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JUMの女装は色んな人に人気のようですね」(2006/08/01 (火) 18:38:50) の最新版変更点

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※このネタはのりっちから派生したようです<br> <br>  ベジータ様がJUMに恋愛相談をするようです。<br> <br> <br> ベ「なぁJUM。俺、最近好きな子ができたんだ」<br> J「へぇ、どんな人なんだ?」<br> ベ「それがな…。この間、真紅嬢と街を歩いていたメイドさんなんだ」<br> J「!(ちょっ、それって…)」<br> ベ「いやぁ、あの子は本当に可愛かったなぁ。 お前、真紅嬢と仲良いんだろ? ちょっと訊いてみてくれないか?」<br> J「……」<br> ベ「…JUM?」<br> J「う…」<br> ベ「どうした?」<br> J「うわぁああああああああああっ!!!! 寄るなっ! 来るなぁああっ!!」<br> ベ「ど、どうしたんだJUM!?」<br> <br> <br>  トラウマが蘇ったようです。<br> <br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> -----<br> <br>  セーラー服で校舎内一周。<br>  これが今、少女…じゃなかった、少年桜田ジュンに課せられた課題だった。<br>  文句を言いながらも律儀にこなしている所を見るにもしかしたら彼は実際満更でもないのかもしれない。<br>  こうなった経緯はまぁ各々勝手に想像していただきたい。<br> 「……これ何て羞恥プレイ?」<br>  こうして文句を垂れているのは少年桜田ジュン。少年とは言っても見た目は美少女そのものだ。<br>  頭には美しい黒の長髪のウィッグをつけ、顔には目立たないナチュラルメイクが施されており、服装は先にも書いたとおりのセーラー服。<br>  白と青のコントラストが眩しく、黄色のスカーフが良いアクセントになっており、ミニのプリーツスカートはパンツが見えない絶妙な長さを誇っている。<br>  腕や脚、そして見えないあそこやあそこなどにもキチンとムダ毛処理が施されていて半そでやスカートからのびる四肢からはちょっとした色気すら感じさせる。<br>  そんなカワイイ見た目女の子が羞恥の表情で校舎を歩いているものだから、その注目度は非常に高い。<br> 「(な、なんだよ…。みんなでジロジロ見やがって)」<br>  キョロキョロと辺りを気にしながら歩く彼に向けられる女子生徒の奇異の目と男子生徒の欲望の眼差しは彼の羞恥心を煽り、彼の表情をさらに赤く染め上げてゆく。<br> 「(…やっぱり、走ってさっさと終わらせようかな)」<br>  走ることにより注目を浴びることを恐れていた彼であったが、こうなってしまった以上もうどちらでも同じだろう。そういうわけで彼はさっさと駆け抜けてしまうことを選んだ。<br>  そう意を決して廊下を走り始めた彼だったが…<br> 「うわっ!」<br>  急ぎすぎていたせいか、躓いて転び通行人の誰かにぶつかってしまった。<br> 「あっ、ごめんなさい急いでいたものd…ゲッ!」<br>  急いで謝ろうとして絶句する。ぶつかった人物は彼の顔見知りだったのだ。<br> 「あ、貴女は真紅嬢のところのメイドさん…!?」<br>  その人物とは、ベジータである。<br>  まずい。彼はそう思った。正体がバレてしまったら大騒ぎどころではすまない。最悪退学だってありうる。与えられた理不尽な状況を前に、彼は心の中で変わり果てた自分の姉と友人の少女たちを呪った。<br>  さらにベジータのセリフから察するに、更に事態を悪化させるような勘違いをしているようだ。(まぁ、ある意味では勘違いではないのだが)<br> 「…は、ハロー! そして、グッバイ!」<br> 「お、おいっ!!」<br>  ここはさっさと消えたほうが良い。彼はそう判断し、その場を脱兎のごとく逃げ出した。<br> <br> <br> <br> 後日談<br> <br> 「なぁ、ジュン。俺、この間ついにあの子に会ったんだ!」<br> 「あの子って……、この間見かけたって言う真紅のとこのメイドさんか?」<br>  興奮気味に話しかけてくるベジータに彼は少々複雑な表情で答える。<br> 「ああ。俺様の男らしさに惚れたのか自分から俺の胸に飛び込んできた」<br> 「…それは、きっと躓いて転んだだけだと思うぞ」<br>  彼は勝手に都合よく記憶を改竄するベジータにさりげなく真実を伝えた。