「『届かないラブレター』」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

『届かないラブレター』」(2006/02/28 (火) 21:54:10) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p>『届かないラブレター』</p> <br> <p> もしも、人を好きになってしまったら、あなたはどうする?誰かに<br> 相談してみる?それとも、当たって砕けろの気持ちで告白する?<br> 彼女は、とりあえず相談することに決めたようだ。<br> 金「そんなの決まってるかしらぁ~!特攻あるのみ、かしらぁ」<br> 雛「うゆ~。でも、でも、もしもふられたらどうするのぉ?」<br> 金「その時は、このカナリアが、そいつを成敗するかしらぁ!」<br> 雛「…やっぱり、カナリアに聞くのは間違いだったのぉ…」<br> 金「なっ、なんでかしらぁ!?」</p> <p> いつも元気な雛苺も、ため息ぐらいはつく。全ての原因は、ジュンだ。<br> 雛苺は、ジュンのことが、好きで好きで×100ぐらい好きになってしまった。<br> この気持ちを伝えるには、どうすれば良いのだろう…。<br> 雛「うゆ~みんなの意見は参考にならないのぉ~」</p> <p>みんなの意見はこんな感じ。<br> 真「そんなの決まってるでしょ?夜中こっそり忍び込んで、キスしなさい」<br> 翠「おバカ苺、そんなの簡単ですぅ。愛のこもった手料理が一番ですぅ」<br> 水「そうねぇ…ごめんなさい、私もこういうの苦手でわかんなぁい」<br> 薔薇「……VIPで安価スレ立てれば良い……」</p> <p> 意見を聞いていないのは、蒼星石だけだった。雛苺は、蒼星石のいる<br> 教室に入っていった。<br> 最後の一人、蒼星石に自分の恋の相談をしてみる雛苺。蒼星石は、<br> 冷静に考えてから言った。<br> 蒼「う~ん…。呼び出して告白するのが出来ないなら、やっぱり手紙かなぁ」<br> 雛「てがみ?それって、ラブレター?」<br> 蒼「うん、そうだよ。手紙に自分の気持ちを書いて、その人に渡す。これなら出来るでしょ?」<br> 雛「それなら…雛でも出来るかも…。面と向かって渡さなくても良さそうだし。でも、手紙<br> なんて雛書いたことないのぉ~」<br> 蒼「う~ん、じゃあ、一緒に書いてみようか?」<br> 雛「そうして欲しいのぉ~(やっぱり蒼星石は頼りになるのぉ~)」</p> <p> 二人は、日が暮れるまでラブレターを書いた。思いの一つ一つが、紙一枚に<br> 凝縮されていく。二時間近くかけて出来たラブレターは、かなり上出来だった。<br> 蒼「ふぅ~。完成したね」<br> 雛「うん!これを渡したら、きっと雛の思いが伝わるのぉ~」<br> 蒼「僕も、成功を祈ってるよ。がんばってね、雛苺」<br> 雛「うん!蒼星石、ありがとうなのぉ~」</p> <p>雛苺は、バタバタと走って出て行った。<br> 蒼「雛苺、走ると危ないよ!?」<br> 雛「大丈夫なのぉ~!早くラブレター渡すのぉ~」</p> <p> 思いを早く届けたい。彼女は意気揚々と、靴箱に向かっていった。</p> <p>どかっ!!走っていたせいか、前を見ていなかった。<br> 女1「痛いなぁ…。誰よ?」<br> 女2「あっ、こいつ梅岡のクラスの雛苺じゃん。何してんのよ」<br> 雛「…え?う~と…う~と」<br> 女1「何持ってんの?それ。もしかして、ラブレター?」<br> 女2「はあ?何それ?気持ち悪ぅい。大体、ラブレターなんて今時流行んないよ」<br> 雛「そっ…そんなことないもん!雛が一生懸命書いたんだもん!」<br> 女二人組みは、雛苺のラブレターを奪った。</p> <p> 女1「なになにぃ?私は、桜田ジュンが好きです?ぎゃははは!」<br> 雛「かっ…返してなのぉ!読まないで欲しいのぉ…」<br> 女2「あなたの事を考えると、眠れません…。よくこんな恥ずかしいこと書けるわねぇ!?」<br> 雛「止めて…お願い…返してなのぉ…」<br> 女1「良いわよ、ほら、返してあげる」<br> そう言うと、女1は、ラブレターをビリビリに破いて、雛苺の顔に投げつけた。<br> 女1「どうせふられるんだし、別に良いでしょ?」<br> 女2「はぁ…笑い疲れた。もう行こう」</p> <p> 女二人が去った後、ビリビリに破かれた自分のラブレターを見る雛苺。<br> 悔しくて、悲しくて、涙が出てくる…。<br> 雛「一生懸命書いたのに……。ひどいのぉ…ひぐっ…うぐぅ…」</p> <p> 破れたラブレターを見ると、自分の思いまで破られたような気持ちになった。<br> もう、このラブレターは届かないのだろうか。</p> <p>涙が止まらない雛苺の前に、ジュンがやって来た。<br> ジュン「どうしたんだ?雛苺…」<br> 雛「うぐっ……ひぐっ…ジュ~ン…」<br> ジュン「なんだ!?泣いてるのか?どうした、何があったんだ?」<br> ジュンは、床に落ちている破れた紙切れを見る。<br> 雛「……手紙を…ビリビリに…破かれたの…」<br> ジュン「一体誰がそんなこと…」</p> <p> ジュンは、泣く雛苺にハンカチを渡し、一緒にビリビリになった手紙を拾った。<br> ジュン「まったく、こんな事するなんてひどい奴がいるな」<br> 雛「…もう良いのぉ」<br> ジュン「ところで、この手紙誰に送るつもりだったんだ?」<br> 雛「え!?そ、それは秘密…なのぉ」<br> ジュン「ふ~ん。あれ?なんか『好き』って文字があるけど」<br> 雛「うわぁぁぁ!さ、さっさと片付けるの!読まなくて良いの!」<br> ジュン「?まあ、良いか」<br> 雛「(鈍感なのぉ~…。でも、もっとジュンが好きになったのぉ)」</p> <p> 手紙は破られてしまったけど、その思いは破れはしない。<br> ちなみに、手紙を破った女二人は次の日、薔薇×水コンビに<br> 半殺しにされました。<br> 完。</p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: