「タッグデュエル! ~HEROの脅威~ ②」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p>
「え~……それではこれより、追試験タッグデュエルの組み合わせを発表する。抽選は<br>
各寮混合でランダムに抽選したから、お互い協力し合って頑張ってくれ」<br>
<br>
実技科目最高責任者のショボン教諭が校内放送で全校にそう通達した。<br>
先日実施された月一テストの実技科目で、赤点を取ったものに対して行われる追試の<br>
お題はタッグデュエルであり、生徒達の相手と試験の採点は実技教官の流石兄弟がする<br>
事になっている。<br>
だが、タッグデュエルの提案は流石兄弟だが、成績不振者同士の組み合わせを、各寮<br>
からランダムに選んで組ませる形式の抽選にしたのは、ショボンが決定した事だった。<br>
ショボンはデュエルアカデミアにおける、寮同士での諍いや揉め事や溝を何とかなくそう<br>
と考えている教師だった。<br>
タッグデュエルは、タッグパートナー同士が結束し力を合わせなければ、決して勝利を<br>
掴む事の叶わない競技。これによって、少しでも3つの寮の生徒に連帯感や結束、友情<br>
が芽生えてくれれば、と考えての事であった。<br>
<br>
「試験日は3日後の放課後だから、それまで互いにカードのトレードやコンボの研究をして<br>
この追試験に合格できるよう務めて欲しい」<br>
<br>
ここでショボンは一呼吸置き、静かに最後の言葉を口にした。<br>
<br>
「ただ不合格なだけならまあ許してあげるけど、追試験のデュエル中にタッグパートナーに<br>
暴言を吐いたり、喧嘩したりしないようにね。もしもそんな事をやって不合格になったら<br>
…………ぶち殺すぞ」<br>
<br>
少々脅迫めいたショボンの言葉が終わって間もなく、校舎の巨大掲示板に貼り出されて<br>
いる追試タッグデュエルの組み合わせ表に、次第に生徒が集まりだしていた。<br>
<br>
<br>
<br>
所変わって、ここはラーイエロー寮である。<br>
デュエルアカデミア高等部を受験した者の中から、成績優秀な受験者が配属される寮<br>
であり、寮の外観はお洒落なペントハウスの趣だ。<br>
そこには、前年度の受験者の中でも、筆記試験をトップの成績で合格した秀才がいた。<br>
ラーイエローの2年生で、名を金糸雀という。<br>
<br>
「何が秀才ですか、このデコッパチ。実技で赤点なんか取ったから追試を受ける羽目に<br>
陥ってるくせに、偉そうにしてんじゃないですぅ」<br>
「な、何を言うかしら! この前の試験は、ちょっとカードの引きが悪かっただけかしら!<br>
それに、実技試験にまでいつものギャンブルデッキを使ってはしゃぎまくって、入学早々<br>
イエローから降格された翠星石には言われたくないかしらー!」<br>
「翠星石……あなたみたいなのが将来、親から貰った身体の一部を売る事になるのよ」<br>
<br>
と、のうのうと金糸雀の部屋に上がりこみ、我が物顔で紅茶をすすりながら喋っている<br>
のは、毎度おなじみ真紅と翠星石である。<br>
そう、真紅のタッグパートナーは2年の金糸雀だったのだ。<br>
<br>
「大体、人の部屋に勝手に上がりこんでおいて態度が大きすぎかしら! 流石先生の<br>
対策を練るにしても、もう少しカナへの礼儀ってものがあるかしら!」<br>
「確か、兄者先生達のデッキはE・HERO融合デッキだったわよね、翠星石?」<br>
「そうですぅ。互いに≪増援≫や≪戦士の生還≫みたいな戦士族サポートを駆使して、<br>
場や手札にHEROを揃えて融合しまくるんですぅ」<br>
「人の話を聞くかしらー!」<br>
「うるさいわね。追試に合格したいんだったら、貴女も私達の話を聞くのだわ」<br>
<br>
金糸雀の抗議の声を≪王宮のお触れ≫並みに完全封殺し、真紅と翠星石はカードを<br>
広げてデッキを強化しようとあれこれ話している。<br>
<br>
「そういえば、貴女はどんなデッキを使っているの? 教えなさい」<br>
「な、何でカナが自分の手の内を晒さなきゃいけないのかしら?!」<br>
「貴女と私はタッグパートナーよ。互いのデッキの特性を把握して、有効な連携やコンボ<br>
