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エピソード004 闘いの序曲」(2006/08/24 (木) 21:28:32) の最新版変更点

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<p> 炎の矢が乱れ飛ぶ。矢は紅の姫を守る騎士の盾で防がれる。<br> 「くそ、近づけない!!」<br> JUMはエルダーのファイヤーアローを盾で防ぎながら反撃を試みるが、詠唱せずに魔法を連発するエルダー<br> に全く近づけないでいた。<br> 「はははっ、我が魔力を甘く見るな。ファイヤーアロー程度ならば詠唱など不要。いつまで耐えれるか?」<br> エルダーが杖の先から次々に矢を放つ。JUMは変わらずそれを防ぐので精一杯だった。<br> 「巴!先に雑魚を叩くのだわ。複数で仕掛ければ活路が見出せるはずよ!」<br> 真紅が手近にいた、エルダーの召還したスケルトンの剣を弾き飛ばし、1撃で粉々に破壊する。<br> 「うん、分かった!ヒナ、何とか桜田君を援護してあげて。」<br> 巴がスケルトンをカタナで斬る。だが、スケルトンは骸骨だ。切れ味鋭いカタナでの斬撃は<br> しっかり身のある魔物に比べて効果が薄い。<br> 「くっ……なら!!」<br> 巴が左手で腰の鞘を引き抜き、それでスケルトンを殴打する。スケルトンは頭部を破壊され倒れる。<br> 「えっと…えっと…猛き炎よ 汝矢となりて敵を討て・・・・ファイヤーアローなのー!」<br> 雛苺の周辺に力が奔流する。杖に集中したマナは幾本もの炎の矢に姿を変える。<br> 「JUM!今助けるの!いっけーー!!」<br> 雛苺の炎の矢がエルダーに向かって放たれる。<br> 「む!生意気なぁ!!」<br> エルダーはファイヤーアローで雛苺のファイヤーアローの相殺を試みる。しかし、詠唱ありと詠唱なしでは<br> 矢の本数が違った。数本は相殺しきれずエルダーへ向かう。<br> 「小癪な!魔力の石よ 汝盾と姿を変え我を守れ!!カウンターマジック!!」</p> <br> <p> エルダーが懐から石を取り出したと思えば、次の瞬間に石は盾へと姿を変え、雛苺の矢を防いだ。<br> 「ナイスだ、チビっ子!」<br> JUMがその隙を突くようにエルダーに向かっていく。エルダーは慌てる素振りを見せずJUMに手を向ける。<br> 「バカめが!荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!!ライトニング!」<br> エルダーが高速で詠唱する。次の瞬間、エルダーの手に雷が集まりJUMに向かって放たれる。<br> 「なにぃ!うわぁ!?」<br> JUMが盾で走った雷を防ぐものの、JUMは魔力に押されて大きく吹き飛び地面に体を打ちつけた。<br> 「JUM!?雛苺、JUMを!巴、エルダーを押さえて!」<br> 「了解…!」<br> 真紅が矢継ぎ早に指示を出す。真紅の本当の力。それは、剣術ではなく冷静に戦局を見極め<br> 的確に味方に指示を出して戦う事なのかもしれない。<br> 「JUM、しっかりするのよ~。癒しの光よ……ヒール。」<br> 雛苺がJUMに杖を当てて傷を癒す。一度では全快せず、もう一度かける。<br> 「今度はお嬢さんかね?焼き焦げるがいい!!」<br> エルダーは再びファイヤーアローで巴を攻撃する。<br> 「……軌道は直線。詠唱なしなら一度に1発のみ……踏み込める!!」<br> 巴が炎の矢の軌道を読み、回避しながら最短でエルダーに向かっていく。<br> 「むお!?ならば…荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!ライトニング!!」<br> 再びエルダーの手から雷が迸る。しかし、巴は一度見てその軌道も読んでいた。<br> 確かにライトニングは強力な魔術だ。しかし……それも術者の手から直線にしか攻撃範囲はない。<br> 「どうだ!!」<br> 一閃。