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「翠星石が変わった日」(2006/09/30 (土) 22:40:48) の最新版変更点
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翠星石が変わった日<br>
<br>
「今日出た宿題、ちゃんとやってくるですよチビ人間」<br>
「性悪に言われなくてもわかってるって」<br>
「どうだかですぅ。忘れて泣きついても助けないですよ?」<br>
「いっつも忘れるやつがいうセリフかぁ?<br>
…全く、そんな性格じゃ一生彼氏できないぞ?」<br>
「な、な、な、何言うですか!翠星石だって彼氏の一人くらい…」<br>
「いるのか?」<br>
<br>
ううっと言葉を詰まらせる翠星石。<br>
今日の口喧嘩は僕の勝ちのようだ。<br>
<br>
「もういいです!帰るですよ、蒼星石!」<br>
「あ、待ってよ姉さん!…また明日ね、ジュン君」<br>
<br>
そう言って、家の方へ走っていく二人。<br>
その後姿に手を軽く振って、僕も家路に戻る。<br>
また明日も今日と変わらない生活を送るだろうと、この時は思っていた。<br>
<br>
----------<br>
<br>
次の日。<br>
いつも通り、交差点で翠星石と蒼星石に会う。<br>
<br>
「おはようです、ジュン」<br>
「ジュン君、おはよう」<br>
「ああ、おはよう。…ってあれ?」<br>
<br>
何か違和感を感じる。<br>
<br>
「どうかしましたですか?」<br>
「…いや、なんでもない。多分」<br>
「そうですか。じゃあ、学校行くですよ!」<br>
「ちょっ、姉さん!走らなくても大丈夫だよ」<br>
<br>
そう言って走っていく二人。<br>
なんだろう。さっき感じた違和感が気になる。<br>
<br>
----------<br>
<br>
結局、僕も学校まで走ってしまった。<br>
体力は無いから、正直勘弁してほしかった。<br>
<br>
ふと、時間割を見ると一時間目は現代社会。<br>
…現代社会?<br>
<br>
「あぁっ!!」<br>
<br>
宿題があるのを忘れていた。翠星石に言われたというのに。<br>
そんなジュンの様子に気付いたのか、翠星石が近づいてきた。<br>
<br>
「宿題、忘れたのですか?」<br>
<br>
僕は無言で頷く。<br>
昨日ああまで言ったのだ。<br>
どんな暴言が来るのかと思ったら、来たのは一冊のノートだった。<br>
<br>
「幸い、まだ時間はあるです。さっさと写すですぅ!」<br>
<br>
----------<br>
<br>
翠星石のノートのおかげで、現代社会はなんとかなった。<br>
しかし、僕の中の違和感は大きくなっていく。<br>
仕方ないと思い、休み時間に蒼星石の席に近づく。<br>
<br>
「なぁ、蒼星石」<br>
「何?ジュン君」<br>
<br>
蒼星石が振り向く。こっちは違和感を感じない。<br>
ということは、翠星石がおかしいのだろうか?<br>
<br>
「翠星石に何かあったのか?」<br>
「へっ?どうしたのさ、突然?」<br>
「いや、なんか朝から違和感を感じるんだよ…」<br>
<br>
僕がそう言うと、うーん…と考える蒼星石。<br>
<br>
「…特に何も無かったと思うけど。病気でもないだろうし」<br>
「そうか。じゃあ僕の気のせいなのかな…」<br>
<br>
そう言って去ろうとした時、蒼星石が独り言のように言う。<br>
<br>
「…ただ、なんか頑張ってる気はするよ」<br>
<br>
----------<br>
<br>
昼休み。<br>
パンを買いに購買に行こうとすると呼び止められる。<br>
<br>
「待つです、ジュン」<br>
「翠星石…に蒼星石?」<br>
<br>
二人が近づいてくる。弁当箱を三つ持って。<br>
<br>
「ジュンの分の弁当もあるから、一緒に食べるです」<br>
「…なんで僕の分まで?」<br>
「たまたま作りす…いや、いいから食べるです!」<br>
<br>
よくわからないが迫力がある。助けを求めるように蒼星石を見ると、<br>
<br>
「残っても勿体無いし、食べてくれないかな?」<br>
<br>
と、苦笑しながら言ってくる。<br>
そこまで言われたら断れない。近くの席をくっつけて弁当を受け取った。<br>
<br>
----------<br>
<br>
弁当箱を開けると、予想以上に丁寧に作られたものだった。<br>
おかずの種類も豊富で、多分作るのも大変だっただろう。<br>
そんな感じに感動していると、翠星石がじーっと自分を見てるのに気付く。<br>
<br>
「…なんだよ?翠星石は食べないのか?」<br>
<br>
蒼星石はもう食べ始めているのに、翠星石はふたすら開けていない。<br>
<br>
