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「『薔薇乙女昔話』」(2006/11/21 (火) 15:49:42) の最新版変更点
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『薔薇乙女昔話』<br>
<br>
昔々あるところに梅岡という男がおったそうな…<br>
ある日梅岡が川に洗濯へ行くと、川上から大きな桃が流れてきた…<br>
梅「うほっ、うんまそうな桃…」<br>
その見事な桃に欲情した梅岡は川にダイブして桃を引き上げた<br>
梅「はぁ…はぁ…もうたまらん!!」<br>
梅岡が桃に襲いかからんとしたその時…『ガッ!』<br>
梅「はうあっ!!」バタン<br>
梅岡は後ろから殴られ倒れたそうな…後ろには村一番の美人と評判の巴というおなごが立っておった<br>
巴「ったく…昼間から目の毒だわ…あら?なんて美味しそうな桃なの。お昼も近いし雛苺に食べさせてあげよっと♪」<br>
巴は梅岡から桃を奪うと家に持って帰ったそうな<br>
雛「おかえりなのトゥモエ~…あれ?うわぁぁ~!おっきな桃なの~♪」<br>
巴が家に帰ると妹の雛苺は桃を見てはしゃいだんじゃと<br>
巴「うふふ、川で拾ったのよ。今斬るからね…」<br>
巴は妖しく笑うと家の隅から日本刀を取り出し桃を一刀両断した…<br>
するとどうしたことか桃の中から若い少年が顔を青くして飛び出してきたそうな…<br>
少年「こ…殺す気かああああああぁぁ!?」<br>
巴と雛苺はたいそう驚いたそうな…しばらくして落ち着いた後巴は少年に聞いてみた…<br>
巴「あなた…誰?」<br>
<br>
少年「わからないんだ…目が覚めたらいきなり目の前に日本刀が…」<br>
少年は自分が何者かさっぱりわからんかったそうな…<br>
雛「じゃあ桃から生まれたから…あなたはジュンなの~♪」<br>
ジ「すいません…桃全く関係ないんすけど…」<br>
それからしばらくジュンは巴の家で暮らしたそうな…じゃがその当時村にはよく鬼ヶ島に住む鬼が攻めいって村人はたいそう困っていたそうな<br>
そんなある日、<br>
ジ「巴、雛苺!僕は鬼退治に行く!!」<br>
ジュンがそう言い出したんじゃ<br>
2人は最初は反対したがジュンの熱意に負け泣く泣く送り出すことにしたそうな…<br>
巴「ジュン君…吉備団子は売り切れてたから鈴カステラと午後ティーとヤクルトと卵焼きよ…あと私の日本刀も持っていって。」<br>
雛「ジュン…あいとあいとー!!」<br>
ジ「2人とも…お世話になりました。行ってくる!!」<br>
ジュンは勇ましく叫ぶと一路鬼ヶ島に向かって歩き出した…<br>
<br>
しばらく行くと一匹の犬がよってきた<br>
犬「そこのお前…その紅茶をくれたらお前を下僕にしてやるのだわ。」<br>
ジュンは抵抗したんじゃが犬の長い金色の髪の毛でしばかれ無理やり奪われたそうな…紅茶を飲み終わると犬は言った<br>
犬「ふぅ…ありがとう、私は真紅、誇り高い将軍家に仕えた犬の末裔なのだわ。」<br>
<br>
成り行きでしかたなくジュンは真紅を連れ進んだ…すると今度は見事なキジが現れたそうな<br>
キジ「はぁい、貴方…ヤクルト持ってるわねぇ?それをくれたらご褒美にイイコトしてあげるわぁ…」<br>
ジュンは拒否したんじゃがさっきみたく無理やり奪われたそうな<br>
キジ「ぷはぁ、やっぱ乳酸菌は最高ねぇ…ありがとぅ、私は水銀燈。お礼に貴方のお供になってあげるわぁ。」<br>
ジュンは真紅と水銀燈を連れて更に歩いた…すると今度は猿が現れた<br>
猿「おめぇが持ってる鈴カステラをよこしやがれですぅ。そしたらしゃーねぇから一緒にいてやるです…べ、別におめぇに気があるとかいうんじゃねぇですよ?」<br>
ジュンはもう抵抗するのも疲れて素直に鈴カステラをあげたそうな<br>
猿「はぁ、美味しかったですぅ…し、しゃーねぇから翠星石が一生面倒みてやるです///」<br>
