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「金糸雀の努力」(2006/12/12 (火) 14:54:10) の最新版変更点
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<p>「うぅ~…やっぱりとっても難しいかしらぁ…」<br>
ここは薔薇学園音楽室。<br>
ここでは薔薇乙女一番の策士(自称)金糸雀がバイオリンの練習をしてします。<br>
彼女が挑もうとしている曲…それはその筋では超難しいと評判の曲なのです。小さいころからバイオリンを習っていて経験も実力も薔薇学園一の金糸雀は、今度のバイオリン独奏コンクールでその曲をやらなければいけないようです。<br>
「はぁ…コンクールまであと1ヶ月しかないのに全然できないかしら…やっぱりカナにはこんな難しい曲無理だったのかしら…うぅっ…ぐすっ…ひっく…」</p>
<p>
「もう…よりによって音楽室に筆箱忘れるなんて…4階まで上がるのはキツいよ……」<br>
ガラっ…<br>
「すいませ~ん…筆箱忘れたんで取りに来ました~…って誰もいないの?」<br>
「ひっく…ぐすん…」<br>
「ん?誰かいるの…って金糸雀!?どうしたんだ!?」<br>
「ふぇ…あっ、ジュン…//な、なんでもないかしらっ…」<br>
「なんでもないワケないだろ!?泣いてるじゃないか…誰かにいじめられたのか?」<br>
「ち、違うかしらー…(つД⊂)実は…」<br>
<br>
「なるほど…」<br>
「こんな難しいの出来るわけないかしら…やっぱりカナには最初から無理だったのかしら…」</p>
<p>「…」<br>
「こんなんだとコンクールで優勝どころか、最後まで演奏できるかもわからないかしら…せっかく今まで練習してきたのに…」<br>
「バカッ!」<br>
「(びくっ!)じゅ、ジュン…?」<br>
「金糸雀…お前はいつからそんなに簡単に諦めるようになったんだ?」<br>
「だって…」<br>
「だってじゃない!金糸雀…覚えてる?この前の期末試験のとき…」<br>
<br>
それは数日前に行われた期末試験。数学が大の苦手のジュン君は、幼なじみで数学学年1番の金糸雀と試験勉強をしていました。<br>
<br>
「うがぁぁ!やっぱりこんなの無理だよ…」<br>
「ジュン!そんなこと言っちゃダメ!諦めないで何度もトライかしら!『努力は絶対に自分を裏切らない』かしら!」<br>
「努力は絶対に自分を裏切らない…そうか…そうだよな…」<br>
「かしら♪さぁ、じゃぁ勉強再開かしらぁ~♪」<br>
「金糸雀…ありがとうな」<br>
「ん?何か言ったかしら~?」<br>
「なんでも…//ほら、勉強再開するんだろ?」<br>
「ぶー…変なジュンなのかしらー…」</p>
<p>
「あのときお前が『努力は絶対に自分を裏切らない』って言ってくれたから、僕はそれを信じて必死に勉強したよ。おかげで前の期末は数学85点もとれた。」<br>
「努力は絶対に自分を裏切らない…」<br>
「そうだ。僕はお前が毎日下校時間ギリギリまでバイオリンを練習して、家でも練習してることを知ってる。そんなお前が出来ないわけないじゃないか。」<br>
「うぅ…ジュン…ぐすっ…」<br>
「ご、ごめん…偉そうに言い過ぎたな…」<br>
「ち、違うかしら…ひっく…これは…嬉し涙かしら…ひっく…ジュン…ありがとうかしらー!」<br>
抱きっ<br>
「うわっ…ちょっ…金糸雀…//」<br>
「ジュン~…カナ頑張るかしら…だからジュンもコンクール見に来てほしいかしら…」<br>
「あー…うん…//楽しみにしてるよ?」<br>
「任せろかしら!薔薇学園一の才女のこのカナに出来ないことなんてないかしら!」<br>
「ふふっ…それでこそいつもの金糸雀だよ♪」</p>
<p>
「ところで金糸雀…そろそろ離してほしいなぁ…なんて思ってるんだけど…//」<br>
「ひゃっ!?//ごめんなさいかしらー//」<br>
ばっ!<br>
「あ…そんなに勢いよく飛びのいたら後ろにあるドアに頭を…」<br>
ゴンッ!<br>
「って…遅かったか…」<br>
「ふぇぇ…痛いかしらぁ…。・゜・(ノД`)・゜・。」<br>
「全く…今日は泣いてばかりだな…ほら…これで少しは大丈夫か?(ナデナで)」<br>
「う、うん…もう痛くないかしら…//」<br>
「よし…じゃぁそろそろ帰るか?」<br>
「かしらー♪(えへへっ…やっぱりジュンはとっても優しいのかしら♪)」</p>
<p>
話は進み、今日はバイオリン独奏コンクール当日。控室には緊張度MAXの金糸雀がいました。<br>
「うー…緊張するかしらー…」<br>
コンコンコン<br>
「金糸雀?僕だけど…入っていいかな?」<br>
「ジュン?もっ、もちろんかしらー…」<br>
「オイオイ…緊張でガチガチだな…じゃぁ緊張がほぐれるおまじないしてやろうか?」<br>
「そっ、そんなのあるのかしら?ぜ、是非頼むのかしらー…」<br>
「わかった…じゃぁ目をつぶって?」<br>
「わっ、わかったかしら…これでいいかsh」<br>
ちゅっ<br>
「!?///じゅ、ジュン!?//」</p>
<p>「あー…いきなりすまん…緊張ほぐれた?//」<br>
「き、緊張はほぐれたかしら…でも心臓がドキドキかしら…//」<br>
「ご、ごめん…あ、あのさ金糸雀!順番逆になっちゃったけど…もしよかったら僕と…」<br>
「待つかしら!それは…演奏が終わってから…カナの口から言いたいかしら…ダメ?」<br>
「そっ…そんなことない!あ、そろそろ時間か…よし、じゃぁ頑張ってこいよ?」<br>
「もちろんかしら!」<br>
そう言った金糸雀の顔にはあのときのような迷いは全くありませんでした。<br>
え?コンクールと金糸雀の告白の結果を知りたいって?<br>
そんなの教えなくてもわかるでしょう?<br>
<br>
fin</p>