ライトニングをサイドステップでかわし、得意の居合いでエルダーを斬る。<br> 「ぐっ・・・やる・・・!」<br> 斬撃は浅かったのか、エルダーのローブを少し切り裂いただけに留まっている。エルダーは再び<br> ファイヤーアローで巴と距離をとろうとする。しかし、急に巴の攻撃はとまる。</p> <br> <p>巴はエルダーを斬った手応えに違和感を感じていた。<br> 「何……全く斬った感触がない?どういう…はっ!?」<br> 巴が立ち止まって思慮を張り巡らしていると、背後から殺気を感じる。振り向けば、スケルトンが剣を<br> 振り下ろす所だ。ヒュオンとスケルトンが剣をふる。巴はそれをカタナで受けると鞘で殴り壊す。<br> 「隙ありだ!失せろ!!」<br> しかし、その一連の動作の間に今度はエルダーが巴に炎の矢を放つ。<br> 「ちぃ!?」<br> 巴は鞘で矢を受けるが、炎の矢は爆発し巴は大きく吹き飛ばされる。<br> 「柏葉!雛苺、柏葉を見といてくれ!」<br> 「う、トゥモゥエー!」<br> 回復したJUMが再びエルダーと対峙する。それに並ぶように真紅もたつ。<br> 「JUM、二人で攻めるのだわ。スケルトンは全部倒した…二人なら攻めきれるはずよ。」<br> 「ふん、スケルトンではあんなものだろう。だが、どの道貴様らでは私は倒せん!」<br> エルダーの声には自身が溢れていた。JUMと真紅が2方向から攻撃をしかけていく。<br> 「巴、しっかりするのよ。癒しの光よ……ヒール!」<br> 癒しの光が巴を包む。左腕の火傷が治っていく。<br> 「ん……御免有難う。それより、ヒナ。魔力はまだ残ってる?」<br> 「うよ?もう少しだけなら……」<br> 「ならいける……いい?雛苺。真紅の剣に……」<br> 巴が雛苺の耳に口を当てて耳打ちする。<br> 「いい?チャンスは一瞬だと思うから……見極めてね。」<br> 「うい、が、頑張るの…」<br> 巴はそれだけ言うと、再びカタナをとりエルダーに向かう。雛苺は杖を構えると精神を集中しだした。</p> <br> <p> 「3人がかりか?それでも私は倒せぬがな…荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!ライトニング!!」<br> 再び雷が走る。今度の目標は真紅だ。真紅はそれを間一髪で回避する。<br> 「くっ……静電気が痺れるのだわ。」<br> 真紅が立ち止まる。そこに巴がやってくる。<br> 「真紅、いいかな。あのね………」<br> 「!?成る程。それで貴方の斬撃が……分かったのだわ。やってみる。」<br> 「チャンスは一度だよ。一気に決めよう……桜田君!真紅の所に!!」<br> 巴が真紅にそれだけ言うと、JUMを呼んで自分がエルダーに向かっていく。<br> 「どうしたんだ?真紅。攻めきれないぞ?」<br> 「いい事JUM……これから貴方には私の盾になってもらうわ。」<br> 「……よく分からないけど。どうせ元々僕は真紅の盾。やってやるさ。」<br> JUMが盾を構えなおし、エルダーを見る。巴がファイヤーアローをかわしながら戦っている。<br> 「……今よ!JUM、突撃なさい!!雛苺!!」<br> 「応!!いくぞ、エルダーーーーー!!」<br> JUMが盾を前面に押し出し、エルダーに向かっていく。エルダーはJUMに手を向ける。<br> 「愚かな!今度は無事ではいられぬぞ!荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!ライトニング!!」<br> 「いくのよ、真紅!聖なる光よ 我らが剣に光を宿せ!ホーリーウェポン!!」<br> JUMに向かって雷が放たれる瞬間、真紅はJUMの肩に乗り大きく跳躍する。そして、真紅の剣に<br> 聖なる光が宿る。JUMはライトニングに吹き飛ばされるが、エルダーは真紅に反応できない。<br> 「な、なにぃいいいいいい!!!!???」<br> 「これで決まりよ!エルダー!!!」<br> 急降下する真紅とホーリエ。その刃がエルダーのローブを二つに切り裂いた。