猿らしく顔を赤く染めた翠星石をお供に加え更に歩くと今度はカッパが倒れとったそうな<br>
ジ「だ…大丈夫か?」<br>
カッパ「うぅ~…お腹がすいて動けないかしら~。」<br>
ジュンは残った卵焼きを差し出すとカッパは凄い勢いでがっついたそうな<br>
カッパ「ぷはぁ…生き返ったかしら~♪やっぱカッパには卵焼きは欠かせないかしら~♪<br>
私はカッパ界1の策士金糸雀!特別に貴方たちの見方になってあげるのかしら♪」<br>
<br>
こうしてジュンは犬、キジ、猿、カッパをお供に一路鬼ヶ島を目指した…<br>
鬼ヶ島には恐ろしい鬼たちがいるだけでなく村から奪われた財宝や…城主の娘である蒼星石姫さままで捕らえられとったんじゃと…<br>
そして長い旅の果て…ジュンはとうとう鬼ヶ島の近くまで来たんじゃ<br>
ジ「あの海に見える島が鬼ヶ島か…」<br>
紅「でも…どうやって近付くの?私たちには船がないのだわ。」<br>
翠「みんなでこのカッパに乗ってくのはどうですぅ?」<br>
金「なんてこと言うかしら!?カナはお凸のお皿に塩がついたら干からびちゃうかしら!!」<br>
銀「あらぁ…あれは…」<br>
ふと見ると1人の若い漁師が立派な船を漕ぎ出そうとしとった<br>
笹「ふふ…20年ローンで買ったこの漁船『歩背異丼号』…今日が初めての船出だ…ってうわ!なんだあんたら!?」<br>
ジュンたちは男から船を奪うと一路鬼ヶ島に向かったそうな…<br>
笹「あああああぁ!!僕のぽせいどんがああああぁぁぁ~!!」<br>
しばらくしてジュンたちはやっとこさ鬼ヶ島に降り立った…するとどこからかわらわらと鬼たちが出てきたんじゃと<br>
ベ「ふん…ここに攻め入るとは愚かな奴らだ、いっちょ遊んでやろう!!」<br>
M字ハゲの鬼たちが一斉にジュンたちに飛びかかってきたんじゃて<br>
『薔薇乙女昔話』<br>
<br>
昔々あるところに梅岡という男がおったそうな…<br>
ある日梅岡が川に洗濯へ行くと、川上から大きな桃が流れてきた…<br>
梅「うほっ、うんまそうな桃…」<br>
その見事な桃に欲情した梅岡は川にダイブして桃を引き上げた<br>
梅「はぁ…はぁ…もうたまらん!!」<br>
梅岡が桃に襲いかからんとしたその時…『ガッ!』<br>
梅「はうあっ!!」バタン<br>
梅岡は後ろから殴られ倒れたそうな…後ろには村一番の美人と評判の巴というおなごが立っておった<br>
巴「ったく…昼間から目の毒だわ…あら?なんて美味しそうな桃なの。お昼も近いし雛苺に食べさせてあげよっと♪」<br>
巴は梅岡から桃を奪うと家に持って帰ったそうな<br>
雛「おかえりなのトゥモエ~…あれ?うわぁぁ~!おっきな桃なの~♪」<br>
巴が家に帰ると妹の雛苺は桃を見てはしゃいだんじゃと<br>
巴「うふふ、川で拾ったのよ。今斬るからね…」<br>
巴は妖しく笑うと家の隅から日本刀を取り出し桃を一刀両断した…<br>
するとどうしたことか桃の中から若い少年が顔を青くして飛び出してきたそうな…<br>
少年「こ…殺す気かああああああぁぁ!?」<br>
巴と雛苺はたいそう驚いたそうな…しばらくして落ち着いた後巴は少年に聞いてみた…<br>
巴「あなた…誰?」<br>
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少年「わからないんだ…目が覚めたらいきなり目の前に日本刀が…」<br>
少年は自分が何者かさっぱりわからんかったそうな…<br>
雛「じゃあ桃から生まれたから…あなたはジュンなの~♪」<br>
ジ「すいません…桃全く関係ないんすけど…」<br>
それからしばらくジュンは巴の家で暮らしたそうな…じゃがその当時村にはよく鬼ヶ島に住む鬼が攻めいって村人はたいそう困っていたそうな<br>
そんなある日、<br>
ジ「巴、雛苺!僕は鬼退治に行く!!」<br>
ジュンがそう言い出したんじゃ<br>
2人は最初は反対したがジュンの熱意に負け泣く泣く送り出すことにしたそうな…<br>
