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「第七話 JUMと雛苺」(2006/08/01 (火) 17:52:30) の最新版変更点
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<p>「一つ屋根の下 第七話 JUMと雛苺」</p>
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<p><a title="yane7" name="yane7"></a></p>
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ヒナ姉ちゃんは子供だ。まず背が低い。カナ姉ちゃんより少しだけ低くて姉妹で一番低い。<br>
あ、でも年の差考えると(カナ、高三。ヒナ、高一。)ヒナ姉ちゃんのが希望はあるか。<br>
後は、見た目も子供っぽい。頭に大きなピンクのリボンつけてるし。顔も無茶苦茶幼い。<br>
後は、泣き虫だな。一人になるのが相当にイヤみたいでいつも誰かと一緒にいる。<br>
よく苛められてたりもする。さしあたって、翠姉ちゃんとか、後翠姉ちゃんとか。他に翠姉ちゃんとか。<br>
ああ、最後に翠姉ちゃんとか。でも、それでも翠姉ちゃんと一緒にいたりするくらい孤独に耐性がない。<br>
まぁ、これは中学までの話。高校生になったヒナ姉ちゃんはすこ~しだけ変わったんだよなぁ。</p>
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<p>「JU~M、起きるの~!」<br>
ヒナ姉ちゃんが僕を起こしに来る。なかなか起きない僕のお腹の上にダイブする。<br>
「ぐえっ・・・・ヒナ姉ちゃん・・・痛い・・・」<br>
重くはないんだが、如何せん不意打ち気味だ。抗議の声を上げる僕の目の前に人差し指を立てる。<br>
「ダメなのよ、JUM。ちゃんと起きないとめっめっなのよ。ほら、起きるの~。」<br>
そう言って僕を起こそうとする。ちなみに、中学の時は僕が起きないと「じゃあ、ヒナも~」とか言って<br>
布団に入って眠り、真紅姉ちゃんにこっ酷く怒られたりしてた。そういえば、高校生になって頭の大きな<br>
リボンもしなくなった。理由は知らないけど、まぁ何か思うところがあるんだろう。<br>
「あら、お早うJUM。雛苺。今日はしっかり起きたのね。」<br>
リビングではすでに真紅姉ちゃんが紅茶とパンでぶれっくふぁあすとをしていた。<br>
「うん!JUMはヒナが起こしてあげたのよ~。ヒナはJUMのお姉ちゃんなの~。」<br>
そう言ってエッヘンと胸を張る。<br>
「雛苺・・・その張っている胸は私に喧嘩を売ってるの?」<br>
何故か真紅姉ちゃんがキレ気味になった。</p>
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<p>「トゥモゥエーーーー!!」<br>
僕がヒナ姉ちゃんと登校してると、ヒナ姉ちゃんの一番の親友で僕の幼馴染でもある柏葉巴に会った。<br>
「雛苺、桜田君。おはよう。」<br>
ヒナ姉ちゃんが柏葉に飛びつく。柏葉はそれを笑って受け止める。<br>
「今日も元気ね、雛苺。」<br>
「うん、花丸元気ぃ~。巴は元気ないの?ヒナが御まじないしてあげるのよ~。」<br>
そう言ってヒナ姉ちゃんは柏葉の頭を撫でる。柏葉はくすぐったそうに目を細めてた。<br>
「?どうしたの?桜田君。」<br>
そんな光景をボーっと見ていた僕に柏葉が声をかけてくる。ヒナ姉ちゃんも僕を見ると笑う。<br>
「ん?いや、別に。仲いいなってー」<br>
「分かった、JUMも撫で撫でして欲しいのね?しょうがないからお姉ちゃんがしてあげるの~。」<br>
と、ヒナ姉ちゃんは軽い身のこなしで僕にのぼり、頭をなでてくる。何だろう、これ・・・<br>
「ふふふっ・・・雛苺ったら。急にお姉さんみたいだね。」<br>
「急にじゃないのよ~。ヒナはずっとJUMのお姉さんなの。」<br>
そう言って、僕らは学校へ向かう。僕が感じてた違和感が何となく分かってきた気がする。<br>
弟の僕にすらメチャクチャべったりで甘えん坊だったヒナ姉ちゃんが高校生になってからやけにお姉さんぶってる<br>
からだ。多分、本人は何かを決意してそう振舞ってるんだろう。若干空回り気味の気がしなくもないが、<br>
それはそれで微笑ましいな。何て思ってしまう。<br>
「でも、変わったよね。雛苺。ずっとしっかり者になったと思うよ。」<br>
僕の心を読んだように柏葉が言う。<br>
「この前もね、一緒に帰ってるとき困ってる中学生助けてあげてたんだよ。ちょっと空回りしてたけどね。」<br>
「そっか・・・でも変わるって面白いな。それに、何か嬉しい。ヒナ姉ちゃんは本当子供だったからなぁ。」<br>
僕と柏葉が並びながらそんな話をする。少し前ではヒナ姉ちゃんがブンブン手を振ってる。そんなトコはまだ子供<br>
かなぁなんて思ってしまう。まぁ、いきなり真紅姉ちゃんみたいになっても困るけどね。</p>
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そういえば、最近は翠姉ちゃんのいじめ・・・まぁ、スキンシップというよりいじめだよな。あれは。<br>
まぁ、姉妹同士のじゃれ合いかもだけど。中学の時までは大抵ヒナ姉ちゃんが半ベソかいて僕のトコに助けを<br>
求めに来てたけど、最近は慣れてきたと言うか・・・強くなったと言うか・・・<br>
「ふ~ん、ふ~ん♪」<br>
ヒナ姉ちゃんが僕の膝の上でご機嫌にテレビを見てる。実質指定席みたいなものだ。<br>
以前、翠姉ちゃんが対抗して乗ろうとしたとき、重いといったら思い切り殴られた。何かおかしくない?<br>
「チビ苺!まぁたJUMの上に乗ってるですか!いい加減やめるですぅ!」<br>
「ふ~んだ、翠星石は重くて乗れないからヤキモチ焼いてるだけなのよ~。」<br>
ヒナ姉ちゃんは全く気にとめる様子無くあしらう。<br>
「きぃーー!最近のチビチビときたら反抗期ですぅ!生意気ですぅ!御飯抜いてやるですぅ!」<br>
それは職権乱用じゃないか?翠姉ちゃん。<br>
「いいも~ん、そしたらJUMと二人で作るのよ~。ねっ、JUM?ヒナとお料理するの~。」<br>
と、こう切り返す。ちなみに、昔なら渋々僕の膝から降りていたが。<br>
「もうその辺にしたら?みっともないよ、翠星石?」<br>
「うぅ・・・蒼星石まで・・・しゃ、しゃーねーです。それくらい見逃してやるですぅ!」<br>
明らかに不満そうにヒナ姉ちゃんをどかすのを諦める翠姉ちゃん。と、最近では勝ってしまう事も珍しくない。<br>
「ふふっ、雛苺も強くなったわねぇ。」<br>
銀姉ちゃんがやりとりを見ながら笑ってる。僕も本当にそう思う。あれだけ甘えん坊で、あれだけ子供だった<br>
ヒナ姉ちゃんは少しずつ大人になってるんだなって。<br>
でもさ。たまに思うよ。何で弟の僕がヒナ姉ちゃんの成長を見守ってるんだろうってね・・・<br>
END</p>