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日本のとある場所に桃種市という市がある、僕、桜田ジュンはその桃種市にある大学、私立幻冬舎学院大学に通うためその近辺に住む知り合いのローゼン家へ向かい愛車のフェアレディZを走らせていた、二時間ほどかかって桃種市に到着し、僕は今、待ち合わせ場所である駅前の広場にある銅像の前にいる。もう十分は待ったかな?しばらくして年上らしき女性が一人こちらに向かってきた、銀髪で胸の大き……かなり美しい女性だな、彼女は僕を見て言った<br> 「あなたが桜田ジュン君?」<br> 「は…はいそうですけど」<br> 「そう、私は水銀燈、ローゼン家の長女よぉ」<br> 「はじめまして」<br> 「はいはじめまして。まぁ詳細は食事でもしながらでいいわねぇ」<br> そういえばもう12時だ<br> 「そうですね、ここら辺で美味しいお店知ってますか?」<br> 「そうねぇ…じゃああそこがおすすめね、混んでいるだろうけど。美味しいイタリアンの店があるのよぉ、私はバスで来てるから助手席に乗せてくれない?」<br> 「いいですけど水銀燈さん」<br> 「じゃあ行きましょうか」<br> 水銀燈さんをZに乗せ駅前の広場からイタリアンの店に行く、そこはオープンテラスといった感じのオシャレな店だ、人気のお店らしい、昼時も手伝ってかなり混んでいる。水銀燈さんはここの馴染みらしい、席が空くのを待っているときに何人か店員が声をかけてきた、<br> 「あら水銀燈、彼氏?」<br> 「やぁねぇ弟よぉ」<br> 「居候です」<br> <br> 十分ほど待った後、席に着く、僕はカルボナーラを、水銀燈さんはペペロンチーノを頼む<br> しばらくして料理が運ばれてきた、ここのパスタは確かに美味しいな、そう思いながら味わって食べた<br> 食べ終わった時、水銀燈さんはおもむろに自分のおしぼりを持っていきなり僕の口を拭いてきた<br> 「わっ!何ですか?!」<br> 「ふふふ、クリームが口に付いてたからねぇ、それとも口で拭いて欲しかったぁ?」<br> 「もう、僕だってもう18ですよ?恥ずかしいじゃないですか」<br> 「うふ、ごめんなさぁい、そうだ、面白いこと思いついた。これから私のことはお姉ちゃんだと思って頼りなさい」<br> 「へ?水銀燈さ……」<br> やたら威圧的な目で見る水銀燈さん、ここは大人しく引き下がるか<br> 「姉ちゃん、おしぼりのことは許すとしてこれからどこにも寄り道せずに戻るんだよね?そろそろ運送屋が僕の荷物を届けてくれる時刻も考慮しないと」<br> 「なら大丈夫よぉ、家はここから直線距離で500mも離れてないから、それで何時に荷物が届くのぉ」<br> 「あと一時間無いですね」<br> 「そう、じゃあ三十分あれば近辺を紹介できるわねぇ」<br> 「まぁ三十分くらいなら」<br> 「じゃあ行きましょうかぁ」<br> それから三十分ほど近辺の紹介を受けながらZを走らせた、公民館、警察署、病院、ショッピングモール、公園etc.<br> 「あと運送屋が来るまで二十分程ねぇ、ここから家まで十分あれば帰れるから間に合うわねぇ」<br> 「それじゃあ戻るということで」<br> 僕は水銀燈さんに案内されながらローゼン宅に向かう。<br> そこでふと僕は気になっていた疑問をぶつける<br> 「ところで僕のZはどこに停めておくんですか?」<br> 「それなら心配ないわぁ、まあみればわかるわね、あっそこを左ね」<br> 「はぁ」<br> とりあえず指示された通りに行くとそこにローゼン家はあった。しかしこれは……<br> 「こっちのじゃなくて、あっちのですよね?<br> 」 「ううん、こっちのよぉ。駐車スペースに困らないでしょぉ」<br> 確かに困らない。そこは立派な邸宅だった。しばらく待って運送屋と共に荷物を運び込む<br> 「ジュンの部屋は二階の一番奥の部屋よぉ、隣は私だから間違って入っても怒らないわぁ」<br> あらかた荷物を運びこみ、あとはベッドだけになった。