・・・」<br>
やっぱり、ジュンはテストのことを・・・その時私は決意した。<br>
「だからさ、俺おまえｎ<br>
「決めたのだわ！私『くんくんゼミ』をするのだわ！」<br>
足をとめてジュンのほうをまっすぐに見つめる。<br>
「だから私に失望するのはまだ待ってほしいのだわ、きっと・・・きっとジュンに（・・・つりあう女になってみせるのだわ）」<br>
最後のほうはちょっと声がちいさくなってしまったけれど、私の決意をジュンも感じてくれたみたいだった。<br>
「そうか、頑張れよ」<br>
そう言って、ジュンは私に一枚のハガキを渡してくれた。<br>
「これは！」<br>
それは『くんくんゼミ』の加入ハガキだった。<br>
「お前にこれ紹介しようかと思ってさ、俺も『くんくんゼミ』で成績だいぶアップしたから。」<br>
「だけどいらぬお世話だったみたいだな」と彼は苦笑いをしていた。<br>
「ううん、ありがとうなのだわ」<br>
私はハガキを大切に握りしめて家路についた。<br>
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「これが『くんくんゼミ』なのね」<br>
さっそくお母さんを説き伏せてハガキを出すと三日後に教材が届いてくれた。<br>
「えっと、まずこれが予習用の教材で、これが復習用・・・一日あわせて２ページでいいのだわ！」<br>
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「これならなんとか私にもできるかもしれない。」<br>
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それからの私の生活は大きく変わった。<br>
家に帰ったらまずは机に向かう癖がついたのだ。<br>
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予習のおかげで授業であてられてもへっちゃらになり、復習のおかげでしっかりと頭にいれることができた。<br>
そして赤くんペンせいの添削で１人では分からなかったところも詳しく説明してもらえる。<br>
私は自分でも驚くほどに学力が向上していくのを感じていた。<br>
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「くんくんは天才よ」<br>
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そして二学期の終わり、今までのがんばりの、その成果を試すときが近づいていた。<br>
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「真紅、変わったな。」<br>
「ジュン・・・そうかしら？」<br>
「変わったよ、昔みたいに自信にあふれた瞳に戻ってきたしさ」<br>
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ジュンは私の変化を感じていてくれた。そう思うととても幸せな気分になる。<br>
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「それに最近は紅茶を入れろって言わなくなったしね。それはなんだかちょっとさびしいかな？」<br>
そういってジュンは笑った。<br>
「ジュン。期末テスト私頑張るから・・・・もし点数が良かったら・・・その」<br>
私は自分でも顔が紅潮しているのがわかる・・・<br>
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「紅茶」<br>
ジュンがモジモジと言葉をつなげない私にかわり言葉を発する。<br>
「え？」<br>
「紅茶入れてやるよ、真紅がいい点取れたらさ。」<br>
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「・・・そうね、そうしてちょうだい」<br>
私はとてもいい笑顔で笑えている気がした。<br>
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「今回は意外・・・でもないか、最近頑張っていた真紅さんが９８点で一番だ」<br>
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先生が一番初めに私の名前を呼んだ。私は驚いてしまってしばらく立ち上がることができなかった。<br>
隣のジュンが早くとりにいけよとせかしたので慌てて私は前にでた。<br>
先生がくれた答案には本当に９８点と書かれていた。<br>
みんなの拍手やすごいとはやす声で少し気恥ずかしくなる。<br>
だけど私はやったという充実感でいっぱいになれたのだった。<br>
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「真紅すごいの～ひな９５点だったの～」<br>
部室に行くと雛苺も私をほめてくれた。<br>
「雛苺、貴方のおかげよありがとう」<br>
私はそう言って雛苺の頭をなでる。<br>
「そんなことないの～えへへ～でもうれしいのよ～♪」<br>
本当にこんなに変われたのは雛苺のおかげなのだ・・・そして・・・<br>
そっと視線を紅茶をカップに注ぐジュンのほうにむける。<br>
彼も視線に気づいてこちらを見る。<br>
自然と２人に同じ笑みが浮かぶ、とてもとても優しい微笑みが。<br>
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「ありがとう、ジュン」</p>
