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「十九章「光の騎士」」(2007/06/19 (火) 00:26:20) の最新版変更点
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<p>十九章「光の騎士」 <br>
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巴は光を纏いながらゾンビに突進する。<br>
そのスピードは高速。一体ずつ確実に消滅させていく。<br>
巴「（数が多いけど…ただ…それだけ…）」<br>
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ゾンビの鈍い動きでは高速で動く巴に攻撃するどころか巴の攻撃を防ぐことすらできずにどんどん数を減らしていく。<br>
真「強いわ。あの太刀筋は一朝一夕で会得できるものじゃない…」<br>
疲労を癒しながら真紅は巴を見る。<br>
その戦いはまさに舞。相手がゾンビでなければとても美しいはずだと真紅は思った。<br>
水「金糸雀！金糸雀！」<br>
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まわりにいるゾンビは全て消え去り水銀燈の声だけが街に響く。<br>
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巴「ふう…貴女が笹塚君の言っていた真紅さん？」<br>
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真「…笹塚が…それより金糸雀はどうにかならないの？この傷…」<br>
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金糸雀にはまだ矢が刺さったまま苦痛に顔を歪めている。<br>
巴は水銀燈の隣にいき金糸雀の傷を見る。<br>
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巴「これは…この苦しみよう傷はあまり関係ないわ。矢に毒でも塗ってあったのね。」<br>
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水「！？なんとかならないの？」<br>
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いつもの水銀燈ではなく本当に弱りきった状態で巴に話し掛ける。<br>
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巴「大丈夫よ。少し待っていて。」<br>
そういいながら巴は金糸雀の肩に手をかざす。 <br>
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巴の手のひらが光だし金糸雀の肩に集中する。<br>
それにより刺さった矢は分解され傷が塞がっていく。<br>
真「これは…大丈夫なの金糸雀は？」<br>
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巴「えぇ。あぶなかったけどもう大丈夫よ。その内目が覚めるわ。」<br>
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巴の言葉に真紅達は安堵しその場に座り込む。<br>
金糸雀が目覚めるまで巴は自分について説明する。<br>
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真「つまり貴女はジュン達の友人で雷の街で笹塚達と合流したわけね。」<br>
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巴「そうよ。それで別れてこっちに来たわけよ。雛苺に金糸雀を助けてって言われちゃってね。」<br>
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大体のことを話しおわった後巴は虚無に目を向ける。<br>
巴「いつまで隠れてるつもりなの？」<br>
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投げ掛けられた言葉。<br>
少しの沈黙、そして空間が歪み闇が人の形になる。<br>
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ヌ「邪魔邪魔邪魔…何でこうも邪魔ばかり入るの？ねぇ？教えてよ？」<br>
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出てきたのはヌイ。その表情は怒りそのもの。<br>
体のまわりに無数の剣を出現させ、巴に問い掛ける。<br>
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巴「知らないわ。嫌われてるんじゃない？世界に？」<br>
巴の言葉に怒りの限界を超えたのかヌイは剣を真紅達に放つ。 <br>
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巴は飛んでくる無数の剣と真紅達の間に立つ。光の剣を再び出し巴は剣をすべて弾き返す。<br>
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水「くっ！？」<br>
真「待ちなさい。水銀燈…いまいけば邪魔になるだけだわ。我慢しなさい。」<br>
水銀燈は真紅に止められ仕方なく傍観する。<br>
巴はすべて剣を弾いた後すぐにヌイに高速で突進して斬り掛かる。<br>
ヌ「その程度…」<br>
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ヌイはすぐ翼を広げ宙に逃げる。<br>
しかし巴も肩翼の翼を広げそれを追う。<br>
巴「人をなめすぎよ。貴女…」<br>
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追い付いた巴は光の剣を振る。しかしその剣は途中で阻まれる。<br>
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ヌ「なめてる？それは貴女の方じゃないの？」<br>
ヌイは黒い剣で巴の剣を防ぎ後ろに引く。<br>
距離を取ったヌイは再びまわりに剣を出現させる。<br>
巴「同じことを何度も…」<br>
剣強く握り攻撃に備える巴。<br>
しかしヌイは剣を飛ばさずそのまま巴に近づき斬り掛かる。<br>
予想外の動きに動揺するも巴はなんとか凶刃を防ぐ。<br>
ヌ「ただ飛ばすだけだと思ってたの？」<br>
防ぐので手いっぱいだった巴はまわりを無数の剣で囲まれる。<br>
その剣を残してヌイは後ろに下がる。<br>
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ヌ「死ね。」<br>