を考えてプレイしなければ、先生達には勝てないのだわ」<br>
「真紅もたまにはいい事言うですぅ。さあ金糸雀、黙ってデッキを見せやがれですぅ」<br>
「い、いい加減にするかしらー!!」<br>
<br>
二人のあんまりな言い草に、遂に金糸雀がキレた。まあ当然と言えば当然だが。<br>
金糸雀は椅子を蹴って立ち上がり、一息に捲くし立てた。<br>
<br>
「決闘者にとって、自分のデッキの秘密は墓場まで持っていくくらい大事なものかしら!<br>
それに、このデュエルアカデミア一の策士、金糸雀を甘く見ないでほしいかしら!」<br>
「ドジドジのオバ金糸雀が吠えるなですぅ。黙って協力するですぅ」<br>
「そうよ、合格したければ協力なさい」<br>
「い……言うに事欠いてその言い草は何かしら! もうキレたかしら! 表に出るかしら!<br>
オシリスレッドのドロップアウトガールに、カナの力を見せてあげるのかしら!」<br>
<br>
真紅と翠星石に向けて怒鳴り散らすと、金糸雀は自分の決闘盤を腕に装着した。<br>
金糸雀の挑戦を受けて、真紅も左腕に決闘盤を装着し、デッキをセットする。<br>
<br>
「確かに、貴女の実力を測るには、デュエルが一番手っ取り早いわね」<br>
「カナの華麗なプレイングを目の当たりにして、オシリスレッドのドロップアウトガールは<br>
即サレンダーかしら! かかってくるかしら!」<br>
「いいわ、金糸雀。貴女の実力を見せてもらうのだわ」<br>
<br>
真紅と金糸雀はイエロー寮を飛び出し、翠星石もジャッジとして二人のデュエルに立ち<br>
会う事になった。互いに10m以上の距離をとり、決闘盤を戦闘モードにする。</p>
<p><br>
真紅 vs 金糸雀 「「デュエル!!!」」<br>
<br>
<br>
互いに手札としてデッキから5枚ドローし、翠星石がコイントスをする。<br>
結果は表、真紅の先攻だ。<br>
<br>
「私の先攻、ドロー!」<br>
<br>
手札:サファイアドラゴン スタンピング・クラッシュ サイクロン 仮面竜 仮面竜<br>
つ デザートストーム<br>
<br>
「(なかなかいい手札ね……ここは初手からドンドン攻めていくのだわ)<br>
まずは、≪サファイアドラゴン≫を攻撃表示で召喚! そして手札よりフィールド魔法<br>
≪デザートストーム≫を発動するのだわ!」<br>
<br>
≪サファイアドラゴン≫<br>
通常モンスター<br>
星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1600<br>
全身がサファイアに覆われた、非常に美しい姿をしたドラゴン。<br>
争いは好まないが、とても高い攻撃力を備えている。<br>
<br>
≪デザートストーム≫<br>
フィールド魔法<br>
全ての風属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、<br>
守備力は400ポイントダウンする。<br>
<br>
「≪デザートストーム≫の効果により、≪サファイアドラゴン≫の攻撃力は500アップ!<br>
攻撃力2400ポイントに跳ね上がるのだわ!」<br>
<br>
先攻1ターン目はバトルフェイズを行う事が出来ないが、★5~6の上級モンスターの<br>
実戦ラインである攻撃力2400のモンスターを初手から出せれば、十分相手への牽制に<br>
なり得る。しかも≪サファイアドラゴン≫は通常モンスターなので、当然ながら攻撃時に<br>
デメリットが発生する事はない。<br>
<br>
「私はカード(サイクロン)を一枚伏せ、ターンエンドよ」<br>
「じゃあカナのターンかしら……ドロー! カナはモンスターを裏守備でセットして、場に<br>
カードを3枚伏せ、ターンエンドかしら!」<br>
<br>
真紅 LP8000 場:サファイアドラゴン<br>
伏せ:1枚(サイクロン)<br>
金糸雀 LP8000 場:裏守備<br>
伏せ:3枚<br>
フィールド:デザートストーム<br>
<br>
金糸雀は攻めてくる様子が無い。ドロー・セット・ゴーの流れでターンを流しただけだ。<br>
しかし、3枚も伏せカードをセットしたのが気になる。</p>
<p>
「(伏せてある3枚のカードが気になるわね……なら、除去カードで破壊するのだわ!)<br>
