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<p>「一つ屋根の下 第十五話 JUMとアルバイト」</p>
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<p><a title="yane15" name="yane15"></a></p>
<p>「麻○外務大臣の愛読書はローゼンメイデン!」<br>
我が家の超大型・・・何型かは忘れたが、そのプラズマテレビを見ていた。時間はすでに夜の9時。<br>
夕食も食べ終えて、僕らはリビングでボーっとテレビを見ていた。<br>
「薔薇しーちゃん遅いですわね。」<br>
チラッと時計を見てキラ姉ちゃんが言う。相変わらず薔薇姉ちゃんには過保護だ。<br>
「薔薇水晶は今日はバイトではなかったかしら?」<br>
真紅姉ちゃんが紅茶をすする。あ、そろそろ紅茶買ってこないとなかったなぁ。<br>
「うよ・・・薔薇水晶ってバイトしてたの?」<br>
ヒナ姉ちゃんは晩御飯が終わったというのにうにゅ~を頬張っている。ああ、ほらほら頬にアンコが・・・<br>
「ヒナ姉ちゃん、アンコついてる。とるから動かないでね。」<br>
僕はヒナ姉ちゃんの頬からアンコをとる。プニッと柔らかい。取ったアンコは折角だから僕は口に運ぶ。甘い。<br>
「!?チビ苺!貰うですよ。もぐもぐ・・・あ、JUM。翠星石の頬にもアンコついちゃったですぅ~。」<br>
わざとらしい・・・ものっそいわざとらしい・・・大人気ないよなぁ・・・うちの姉ちゃん達は・・・みんなやり始めるし。<br>
「JUM、お姉ちゃんの頬もとってぇ~。手じゃなくて、舌でぺロって~。」<br>
「JUM君、ぼ、僕も・・・その・・・できればでいいんだけどね・・・?」<br>
「カナったらおドジかしら。ほっぺにアンコがついちゃったかしら~。」<br>
「くっ・・・取ってもらいたい・・・でもはしたないのだわ・・・でも・・・っく・・・!」<br>
「あら、いけませんわ。ついつい丸呑みしてしまいましたわ。」<br>
「ぶやぉわあああああんん!!!ヒナのうにゅ~が~~~~!!」<br>
ああ、我が家は相変わらず騒がしかった。後でみんなうにゅ~を買って返すように言っておこう。そんな時<br>
「ただいま・・・・・」<br>
薔薇姉ちゃんが手に荷物を持って帰ってきた。</p>
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「にひひ・・・みんな見て・・・買ってきた・・・『超機動戦記ローゼンガンダム メイデンVSアリス』~。」<br>
ドラ○もんの真似をしたんだろうか・・・バーンとソレを取り出す薔薇姉ちゃん。<br>
「お~。それ発売日今日だったっけ?確か・・・・」<br>
「ううん、フラゲ。私は・・・早く出る店・・・知ってる・・・エッヘン・・・さ、やろやろ~。」<br>
相当に早いですよ?薔薇姉ちゃん。確か発売日は三日後だ。薔薇姉ちゃんは嬉々としてPS2にディスクを<br>
入れて起動させる。お馴染みのロゴがテレビに出る。<br>
「へぇ~、今回は同じ機体でも武装でコストが違うのねぇ~。」<br>
銀姉ちゃんが説明書を見ながら言う。なるほど、それで機体の少なさを補ってるわけだな。<br>
「本当ですわ。キラキショウは通常とV・S・B・R装備では別機体扱いですわね。」<br>
それを覗き込むようにキラ姉ちゃんが言う。<br>
「早速トーナメントでもやるですぅ・・・敗者は・・・・チビの苺大福をコンビニに買いに行くですぅ~。」<br>
「あら、それはいいわね。手間が省けるというものだわ。」<br>
「お金はちゃんと各自持ちだよ。翠星石。」<br>
すでにリビングはトーナメントムードだ。そんな中、僕に少しの疑問が浮かぶ。<br>
薔薇姉ちゃんは好きなものに金を相当につぎ込んでる。それはいいんだけどさ・・・どこからそのお金出てる<br>
んだろう?バイトしてるって言っても、高校生じゃせいぜい自給800円だぞ・・・<br>
「確かに・・・それは疑問ねぇ・・・・」<br>
ついつい声に出してたんだろうか。隣にいた銀姉ちゃんが同意してくる。<br>
「私も疑問でしたわ。私なんて、食べ歩きですぐ使ってしまいますのに・・・」<br>
それは貴方が悪いですよ?キラ姉ちゃん。<br>
「明日も薔薇しーはバイトだったわよねぇ・・・妹が何のバイトしてるか知るのも姉の務め・・・・JUM、きらきー。<br>
明日は少し薔薇しーを尾行するわよぉ。」<br>
偉そうな事言ってるけど、結局は楽しそうだからだろうなぁ、銀姉ちゃんは。ちなみに、トーナメントは言いだしっぺ<br>
の翠姉ちゃんの最下位で終わった。</p>