巴「ジュン君…吉備団子は売り切れてたから鈴カステラと午後ティーとヤクルトと卵焼きよ…あと私の日本刀も持っていって。」<br>
雛「ジュン…あいとあいとー!!」<br>
ジ「2人とも…お世話になりました。行ってくる!!」<br>
ジュンは勇ましく叫ぶと一路鬼ヶ島に向かって歩き出した…<br>
<br>
しばらく行くと一匹の犬がよってきた<br>
犬「そこのお前…その紅茶をくれたらお前を下僕にしてやるのだわ。」<br>
ジュンは抵抗したんじゃが犬の長い金色の髪の毛でしばかれ無理やり奪われたそうな…紅茶を飲み終わると犬は言った<br>
犬「ふぅ…ありがとう、私は真紅、誇り高い将軍家に仕えた犬の末裔なのだわ。」<br>
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成り行きでしかたなくジュンは真紅を連れ進んだ…すると今度は見事なキジが現れたそうな<br>
キジ「はぁい、貴方…ヤクルト持ってるわねぇ?それをくれたらご褒美にイイコトしてあげるわぁ…」<br>
ジュンは拒否したんじゃがさっきみたく無理やり奪われたそうな<br>
キジ「ぷはぁ、やっぱ乳酸菌は最高ねぇ…ありがとぅ、私は水銀燈。お礼に貴方のお供になってあげるわぁ。」<br>
ジュンは真紅と水銀燈を連れて更に歩いた…すると今度は猿が現れた<br>
猿「おめぇが持ってる鈴カステラをよこしやがれですぅ。そしたらしゃーねぇから一緒にいてやるです…べ、別におめぇに気があるとかいうんじゃねぇですよ?」<br>
ジュンはもう抵抗するのも疲れて素直に鈴カステラをあげたそうな<br>
猿「はぁ、美味しかったですぅ…し、しゃーねぇから翠星石が一生面倒みてやるです///」<br>
猿らしく顔を赤く染めた翠星石をお供に加え更に歩くと今度はカッパが倒れとったそうな<br>
ジ「だ…大丈夫か?」<br>
カッパ「うぅ~…お腹がすいて動けないかしら~。」<br>
ジュンは残った卵焼きを差し出すとカッパは凄い勢いでがっついたそうな<br>
カッパ「ぷはぁ…生き返ったかしら~♪やっぱカッパには卵焼きは欠かせないかしら~♪<br>
私はカッパ界1の策士金糸雀!特別に貴方たちの見方になってあげるのかしら♪」<br>
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こうしてジュンは犬、キジ、猿、カッパをお供に一路鬼ヶ島を目指した…<br>
鬼ヶ島には恐ろしい鬼たちがいるだけでなく村から奪われた財宝や…城主の娘である蒼星石姫さままで捕らえられとったんじゃと…<br>
そして長い旅の果て…ジュンはとうとう鬼ヶ島の近くまで来たんじゃ<br>
ジ「あの海に見える島が鬼ヶ島か…」<br>
紅「でも…どうやって近付くの?私たちには船がないのだわ。」<br>
翠「みんなでこのカッパに乗ってくのはどうですぅ?」<br>
金「なんてこと言うかしら!?カナはお凸のお皿に塩がついたら干からびちゃうかしら!!」<br>
銀「あらぁ…あれは…」<br>
ふと見ると1人の若い漁師が立派な船を漕ぎ出そうとしとった<br>
笹「ふふ…20年ローンで買ったこの漁船『歩背異丼号』…今日が初めての船出だ…ってうわ!なんだあんたら!?」<br>
ジュンたちは男から船を奪うと一路鬼ヶ島に向かったそうな…<br>
笹「あああああぁ!!僕のぽせいどんがああああぁぁぁ~!!」<br>
しばらくしてジュンたちはやっとこさ鬼ヶ島に降り立った…するとどこからかわらわらと鬼たちが出てきたんじゃと<br>
ベ「ふん…ここに攻め入るとは愚かな奴らだ、いっちょ遊んでやろう!!」<br>
M字ハゲの鬼たちが一斉にジュンたちに飛びかかってきたんじゃて<br>
<br>
ベ「食らえ…ギャリック砲!!」<br>
複数のM字鬼たちが一斉にジュンらに攻撃してきたんじゃ…<br>
じゃがジュンらは各々に散って攻撃をかわした…すると乗ってきた漁船は粉々になってしもうた<br>
ジ「いくぞみんな!!秘剣・九頭龍閃!!」<br>
銀「ジャンクにしてあげるわぁ…フェザーバレット!!」<br>
紅「目障りなのだわ…絆ックル!!」<br>
