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ある日の道端にて」(2006/12/18 (月) 12:21:07) の最新版変更点

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<p>ある日の道端にて。<br> 金糸雀とJUNは、金糸雀の好物である卵について話に花を咲かせておりました。<br> <br> 「……ところでJUNは、黄身と白身で好き嫌いがあったりするのかしら?」<br> 「そうだな…どちらかと言えば、黄身が好きだ。黄身のが甘くておいしい。<br>  でも黄身と白身は一緒に食べるのが一番旨いと思うんだよな」<br> 「そうよねそうよね!JUNはよくわかってるかしら!<br>  そうだわ、これからカナのおうちに来るかしら!黄身と白身の生み出すハーモニーを一緒に堪能するかしら!」<br> <br> そう言うと金糸雀は、JUNの手を取って勢い良く走り出しました。<br> 勢いは良くとも、彼女の足はさほど速くありません。<br> JUNは急展開に溜息を漏らしながら、ゆるゆると引っ張られて行きました。<br> </p> <br> <p>少し離れた電柱の影。<br> そこには二人の会話を聞いていた、二つの人影がありました。<br> その影のひとつは紅色、もうひとつは翠色の鮮やかな服を着ていました。<br> <br> 「卵の話題からJUNを家に誘う方向に持って行くなんて…」<br> 「くぅ~今日の奴は妙に策士ですね。おばカナリアのくせにぃ」<br> 「でも、家に呼ぶことを意識していたのではないようね」<br> 「そこがまたむかつくですぅ。でもこの策は使えるですよ。明日のJUNは翠星石のスコーン作戦で頂きですぅ!」<br> 「おしゃべりね、翠星石。私がそんな作戦を見逃すと思って?」<br> 「真紅は料理が下手ですからね。バレたってどうということはないのですぅ」<br> 「ス、スコーンくらい私にも作れるわ!紅茶に欠かせないお茶菓子ですもの」<br> 「言ったですね?それなら真紅も作ってJUNの所へ持って行くがいいです。<br>  翠星石のスコーンより美味しいと言ったなら、JUNのお持ち帰りは真紅に譲ってやってもいーです」<br> 「上等だわ。負けて地に這いつくばることを覚悟しておきなさい!」<br> 「真紅こそ、せいぜい不戦敗にならないよう頑張るが良いですぅ」<br> <br> 不毛な争いがひとつ生まれました。<br></p> <br> <p>も少し離れた曲がり角の影。<br> そこには大きなアンテナを生やした、怪しげなワゴンがありました。<br> その中には、紫の服にオシャレ眼帯を身に付けた少女と、タキシード姿の兎面人がおりました。<br> <br> 「お嬢様、金糸雀と真紅と翠星石……放っておいてよろしいのですか?」<br> 「……だいじょぶ……わたしにも秘策がある……『君が好きだ。君のが甘くておいしい』……これはエロイ……」<br> 「録音していたのですか。さすがでございます」<br> 「編集してわたしの声を吹き込めば、既成事実の出来上がり……兎を始末すれば証拠も残らない……」<br> 「な、まさか!おやめくださいぃぃ!ぐふっ」<br> 「……JUNはわたしのもの……にやり……」<br> <br> あわれ、ラプラスの人生はここで終わってしまいました。<br> しかし、JUNを巡る戦いに決着が着くのは、まだまだ先のお話。<br> <br> -おわり-</p>

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