私のターン、ドロー!」<br>
<br>
手札:スタンピング・クラッシュ 仮面竜 仮面竜<br>
つ 早すぎた埋葬<br>
<br>
「私は手札から、≪スタンピング・クラッシュ≫を発動! 伏せカードを1枚破壊し、その後<br>
500ポイントのダメージを受けてもらうのだわ!」</p>
<p>≪スタンピング・クラッシュ≫<br>
通常魔法<br>
自分フィールド上に表側表示のドラゴン族モンスターが<br>
存在する時のみ発動する事ができる。<br>
フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊し、<br>
そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。<br>
<br>
サファイアドラゴンが金糸雀の場に進撃し、大きく足を持ち上げ、場に伏せてあるカード<br>
に向かって足を踏み下ろした。<br>
……が、その寸前、金糸雀は宣言した。<br>
<br>
「その魔法カード発動にチェーンして、カウンター罠を発動するかしら!」<br>
「カウンター罠?」<br>
「そう……コストとして手札を1枚捨て、場に伏せてあった≪アヌビスの裁き≫を発動!」<br>
<br>
≪アヌビスの裁き≫<br>
カウンター罠<br>
手札を1枚捨てる。<br>
相手がコントロールする「フィールド上の魔法・罠カードを破壊する」効果をもつ<br>
魔法カードの発動と効果を無効にし破壊する。<br>
その後、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を破壊し、<br>
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える事ができる。<br>
<br>
「そのカードは、原作でリシドが使っていた……」<br>
「≪スタンピング・クラッシュ≫の発動を無効化し、更にそのサファイアドラゴンを破壊!<br>
破壊したサファイアドラゴンの攻撃力分のダメージを受けてもらうかしら!」<br>
「なら、そのカウンター罠にチェーンして、速攻魔法≪サイクロン≫を……」<br>
「これだからオシリスレッドのドロップアウトガールは……カードの効果スピードの関係上、<br>
カウンター罠に速攻魔法はチェーン出来ないかしら!」<br>
「あ、そうだったのだわ……」<br>
<br>
伏せカードを踏み潰そうとしたサファイアドラゴンの足が止まり、金糸雀の場に巨大な<br>
アヌビス神の像が出現した。アヌビス神の像の目が妖しく光を放ち、一条のビームが場に<br>
放たれた。それはサファイアドラゴンを射抜き、爆発四散させる。<br>
そして爆風は真紅にも及び、そのライフポイントを大きく削った。<br>
<br>
真紅 LP8000→5600<br>
<br>
「くぅっ……なら、今度こそ≪サイクロン≫を発動! 向かって左側の伏せカードを破壊!」<br>
「ふふ……グラニュー糖より甘いかしら! カウンター罠≪マジック・ジャマー≫発動!」<br>
<br>
≪マジック・ジャマー≫<br>
カウンター罠<br>
手札を1枚捨てる。<br>
魔法カードの発動を無効にし、それを破壊する。<br>
<br>
「手札を1枚捨て、≪サイクロン≫の発動を無効化するかしら!」<br>
「ま、またカウンター罠なのだわ……」<br>
「どうかしら、カナの戦術は? ドロップアウトガールの真紅は、手も足も出ないかしら?」<br>
「く……でも、勝負はまだまだこれからなのだわ!」</p>
<br>
<p>
「え~……それではこれより、追試験タッグデュエルの組み合わせを発表する。抽選は<br>
各寮混合でランダムに抽選したから、お互い協力し合って頑張ってくれ」<br>
<br>
実技科目最高責任者のショボン教諭が校内放送で全校にそう通達した。<br>
先日実施された月一テストの実技科目で、赤点を取ったものに対して行われる追試の<br>
お題はタッグデュエルであり、生徒達の相手と試験の採点は実技教官の流石兄弟がする<br>
事になっている。<br>
だが、タッグデュエルの提案は流石兄弟だが、成績不振者同士の組み合わせを、各寮<br>
からランダムに選んで組ませる形式の抽選にしたのは、ショボンが決定した事だった。<br>