翠「すこやかにぃ~のびやかにぃ~…ぶちかますですぅ!!ユグドラシルブレード!!」<br>
ジュンが剣で斬りかかり、水銀燈が羽を飛ばし、真紅が鬼を撲殺し、翠星石が地面から植物を生やして鬼たちをあっという間に片付けたそうな…<br>
ベ「こ…これが本当の地獄か…ぐふっ!」<br>
その時じゃった…<br>
金「太陽拳かしら!!」<br>
カッパが額の皿を激しく光らせたんじゃ…ジュンらは「うぉっ!まぶしっ」と言ってうずくまったのじゃ<br>
金「ふっふっふ…まんまとひっかかったかしら…えい!」<br>
金糸雀はジュンから刀を奪うと一目散に駆けていった<br>
翠「な…何しやがるですこの凸が…」<br>
ジ「お前…まさか…」<br>
金「ふっふっふ…そのまさかかしら…みっちゃん!!」<br>
金糸雀が叫ぶと物陰からえらくえろちっくな…ゴホン!大人びた格好のカッパが出てきたそうな<br>
み「ふっふっふ、よくやったわ。カナはやっぱり最高よぉぉぉう!!」<br>
大人のカッパはそういうなり金糸雀にすごい勢いで頬ずりをはじめたんじゃと<br>
金「ぎぃやあああああぁ!!まさちゅーせっちゅ~!!」<br>
それはそれは凄まじく金糸雀の頬からは煙が出ておったそうな<br>
<br>
それがようやく収まると金糸雀はゆっくり口を開いた<br>
金「カナは鬼の大将に言われて貴方たちをスパイしていたかしら…そして貴方たちのデータを集め確実に葬る策を練ってたのかしら。」<br>
ジ「てめぇこの恩知らずの腐れパゲ!卵焼き返せ!!」<br>
翠「これだからバカッパは信用できねぇです!鼻くそ食べて地獄に堕ちろですぅ!!」<br>
銀「大体貴女の横の…服装に無理があるわぁ!」<br>
紅「そうよ!貴女一体何歳よ!?」<br>
金・み「じゃかあしぃわああぁ!!」<br>
2人のカッパはジュンらの言葉に心底傷付いたそうな…<br>
金「もう怒ったのかしら…必殺お皿乱舞!!」<br>
そう言うと金糸雀はどこからか大量の皿を取り出し投げつけてきたそうな<br>
ジ「甘いわぁ!!オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」ガキィン…<br>
ところがジュンたちはそれを1つ残らず撃ち落としたんじゃて<br>
金「し…しまったかしら…想定の範囲外かしら…」<br>
そうこうしているともう皿が底をついたんじゃて<br>
金「し…しまったかしら…どこかにお皿…お皿…」キョロキョロ<br>
金「あ、こんなところにあったかしら♪」ヒョイ<br>
み「カ…カナ!それは…!!」<br>
金「えい!!」ヒュン<br>
ジ「破!!」パリン<br>
金糸雀が投げたのは自らの凸の皿じゃったそうな<br>
金「し…しまったかしら~!!ついうっかり自分の皿を……ぐふっ!」パタン<br>
み「カナああああああああぁ!!」<br>
ジ「…何がしたかったんだ?」<br>
<br>
み「おのれ…よくも私のカナを…」<br>
大人のカッパが目から血の涙を流してこっちを見るが…<br>
銀「ふんっ!」ヒュン…とすっ<br>
み「はうあっ!!」ガクッ…<br>
<br>
ジュンらはカッパらを横目に更に島の奥に踏み込んだんじゃ…するとどこからかたいそう美しい歌声が響いてきたそうな<br>
「♪ゆ~め~は~か~ぜ~…」<br>
ジ「な…何だ?この歌声は…」<br>
紅「ち…力が抜けていくのだわ…」<br>
翠「瞼が…思いですぅ…」<br>
銀「この声…まさか!!」<br>
水銀燈が顔を向けた先には大層美しい人魚がおった<br>
銀「貴女…セイレーンね?」<br>
?「ふふ、御名答…私はセイレーンのめぐ。私の歌声は貴女たちを安らかな世界に導いてあげるの…~♪」<br>
そういうなりめぐはまた美しい歌声を放ち始めたそうな。それは美しくもの悲しげじゃったという<br>
銀「くっ…貴女…」<br>
ジ「水銀燈?」<br>
銀「ジュン…この娘は私に任せてくれなぁい?」<br>
紅「…何か策でもあるの?」<br>
銀「そんなものないわぁ…ただ、あの娘の歌声…どうも引っ掛かるのよぉ…」<br>
