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薔薇水晶の修学旅行」(2006/02/28 (火) 22:28:38) の最新版変更点

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<p>薔薇水晶の修学旅行</p> <p> 翠星石「はぁ……修学旅行なんてかったりぃ~ですぅ。家でゲームでもしてたほうがよっぽど有意義です」<br> 水銀燈「あらぁ、いいのぉ?修学旅行といえば恋のチャンスだっていうのに…」<br> 雛苺「ヒナねぇ、バス席、ジュンの隣がいいのぉ――!」<br> 翠星石「こ、こらチビ苺!勝手に決めやがるなですぅ!!馬鹿ジュンのお守りは委員長のわたしが…」<br> 水銀燈「そう言うことなら私だって……ん?」<br> 薔薇  「………」 じぃ~。<br> 水銀燈「……な、なによ」<br> 薔薇  「…………………にたぁ」<br> 水銀燈「ひ、ひぃっ――!?」<br> 真紅「あの獲物を狙うヘビの目…あなた、何か恨まれることでもしたの?」<br> 翠星石「あーあ~、水銀燈は薔薇水晶に消されるですぅ~♪」<br> 薔薇  「……」<br> 薔薇(……………隣の席、座りたかっただけなのに…)<br> ジュン「なあ…もしかして薔薇水晶、皆と仲良くしたいだけなんじゃ…」<br> 水銀燈「あん!ジュン助けてぇ~!あの子が私のこと睨んでくるのぉ……怖ぁい~」<br> ジュン 「お、おい抱きつくなっ!?」<br> 薔薇  「……・ぎろり」<br> ジュン「な、何で僕を睨むんだ!?……い、いや……本当は皆と仲良くしたいだけなんだよな?」<br> 薔薇  「うん………だから、握手」<br> ジュン「え?あ……や、やっぱり悪いヤツなんかじゃ………ん?」<br> 水銀燈「こ、この子!手の中に画鋲仕込んでるわよ!?」<br> 薔薇  「………ちっ」<br> 失敗の悔しさに、薔薇水晶は拳を握りしめ、<br> ぷすっ。<br> 薔薇  「……いたた」<br> ジュン(…悪いヤツじゃないとは……思うんだけどなぁ)<br>  <br> 蒼星石「せっかく修学旅行なんだから、地元のお寺巡りとかしたいな」<br> 雛苺  「えぇ~~? お寺なんか嫌ぁ!!遊園地がいいのぉ~」<br> 真紅 「この店珍しい紅茶売ってるわね……ここにしましょ」<br> 水銀燈「あら、お菓子切れちゃったのぉ?誰か買ってきてくれない?」<br> 薔薇  「……しゅ、しゅーまいっ…………どぞ」<br> 翠星石「…シューマイぃ?ご飯前にそんな重いもん食えるわけねーですぅ!」<br> 水銀燈「使えないわねぇこの子」<br> 薔薇  「ご、ごめっ……………………すててくる」<br> ジュン 「お、おい!?」<br> ジュンが後を追うと、薔薇水晶はべそかきながら、焼却炉にシューマイを投げ捨てていた。<br> 薔薇  「………っく……ぐす……っ」<br> ジュン 「何やってんだよ!……って、うわっ!?シューマイ投げるな!!」<br> 薔薇  「――お前なんかに……わたしの気持ちが……っ!この引きこもり真中!!」<br> ジュン 「な――っ!?お、お前言って良いことと悪いことが…っ!」<br> 薔薇  「は、離して……っ!」<br> ジュン「これは没収だ。……投げつけられるくらいなら僕が貰う。ったく、食べ物を粗末にするなよな」<br> 薔薇  「……ぁ」<br> ジュン 「……水銀燈と仲良くしたいんだろ?僕もできる範囲で手伝ってやるから、こんな真似はやめろよな」<br> 薔薇  「ほんとに………手伝って、くれるの?」<br> ジュン「ああ。っていうか、友達になるくらいなら簡単だろ?水銀燈って結構話しやすいし、友達と話す感覚で…」<br> 薔薇 「……………………友達いませんが……なにか?」<br> ジュン「……ごめん悪かった、僕がなってやるから。まあ、手は色々あるから前向きにいこうぜ」<br> 薔薇  「…………ぷいっ」<br> ジュン (馴れ馴れしすぎたか…? 扱い難しいな……)<br> 薔薇  (………ともだち、できちゃった……///)<br>  <br> 翠星石「はい水銀燈の負けですぅ~!毎回ババ引くなんて、さすがババアですぅ」<br> 水銀燈「ぬぁんですってぇ!?も、もう一度勝負よ小娘が!!」<br> 真紅  「あまり興奮するとバス酔いするわよ」<br> ジュン「よし、今がチャンスだ。一緒に混ざって仲良くなってこ<br> い!」 薔薇  「……ん!」<br> 水銀燈「次こそは絶対勝ってやるんだから……見てなさいっ」<br> 薔薇  (…頑張ってっ!!)