ショボンはデュエルアカデミアにおける、寮同士での諍いや揉め事や溝を何とかなくそう<br>
と考えている教師だった。<br>
タッグデュエルは、タッグパートナー同士が結束し力を合わせなければ、決して勝利を<br>
掴む事の叶わない競技。これによって、少しでも3つの寮の生徒に連帯感や結束、友情<br>
が芽生えてくれれば、と考えての事であった。<br>
<br>
「試験日は3日後の放課後だから、それまで互いにカードのトレードやコンボの研究をして<br>
この追試験に合格できるよう務めて欲しい」<br>
<br>
ここでショボンは一呼吸置き、静かに最後の言葉を口にした。<br>
<br>
「ただ不合格なだけならまあ許してあげるけど、追試験のデュエル中にタッグパートナーに<br>
暴言を吐いたり、喧嘩したりしないようにね。もしもそんな事をやって不合格になったら<br>
…………ぶち殺すぞ」<br>
<br>
少々脅迫めいたショボンの言葉が終わって間もなく、校舎の巨大掲示板に貼り出されて<br>
いる追試タッグデュエルの組み合わせ表に、次第に生徒が集まりだしていた。<br>
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所変わって、ここはラーイエロー寮である。<br>
デュエルアカデミア高等部を受験した者の中から、成績優秀な受験者が配属される寮<br>
であり、寮の外観はお洒落なペントハウスの趣だ。<br>
そこには、前年度の受験者の中でも、筆記試験をトップの成績で合格した秀才がいた。<br>
ラーイエローの2年生で、名を金糸雀という。<br>
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「何が秀才ですか、このデコッパチ。実技で赤点なんか取ったから追試を受ける羽目に<br>
陥ってるくせに、偉そうにしてんじゃないですぅ」<br>
「な、何を言うかしら! この前の試験は、ちょっとカードの引きが悪かっただけかしら!<br>
それに、実技試験にまでいつものギャンブルデッキを使ってはしゃぎまくって、入学早々<br>
イエローから降格された翠星石には言われたくないかしらー!」<br>
「翠星石……あなたみたいなのが将来、親から貰った身体の一部を売る事になるのよ」<br>
<br>
と、のうのうと金糸雀の部屋に上がりこみ、我が物顔で紅茶をすすりながら喋っている<br>
のは、毎度おなじみ真紅と翠星石である。<br>
そう、真紅のタッグパートナーは2年の金糸雀だったのだ。<br>
<br>
「大体、人の部屋に勝手に上がりこんでおいて態度が大きすぎかしら! 流石先生の<br>
対策を練るにしても、もう少しカナへの礼儀ってものがあるかしら!」<br>
「確か、兄者先生達のデッキはE・HERO融合デッキだったわよね、翠星石?」<br>
「そうですぅ。互いに≪増援≫や≪戦士の生還≫みたいな戦士族サポートを駆使して、<br>
場や手札にHEROを揃えて融合しまくるんですぅ」<br>
「人の話を聞くかしらー!」<br>
「うるさいわね。追試に合格したいんだったら、貴女も私達の話を聞くのだわ」<br>
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金糸雀の抗議の声を≪王宮のお触れ≫並みに完全封殺し、真紅と翠星石はカードを<br>
広げてデッキを強化しようとあれこれ話している。<br>
<br>
「そういえば、貴女はどんなデッキを使っているの? 教えなさい」<br>
「な、何でカナが自分の手の内を晒さなきゃいけないのかしら?!」<br>
「貴女と私はタッグパートナーよ。互いのデッキの特性を把握して、有効な連携やコンボ<br>
を考えてプレイしなければ、先生達には勝てないのだわ」<br>
「真紅もたまにはいい事言うですぅ。さあ金糸雀、黙ってデッキを見せやがれですぅ」<br>
「い、いい加減にするかしらー!!」<br>
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二人のあんまりな言い草に、遂に金糸雀がキレた。まあ当然と言えば当然だが。<br>
金糸雀は椅子を蹴って立ち上がり、一息に捲くし立てた。<br>