そう言うなり水銀燈は人魚に向かっていったんじゃて<br>
め「あら…貴女が相手なの?綺麗な天使さん…」<br>
銀「私は天使なんかじゃないわぁ…それよりも貴女…それが本当の貴女の歌声なのぉ?」<br>
め「…何が言いたいの?」<br>
すると水銀燈はなおも人魚に語りかける<br>
<br>
銀「貴女が本当にこんな悲しい歌声だとは思えない…貴女は本当に自分の意思で鬼に従ってるのぉ?」<br>
め「どういう意味?」<br>
銀「貴女は何かを隠している…恐らくそれはとても重く悲しいこと…」<br>
すると人魚…めぐはゆっくりと口を開いたそうな<br>
め「えぇ…貴女が言うように私はもう長くないの…ならせめて残りの人生はパーッと悪いことでもして楽しんでやろっかなってさ…」<br>
人魚は皮肉な笑顔を浮かべて呟いた<br>
銀「そう…なら…私が本当に貴女の天使になってあげるわぁ…そんな悲しい歌声なんて…聞いていられないから…」<br>
水銀燈はゆっくりと一本の羽を構え…人魚に放ったそうな<br>
ジ「お…おい!」<br>
ジュンが止めようとするが水銀燈はそれより早く人魚を射った<br>
め「ありがとう…」<br>
そう言い人魚はゆっくりと倒れた…その表情は今までのどれよりも安らかな笑顔じゃったそうな<br>
<br>
紅「水銀燈…貴女…」<br>
銀「行くわよ…多分あの扉の向こうに鬼の大将がいるわぁ…」<br>
翠(水銀燈…泣いてるですか?)<br>
足早に奥に見える扉に駆けていく水銀燈の背中はとても悲しげじゃったそうな…<br>
<br>
ジ「この扉の向こうに鬼の大将が…行くぞ、みんな!!」<br>
紅・銀・翠「おう!!」<br>
そしてジュンたちはその重い扉を開いた…<br>
<br>
するとそこには金銀財宝を床にぶちまけ白い八頭身のウサギを踏みつけふんぞり返っている2人の鬼の大将がおった<br>
何故か鬼は紫と白のボンテージを着ておったそうな<br>
「ようこそおいでくださいましたわ。」<br>
白いボンテージの鬼…雪華綺晶が声を上げる<br>
「…歓迎…たっぷり可愛がってあげる…ふふっ。」<br>
紫のボンテージの鬼…薔薇水晶も同様に口を開き立ち上がる<br>
兎「ゴミです!クズです!ザザムシです!!」<br>
…この際兎は無視しようかの…<br>
ジ「お前らを退治しにきた。覚悟しろ!!」<br>
薔「ふふふ…お姉ちゃん…ここは私に任せてくれない?」<br>
薔薇水晶が呟いた<br>
雪「まあ…アレを使うのですね?」<br>
薔「ふふふ…まぁね…」<br>
紫の鬼がジュンたちの前に降り立って指を鳴らしこう言うた<br>
薔「かもーん…アッガイ…」<br>
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ…』<br>
翠「な…なんですぅ!?」<br>
銀「地面が…揺れてる?」<br>
紅「みんな!下からなにか来るのだわ!!」<br>
すると地響きとともに地面の下から大きなからくり人形が現れた<br>
ジ「な…なんなんだこれは!?」<br>
薔「戦闘用巨大からくり『アッガイ』…さぁ、行くよ?」<br>
薔薇水晶はそう言うとそのからくりに飛び乗りジュンたちに向かってきたんじゃて…<br>
<br>
薔薇水晶の操るからくりは唸りを上げながらジュンらに襲いかかってきた<br>
ジ「くそ…デカいくせに…速い!」<br>
銀「く…フェザーバレット!!」<br>
水銀燈が再び羽を弾丸のように飛ばした<br>
薔「くすっ…無駄なあがき…」ガキィン!<br>
じゃがからくりの装甲は固くジュンらは徐々に追い詰められていったそうな<br>
翠「くうぅ…攻撃が全然効かねぇですぅ…こんな時あの娘がいてくれたら…」<br>
翠星石が呟いたその時じゃった<br>
『翠星石!!』<br>
どこからか彼女を呼ぶ声がしたんじゃ…声をした方を振り向くとそこには岩牢に閉じこめられた城主の娘…蒼星石姫がおった<br>
翠「蒼星石!?なんでこんなとこに…」<br>