<br> 水銀燈「ここでエースがくれば……」<br> 薔薇  (…左端はとっちゃダメッ!!)<br> 水銀燈「ああもう! また負けたわ!!悔しいぃ~~ッ」<br> 薔薇  「………ジュン、ダメだった」<br> ジュン「いや、お前見てただけだろ。まあ声掛けづらい気持ちはわかるけどさ…」<br> 薔薇 「……水銀燈、ジュンには沢山話しかけてくる。わたしには全然……」<br> ジュン 「な、なんだよその目は!?僕は味方だっていってるだろ!?」<br> 薔薇 「ジュンが水銀燈をばっさり振っちゃえば……落ち込んでる水銀燈を私が慰めて、一件落着……」<br> ジュン 「お前結構酷いこと思いつくな…」<br> 水銀燈「何こそこそしてるのよぉ~ジュン♪ あっちで一緒にいいことしなぁい?」<br> ジュン 「だから抱きつくなって…………ちょ、ちょっ!?薔薇水晶っ!?」<br> 薔薇  「………うらぎり? ……ねえ、うらぎったの……っ?うらぎったら、目にからし入れるって…」<br> 水銀燈「さっきから薔薇水晶ばっかり……まさか、この子のこと好きなんじゃないでしょうねぇ?私の方がいいわよねぇ?」<br> 薔薇  「うらぎりものには……からしを……っ」<br> ジュン (どうすりゃいいんだよ!?)<br> 水銀燈「だいたい、薔薇水晶って無口で何考えてるか判らないし、一緒に居てもつまらないでしょぉ?」<br> 薔薇  「……」<br> 水銀燈「ジュンが同情で一緒にいてやる必要なんて、どこにも……」<br> ジュン 「…別に同情なんて」<br> 薔薇  「……もう、いい」<br> 薔薇 「もういいから……ジュンも返す、から…………ごめんね」<br> 水銀燈「ほら、薔薇水晶もいいって言ってるしぃ」<br> ジュン 「…僕はよくない」<br> 薔薇  「え…」<br> ジュン「別に同情なんかじゃない。口数が少なくても、ちゃんと聞いてやれば話しかけてくれるし」<br> ジュン「確かに変わってるとは思うけど……別に僕は嫌いじゃないし…」<br> 薔薇  「………ぁ」<br> 水銀燈「……ジュンが………ジュンの趣味が小さい子だったなんて……ロリコンだなんてぇ―――っ!!!」<br> ジュン 「おい待て!! 誰もそこまで言ってないだろ!? ………ったく、結局進展なしかよ」<br> ジュン「…あ、そういやさっきの作戦、今がチャンスなんじゃないのか?」<br> 薔薇  「………」<br> ジュン 「落ち込んでる水銀燈を慰めて……って、おい!聞いてるのか?」<br> 薔薇 「…………ジュン……わたしのこと、好きなんだ…」<br> ジュン 「言ってない! 言ってないぞそんなこと!!何顔赤くしてんだよ!?」<br> 梅岡 「皆、パーキングでの休憩は30分までだからな」<br> 翠星石「も、もるですぅ~!」<br> 薔薇  「うぷ……」<br> ジュン 「おい大丈夫か? 吐きそうなのか?」<br> 薔薇 「大丈夫………それより、水銀燈が一人の今が……・チャンス……ぉぇ」<br> ジュン「…あれだけ言われて、まだ諦めてないのか?」<br> 薔薇 「今は嫌われちゃってるけど……ひとりぼっちだった私に最初に声かけてくれたの、銀ちゃんだから……」<br> 露天商「シューマイ安いよぉ~!!10個で300円!!」<br> 薔薇 「ぴくっ…………だ、だから……今度は私から声掛けて、友達になれるまで…」<br> 露天商「おいしいシューマイ!長旅の疲れも吹っ飛ぶよ~~!!」<br> 薔薇 「……ぜったい……・しゅーまい……諦めない…」<br> ジュン「雑念混じってるぞ。水銀燈とシューマイどっちが大事なんだよ…」<br> 薔薇 「え………………ぇ………選ばなきゃ、ダメなの?」<br> ジュン「いや、質問した僕が悪かった。食ってから追っかけろ」<br> 薔薇 「じゃあ、五箱下さい………はくはくっ………ぉぇ」<br> ジュン「吐きそうなのに無理すんなよ。おさまるまで我慢すればいいじゃないか」<br> 薔薇  「…………食べてから吐く」<br> ジュン 「最悪だなお前」<br> 薔薇  「はくはくっ………はくは……げほっ!げほっ!!」<br> ジュン 「おい! だいじょう――」<br> 水銀燈「子供みたいな食べ方しないの。……ほんとあんたって、お馬鹿さぁん」<br> ジュン 「水銀燈…?」<br> 水銀燈「まったく……こっちがわざと追い払ってるっていうのに、馬鹿みたいに引っ付いてくるんじゃないわよ…」<br> 水銀燈「あなたみたいなドン臭いの、皆の輪の中に居たら馬鹿にされるだけでしょうがっ」<br> 薔薇  「……」<br> ジュン 「水銀燈……お前、わざと?」