<br> 「うふ、今日は初めてだしジュン、お姉ちゃんと寝ようねぇ」<br> 無視して作業を続ける、やっと荷物を運び込んでダンボールを開けているときだった<br> 「あの…手伝おうか?」<br> 「へ?」<br> そこにはショートヘアーで無駄な筋肉の無い、すらりとした人が立っていた<br> 「お姉さん、誰?」<br> 「え?いまお姉さんって言った?」<br> 「あ…いや…だってその胸、さらし巻いてるんですよね?……まさか男性?」<br> 「ううん、僕は女性だよ、四女で蒼星石って言ってジュン君より一つ上」<br> なんでも外観がボーイッシュだからよく性別を間違えられるのがコンプレックスらしい<br> 「でもよくさらしだってわかったね」<br> 「いや洋裁関係に少し詳しいんであれは自然体じゃないなって、それに……美人だし…」<br> 急に赤くなる蒼星石さん<br> 「もう、誉めたって何にもでないよ?」<br> 「ホントの事なんですから」<br> そのまま会話が弾み、残されたダンボールも半分となった時だった<br> 「non!ヒナもジュンと遊ぶの!」<br> 「ダメかしら、まだ片付けが終わってないの。もう少し待つ……ってうわぁ!かしら」<br> ドアを弾くようにして入ってきたのは背の低い二人組、一人はやたら大きなリボンを付けた幼顔の娘でもう一人はおでこの広い娘だった<br> 「わっ!雛苺、金糸雀」<br> 「ご…ごめんなさいかしら蒼星石、でも雛苺が……」<br> 「ジュン遊んでなの!」<br> 「蒼星石さん、この二人は…乗らないで…」<br> 「いまジュン君に乗っているのが六女の雛苺、おろおろしているほうが次女の金糸雀だよ」<br> 「えっそちらの女性が蒼星石さんより年上?」<br> 「よろしくかしら、ジュン」<br> 「どう致しましたの?確かジュン様という方が……」<br> 丁寧な物言いで部屋に入ってきた髪の長い右目に眼帯を付けた女性は部屋に入った瞬間絶句した<br> 「どうしたのぉ雪華綺晶?」<br> 「雛苺、そちらの御仁がジュン様ですの?」<br> 僕は雛苺に乗られたまま状況を見守る<br> 「そうなのぉ!」<br> 「その…いえ…ですから…わっわたくしがローゼン家が第七子である雪華綺晶ですわ…」<br> なんか赤くなっているな、暑いかなぁこの部屋?<br> 「雪華綺晶が照れてるかしらぁ!」<br> 「そ…その殿方が一つ屋根で暮らすからですわ!」<br> 「何を騒いでるですか!」<br> こんどはなんだ?長い亜麻色の髪…蒼星石さんと一緒、<br> 「もしかしてそのチビがジュンですかぁ?」<br> 「チビってジュン君のほうが背が高いけど?ほら自己紹介して」<br> 「五月蝿いですぅ!チビ、私は三女で蒼星石の双子の姉、翠星石ですぅ」<br> 「どうも」<br> ガタッ<br> 誰かがまた入ってきたのか?入り口にいたのは雪華綺晶によく似た女性だった。ただ雪華綺晶はほんのり桃色がかった白に対して彼女は紫がかっている、眼帯も左だ<br> 「私は八女の薔薇水晶。あなたがジュン?…」<br> 「そうだけど」<br> 「それとあのフェアレディZはジュンの?」<br> 「そうだけどどうかしたの?」<br> 「そこの窓から見てみたらわかる。」<br> 僕は雛苺をどけて窓からZを確認した…ボンネットにZってステッカーが貼ってある、しかもあれはただのZじゃない!<br> 「なんでΖガンダムのシンボルが貼ってあるんだよ!」<br> 「きょうから…フェアレディΖ(ゼータ)」<br> 何なんだよまったく…<br> 「騒がしいわね、何事?あらあなたがジュン?私が誇り高きローゼン家の五女、真紅よ。丁度いいわ、あなた紅茶を淹れなさい」<br> 「だあぁぁ!片付けさせてくれぇ!」<br> <br> the end

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