ジ「誰だあいつ?お前にそっくりだけど…」<br>
蒼星石姫は髪は短いものの顔立ちと髪と瞳の色が翠星石と瓜二つじゃったそうな<br>
翠「あの娘は私の双子の妹ですぅ…昔城主のおじじに気に入られて養子に引き取られちまったですぅ<br>
…ですがこれはチャンス!!真紅!」<br>
紅「わかったのだわ…絆ックル!!」ドガァ!<br>
真紅は岩牢を砕いて姫を助けたんじゃと<br>
翠「蒼星石…会いたかったですぅ…」<br>
蒼「僕もだよ…翠星石…」<br>
<br>
雪「いいお話ですわ…ぐすっ…」<br>
薔「お姉ちゃん…感動してどうするの?」<br>
雪「はう!しまったですわ…つい敵の巧妙な心理作戦に…ばらしーちゃん!!GO!」<br>
薔「まったく…」<br>
<br>
再びからくりが唸りを上げてジュンらに迫ってきおった、すると双子はそれに向かい手をつなぎ<br>
翠「行くですぅ!蒼星石!!」<br>
蒼「任せて!翠星石!!」<br>
翠・蒼「ガーデナー・マーブルスクリューMAX!!!!」<br>
『ドゴオオオオオオォォ!!』<br>
合体技を放ったそうじゃ<br>
ジ「す…すげぇ!!やったか!?」<br>
ジュンらは勝利を確信した…じゃが<br>
蒼「そ…そんな馬鹿な…」<br>
翠「信じられねぇです…」<br>
薔薇水晶の巨大からくりはまだ立っておった<br>
薔「ふぅ…耐ビームコーティングをしてて助かったよ…では、さようなら。」<br>
薔薇水晶がからくりからミサイルを放った。それは双子に直撃したそうな<br>
ジ「翠星石!蒼星石~!!」<br>
煙が晴れたそこには互いに重なり合って動かない双子がおった<br>
銀「よくもおおおおおおぉ!!」<br>
水銀燈が怒ってからくりに突進するが<br>
薔「くす…ばいばい。」<br>
薔薇水晶は無数の弾丸を水銀燈に放ったそうな<br>
銀「きゃああああああああああぁぁぁ!!」<br>
水銀燈の体が宙を舞いやがて地面に叩きつけられた<br>
ジ「水銀燈!!」<br>
ジュンらが慌てて駆け寄ると水銀燈は<br>
銀「ははは…ざまぁないわねぇ…めぐにすぐ…会えそう…よぉ…」<br>
<br>
そう言うなりついに動かなくなってしもうた<br>
ジュンはたいそう怒りからくりに立ち向かおうとしたが真紅に止められたそうな<br>
ジ「離せよ!あいつがみんなを…」<br>
紅「ジュン、落ち着きなさい…私だって辛いわ。でも今貴方が行ってもみんなの二の舞になるだけよ…」<br>
ジ「でも!!」<br>
紅「私に考えがあるのだわ…私の最大の技…クリムゾン・ダイナマイトを使う…」<br>
ジ「!?」<br>
クリムゾン・ダイナマイト…それは真紅の命を使う代わり凄まじい威力をもつという技じゃった<br>
ジ「駄目だ!!そんなの僕は許さないぞ…!?」<br>
ジュンの唇を真紅の唇が塞いだ<br>
紅「ジュン…私は貴方だからこそ自分の命をかけられるの…貴方は…生きて!」<br>
そう言うと真紅の体を炎が包んだ…<br>
ジ「真紅!!」<br>
紅「さようなら…ジュン、愛しているわ…」<br>
そう言うて小さく笑い真紅はからくりに走っていったんじゃ<br>
紅「クリムゾン・ダイナマイト!!」<br>
瞬間紅い閃光が走って辺りに凄まじい爆発が起きたんじゃ<br>
ジ「真紅ー!!!!」<br>
ジュンは涙を流して叫んだ…じゃがジュンが次に見たものは体に僅かなヒビが入っただけのからくり人形じゃったそうな<br>
薔「ふぅ…ちょっと焦った…でもアッガイにそんなものは無駄…ふふふっ。」<br>
薔薇水晶が得意げに笑った<br>
<br>
雪「あはははは…全く滑稽ですわ♪」<br>
2人の鬼が笑った<br>
ジ「無駄…滑稽だって?…お前ら…お前ら…」<br>
ジュンは静かに立ち上がり<br>
ジ「お前らの血は何色だああああぁ!?」<br>
と叫んだ<br>
薔・雪「!?」<br>
鬼たちはジュンの異様な威圧感に嫌な胸騒ぎを感じたそうな<br>
薔「…ただの人間が…生意気!!」<br>
からくり人形の鋭い爪がジュンに向かう…じゃが<br>
