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「再会 始まりの番」(2008/02/16 (土) 03:36:12) の最新版変更点
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<p> 潤が旅に出て幾許か時が過ぎた頃。<br>
とある山に、鬼と女が居た。<br>
女の腕には、赤子が抱き抱えられている。<br>
時々、鬼にむかって「とぉ~」と、笑顔を浮かべながらその小さな手を伸ばす赤子。<br>
鬼は、困った様な笑みを浮かべつつ赤子の頭を優しく撫でる。<br>
それが嬉しいのか赤子は、また「とぉ~」と言って鬼に小さな手を伸ばすのだった。<br>
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「■■■■」<br>
「ん? あぁ……そんな悲しそうなツラすんじゃねぇよ」<br>
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■■■■と呼ばれた鬼は、自分の名を呼んだ女の顔を見てそう言う。<br>
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「うん……」<br>
「だから、辛気臭い顔するんじゃねぇって言ってんだろうが」<br>
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苦笑しながら、鬼は女の頭を乱雑だが優しく撫でる。<br>
頭を撫でられ女は、少々赤面した。<br>
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「■■■■」<br>
「ん……わぁってる。だから、俺がわざわざ封印されるんだろう?」<br>
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な? と、笑みを浮かべる鬼。<br>
相変わらず赤ん坊は「とぉ~」と言いながら笑顔を浮かべ手をパタパタと動かしている。 <br>
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「僕が見たのは、現実に起こらない事かもしれないんだよ?」<br>
「なんだ? 此処まできて怖気づいたか?」<br>
「違う……怖気ついた訳じゃない……」<br>
「わぁってる……なぁに。元々こうなる運命ってヤツだったんだろうよ」<br>
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鬼は、ドカッとその場に座るとさ、はじめてくれや。と目を瞑った。<br>
女は、一度軽く頷いた後赤子を片手で抱き、自由に動くよう担った方の手を鬼へと向ける。<br>
そして、女は口を開き術を紡いだ。<br>
鬼の身体が、徐々に石と成り果ててゆく。<br>
女は涙を流しながら、術を紡ぎ続ける。<br>
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「おう」<br>
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完全に石になる前に鬼は、口を開く。<br>
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「ちゃんと■■■の面倒はみてやるよ。じゃぁあの世でな……■■■……いや、美衣」<br>
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鬼は、ニカッと笑みを浮かべた後完全に石となった。<br>
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「とぉ~?」<br>
「お父さんはね……遥か未来を護る為に石になったんだよ?<br>
「とぉ~?」<br>
「そう、美音を護る為でもあるし……遥か未来の■■■を護る為になんだよ」<br>
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女は、顔を上げ空を見る。<br>
闇空には、綺麗な星々と月が浮かんでいた。</p>