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「第七章~自由の要塞~」(2006/12/30 (土) 20:50:00) の最新版変更点
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<p>第七章~自由の要塞~<br>
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大賢者・荒巻スカルチノフ、かつてローゼン帝を補佐し世界中の魔術を修めたとされる史上最高の魔術師。<br>
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そして現在生きている梅岡の封印に加担しそれに魔力を注ぎ支えていた者であった。<br>
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その彼の死から半月が経った、梅岡の封印はついに解き放たれた。<br>
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講和調印後、水銀帝国・紅王国・薔薇公国・雪華公国・翠公国・蒼公国・金糸公国の7カ国(雛伯国は暫定政権により中立)は国境線を無くし、君主不在の『薔薇帝国』を築き暗黒の勢力と対峙する事となった。<br>
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アイゼンガルドの地図は大きく黒く---そう漆黒の闇の色に似た色に塗り替えられようとしていた。<br>
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薔薇帝国と梅岡が封じられているロマーヌ地方を隔てるベルレーヌ山地、その天然の要害を生かした砦がそびえ立っていた。<br>
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『フォート・フリーダム(自由の要塞)』、またの名を『人類最後の防壁』と呼ばれていた。<br>
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かつては南方に広がるロマーヌ地方を監視する為の要塞であったが・・・今では文字通り人類最後の防壁となっていた。<br>
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そして要塞は8カ国から集まった義勇兵達によって守られていた、総員10万弱の大軍である。<br>
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だがそれでも目の前の敵には遠く及ばない---梅岡の再来と共に生まれた悪の軍団。<br>
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ゾンビ・スケルトン・ミイラで組織された暗黒の兵士、しかしソレらもかつて人と呼ばれた者達であった。<br>
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ローゼン帝の治世以前、かつて大小様々な国に別れて争っていた時代の負の遺産と呼ばれしソレ。<br>
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ソレらの正体は名も無く朽ち果てた兵士達の怨念を暗黒魔術で具現化した物である。<br>
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それと対峙するのは今を生きる者達、薔薇帝国の象徴とも言える一輪の紅き薔薇の華を染め抜いた旗の下に大勢が集った。<br>
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暗黒の勢力との戦争から半月、多くの将兵達が地に倒れても彼らは戦いを止めなかった、否止める事は出来なかった。</p>
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JUM・真紅・水銀燈・柿崎メグ・雛苺・柏葉巴・金糸雀・草笛みつ・雪華綺晶・薔薇水晶・翠星石・蒼星石。<br>
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この世の最後の希望とも言える英雄達が人類の生き残りを賭けた戦い続けた、それぞれが己の理想だけを信じ、その道を貫き通して来た英雄達が・・・。<br>
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JUMは城壁の上に昇り眼下を見下ろした、そこには生ける者は誰一人いない・・・いるとすればこの世にあってはならない者。<br>
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だがソレらを見る度にJUMの心が酷く痛んだ、姿こそ見えないが腐敗の臭いや血の臭いと声にならない呻き声混じって聞こえてくる。<br>
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『タスケテクレ』と言う死者達の悲痛な叫びがなま暖かい風に乗りJUMの耳へと届く---それが酷く悲しかった。。<br>
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そうJUMにとって戦う理由とは真紅の為でも戦友の為でもあり・・・何よりも眼下に広がる敵達を呪縛から解放する為でもあった。<br>
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J「何時か・・・きっと助ける・・・今は約束しか出来ないんだ、許してくれ」<br>
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JUMは誰に告げるべくも無くボソリと呟き血が滲む程拳を握りしめた。<br>
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もうじき日が沈む・・・其即戦の始まりの狼煙、何時終わるか解らない永遠と呼べる夜が始まる・・・。<br>
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<p><<次回予告>><br>
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戦いの夜が始まった生ける者と死せる者同士の魂のぶつかり合いが戦場に鎮魂歌を奏でる。<br>
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戦場中に漂う異常な感覚、鼻腔を突くむせかえるほどの血と腐敗の臭い、その中心に佇みし者。<br>
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白い月下、大地を紅に染めて無数の死体の上で---月光に照らされ紅の鬼神が笑う。<br>
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次回、薔薇乙女大戦・・・「第八章~紅の鬼神~」・・・全ては偽善でしか無いのか・・・。<br>
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