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 「第五章前編~血染めの黎明~」」(2006/12/22 (金) 12:19:24) の最新版変更点

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<p> 「第五章前編~血染めの黎明~」<br> <br> <br> 真紅達は水平線の彼方から日が昇ると同時にリンボンの港に入り錨を降ろした。<br> <br> 真「JUM、市街地に500の兵を進めて雛苺と巴の安全を確保しなさい、私はここで退路を確保するのだわ」<br> J「御意、敵は任意に排除してよろしいのでしょうか?」<br> 真「目的遂行の為であれば許可するのだわ」<br> J「はっ!!御意!!」<br> <br> JUMはエクスカリバーを抜き自ら先頭に立って朝靄の立ちこめる市街地へと突入して行った。<br> <br> 商業都市だと言うのに人の姿は無い・・・まるで死の都の如く人っ子一人いなかった。<br> <br> この広い街でたった二人の人間を捜すのは針の山から金の針を見つけ出すような物である、だがJUMは迷いもなくドンドン先に進んでいく。<br> <br> 戦士故の直感と言うべきか自分が進む度に血の臭いが強くなっていく、そしてこの臭いの場所に---彼女たちはいる。<br> <br> そうJUMは確信していた、戦場で頼りになるのは---己の直感と腕のみ!!<br> <br> そして臭いが最も強い場所に辿り着いた時JUMは己の直感が正しかった事を確信した。<br> <br> 武装した兵と思わしき者達に囲まれた絶体絶命の二人のいと哀れな少女達---。<br> </p> <br> <p> 一人の少女は小さな少女を守る為に綺麗な夜空の如き黒き髪を結い上げし剣士、その端正な顔を更に際だたせるように目の下の泣き黒子。<br> <br> その少女に守られる幼い少女、真紅と同じ金髪だがその顔は対照的に幼い・・・そうまるで川辺で遊ぶ子供達のように幼い、されど今は恐怖に顔が崩れ瞳に涙を浮かべている。<br> <br> 傭兵A「雛苺伯爵!!大人しく例の物を渡せ!!そうすれば命だけは助けてやろう!!」<br> 雛「い、いやなの~!!コレは渡せないなの~!!」<br> 傭兵B「構うこたぁねぇ!!血祭りに上げてからでも構わねぇだろう!!」<br> 傭兵C「そうだ!!やっちまえ!!ヒャッハー!!」<br> 巴「雛苺様!!お下がりください!!」<br> 傭兵D「お?なんだぁこのアマ?やる気か?」<br> 傭兵E「まずはこの女からだ!!」<br> 巴「雛苺様の御前にて血を見せるのは本望ではありませぬが・・・」<br> <br> そう言って黒髪の少女は棒・・・否、それは剣であった---だがあれは剣であって剣に非ず。<br> <br> その剣を見た瞬間JUMは全身の毛が総毛立った、黒い刃・・・まるで光そのものを拒絶するが如く黒い。<br> <br> 傭兵F「へへへ、姉ちゃんよ・・・持ち慣れない物は持つもんじゃねぇぜ?」<br> 巴「・・・戯れ言は・・・それまでか!!」<br> 傭兵F「ワタパァ!!」<br> <br> 黒髪の少女がその剣で屈強そうな傭兵を一刀のもとに切り伏せる、否切り伏せると言う表現はおよそ似つかわしくないだろう---まるでバターに刃を通すが如く半分に切り裂いた。<br> <br> 傭兵A「っ!!このアマああああ!!」<br> 巴「!?」<br> <br> 一人切り伏せた所でその黒髪の少女の側面から今まさに斬りかからんとする傭兵、だが剣を上に振り上げた所でその手は止まる。<br> </p> <br> <p> J「やれやれ、同じ男として情けない限りだ・・・女性に手を挙げようとし、あまつさえ幼子の前にて血を見せようとは・・・万死に値する輩共だ」<br> <br> JUMは傭兵Aに突き刺した短剣を引き抜き、ソレに付着した血を地面に倒れている傭兵Aの服で拭き取った。<br> <br> 巴「貴方達は・・・?」<br> J「紅王国第一近衛騎士団長・桜田JUM、真紅様の命によって参上仕った」<br> 雛「うよ?真紅の騎士さん?」<br> J「御意に雛苺様、柏葉!!雛苺様をお連れして速く港へ!!ここは我々にお任せあれ!!」<br> 巴「いえ・・・もう仲間達が死ぬのを見るのはたくさん!!私も貴方と共に残ります!!」<br> J「・・・好きになされよ、おい!!雛苺様を連れて先に港へ行け!!」<br> 兵A「はっ!!ささ、雛苺様こちらへ・・・」<br> 雛「うぃ~・・・トモエ~・・・」<br> <br> 雛苺は味方の兵に守られて港へと護送されて行った、今この場に残るのは二人の忠義の剣士と欲に駆られた裏切り者達だけである。<br> <br> J「ふん、こんな数一人で十分だと言うのに・・・物好きな女だ、女は戦うべきでは無いと思うんだがね」<br> 巴「こんな雑魚達は私一人で十分よ・・・貴方は先に逃げたらどう?」<br> J「抜かせ・・・女に背中を預けるのはこれが始めてだ」<br> 巴「そう、じゃあ貴方の背中は私が守るわ・・・」<br> J「よろしい、じゃあ僕は貴女の背中を・・・」<br> 巴「巴って呼んで欲しいわ・・・」<br> <br> 二人共に背中を預け圧倒的多数に立ち向かう、圧倒的多数に囲まれようとも二人には絶対生き残る自信があった、戦士故の直感である。<br> </p> <br> <p> 『そう?じゃあ誰が私の背中を守ってくれるのかしら?』<br> <br> どこかで聞いた声がJUMの耳に入る、その直後昇る血のような朝日を背に---屋根の上に一人の騎士が立っていた。<br> <br> 見間違う事も聞き間違える事も無い、その声の主こそJUMが唯一の強敵”友”と呼んだ者である。<br> <br> J「メグ!?何故お前がここに!?」<br> メ「あ、勘違いしないでね?こんな雑魚共に貴方達を殺させるのは忍びないわ・・・それに言ったでしょ?貴方は私が殺すってね♪」<br> 巴「柿崎・・・」<br> メ「あら、巴じゃないの♪お久しぶり♪」<br> J「知り合いか?」<br> 巴「えぇ・・・ちょっとね」<br> メ「世間話は後にしましょ?今はコイツらを片づけましょ?」<br> J「あぁ、賛成だ」<br> 巴「勿論・・・」<br> J・メ・巴「征くぞ!!」<br> <br> 集うは3人の騎士達、互いに互いの背中を合わせ圧倒的多数と対峙する---。<br> </p> <br> <p><<次回予告>><br> <br> かつては共に命を賭けて殺し合った強敵達、故に今はこれ以上心強い味方は無きにて候---。<br> <br> 獣の血を呼び覚ますは紅き黎明、今血に染まりし3人対多数の生き残りを賭けた死闘が幕を開ける---。<br> <br> 次回、薔薇乙女大戦・・・「第五章後編~三人の騎士~」・・・・・・。<br> </p>

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