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―/― おわりのうたが、ひびいたせかい」(2006/08/06 (日) 16:32:16) の最新版変更点

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<p><br>  真夏に雪が降るなんて、ある筈がなかった。</p> <p> 私は両手を広げる。あつい、あつい。<br>  真っ赤に染まるは、昔に紡がれた物語。<br>  この世界が夢であることを知っているから、<br>  私はいつまでも手を広げ続けることが出来る。</p> <p> この物語を、彼は忘れてしまった。<br>  彼女は少しだけ覚えている。そして少しだけ、間違っている。</p> <p> ……苦しい。意識は薄れていく。<br>  夢の中の息苦しさは、何処からやってくるのだろうと。<br>  存外に冷静に考えてしまうのは私らしいのだろうか。</p> <p><br>  今感じてる"雪のようなもの"。<br>  これが全てのものへ等しく降らないのと同じ様に、<br>  私の言葉も全てへは届かずに、宙を舞っては消えていく。</p> <p> はじまりがあれば、必ず終わりはあったけれども。<br>  ひとつの終わりが、新しいはじまりをうむとは限らない。</p> <p><br>  私の物語は、終わってしまった。<br>  だからよろこびの唄は、ここでは響かない。</p> <p><br>  ああ、雪のように白い灰が、舞い降りてくる。<br>  そっ、とそれを手で掬って。また零してみた。<br>  そして全て、灰がちになる。はいがちに、なる。<br>  </p> <br>
<p><br>  真夏に雪が降るなんて、ある筈がなかった。</p> <br> <p> 私は両手を広げる。あつい、あつい。<br>  真っ赤に染まるは、昔に紡がれた物語。<br>  この世界が夢であることを知っているから、<br>  私はいつまでも手を広げ続けることが出来る。</p> <br> <p> この物語を、彼は忘れてしまった。<br>  彼女は少しだけ覚えている。そして少しだけ、間違っている。</p> <br> <p> ……苦しい。意識は薄れていく。<br>  夢の中の息苦しさは、何処からやってくるのだろうと。<br>  存外に冷静に考えてしまうのは私らしいのだろうか。</p> <br> <p><br>  今感じてる"雪のようなもの"。<br>  これが全てのものへ等しく降らないのと同じ様に、<br>  私の言葉も全てへは届かずに、宙を舞っては消えていく。</p> <br> <p> はじまりがあれば、必ず終わりはあったけれども。<br>  ひとつの終わりが、新しいはじまりをうむとは限らない。</p> <br> <p><br>  私の物語は、終わってしまった。<br>  だからよろこびの唄は、ここでは響かない。</p> <br> <p><br>  ああ、雪のように白い灰が、舞い降りてくる。<br>  そっ、とそれを手で掬って。また零してみた。<br>  そして全て、灰がちになる。はいがちに、なる。<br>  </p> <br>

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