距離を取りヌイはボソリと呟く。その瞬間にすべての剣は巴に向かって飛んでいく。 <br>
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しかし凶刃は巴の体を突き刺す前に分解され消滅する。<br>
巴「やるわね。」<br>
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よく見れば先程まで巴が纏っていた光が消えている。<br>
ヌ「ちっ。これだから面倒なのよ。」<br>
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ヌイは再び剣を周りに出現させ巴に斬り掛かる。<br>
しかし近寄る前に巴が何かを投げる。<br>
近づく自分と投げられた物。必然的に投げられた物は実際の速度より早い。<br>
顔に向かう何かをギリギリで避ける。ヌイの頬が少し切れそこから血が出てくる。<br>
ヌ「こざかしいわね。何を投げたのよ！？」<br>
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巴「貴女と同じよ。少し小さいけど…」<br>
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巴は投げ掛けられた問いに答えながら周りに複数の光の短剣を出現させる。<br>
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巴「貴女がそれを使う限り私も使わせてもらうけどいいかしら？」<br>
ヌイはこざかしいとばかりに先程の剣を巴に飛ばす。<br>
巴も出現させた短剣をヌイの剣に飛ばす。<br>
ヌイの剣と巴の短剣は交差しすべて相殺される。<br>
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ヌ「無駄…ってことかしらね。この場は引いてあげる。眼鏡もいないみたいだしね。」<br>
これ以上やっても埒が開かないと判断したヌイは闇へと消えようとする。<br>
しかし消えようとするその瞬間真紅達に向け持っていた剣を投げる。 <br>
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巴「また…」<br>
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ヌ「勘違いしないでよ。あれは招待状の代わり…さっさとくることね。」<br>
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そう言い残し完全に闇へと消えるヌイ。<br>
剣は真紅達の前に刺さると形をかえメダルになる。<br>
巴「疲れた。ここへ急いできて、ゾンビ倒して、彼女の相手をして…少し休みたいわ。」<br>
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少し愚痴をこぼしながら巴は空からおり翼と剣をしまう。<br>
真「お礼を言うは巴…何から何までありがとう」<br>
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巴「いいわよ。当然のことをしたまで…。それよりこれからどうするの？」<br>
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真紅にしては珍しく素直にお礼を言う。巴はそれにメダルを取りながら返答する。<br>
水「とりあえず一番近い街に行きたいわねぇ。金糸雀は…」<br>
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水銀燈は金糸雀を見る。その時<br>
金「復活かしら～。」<br>
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突然金糸雀が目を覚まし叫びだす。<br>
水銀燈や真紅はもとい巴までも驚いた顔で金糸雀を見る。<br>
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金「あれ…外しちゃったかしら？」<br>
言った本人も場の空気に冷や汗をかきだす。<br>
真「…いいタイミングね金糸雀。まさか狙ってたわけじゃないでしょね？…さっさと帰るわよ。」<br>
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金糸雀は真紅の表情にすぐに帰る準備をする。<br>
水銀燈と巴はその光景を見て微笑む。<br>
四人はピチカートの風を纏い闇の街を後にする。 <br>
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舞台裏<br>
ジュン＆雪華綺晶＆水銀燈<br>
ジ「十九章終わりだ。」<br>
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雪「次は翠星石達の方ですか？それともベジータ達ですか？」<br>
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ジ「僕たち側だ。よかったな雪華綺晶。次くらいには出れるぞ。」<br>
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水「よかったわねぇ雪華綺晶。でもぉ私たちの活躍薄くなかったぁ？なんか二章分で終わらされてるしぃ。」<br>
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雪「ここからは少し巻いていくんですわね？巻いて…あら？」<br>
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ジ「……(巻いていくということは自分の出番が少なくなると…。なんで業界用語？)」<br>
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水「まあ大体あいつはもうでてきてたから仕方ないわねぇ。巴には可哀想だけどぉ」<br>
ジ「(いやいや実はあれに柏葉はかなり満足してた。)」<br>
雪「そうですよね。大丈夫ですよね。ジュン様は夜道に気を付けておいてくださいね。この頃は物騒ですから…」<br>
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ジ「すっごい意味深だなその言葉…。僕が悪かったから機嫌なおしてくれよ。」<br>
雪「あら？なんのことですか？本当にジュン様のことを気遣っていってるんですよ。」<br>
水「まあ次はジュン達からね。それじゃあ私は帰るわねぇ。」<br>
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ジ「(なんか雪華綺晶が横目で見てる。怖いかなり怖い…さっさと逃げるか…)」<br>
雪「（もう我慢の限界ですわ。こうなったら…）…あらジュン様？」</p>