<br> 「でもやっぱり恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にしながら走り去って行ったよ」<br> 「…きっと赤面症なんだよ」<br>  さらに止まらないベジータに彼は冷ややかにツッコミをいれた。<br> 「でも、ウチの学校の制服を着ていたから梅岡に訊いてみたんだがそんな生徒は居ないって言うんだ」<br> 「…そりゃあ、そうだろうね」<br>  彼は話を聞かないベジータに相槌をうった。<br> 「もしかしたら今度来る転校生かもしれないな」<br> 「それは絶対無いと思うぞ。つーか頼むから人の話聞けよ」<br> 「それからさ…」<br> 「…な、何だよ?」<br> 「……俺、彼女とは初めて会った気がしないんだ。もしかして、これは運命ってヤツなのかもしれないな…」<br> 「ち、違う! それは絶対に違う!!」<br>  感慨深げにフッ、と笑いカッコつけるベジータのセリフを彼は全力で否定した。<br> <br> ----<br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> ---------<br> ・桜田ジュン<br> <br>  罰ゲーム。一日女性らしく振舞うこと。それも街中で。<br>  それが今回少年桜田ジュンの今回の罰ゲームだった。<br>  今回の服装は前回と同じ黒い長髪のウィッグ。ピンクのリボンのついた麦藁帽子をかぶり、白いワンピースを身に着けている。<br>  例によって今回も見えないところまでバッチリムダ毛処理が施されており、ワンピースはノースリーブで白い腕を露出させている。<br>  それだけでも男を惑わすには十分な魅力を放っているが、長いスカートの裾からチラリと見える白い足首がさらにエロティシズムを感じさせる。<br> 「…うぅ、まだついてくるよ」<br>  彼は少し大人っぽく見えるナチュラルメイクを施された顔を朱に染めながらチラリと後ろを見やる。するとものすごい早さで電柱の後ろに隠れる影が見えた。<br>  キチンと女らしくしているか監視役がついているのだ。つかず離れずの距離でビデオカメラを回しながらこちらを見ている。<br>  どうでも良いが彼女は社会人のはずだ。平日なのに会社に行かなくて良いのだろうか?<br>  ため息を一つつくと、後ろへ向けた顔を前へ戻す。ふと、一つの看板が目に入った。<br> 「…『Rozen Garden』……。喫茶店か」<br>  この店の中も街中といえば街の中だ。ここで一日時間を潰して帰っても文句は言われないだろう。……多分。<br>  それに季節は夏。外は暑い。ここで涼を取るのも良いかもしれない。<br>  彼はそう結論付けると喫茶店の扉を開けた。<br> <br>  中に入るとカウンター席の中でグラスを磨いている男性と、グラスを片手にカウンターに突っ伏している男性。<br> 「お隣、良いですか?」<br>  とりあえず席に着こうと思い、男性に話しかける。そこで彼は後悔した。<br>  男性は薔薇水晶の父、槐だったのだ。<br> 「…ん? ああ、どうぞどうぞ」<br>  槐はむくりと起き上がると無造作に隣のイスを引き、彼に勧めた。<br>  困った。顔見知りである。しかし、今さら断れない。<br>  どうする? そうだ、猫を被りまくってしまおう。<br> <br>  彼は覚悟を決めた。<br> <br> <br> <br> <br> 「紅茶をください」<br>  注文をして席に着く。<br>  そして彼は姉に施された特訓を生かし、多種多様な笑顔と演技力を駆使し、見事完璧で理想の少女を演じきったのだった…。<br> <br> ・槐<br> <br>  今日、とても魅力的な少女に出会った。白のワンピースを着ていて、一瞬天使かと思ったほどだ。<br>  もしかしたらその時にはもう僕は恋に落ちたのかもしれない。<br>  彼女は妻が死んでから娘を育てることに精一杯だった僕に、懐かしい感情を思い出させてくれた。<br> <br>  …そう言えば、妻が死んでからもう10年。娘も「私に遠慮せずに再婚しても良いんだよ」と言ってくれている。<br> 「…なぁ、白崎」<br>  夜。誰も居なくなった店のカウンター越しに白崎に話しかける。<br> 「なんだい? 槐」<br>  グラスを磨きながら関心なさそうに答える白崎に、フッと少し照れくさそう笑って言う。<br> 「……俺、あの子となら再婚を考えても良いと思うんだ」<br> <br>  槐のひと夏の恋が、今始まる。