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<p>【恋愛百景】真紅探偵事務所<br>
第四話</p>
<p> </p>
<p>「ワトソン君、事件なのだわ!」<br>
今日も所長の一言で仕事が始まります<br>
「今日も一件落着なのだわ」<br>
「…そうですね…」<br>
「最近元気が無いわね」<br>
「そうですか?」<br>
「ええ」<br>
「そうね…じゃ、今日はこれから酒盛りね」<br>
はい? 何か言いましたか?<br>
「元気が無い時にはお酒が一番なのだわ」<br>
…さて、じゃあ帰りにお酒を買って来るとして…<br>
コレ、いつ渡そうかな?</p>
<p> </p>
<p>「ワトソン君…もっと呑むのだわ」<br>
「所長、酔いすぎです」<br>
「二人きりの時は真紅と呼べと何度言ったら(ry」<br>
はいはいそうでしたね<br>
しかし、真紅はお酒に弱すぎじゃあないでしょうか?<br>
「それじゃあ明日の仕事が大変ですよ」<br>
「明日は休日にするのだわぁ」<br>
あちゃー、なんという暴君…</p>
<p> </p>
<p>「スゥ…スゥ」<br>
只今午前3時…真紅はもう…寝ている<br>
「真紅…こんな形でしかコレを渡す事が出来ない私を…許して下さいね…」<br>
そう言うと、私はテーブルの上にあるものを置いた<br>
翌朝(真紅視点)<br>
よく寝たのだわ…<br>
さて、ワトソン君に朝食を作らせるのだわ<br>
「ワトソン君、起きてる?」<br>
彼からの返事は無い<br>
何処に出かけてるの? 一体…<br>
ふと、テーブルに目を移すと、そこには封筒が置いてあった</p>
<p>-主人公視点<br>
ふぁぁ…よく寝ました…所長、呑ませ過ぎですよ…マジで…<br>
…そう言えばもう所長と会う事は無いんですよね…<br>
あの時テーブルに置いたのは花束でもなく、婚約指輪でもなく、辞表<br>
「真紅には…悪い事をしましたね…さて、もう時間です。日本とも当分お別れ…ですね」<br>
そう言うと、私はイタリアへと向かう飛行機に乗った<br>
-真紅視点<br>
これは…封筒を開くとそれは辞表…<br>
「どういう事?」<br>
辞表を開くと、こんな事が書かれていた</p>
<p>真紅、貴女がこの辞表を見ている頃には、私は日本には居ないでしょう<br>
まず一つ、謝らなければならないことがあります<br>
それは、前触れも無く突然君の目の前から消えてしまった事です<br>
本当に、申し訳ありません<br>
真紅と過ごしてきた間、様々な事がありました</p>
<p><br>
「なんてこと…ああ、なんてこと」<br>
パニックに陥ってしまったのだわ…そんな…彼が…<br>
辞表の最後には、こう書かれていた<br>
どうしても会いたいのなら、私はイタリアに居ますよ。真紅<br>
頑張って私を見つけて下さいな</p>
<p>イタリア…彼は…イタリアに…</p>
<p><br>
-主人公視点<br>
今頃でしょうね…真紅が辞表を読んでいるのは…<br>
多分、彼女は私を追いかけて来るでしょう<br>
しかし、この仕事が終わるまでは会うのが難しいですね。多分<br>
真紅…本当に申し訳ありません</p>
<p> </p>
<p><br>
第四話・完<br>
次回、再終話~イタリアという土地で~</p>