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「決闘者にとって、自分のデッキの秘密は墓場まで持っていくくらい大事なものかしら!<br>
それに、このデュエルアカデミア一の策士、金糸雀を甘く見ないでほしいかしら!」<br>
「ドジドジのオバ金糸雀が吠えるなですぅ。黙って協力するですぅ」<br>
「そうよ、合格したければ協力なさい」<br>
「い……言うに事欠いてその言い草は何かしら! もうキレたかしら! 表に出るかしら!<br>
オシリスレッドのドロップアウトガールに、カナの力を見せてあげるのかしら!」<br>
<br>
真紅と翠星石に向けて怒鳴り散らすと、金糸雀は自分の決闘盤を腕に装着した。<br>
金糸雀の挑戦を受けて、真紅も左腕に決闘盤を装着し、デッキをセットする。<br>
<br>
「確かに、貴女の実力を測るには、デュエルが一番手っ取り早いわね」<br>
「カナの華麗なプレイングを目の当たりにして、オシリスレッドのドロップアウトガールは<br>
即サレンダーかしら! かかってくるかしら!」<br>
「いいわ、金糸雀。貴女の実力を見せてもらうのだわ」<br>
<br>
真紅と金糸雀はイエロー寮を飛び出し、翠星石もジャッジとして二人のデュエルに立ち<br>
会う事になった。互いに10m以上の距離をとり、決闘盤を戦闘モードにする。</p>
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真紅 vs 金糸雀 「「デュエル!!!」」<br>
<br>
<br>
互いに手札としてデッキから5枚ドローし、翠星石がコイントスをする。<br>
結果は表、真紅の先攻だ。<br>
<br>
「私の先攻、ドロー!」<br>
<br>
手札:サファイアドラゴン スタンピング・クラッシュ サイクロン 仮面竜 仮面竜<br>
つ デザートストーム<br>
<br>
「(なかなかいい手札ね……ここは初手からドンドン攻めていくのだわ)<br>
まずは、≪サファイアドラゴン≫を攻撃表示で召喚! そして手札よりフィールド魔法<br>
≪デザートストーム≫を発動するのだわ!」<br>
<br>
≪サファイアドラゴン≫<br>
通常モンスター<br>
星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1600<br>
全身がサファイアに覆われた、非常に美しい姿をしたドラゴン。<br>
争いは好まないが、とても高い攻撃力を備えている。<br>
<br>
≪デザートストーム≫<br>
フィールド魔法<br>
全ての風属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、<br>
守備力は400ポイントダウンする。<br>
<br>
「≪デザートストーム≫の効果により、≪サファイアドラゴン≫の攻撃力は500アップ!<br>
攻撃力2400ポイントに跳ね上がるのだわ!」<br>
<br>
先攻1ターン目はバトルフェイズを行う事が出来ないが、★5~6の上級モンスターの<br>
実戦ラインである攻撃力2400のモンスターを初手から出せれば、十分相手への牽制に<br>
なり得る。しかも≪サファイアドラゴン≫は通常モンスターなので、当然ながら攻撃時に<br>
デメリットが発生する事はない。<br>
<br>
「私はカード(サイクロン)を一枚伏せ、ターンエンドよ」<br>
「じゃあカナのターンかしら……ドロー! カナはモンスターを裏守備でセットして、場に<br>
カードを3枚伏せ、ターンエンドかしら!」<br>
<br>
真紅 LP8000 場:サファイアドラゴン<br>
伏せ:1枚(サイクロン)<br>
金糸雀 LP8000 場:裏守備<br>
伏せ:3枚<br>
フィールド:デザートストーム<br>
<br>
金糸雀は攻めてくる様子が無い。ドロー・セット・ゴーの流れでターンを流しただけだ。<br>
しかし、3枚も伏せカードをセットしたのが気になる。</p>
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「(伏せてある3枚のカードが気になるわね……なら、除去カードで破壊するのだわ!)<br>
私のターン、ドロー!」<br>
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手札:スタンピング・クラッシュ 仮面竜 仮面竜<br>
