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第四話「TRUE BLUE」」(2007/08/18 (土) 02:45:26) の最新版変更点

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<p>壊れそうな程 狂いそうな程 切ない夜には そっと 「抱きしめて」<br> 壊れそうな程 狂いそうな程 切ない夜には そう呟いた…<br> <br> 誰もいない部屋 キミのいない部屋 誰もいない部屋 僕が消えて行く…<br> <br> <br> <br> 「キャー」「ワー」等の悲鳴が響いている。<br> ゴゴゴゴォーとローラーの駆けて行く音。<br> ここには笑顔がある。たくさんの笑顔が。<br> <br> <br> 「あれ?全然食べてないですね?大丈夫ですか?」<br> 「ん?あぁ、最近食べる量減らしててな。大丈夫。<br> 心配するようなことじゃないよ」<br> 「ふ~ん。そうですか。じゃあ、これ貰っちゃうですよ」<br> 「いいぞ。他にも何かいるか?」<br> 「ふふん。この翠星石様に献上しようだなんて、立派な心掛けですぅ♪<br> ですけど、もういいですよ。腹八分目までです」<br> 「そうか。じゃあ、そろそろ出るか。会計は出しておくよ」<br> 「え!?本当にどうしたんですか?<br> 本当に大丈夫なんですか!?どうしちゃったんです!?天変地異の前触れですか!?」 <br> <br> 「はぁ~。ひどいな。そこまで驚くようなことかぁ?なんとなくだよ、なんとなく。<br> 先に外で待っててくれ」<br> 「はいですぅ♪」<br> <br> <br> <br> LUNA SEA 第四話 「TRUE BLUE」<br> <br> <br> <br> 彼が帰って来てから2日目、私達は今遊園地にいる。<br> 会えなかった時間の溝というのは、深いようで案外浅かった。<br> たまに、変なことをするけど気になるようなことではない。<br> 良かった。連休に帰って来てくれて。<br> 今日の遊園地は私のリクエストで、最近オープンしたばかりなのだ。<br> 一度行ってみたいな、と思いつつ、チャンスはなかなかないだろうと、思っていた矢先のこと。ラッキー。<br> 当然人も多い。私は人混みが苦手なのだが…<br> 「はぐれないように」、と握ってくれた彼の手は、私の胸の不安をすっと溶かしてくれる。<br> <br> <br> 「じゃあ、次はあれに乗るです!」<br> 「うげ、また絶叫系かよ…仕方ない。ここまできたら、腹くくるしかないな。<br> よし!とことん付き合ってやる!」<br> <br> <br> 数時間後…<br> あれ?ジュン、少しやつれた?<br> 足元おぼついてないし。 <br> <br> <br> 「もうジェットコースターはやめて…お願い…」<br> 「しょうがないですね~。本当はまだまだ乗り足りないですけど、時間もそろそろですし、最後にあれに乗ろうです」<br> 私が指差したのは観覧車。<br> きっと、私の頬は赤く染まっているだろう。いや、これは夕焼けのせいだ。そうにちがいない。<br> …陽はとっくに沈んでしまっているが。<br> <br> <br> 「さ、さぁ、とっとと行くです!」<br> 「はいはい。分かったよ」<br> お互い様みたい。二人とも初心なのだ。<br> <br> <br> 「本当、今日は楽しかったですよ」<br> 「そうか?良かったよ。そう言ってもらえて」<br> 「でも、突然どうしたですか?」<br> 「…翠星石、お前に伝えたいことがあるんだ…」<br> <br> <br> 観覧車が頂点に差し掛かる頃、彼の発した言葉は、私を絶望の淵に立たせるには、あまりに残酷で、あまりに強力過ぎるものだった。<br> <br> <br> 「翠星石、僕、ガンらしいんだ」<br> <br> <br> この時、全ての歯車が噛み合って、<br> ギシギシと鈍い音を立てながら、<br> 何かの終りを告げ、何かの始まりの声を呼んでいった。<br> <br> 第四話 「TRUE BLUE」 了</p>

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