<br> <br> -----<br> 続かない。<br> 本当は「娘と亡き妻に背徳感を感じながらも女装少年との倒錯愛へ溺れ堕ちていく槐」というネタがあったけど、<br> 男の俺には未知の世界だから想像力及ばずで書けなかった。書きたくもなかった。<br> <br> <br> <br> <br> メル欄<br> さくらだじゅんで変換しようとすると桜打順と出てくる不思議。とりあえず今回の服装すげー悩んだ。<br> 桜田ジュン 女装 の検索結果のうち 日本語のページ 約 2,740 件中 1 - 10 件目 (0.02 秒)<br> 山本君のキャラは殆ど勝手な想像です。そしてこれは飛び降りのドキドキを利用した釣り橋効果がかかっていると思われます。<br> ミニスカ&素足にサンダルって密かにエロいと思うんだ。<br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> ------<br>  発端はのりのこの一言だった。<br> 「ジュンちゃん用に可愛いお洋服いっぱい買ったら家系がピンチになっちゃった!」<br>  …そういうわけで彼、桜田ジュンは真紅の紹介するバイト先に飛ばされた。<br>  そのバイト先とは…<br> <br> 『女装カフェ』<br> <br>  看板こそ普通の喫茶店であるが、知る人ぞ知る店である。<br> <br> 「い、いやだー!」<br> -------<br> 「あーるー晴れた、ひーるさがり~…」<br>  彼は従業員用控え室の片隅で膝を抱え、目幅の涙を流しながらドナドナを歌っている。<br> 「ドナドナドーナードーナー…」<br> 「あら、あなたが新人の桜田ジュン君ね?」<br>  そこへ現れたのは店長代理の草笛みつ。通称みっちゃんである。<br> 「さ、早く着替えて。お店始まっちゃうわ」<br>  みっちゃんは顔を期待で輝かせながら彼の腕を掴み、更衣室へ連れて行こうとする。<br> 「い、イヤだ! 助けて風営法ーっ!」<br> 「ウチは健全な喫茶店よぉ」<br> 「いやああああ」<br>  断末魔の叫びを残し、彼はみっちゃんの腕に引きずられていった。<br> <br> 「これは…、屈辱だ」<br>  連行されて数分、現れたのは頭にウィッグを被り、フリルのついたカチューシャをつけ、ヒラヒラフリルなウェイトレスの衣装に身を包み、照れくさそうな表情で顔を真っ赤にしている彼と、<br>  目を輝かせながらカメラのシャッターを切りまくるみっちゃんだった。<br> <br> <br> <br> <br> 「あぁ~、暑いぜ」<br>  汗だくになりながら街を歩いているのはプリンス オブ M字ハゲ。またの名をベジータという。<br> 「こんな時は冷たい飲み物でも飲んで…って、おおこんなところに喫茶店があるじゃないか」<br>  ベジータは都合よく喫茶店を発見した。<br> 「ちょうどいい。喉が渇いていたんだ」<br>  ベジータは都合の良い展開を微塵も疑わず喫茶店のドアを開けた。<br> --------<br>  数日後…<br> <br> 「そこであの子が働いてたんだよ!」<br> 「へ、へぇ……」<br>  興奮気味に話すベジータに、話すベジータにジュンは引き気味に答える。<br>  勿論ベジータの言う「あの子」とは「真紅さんちのメイドさん」だ。<br>  店で働いていたときにベジータを見てすぐに奥に隠れた彼であったが、どうやら見られていたらしい。<br> 「彼女はきっと病気のお父さんを養うために頑張っているに違いない!」<br>  しかも脳内幸せ回路全開で勝手な設定まで付け加えている。<br> 「俺はモーレツに感動した! 俺は売上に貢献するために今日もその店に行くぞ!」<br> 「…ああ、そう」<br>  …どうやらあそこが女装カフェであることに全く気づいていないらしい。ジュンは呆れるしかなかった。<br> <br> <br> 「確かこの店だったな。よし入るぞ」<br>  そして、扉を開けたベジータが見たものは<br> 「ベジータじゃないか! 見てくれ! 先生はついに天職を見つけたぞ!」<br> <br>  女装した梅岡だった。<br> <br> <br> <br> <br> <br> 以上です。今回は改行規制のせいで服装の詳細描写ができなかったのは残念です。<br> それと、本来考えていた展開としては<br> <br> イヤな客が「キミかわいいね、ホントに男の子?」とセクハラ<br>   ↓<br> 「こ、困ります…」と困惑するジュン<br>   ↓<br> ジュンを助けるために2階の男装カフェで働くタキシードを来た蒼星石が「お客様、おさわりは禁止ですよ」と颯爽と登場しイヤな客撃退。