「ドッペル 《The 3rd days》」の編集履歴（バックアップ）一覧はこちら
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<p>《The 3rd days》<br>
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ふぁ～今日も清々しい朝だ。少し早い冬休みってとこかな。短いけど。まだこいつは寝てることだし一階で何か朝食をとろうかな。<br>
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ジ「……ご飯は炊いてあるけどなんにもおかずがないな」<br>
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仕方ないカップ麺でも食べるか。はぁ…朝からカップかよ……。……ってあれ？<br>
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ジ「ぬあぁ～～！普通に置いてあるものならまだしも僕が食べようと思って隠してたやつがない～！」<br>
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自分の家でありながら冷蔵庫内の状況を把握できてなかった僕が悪いのか。だが！誰だ！僕のカップ麺食ったドロボーは！<br>
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翠「まったく朝っぱらからがちゃがちゃうるせえやつですぅ。うるさくて寝てられんですぅ」<br>
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まさか翠星石が？そんなことはないか。食ってるとこ見てないし。まったく朝から気分悪いな。<br>
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ジ「おはよう翠星石」<br>
翠「おはようですぅジュン」<br>
ジ「じゃあおやすみ」<br>
翠「また寝るですか？」<br>
ジ「朝飯食うにもおかずがない。カップ麺食うにも在庫がない。隠していたのも消えた。やる気なくした」<br>
翠「な～に言ってやがるですか。ご飯がある、塩がある、ならオニギリでも食えばいいんですぅ」<br>
ジ「あぁ～そうだな～」<br>
翠「全くやる気ねぇですね。しょうがねぇからこの翠星石がジュンのために握ってやるです」<br>
ジ「あぁ～～僕のカップ麺……」<br>
翠「朝っぱらからカップ麺なんて食ってると栄養が偏るですよ」<br>
ジ「わかってるけどさ～」<br>
翠「ジュン～海苔はないんですかぁ？」<br>
ジ「え？え～と海苔は確か戸棚にあったと……」<br>
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海苔………のり……ノリ…やつか！まず間違いなくあいつだな！！帰ってきたら覚えてろよ！<br>
食い物の怨みは恐ろしいということを身をもって教えてやる！！！<br>
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翠「ほらほら出来たですぅ。味わって食うがいいですぅ」<br>
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ジ「ああ、ありがと。ないものをどうこう言ったってしょうがないよな」<br>
翠「そうですそうですぅ。そんなことより翠星石が愛情込めて握ったオニギリのお味はどうですぅ？」<br>
ジ「もちろん美味しいよ。翠星石も食べたら？」<br>
翠「言われなくても食うから心配御無用ですぅ」<br>
ジ「そうか。ならいいよ」<br>
翠「……えへへ～ですぅ」<br>
ジ「何朝っぱらからにやけてるんだか」<br>
翠「昨日はいい夜でしたねぇ」<br>
ジ「それを言わないでくれ。あ、茶でも飲むだろ？持ってくるよ」<br>
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あ～～恥ずかしい。この場から逃げ去るようにお茶を取りに行く僕。ま、一時凌ぎにしかならないけどさ。<br>
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ジ「お茶お茶～っと」<br>
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冷蔵庫を見て愕然とする。飲み物系も例の酒類しかないという状態だった。もうここまでくると誰かの作為なんじゃないかと思うね。<br>
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ジ「お茶がないから紅茶でいいか？」<br>
翠「朝から紅茶とは優雅ですぅ」<br>
ジ「相手がオニギリじゃあ雰囲気台無しだけどな」<br>
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会話の受け答えをしながら紅茶の準備をする。まあそれなりに慣れたものだ。<br>
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<p>翠「でもなんで紅茶があるんですぅ？」<br>
ジ「真紅がたまに家に来てたからな。ほらあいつ紅茶大好きだろ」<br>
翠「なっ！それは初耳ですぅ！知らなかったですぅ！」<br>
ジ「口のなかにもの入れてしゃべるなよ。粒とんでるから」<br>
翠「あんな紅茶中毒者に煎れてやる必要なんざねぇんですぅ」<br>
ジ「おいおい、そこまで言うなよ」<br>
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でもまあ紅茶中毒者というのは否定できない。真紅はいつだって紅茶を飲んでいるというイメージがある。<br>
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ジ「まあ、この前なんて学校で紅茶を煎れろなんて言われたからな。流石にどうやって？とは思ったな」<br>
翠「まさに傍若無人ですぅ」<br>
ジ「結局家庭科室で煎れたけどさ」<br>
翠「年下の癖に偉そうにしてるですぅ」<br>
ジ「でも学年は３年で先輩になるんだよな」<br>
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まったくもって複雑極まりないんだよね。15歳で年下なのに先輩だというんだからさ。まあ年齢は関係ないからね高校は</p>
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翠「地位権力を振り回すなんてひでえ奴ですぅ。いっぺんヤキいれてやるですぅ」<br>
ジ「おいおい、なに物騒な事言ってんだよ。ほらこの紅茶でも飲んで落ち着けよ」<br>
翠「まだ熱いですぅ。飲めねえですぅ。仕方ねーからこれでも食うですぅ」<br>
ジ「そんながっついて食わなくったって。喉詰まるぞ」<br>
翠「大丈夫ですぅ。心配要らんですぅ」<br>
ジ「ほ～ら、そんなやって食うからお弁当付いてるぞ」<br>
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そう言って翠星石の頬についていた御飯粒をとってそれを食べた。<br>
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翠「あ……う…」<br>
ジ「ん？？何言ってんだ？なんだよ僕をじっと見て。後ろに誰かいるのか？」<br>
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後ろを向いても誰もいないし気配もない。虫すらいない。<br>
翠星石の視線の先は僕みたいだけど僕何かしたかな？でもなんにも思い当たることがないんだけどな。<br>
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ジ「どうかしたのか？大丈夫か？顔が赤くなってるぞ？」<br>
翠「………御飯粒」<br>
ジ「は？それがどうかしたか？」<br>
翠「な、なんで食べたんですかぁ？」<br>
ジ「もったいないから捨てるわけにもいかない。それに僕がとったのを翠星石に食べさせるわけにもいかないだろ？だから」<br>
翠「べ、別に取れないところにあったわけじゃないんですからぁ」<br>
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何を慌ててるのか僕にはさっぱりわかんないんですけど。<br>
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ジ「とりあえずごめん。なんなのかわからないけど僕が原因みたいだからな」<br>
翠「い、いえ謝らなくてもいいんですぅ。……むしろ嬉しかったり…ﾎﾞｿﾎﾞｿ」<br>
ジ「え？なんか言ったか？最後の方よく聴こえなかったけど」<br>
翠「なっ、なんでもねぇですぅ！」<br>
ジ「まあそれはともかく、こうも冷蔵庫が空っぽだと夕御飯つくれないだろうと思うんだけどさ」<br>
翠「ならジュン、買い物に行くですぅ」<br>
ジ「そうだな。僕もついていくよ。荷物持ちぐらいするからさ」<br>
翠「そういう意味じゃなかったんですがね……でもまあいいですぅ。一緒に行ってやるですぅ」<br>
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さて支度しないとな……ってもう昼なのか？さっき起きたばかりなんだけどな。<br>
まあ昨日はなんだかんだで結局寝たのが遅かったしな。起きるのも遅かったんだろうな。<br>
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