「もちろん食べるですよ。それよりジュンもさっさと食べるです!」<br>
「わ、わかったよ…」<br>
<br>
またまたよくわからない迫力に押され、渋々食べ始める。<br>
しかし、一品目、二品目と自然と箸が伸びる。<br>
…本当においしい。<br>
<br>
「…味はどうですぅ?」<br>
<br>
翠星石が上目遣いで聞いてくる。<br>
結局、まだふたすら開けていない。<br>
そんな翠星石に対して、僕は「普通」に返す。<br>
<br>
「おいしいよ」<br>
『性悪にしては頑張った方じゃないか?』<br>
「それは良かったですぅ!頑張って作ったですからね」<br>
『なんて言い草ですかぁ!この翠星石の弁当を食べられるんですから、<br>
感謝してほしいくらいですぅ!』<br>
<br>
<br>
…あれ。<br>
<br>
したことも無い会話が、頭の中で再生される。<br>
ここで僕の中の違和感は爆発し、答えを出す。<br>
そうか、そういうことだったのか。<br>
<br>
「…翠星石」<br>
「なんですか?」<br>
「なんで今日は一度も悪口を言わないんだ?」<br>
<br>
性悪は弁当のふたを持ったまま、固まる。<br>
いや、今日の性悪は性悪じゃない。<br>
<br>
「べ、別に翠星石はそんな嫌な子じゃないです…」<br>
「…でも、なんか朝から違和感を感じてたんだ。<br>
悪口を言わない翠星石は翠星石じゃないような…」<br>
<br>
そこまで言うと、翠星石はふたを閉め、下を向く。<br>
何かまずいことを言ってしまったのだろうか?<br>
<br>
「いや、僕に悪口を言えっていうわけじゃないんだ。<br>
ただ…、違和感がむず痒いっていうか…」<br>
<br>
そんな言い訳とも言えない言い訳をしていると、翠星石が震え始めた。<br>
そして、両手で机をダンッと叩くと立ち上がった。<br>
彼女は、翠星石は泣いていた。<br>
<br>
「じゃあ…、じゃあどうしたらいいんですかぁ!!<br>
昨日は性格が悪いから彼氏は出来ないとか言って…、<br>
今日は頑張ったのに違和感、違和感って…、<br>
翠星石は、…翠星石はどうなればいいんですかぁ…!」<br>
<br>
いきなり叫んだ翠星石にクラス中から注目が集まる。<br>
泣き続ける翠星石と慌てている蒼星石を見て、やっとで気付く。<br>
なんて、なんて僕は馬鹿なんだろう。<br>
<br>
「…チビ人間、答えろですぅ…、翠星石はどうすれば」<br>
「ごめん」<br>
<br>
僕は机に手をつき、土下座のように謝った。<br>
そのくらいしないといけない気がしたからだ。<br>
<br>
「昨日は言い過ぎた。翠星石の気持ちも考えないで…」<br>
「今更遅いですぅ…」<br>
「わかってる。でも、出来れば性悪の翠星石に戻ってほしい」<br>
「…ジュンは翠星石に一生一人でいれと言うのですか…?」<br>
「大丈夫。そんな翠星石が好きな奴もいるはずだから。<br>
…いざとなったら、僕が彼氏になってやるさ」<br>
「!!」<br>
<br>
教室から大きな歓声やら悲鳴やらが聞こえてくる。<br>
そんな声に、僕も翠星石も赤くなる。<br>
<br>
「だ、誰がチビ人間にもらわれるですかぁ!<br>
馬鹿なこと言ってねえで、さっさと弁当食べるです!」<br>
<br>
そう言って席に座りなおすと、すごい勢いで食べ始める。<br>
そんな彼女を見て、僕と蒼星石も弁当を食べ始める。<br>
これで良かったのかな…、と思いながら。<br>
<br>
<br>
「…もしもの時は、考えてやるですぅ」<br>
<br>
そんな小声が翠星石の方から聞こえた気がした。<br>
多分これで良かったんだと、僕は思うことにした。
翠星石が変わった日<br>
<br>
「今日出た宿題、ちゃんとやってくるですよチビ人間」<br>
「性悪に言われなくてもわかってるって」<br>
「どうだかですぅ。忘れて泣きついても助けないですよ?」<br>
「いっつも忘れるやつがいうセリフかぁ?<br>
…全く、そんな性格じゃ一生彼氏できないぞ?」<br>
「な、な、な、何言うですか!翠星石だって彼氏の一人くらい…」<br>
「いるのか?」<br>
<br>
ううっと言葉を詰まらせる翠星石。<br>
今日の口喧嘩は僕の勝ちのようだ。<br>
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「もういいです!帰るですよ、蒼星石!」<br>
「あ、待ってよ姉さん!…また明日ね、ジュン君」<br>
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そう言って、家の方へ走っていく二人。<br>
その後姿に手を軽く振って、僕も家路に戻る。<br>
また明日も今日と変わらない生活を送るだろうと、この時は思っていた。<br>
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次の日。<br>