<br>   ↓<br> 『お姫様(男)のピンチを救う王子様(女)』の図が出来上がる<br> <br> という流れにしたかったが良いオチが思いつかなかったのでしかたなくボツにした。<br> 他に客に趣味を聞かれて「お裁縫が大好きです」と顔を真っ赤にしてテレながら言うジュンと言う小ネタもあった。<br> <br> 考えたネタや展開を全て盛り込むのって難しいなって思った。<br> あと、前スレでジュンの絵うpと言っていた方がいましたが、残念ながら私には絵心がありません。<br> 映像でお届けできないのが残念でなりません。<br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> 前回のが不発だったのでパターンを戻してみたらしっくり来たぜというお話。やっぱりオチは最初に考えておかないと書けないや。<br> 今回は初めJUM視点、次にアニメでのりに片思いをしていた印象の薄いキャラの山本君視点。<br> 例によって今回もNGワードは「josou」<br> <br> <br> ・桜田ジュン<br> <br>  彼の名前は桜田ジュン。彼は今メモを片手に商店街を歩いている。…女装で。<br>  しかしここで勘違いしないで欲しい。決してこれは彼の趣味によるものではない。友人の双子と賭けをして負けたその罰ゲームなのだ。<br>  よって彼は無理矢理このような格好をさせられているのであり、女装は彼の性癖によるものではないということをご了承いただきたい。<br> 「……うぅ、肩とか足とかスースーする」<br>  まずは今回の格好を手短に説明しよう。<br>  頭のウィッグはいつもの黒髪の長髪だが所々に編みが入っており、小さなリボンでアクセントがつけてある。<br>  服は白いキャミソールとミニスカート。ポイントは露出した白い肩とミニスカートからスラッとのびる美脚。<br>  足には少し踵の高い白の編みサンダルを素足で履いている。<br> <br>  次に罰ゲームの詳細を説明しよう。<br>  簡単に言えば女装したその格好で指定された物を買って来いというものだ。<br>  そういったわけでメモを片手に街を歩いていると言うわけだ。<br> <br> 「…蒼星石までノリノリでやるんだもんな。全くなんてことを…」<br> <br>  愚痴をこぼし始めた彼は、ふと視線の先に橋の上で靴を揃え、手すりに足をかける青年を発見した。<br> <br> 「なんてことをしているんだーっ!」<br>  <br>  彼は慌てて駆け出した。<br> <br> <br> ・山本君<br> <br>  彼の名は山本君。アニメにしか出てこない山本君。誰が呼んだか山本君。下の名前は多分山君。下から読んでも山本山。<br>  そんな無個性の象徴ともいえる彼は今、橋から飛び降りようとしていた。<br>  原因は女性に振られたこと。…まぁなんだ、皆の予想通り相手は桜田ジュンの姉、桜田のりだ。<br>  彼は勇気を振り絞り、珍しく邪魔の入ることなく告白に成功した。<br>  しかし結果は惨敗。一度目は天然ボケでスルーされ、二度目は空から飛んできた鞄で頭を打ち、三度目の正直と挑んだが断られた。<br>  そう、彼の恋はここで終わりを告げたのだった…。<br>  そんなわけでここは橋の上、靴を揃えて遺書置いて、辞世の句を詠いながら鳥人間になろうと言うわけだ。<br>  そして彼は意を決し、片足をかけたところで…<br> <br> 「死んじゃダメだーっ!」<br> <br>  突然駆けてきた女の子(正確には男の子)に突き飛ばされた。<br> <br> <br> <br> <br> ・山本君 2<br> <br>  西暦200X年、彼は絶望を経験した。<br>  告白をスルーされ、鞄アタックをくらい、失恋し川へ身を投げようとした。あらゆる希望は絶たれたかに見えた。<br>  …だが<br>  山本君は生きていた!<br> <br> <br>  あの後なんとか踏ん張って落下を免れた彼は、彼女との出会いと会話を思い出していた。<br>  初めて見たときは驚いた。だってどことなくのりに似ていたからだ。<br> <br> 「あの、ありがとうございます。僕は山本って言います。あなたのお名前は?」<br> 「ぼ…じゃなくて、私は桜田じ……桜田です」<br> <br>  名前を訊いてさらに驚いた。自分が好きだった相手と同じ苗字ではないか。<br>  そして振られたこのタイミングでこの出会いである。