</p> <br> <p> 「ぬぐおおおおおおおおお!!馬鹿な!私が人間如きに!?何故だ!何故私の弱点が・・・・」<br> 切り裂かれたエルダーは血を噴出さない。いや、肉体がなかったのだ。バフォメットの作り出した<br> 瘴気の塊。それがエルダーの中身だった。巴が感じた違和感はこれだった。この違和感から巴は<br> エルダーの正体を見抜き、雛苺の魔法で聖なる力を宿らせたホーリエで撃破を考えたのだ。<br> 「っつ……こういう事か……あいつの魔法の連発を防ぐには、詠唱させるしかないもんな。」<br> JUMが雛苺に治療を受けながら言う。そう、その作戦に必要なのはエルダーにライトニングを<br> 詠唱させる事だたt。ファイヤーアローは連発が可能。渾身の一撃を当てるのは困難だ。<br> しかし、エルダーを詠唱させる事に隙を作り出したのだ。<br> 「せめて、斬り心地は再現すべきだったね。私の手は誤魔化せないよ。」<br> 巴がカタナを鞘に収めながら言う。<br> 「くっ・・・口惜しや…人間如きに敗れるとは……」<br> エルダーの体を形成していた瘴気がローブから抜けて消えていく。<br> 「その人間如きと言うのが、貴方の敗因よ。相手を甘く見ない事なのだわ。」<br> 「ぐあぁっ……っくっ…お許し下さい…バフォメット様ぁああああああ!!!!」<br> エルダーが絶叫すると、後に残ったのはローブと杖だけだった。真紅はそれを拾う。<br> 「巴、雛苺、JUM。助かったわ。貴方達が誰か一人でもいなかったら、私はここで朽ちていたでしょうね。<br> 感謝するのだわ。」<br> 真紅がスッと頭を下げる。<br> 「ううん、エルダーはみんなで倒したんだよ。」<br> 「そうなの!真紅もいなかったら倒せなかったのよ~?」<br> 「ま、そういう事だな。それじゃあ……エルダーも倒したし、帰るか。」<br> JUMが剣を鞘に収める。真紅もホーリエを同じように鞘に収めた。<br> 「そうね。グンターさんの所に戻りましょう。」<br> 4人は話せる島のケイブを後にした。しかし、これは闘いの序曲に過ぎないのだった。<br> To be continued<br></p>
<p> 炎の矢が乱れ飛ぶ。矢は紅の姫を守る騎士の盾で防がれる。<br> 「くそ、近づけない!!」<br> JUMはエルダーのファイヤーアローを盾で防ぎながら反撃を試みるが、詠唱せずに魔法を連発するエルダー<br> に全く近づけないでいた。<br> 「はははっ、我が魔力を甘く見るな。ファイヤーアロー程度ならば詠唱など不要。いつまで耐えれるか?」<br> エルダーが杖の先から次々に矢を放つ。JUMは変わらずそれを防ぐので精一杯だった。<br> 「巴!先に雑魚を叩くのだわ。複数で仕掛ければ活路が見出せるはずよ!」<br> 真紅が手近にいた、エルダーの召還したスケルトンの剣を弾き飛ばし、1撃で粉々に破壊する。<br> 「うん、分かった!ヒナ、何とか桜田君を援護してあげて。」<br> 巴がスケルトンをカタナで斬る。だが、スケルトンは骸骨だ。切れ味鋭いカタナでの斬撃は<br> しっかり身のある魔物に比べて効果が薄い。<br> 「くっ……なら!!」<br> 巴が左手で腰の鞘を引き抜き、それでスケルトンを殴打する。スケルトンは頭部を破壊され倒れる。<br> 「えっと…えっと…猛き炎よ 汝矢となりて敵を討て・・・・ファイヤーアローなのー!」<br> 雛苺の周辺に力が奔流する。杖に集中したマナは幾本もの炎の矢に姿を変える。<br> 「JUM!今助けるの!いっけーー!!」<br> 雛苺の炎の矢がエルダーに向かって放たれる。<br> 「む!生意気なぁ!!」<br> エルダーはファイヤーアローで雛苺のファイヤーアローの相殺を試みる。しかし、詠唱ありと詠唱なしでは<br> 矢の本数が違った。数本は相殺しきれずエルダーへ向かう。<br> 「小癪な!魔力の石よ 汝盾と姿を変え我を守れ!!カウンターマジック!!」</p> <br> <p> エルダーが懐から石を取り出したと思えば、次の瞬間に石は盾へと姿を変え、雛苺の矢を防いだ。