いつも通り、交差点で翠星石と蒼星石に会う。<br>
<br>
「おはようです、ジュン」<br>
「ジュン君、おはよう」<br>
「ああ、おはよう。…ってあれ?」<br>
<br>
何か違和感を感じる。<br>
<br>
「どうかしましたですか?」<br>
「…いや、なんでもない。多分」<br>
「そうですか。じゃあ、学校行くですよ!」<br>
「ちょっ、姉さん!走らなくても大丈夫だよ」<br>
<br>
そう言って走っていく二人。<br>
なんだろう。さっき感じた違和感が気になる。<br>
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<br>
結局、僕も学校まで走ってしまった。<br>
体力は無いから、正直勘弁してほしかった。<br>
<br>
ふと、時間割を見ると一時間目は現代社会。<br>
…現代社会?<br>
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「あぁっ!!」<br>
<br>
宿題があるのを忘れていた。翠星石に言われたというのに。<br>
そんなジュンの様子に気付いたのか、翠星石が近づいてきた。<br>
<br>
「宿題、忘れたのですか?」<br>
<br>
僕は無言で頷く。<br>
昨日ああまで言ったのだ。<br>
どんな暴言が来るのかと思ったら、来たのは一冊のノートだった。<br>
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「幸い、まだ時間はあるです。さっさと写すですぅ!」<br>
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翠星石のノートのおかげで、現代社会はなんとかなった。<br>
しかし、僕の中の違和感は大きくなっていく。<br>
仕方ないと思い、休み時間に蒼星石の席に近づく。<br>
<br>
「なぁ、蒼星石」<br>
「何?ジュン君」<br>
<br>
蒼星石が振り向く。こっちは違和感を感じない。<br>
ということは、翠星石がおかしいのだろうか?<br>
<br>
「翠星石に何かあったのか?」<br>
「へっ?どうしたのさ、突然?」<br>
「いや、なんか朝から違和感を感じるんだよ…」<br>
<br>
僕がそう言うと、うーん…と考える蒼星石。<br>
<br>
「…特に何も無かったと思うけど。病気でもないだろうし」<br>
「そうか。じゃあ僕の気のせいなのかな…」<br>
<br>
そう言って去ろうとした時、蒼星石が独り言のように言う。<br>
<br>
「…ただ、なんか頑張ってる気はするよ」<br>
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昼休み。<br>
パンを買いに購買に行こうとすると呼び止められる。<br>
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「待つです、ジュン」<br>
「翠星石…に蒼星石?」<br>
<br>
二人が近づいてくる。弁当箱を三つ持って。<br>
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「ジュンの分の弁当もあるから、一緒に食べるです」<br>
「…なんで僕の分まで?」<br>
「たまたま作りす…いや、いいから食べるです!」<br>
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よくわからないが迫力がある。助けを求めるように蒼星石を見ると、<br>
<br>
「残っても勿体無いし、食べてくれないかな?」<br>
<br>
と、苦笑しながら言ってくる。<br>
そこまで言われたら断れない。近くの席をくっつけて弁当を受け取った。<br>
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弁当箱を開けると、予想以上に丁寧に作られたものだった。<br>
おかずの種類も豊富で、多分作るのも大変だっただろう。<br>
そんな感じに感動していると、翠星石がじーっと自分を見てるのに気付く。<br>
<br>
「…なんだよ?翠星石は食べないのか?」<br>
<br>
蒼星石はもう食べ始めているのに、翠星石はふたすら開けていない。<br>
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「もちろん食べるですよ。それよりジュンもさっさと食べるです!」<br>
「わ、わかったよ…」<br>
<br>
またまたよくわからない迫力に押され、渋々食べ始める。<br>
しかし、一品目、二品目と自然と箸が伸びる。<br>
…本当においしい。<br>
<br>
「…味はどうですぅ?」<br>
<br>
翠星石が上目遣いで聞いてくる。<br>
結局、まだふたすら開けていない。<br>
そんな翠星石に対して、僕は「普通」に返す。<br>
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「おいしいよ」<br>
『性悪にしては頑張った方じゃないか?』<br>
「それは良かったですぅ!頑張って作ったですからね」<br>
『なんて言い草ですかぁ!この翠星石の弁当を食べられるんですから、<br>
感謝してほしいくらいですぅ!』<br>
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…あれ。<br>
<br>
したことも無い会話が、頭の中で再生される。<br>
ここで僕の中の違和感は爆発し、答えを出す。<br>
そうか、そういうことだったのか。<br>
<br>
「…翠星石」<br>
「なんですか?」<br>
「なんで今日は一度も悪口を言わないんだ?」<br>
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性悪は弁当のふたを持ったまま、固まる。<br>
いや、今日の性悪は性悪じゃない。<br>
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「べ、別に翠星石はそんな嫌な子じゃないです…」<br>
「…でも、なんか朝から違和感を感じてたんだ。<br>
悪口を言わない翠星石は翠星石じゃないような…」<br>
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そこまで言うと、翠星石はふたを閉め、下を向く。<br>
何かまずいことを言ってしまったのだろうか?<br>
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「いや、僕に悪口を言えっていうわけじゃないんだ。<br>
ただ…、違和感がむず痒いっていうか…」<br>
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そんな言い訳とも言えない言い訳をしていると、翠星石が震え始めた。<br>
そして、両手で机をダンッと叩くと立ち上がった。<br>
彼女は、翠星石は泣いていた。<br>
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「じゃあ…、じゃあどうしたらいいんですかぁ!!<br>
昨日は性格が悪いから彼氏は出来ないとか言って…、<br>
今日は頑張ったのに違和感、違和感って…、<br>
翠星石は、…翠星石はどうなればいいんですかぁ…!」<br>
<br>
いきなり叫んだ翠星石にクラス中から注目が集まる。<br>
泣き続ける翠星石と慌てている蒼星石を見て、やっとで気付く。<br>
なんて、なんて僕は馬鹿なんだろう。<br>
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「…チビ人間、答えろですぅ…、翠星石はどうすれば」<br>
「ごめん」<br>
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僕は机に手をつき、土下座のように謝った。<br>
そのくらいしないといけない気がしたからだ。<br>
<br>
「昨日は言い過ぎた。翠星石の気持ちも考えないで…」<br>
「今更遅いですぅ…」<br>
「わかってる。でも、出来れば性悪の翠星石に戻ってほしい」<br>
「…ジュンは翠星石に一生一人でいれと言うのですか…?」<br>
「大丈夫。そんな翠星石が好きな奴もいるはずだから。<br>
…いざとなったら、僕が彼氏になってやるさ」<br>
「!!」<br>
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教室中から大きな歓声やら悲鳴やらが聞こえてくる。<br>
そんな声に、僕も翠星石も赤くなる。<br>
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「だ、誰がチビ人間にもらわれるですかぁ!<br>
馬鹿なこと言ってねえで、さっさと弁当食べるです!」<br>
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そう言って席に座りなおすと、すごい勢いで食べ始める。<br>
そんな彼女を見て、僕と蒼星石も弁当を食べ始める。<br>
これで良かったのかな…、と思いながら。<br>
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「…もしもの時は、考えてやるですぅ」<br>
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そんな小声が翠星石の方から聞こえた気がした。<br>
多分これで良かったんだと、僕は思うことにした。