『ガキイイィ!!』<br>
なんとジュンはそれを片手で止めたそうな<br>
薔「なっ!?なぜ…」<br>
ジ「今ようやく思い出した…俺が誰なのかを…俺は貴様ら悪を葬るために遣わされた者…」<br>
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…<br>
ジュンの闘気が辺り渦をまいてゆく…耐えきれず薔薇水晶が口を開いた<br>
薔「あなたは…誰!?」<br>
ジュンはそれに答える<br>
J「我が名はJ王!天を目指す者だああああぁ!!」グシャアァ…<br>
ジュン…いやJ王の拳がからくりに突き刺さる<br>
薔「ば…馬鹿な!アッガイの装甲を…」<br>
J王「北斗神拳奥義・転龍呼吸法!!今の我にはそのようなガラクタの装甲なぞ紙切れに等しいわあぁ!!」ドガァ!!<br>
J王の拳がからくり人形を吹っ飛ばす<br>
ジ「これは我が強敵(とも)の怒りだ…北斗剛掌波ァ!!」<br>
ジュンの掌から凄まじい力がほとばしる<br>
薔「お姉ちゃああああぁぁぁん!!」ドゴオオオオオオォォン…<br>
からくり人形が薔薇水晶ごと爆発する…<br>
雪「ば…ばらしーちゃん…よくも…よくも私の大事な妹を!!」<br>
白いボンテージの鬼、雪華綺晶が激しい怒りを上げてJ王を見据えたんじゃと<br>
J王「ふん…よく言うわ、うぬらは今まで一体何人の命を奪ってきたというのだ?」<br>
雪「お黙りなさい…貴方だけは私が殺しますわ…」<br>
そう言うなり雪華綺晶は右目の眼帯を外してジュンに向き合ったそうな<br>
J「ふん…いかな女といえこのJ王、悪に対し容赦はせぬぞ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…<br>
雪「減らず口を叩けるのもそこまでですわ…はああああああぁぁ…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ<br>
2人の闘気が大地を震わせる…<br>
J「北斗剛掌波!!」<br>
雪「北斗百烈拳!!」<br>
ドガァァァ!!<br>
互いの技がぶつかり合って大地が砕ける<br>
J「馬鹿な…北斗神拳だと!?」<br>
雪「うふふ…私と同じ流派とは少々驚きましたが…これでしたらどうです?」<br>
そう言うと雪華綺晶は右腕を上から…左腕を下から北斗七星の形を象ったそうな<br>
J「あれは…秘奥義・天破の構え!?」<br>
雪「うふふ…さぁ、お受けなさい!天破活殺!!」<br>
雪華綺晶の放った凄まじい勢いの闘気が破壊の力となりJ王を襲ったのじゃ<br>
<br>
J「ぐはあああああぁぁッ!!」<br>
J王の体中から鮮血が迸る…そんなJ王をみて鬼は高らかに笑ったそうな<br>
雪「おほほほほ…私の最大の奥義の味は如何です?」<br>
J「ぐぅ…天破活殺…闘気によって手をふれずに秘孔を突く技か…だが!」<br>
雪「なんですの?」<br>
J「今の我にはそれすら児戯に等しいということよ…」<br>
雪「あら…とんだハッタリですわね?」<br>
J「ふっ…ハッタリかどうかはうぬの目で確かめるがよい…はああああああぁぁ…」<br>
J王が再び激しく吠える…そして<br>
J王「北斗神拳究極奥義・無想転生!!」<br>
雪「な…馬鹿な!?あの技を会得した者など…はっ!!」<br>
雪華綺晶が目をやるとそこには無数のJ王…そして真紅や水銀燈たちの姿があった<br>
雪「こ…これは…」<br>
J王「これこそ無想転生…この世で最強のもの…それは『無』だああああぁ!!」グワシャアアアァ…雪「がはっ…」<br>
J王「ホワタタタタタタタタタタタタ!!」<br>
J王の激しい悲しみの拳が乱れ飛ぶ<br>
雪「ぐはあああああぁぁ!!」<br>
やがて雪華綺晶は宙を舞い大地に伏した…<br>
J「ふ…うぬもまた一人の強敵(とも)であったわ…」<br>
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そして全てを終わらせたJ王が周り見るとそこには倒れる強敵(とも)たちの姿があった…<br>