<br> 「ナイスだ、チビっ子!」<br> JUMがその隙を突くようにエルダーに向かっていく。エルダーは慌てる素振りを見せずJUMに手を向ける。<br> 「バカめが!荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!!ライトニング!」<br> エルダーが高速で詠唱する。次の瞬間、エルダーの手に雷が集まりJUMに向かって放たれる。<br> 「なにぃ!うわぁ!?」<br> JUMが盾で走った雷を防ぐものの、JUMは魔力に押されて大きく吹き飛び地面に体を打ちつけた。<br> 「JUM!?雛苺、JUMを!巴、エルダーを押さえて!」<br> 「了解…!」<br> 真紅が矢継ぎ早に指示を出す。真紅の本当の力。それは、剣術ではなく冷静に戦局を見極め<br> 的確に味方に指示を出して戦う事なのかもしれない。<br> 「JUM、しっかりするのよ~。癒しの光よ……ヒール。」<br> 雛苺がJUMに杖を当てて傷を癒す。一度では全快せず、もう一度かける。<br> 「今度はお嬢さんかね?焼き焦げるがいい!!」<br> エルダーは再びファイヤーアローで巴を攻撃する。<br> 「……軌道は直線。詠唱なしなら一度に1発のみ……踏み込める!!」<br> 巴が炎の矢の軌道を読み、回避しながら最短でエルダーに向かっていく。<br> 「むお!?ならば…荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!ライトニング!!」<br> 再びエルダーの手から雷が迸る。しかし、巴は一度見てその軌道も読んでいた。<br> 確かにライトニングは強力な魔術だ。しかし……それも術者の手から直線にしか攻撃範囲はない。<br> 「どうだ!!」<br> 一閃。ライトニングをサイドステップでかわし、得意の居合いでエルダーを斬る。<br> 「ぐっ・・・やる・・・!」<br> 斬撃は浅かったのか、エルダーのローブを少し切り裂いただけに留まっている。エルダーは再び<br> ファイヤーアローで巴と距離をとろうとする。しかし、急に巴の攻撃はとまる。</p> <br> <p>巴はエルダーを斬った手応えに違和感を感じていた。<br> 「何……全く斬った感触がない?どういう…はっ!?」<br> 巴が立ち止まって思慮を張り巡らしていると、背後から殺気を感じる。振り向けば、スケルトンが剣を<br> 振り下ろす所だ。ヒュオンとスケルトンが剣をふる。巴はそれをカタナで受けると鞘で殴り壊す。<br> 「隙ありだ!失せろ!!」<br> しかし、その一連の動作の間に今度はエルダーが巴に炎の矢を放つ。<br> 「ちぃ!?」<br> 巴は鞘で矢を受けるが、炎の矢は爆発し巴は大きく吹き飛ばされる。<br> 「柏葉!雛苺、柏葉を見といてくれ!」<br> 「う、トゥモゥエー!」<br> 回復したJUMが再びエルダーと対峙する。それに並ぶように真紅もたつ。<br> 「JUM、二人で攻めるのだわ。スケルトンは全部倒した…二人なら攻めきれるはずよ。」<br> 「ふん、スケルトンではあんなものだろう。だが、どの道貴様らでは私は倒せん!」<br> エルダーの声には自身が溢れていた。JUMと真紅が2方向から攻撃をしかけていく。<br> 「巴、しっかりするのよ。癒しの光よ……ヒール!」<br> 癒しの光が巴を包む。左腕の火傷が治っていく。<br> 「ん……御免有難う。それより、ヒナ。魔力はまだ残ってる?」<br> 「うよ?もう少しだけなら……」<br> 「ならいける……いい?雛苺。真紅の剣に……」<br> 巴が雛苺の耳に口を当てて耳打ちする。<br> 「いい?チャンスは一瞬だと思うから……見極めてね。」<br> 「うい、が、頑張るの…」<br> 巴はそれだけ言うと、再びカタナをとりエルダーに向かう。雛苺は杖を構えると精神を集中しだした。</p> <br> <p> 「3人がかりか?それでも私は倒せぬがな…荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!