つ 早すぎた埋葬<br>
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「私は手札から、≪スタンピング・クラッシュ≫を発動! 伏せカードを1枚破壊し、その後<br>
500ポイントのダメージを受けてもらうのだわ!」</p>
<p>≪スタンピング・クラッシュ≫<br>
通常魔法<br>
自分フィールド上に表側表示のドラゴン族モンスターが<br>
存在する時のみ発動する事ができる。<br>
フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊し、<br>
そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。<br>
<br>
サファイアドラゴンが金糸雀の場に進撃し、大きく足を持ち上げ、場に伏せてあるカード<br>
に向かって足を踏み下ろした。<br>
……が、その寸前、金糸雀は宣言した。<br>
<br>
「その魔法カード発動にチェーンして、カウンター罠を発動するかしら!」<br>
「カウンター罠?」<br>
「そう……コストとして手札を1枚捨て、場に伏せてあった≪アヌビスの裁き≫を発動!」<br>
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≪アヌビスの裁き≫<br>
カウンター罠<br>
手札を1枚捨てる。<br>
相手がコントロールする「フィールド上の魔法・罠カードを破壊する」効果をもつ<br>
魔法カードの発動と効果を無効にし破壊する。<br>
その後、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を破壊し、<br>
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える事ができる。<br>
<br>
「そのカードは、原作でリシドが使っていた……」<br>
「≪スタンピング・クラッシュ≫の発動を無効化し、更にそのサファイアドラゴンを破壊!<br>
破壊したサファイアドラゴンの攻撃力分のダメージを受けてもらうかしら!」<br>
「なら、そのカウンター罠にチェーンして、速攻魔法≪サイクロン≫を……」<br>
「これだからオシリスレッドのドロップアウトガールは……カードの効果スピードの関係上、<br>
カウンター罠に速攻魔法はチェーン出来ないかしら!」<br>
「あ、そうだったのだわ……」<br>
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伏せカードを踏み潰そうとしたサファイアドラゴンの足が止まり、金糸雀の場に巨大な<br>
アヌビス神の像が出現した。アヌビス神の像の目が妖しく光を放ち、一条のビームが場に<br>
放たれた。それはサファイアドラゴンを射抜き、爆発四散させる。<br>
そして爆風は真紅にも及び、そのライフポイントを大きく削った。<br>
<br>
真紅 LP8000→5600<br>
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「くぅっ……なら、今度こそ≪サイクロン≫を発動! 向かって左側の伏せカードを破壊!」<br>
「ふふ……グラニュー糖より甘いかしら! カウンター罠≪マジック・ジャマー≫発動!」<br>
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≪マジック・ジャマー≫<br>
カウンター罠<br>
手札を1枚捨てる。<br>
魔法カードの発動を無効にし、それを破壊する。<br>
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「手札を1枚捨て、≪サイクロン≫の発動を無効化するかしら!」<br>
「ま、またカウンター罠なのだわ……」<br>
「どうかしら、カナの戦術は? ドロップアウトガールの真紅は、手も足も出ないかしら?」<br>
「く……でも、勝負はまだまだこれからなのだわ!」</p>
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