<br> 水銀燈「ちょっと優しくしたくらいでいちいち懐かれたってねぇ…………ほら、口元汚れてるわよ」<br> 薔薇  「………銀、ちゃん…」<br> 水銀燈「その呼び方やめてって言ったでしょ!この馬鹿水晶!」<br> 薔薇 「あ………馬鹿水晶って言った…………はじめて会った時と、おんなじ……」<br> 水銀燈「…下らないこと、いつまでも覚えてんじゃないわよ」<br> 薔薇 「銀ちゃん、わたし………わたしね………………………………ぉぇ」<br> 水銀燈「ちょ、ちょっとっ!?こんなとこで吐くんじゃ………」<br> 薔薇  「~~~ぉぇぉ(自主規制)」<br> 水銀燈「嫌ああああああぁぁ――――――っ!!?」<br>  <br> 体調の悪化した薔薇水晶を、近くのベンチに寝かせた。出発まであと十数分ある。<br> ジュン「少しは落ち着いたか?」<br> 薔薇 「………うん」<br> ジュン「まあ気にするなよ、ちょっと戻したくらいで。水銀燈も怒ってないって」<br> 薔薇 「……ゲロ水晶って言われた」<br> ジュン「…忘れろ」<br> 薔薇 「……ん」<br> ジュン「見ててやるから、少し寝てろって」<br> 薔薇 「……」<br> ジュン「もう寝たのか?」<br> 薔薇 「……」<br> 薔薇水晶の子供のような寝顔。その純粋さに、しばし魅入ってしまう。<br> ジュン(……この寝顔見たら、皆こいつの事好きになるのにな……)<br> 不器用で、誤解されやすいけど、一生懸命な女の子。<br> ジュンは薔薇水晶の額に触れ、そっと撫でる。<br> 薔薇 「……ん」<br> 薔薇水晶の瞳がわずかに開き、ジュンと目が合う。<br> 嫌がられるかと思ったが、特に抵抗もせず、薔薇水晶は心地よさそうに撫でられ続けた。<br> 薔薇 「わたし、ね……いつも駄目駄目なの…」<br> ジュン「……」<br> 薔薇「輪の中に入ろうとして、いつも失敗して……気がつくと一人……今日も沢山、駄目駄目だった……」<br> 薔薇「なのに、どうしてだろ………隣にジュンがいる……なんで?」<br> ジュン「何でだろうな…………薔薇水晶が、駄目駄目だからじゃないか?」<br> 薔薇「ジュンは…駄目でもいいんだ……だめでも………」<br> 薔薇 「………………っ……っく…」<br> そのまましばらく、二人だけの時間を過ごした。<br> 集合時間まで数分を切った頃、ジュンが立ち上がる。<br> ジュン「…そろそろ戻るか」<br> 薔薇 「あ……待って…」<br> 薔薇水晶に袖を掴まれる。弱々しい握りで、それだけに無理矢理剥がすのもためらわれた。<br> ジュン「水銀燈に謝る時間も欲しいだろ?早く戻った方が…」<br> 薔薇 「もう少しだけ……このままがいい」<br> 薔薇 「………そばにいて?」<br> ジュン「…五分だけだぞ」<br> わがままを聞いて貰った子供のように、にやりと笑う薔薇水晶の笑顔が反則的に可愛かった。<br>  <br> 翠星石「あ~~! ゲロ水晶が戻ってきたですぅ!臭いからバスに乗るな……ひでぶっ!?」<br> 水銀燈「……その話はやめて頂戴。早く忘れたいんだから」<br> 薔薇  「………ぅ」<br> ジュン 「ほら、薔薇水晶っ」<br> 薔薇  「……あの、あのね水銀燈……」<br> 水銀燈「なによあなた。まだ人の服汚し足りないわけ?」<br> 薔薇 「ち、違くて……そのっ……………じゅ、ジュンどうしよう…?」<br> 水銀燈「な――っ!?ちょ、ちょっと何どさくさに紛れてジュンに抱きついてるのよ!?」<br> 薔薇 「ぇ……だ、だって…………困ったら助けに呼んでいいって、ジュンが…」<br> 水銀燈「私でさえそんなの言われた事無いってのに…きいぃ―――っ!!い、今すぐ離れなさい!!」<br> 薔薇  「ぁ……銀ちゃんの胸、あったかい…」<br> 水銀燈「な、何しがみついてるのよっ!私から離れて!」<br> 薔薇  「うぅ………………ジュン、抱っこ!」<br> 水銀燈「ちょ――っ!?あ、あんたに男の胸板は早いわよ!そこはわたしの…」<br> ジュン 「二人して抱きつくな……く、苦しいって!」<br> 薔薇 「…銀ちゃんと押しくらまんじゅう………えへぇ」<br> ジュン 「お前、僕を餌に使ったな…?」<br> 薔薇 「……うん。ジュンにすりすりすると、銀ちゃんもついてくる………だぶるでおいしい…」<br> ジュン「ったく、ダシにされるこっちの事も考えろっての」<br> 薔薇 「……銀ちゃんも好きだけど…………ジュンと近くにいるとぽかぽかするのも、ほんとだよ……?」<br> ジュン 「え…」<br> 薔薇  「………二股しても、いい……?」</p>

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