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翌日、僕は銀姉ちゃんとキラ姉ちゃんと校門で待ち合わせをしていた。薔薇姉ちゃんは学校帰りにそのまま<br>
バイトに行く。ならば、つけるならそこしかない。<br>
「てかさ、姉妹のバイト先くらい把握しとこうよ。」<br>
「いいじゃなぁい。道に反しなければああだこうだ言うつもりないわぁ。」<br>
「あ、あそこの角を曲がりましたわよ?行きましょう。」<br>
僕らは尾行していく。男一人と女二人。組み合わせ的にも何もかもがおかしい。<br>
そして、行き着いた先。そこには『メイド喫茶 ラプラス』と看板が立てられていた。<br>
「めいどきっさ・・・・」<br>
僕は少しだけ唖然とした。薔薇姉ちゃんは家ではともかく、外ではあまり喋らない。接客には正直一番<br>
不向きな気がしていた。<br>
「・・・薔薇しーが接客・・・・大丈夫なのかしらぁ・・・・」<br>
銀姉ちゃんも同様のようだ。薔薇姉ちゃんは舌ったらずで滑舌も悪い。それが接客とは・・・<br>
「とりあえず入ってみましょう?」<br>
キラ姉ちゃんが店のドアを開ける。中は案外普通の喫茶店のようだった。もっとも客層はまぁ・・・うん・・・<br>
って感じの人が多い気がするが。<br>
「いらっしゃいませ。ラプラスへようこそ。お客様三名様ですか?当店は初めてで?」<br>
眼鏡をかけた男の人が僕らに寄ってくる。恐らく、店長だろう。<br>
「あ・・えっと・・・薔薇ねえ・・じゃない。薔薇水晶さんは・・・」<br>
「おや、御目が高い。薔薇しーちゃんは今来たばかりですよ。御指名ですか?」<br>
「あのぉ、私達あの子の姉妹なんですけどぉ・・・・」<br>
銀姉ちゃんが言う。すると、その男の人は僕らを見ながら笑った。<br>
「成る程、薔薇しーちゃんの姉妹の方でしたか。それはそれは・・・では、とりあえずこちらへ。」<br>
僕らはその人につれられ席についた。</p>
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「失礼します・・・あれ?JUM、銀ちゃん、きらきー・・・」<br>
しばらく待ってると「めいどふく」って言うのかな・・・アレを来た薔薇姉ちゃんが現れた。露出は少なめなのは<br>
どことなく安心した。<br>
「どうやら心配かけてたみたいだよ?折角だから説明してあげなさい。あ、私、此処の店長の白崎と申します。」<br>
スッと名刺を出してくる。ほんとだ。メイド喫茶ラプラス店長、白崎って書いてある・・・<br>
「うん、心配かけてごめんね・・・あのね・・・私も高校生になったし・・・欲しいものが色々あるから・・・<br>
バイトしようって思ってたの・・・そしたらね・・・・白崎さんに会って・・・」<br>
薔薇姉ちゃんが相変わらず訥々と話してくれる。僕らは出された飲み物を飲みながら聞いている。<br>
「白崎さんは・・・私の前のお父様の・・・知り合いでね・・よかったらどうかって・・・私も小さい時白崎さんには<br>
会ってたから・・・安心かなって・・・黙ってたのは・・・ごめんなさい・・・」<br>
ペコリと薔薇姉ちゃんは頭を下げる。要するに・・・ごく普通の理由ってわけですか。<br>
「なるほどねぇ・・・まぁ私もたまに雑誌のモデルとかやってるからぁ・・・いいんじゃなぁい?働くのは。」<br>
「そうですわね。私も、たまに遠征して賞金つきのお店を漁って稼いでおりますし♪」<br>
キラ姉ちゃんのは何か違う気がします。<br>
「まぁ・・・僕もその・・・余りに薔薇姉ちゃんの金回りがいいから・・いかがわしいのじゃなくてよかったよ。」<br>
「ソレは大丈夫・・・JUM以外に触られたら・・・殺すから♪」<br>
物騒な事を笑顔で言わないで下さい。話も一段落し、白崎さんが来る。<br>
「いや~、許してもらえてよかったですよぉ。何せ今看板娘ですからね。そうだ、お姉さん方も如何ですか?<br>
うちはハイレベルが売りですからね。時給1200円出しますよ?」<br>
1200!?高校生でか!?マ○クとかなんか、下手したら700円切るぞ!?金回りいいはずだ・・・<br>
「あらぁ、悪くないわねぇ・・・考えておくわぁ~。」<br>
「ええ、是非。特にお盆は人手が厳しいですからね。1500いきますよ?まぁ、今日はゆっくりしてください。」<br>
そう言って白崎さんはバックに戻っていった。<br>
「せっかくですし、何か頂きましょう?今日は財布もお金も完璧ですわ。」<br>
キラ姉ちゃんが財布の中を見せる。諭吉さんが何枚も眠っていた。<br>
「うん・・・そうして・・・えへ、ご主人様ぁ~~♪」<br>
そう言って、メイドさんは僕に抱きついてきた。そんな放課後の出来事だった。<br>
END</p>