J王は悲しみを胸に激しく天に向かい吼えた…その時じゃった!!<br>
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空から眩い光を纏った天女様が下りてきたんじゃと<br>
天女「迎えにきたわよぉ。ジュンくぅん。」<br>
J王「姉上…」<br>
なんと天女様はJ王の姉じゃったそうな…そしてJ王に姉にこう言った<br>
J王「姉上…貴方の力で強敵(とも)を生き返らせてはくれませぬか!?」<br>
天女様は神様の使い…J王は必死に姉に願ったそうな<br>
天女「ジュンくん…わかったわ!おねえに任せて。えいっ!!」<br>
そう言うと死んだはずのみんなが…しもカッパや人魚、鬼たちまで生き返ったそうな<br>
J王「姉上…礼を言う…」<br>
天女「うふふ、いいのよ。さて、私たちのいるべき場所へ帰りましょう。」<br>
J王「はい。」<br>
その時じゃった…真紅がいきなりJ王を掴んだのじゃ<br>
紅「嫌ッ!!せっかくまた会えたのにすぐさよならだなんて…そんなの認めないのだわ!!」<br>
翠「そうですぅ!!」<br>
銀「当然よ…ジュンは私たちの仲間よぅ…」<br>
雪「J王さま…お強い殿方…素敵ですわ///」<br>
薔「…ぽっ///」<br>
J王「いや…しかしだな…」<br>
紅「しかしもかかしもないのだわ!!」<br>
天女「あらあら…困ったわねぇ……あ、そうだわ!お姉ちゃんいいこと思いついちゃった♪」<br>
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天女様が掌をぱんっと合わせて言ったそうな<br>
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J王「姉上?」<br>
天女「私の力とジュンくんの力を使ってみんなを来世で巡り会えるようにするのよぉ♪」<br>
蒼「…来世で?」<br>
天女「そうよぉ。あ、でもみんなもジュンくんも今の記憶は無くちゃうんだけどね。」<br>
紅「私はそれでも構わないのだわ。」<br>
J王「真紅?」<br>
紅「だって…素敵じゃない。すごく哲学的で…ロマンチックなのだわ…」<br>
そう呟いた真紅は笑っていたそうな<br>
天女「じゃあみんなもそれでいいわねぇ?」<br>
一同『意義なし!!』<br>
J王「あ、できればこっちで世話になった巴と雛苺という者も…」<br>
天女「任せてぇ♪ええぇぇ~~いっ!!」<br>
瞬間ジュンらの周りを眩い光が包んだそうな…そしてその中で<br>
紅「ジュン…未来で待ってて…必ず貴方を見つけるのだわ。」<br>
という声が聞こえたそうな…<br>
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そして…<br>
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桜田家のリビングで長女ののりが楽しげにアルバムを見つめている…<br>
の「うふふ。懐かしいなぁ♪」<br>
ジ「姉ちゃん、それ何見てるんだ?」<br>
彼女に弟のジュンが話かける<br>
の「ああこれね…うぅん、内緒♪」<br>
ジ「何だよそれ。変なの…」<br>
の「それよりいいの?確か今日真紅ちゃんと約束してたんでしょ?」<br>
ジ「あ…そうだった!やべっ!!」<br>
ドタバタと慌てて玄関に向かうジュン<br>
ジ「行ってきまーす!!」<br>
の「いってらっしゃい♪」<br>
弟を見送りのりが再びアルバムを広げる…そこから静かに金色の輝きが煌めいた<br>
の「うふふ♪ジュンくんはちゃんと真紅ちゃんを見つけてくれたね。」<br>
優しい天女の微笑みを浮かべてのりは呟いたのだった…<br>
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めでたしめでたし<br>