ライトニング!!」<br> 再び雷が走る。今度の目標は真紅だ。真紅はそれを間一髪で回避する。<br> 「くっ……静電気が痺れるのだわ。」<br> 真紅が立ち止まる。そこに巴がやってくる。<br> 「真紅、いいかな。あのね………」<br> 「!?成る程。それで貴方の斬撃が……分かったのだわ。やってみる。」<br> 「チャンスは一度だよ。一気に決めよう……桜田君!真紅の所に!!」<br> 巴が真紅にそれだけ言うと、JUMを呼んで自分がエルダーに向かっていく。<br> 「どうしたんだ?真紅。攻めきれないぞ?」<br> 「いい事JUM……これから貴方には私の盾になってもらうわ。」<br> 「……よく分からないけど。どうせ元々僕は真紅の盾。やってやるさ。」<br> JUMが盾を構えなおし、エルダーを見る。巴がファイヤーアローをかわしながら戦っている。<br> 「……今よ!JUM、突撃なさい!!雛苺!!」<br> 「応!!いくぞ、エルダーーーーー!!」<br> JUMが盾を前面に押し出し、エルダーに向かっていく。エルダーはJUMに手を向ける。<br> 「愚かな!今度は無事ではいられぬぞ!荒れ狂う雷よ 汝奔流せよ!ライトニング!!」<br> 「いくのよ、真紅!聖なる光よ 我らが剣に光を宿せ!ホーリーウェポン!!」<br> JUMに向かって雷が放たれる瞬間、真紅はJUMの肩に乗り大きく跳躍する。そして、真紅の剣に<br> 聖なる光が宿る。JUMはライトニングに吹き飛ばされるが、エルダーは真紅に反応できない。<br> 「な、なにぃいいいいいい!!!!???」<br> 「これで決まりよ!エルダー!!!」<br> 急降下する真紅とホーリエ。その刃がエルダーのローブを二つに切り裂いた。</p> <br> <p> 「ぬぐおおおおおおおおお!!馬鹿な!私が人間如きに!?何故だ!何故私の弱点が・・・・」<br> 切り裂かれたエルダーは血を噴出さない。いや、肉体がなかったのだ。バフォメットの作り出した<br> 瘴気の塊。それがエルダーの中身だった。巴が感じた違和感はこれだった。この違和感から巴は<br> エルダーの正体を見抜き、雛苺の魔法で聖なる力を宿らせたホーリエで撃破を考えたのだ。<br> 「っつ……こういう事か……あいつの魔法の連発を防ぐには、詠唱させるしかないもんな。」<br> JUMが雛苺に治療を受けながら言う。そう、その作戦に必要なのはエルダーにライトニングを<br> 詠唱させる事だった。ファイヤーアローは連発が可能。渾身の一撃を当てるのは困難だ。<br> しかし、エルダーを詠唱させる事に隙を作り出したのだ。<br> 「せめて、斬り心地は再現すべきだったね。私の手は誤魔化せないよ。」<br> 巴がカタナを鞘に収めながら言う。<br> 「くっ・・・口惜しや…人間如きに敗れるとは……」<br> エルダーの体を形成していた瘴気がローブから抜けて消えていく。<br> 「その人間如きと言うのが、貴方の敗因よ。相手を甘く見ない事なのだわ。」<br> 「ぐあぁっ……っくっ…お許し下さい…バフォメット様ぁああああああ!!!!」<br> エルダーが絶叫すると、後に残ったのはローブと杖だけだった。真紅はそれを拾う。<br> 「巴、雛苺、JUM。助かったわ。貴方達が誰か一人でもいなかったら、私はここで朽ちていたでしょうね。<br> 感謝するのだわ。」<br> 真紅がスッと頭を下げる。<br> 「ううん、エルダーはみんなで倒したんだよ。」<br> 「そうなの!真紅もいなかったら倒せなかったのよ~?」<br> 「ま、そういう事だな。それじゃあ……エルダーも倒したし、帰るか。」<br> JUMが剣を鞘に収める。真紅もホーリエを同じように鞘に収めた。<br> 「そうね。グンターさんの所に戻りましょう。」<br> 4人は話せる島のケイブを後にした。しかし、これは闘いの序曲に過ぎないのだった。<br> To be continued<br></p>

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