もしかしたらこれは、ある意味運命なのかもしれない。<br>  彼女が「命を無駄にするな」とか「そんなことで死んだら貴方を振った彼女に迷惑がかかる」とか言っているが彼にはもう何も聞こえてはいなかった。<br>  彼はひたすら呆けながら自分を助けてくれた可愛い女の子の顔を見つめていた。<br> <br> <br> <br>  かつて彼は絶望を経験した。しかし、なんとかそれを乗り越え新たな希望を見つけることができた。<br>  そう、その希望とは新しい恋。<br>  街へ駆けて行く彼女の背中を見送りながら、彼は一人、この新しい恋を成功させようと誓うのだった……。<br> <br> ---<br> <br> …以上です。久々の投下でドキドキですよ。<br> 今回はオチは決まっていたのですが、ジュンの服装に何日も悩みました。<br> <br>
※このネタはのりっちから派生したようです<br> <br>  ベジータ様がJUMに恋愛相談をするようです。<br> <br> <br> ベ「なぁJUM。俺、最近好きな子ができたんだ」<br> J「へぇ、どんな人なんだ?」<br> ベ「それがな…。この間、真紅嬢と街を歩いていたメイドさんなんだ」<br> J「!(ちょっ、それって…)」<br> ベ「いやぁ、あの子は本当に可愛かったなぁ。 お前、真紅嬢と仲良いんだろ? ちょっと訊いてみてくれないか?」<br> J「……」<br> ベ「…JUM?」<br> J「う…」<br> ベ「どうした?」<br> J「うわぁああああああああああっ!!!! 寄るなっ! 来るなぁああっ!!」<br> ベ「ど、どうしたんだJUM!?」<br> <br> <br>  トラウマが蘇ったようです。<br> <br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> -----<br> <br>  セーラー服で校舎内一周。<br>  これが今、少女…じゃなかった、少年桜田ジュンに課せられた課題だった。<br>  文句を言いながらも律儀にこなしている所を見るにもしかしたら彼は実際満更でもないのかもしれない。<br>  こうなった経緯はまぁ各々勝手に想像していただきたい。<br> 「……これ何て羞恥プレイ?」<br>  こうして文句を垂れているのは少年桜田ジュン。少年とは言っても見た目は美少女そのものだ。<br>  頭には美しい黒の長髪のウィッグをつけ、顔には目立たないナチュラルメイクが施されており、服装は先にも書いたとおりのセーラー服。<br>  白と青のコントラストが眩しく、黄色のスカーフが良いアクセントになっており、ミニのプリーツスカートはパンツが見えない絶妙な長さを誇っている。<br>  腕や脚、そして見えないあそこやあそこなどにもキチンとムダ毛処理が施されていて半そでやスカートからのびる四肢からはちょっとした色気すら感じさせる。<br>  そんなカワイイ見た目女の子が羞恥の表情で校舎を歩いているものだから、その注目度は非常に高い。<br> 「(な、なんだよ…。みんなでジロジロ見やがって)」<br>  キョロキョロと辺りを気にしながら歩く彼に向けられる女子生徒の奇異の目と男子生徒の欲望の眼差しは彼の羞恥心を煽り、彼の表情をさらに赤く染め上げてゆく。<br> 「(…やっぱり、走ってさっさと終わらせようかな)」<br>  走ることにより注目を浴びることを恐れていた彼であったが、こうなってしまった以上もうどちらでも同じだろう。そういうわけで彼はさっさと駆け抜けてしまうことを選んだ。<br>  そう意を決して廊下を走り始めた彼だったが…<br> 「うわっ!」<br>  急ぎすぎていたせいか、躓いて転び通行人の誰かにぶつかってしまった。<br> 「あっ、ごめんなさい急いでいたものd…ゲッ!」<br>  急いで謝ろうとして絶句する。ぶつかった人物は彼の顔見知りだったのだ。<br> 「あ、貴女は真紅嬢のところのメイドさん…!?」<br>  その人物とは、ベジータである。<br>  まずい。彼はそう思った。正体がバレてしまったら大騒ぎどころではすまない。最悪退学だってありうる。与えられた理不尽な状況を前に、彼は心の中で変わり果てた自分の姉と友人の少女たちを呪った。<br>  さらにベジータのセリフから察するに、更に事態を悪化させるような勘違いをしているようだ。(まぁ、ある意味では勘違いではないのだが)<br> 「…は、ハロー! そして、グッバイ!」<br> 「お、おいっ!!」<br>  ここはさっさと消えたほうが良い。彼はそう判断し、その場を脱兎のごとく逃げ出した。<br> <br> <br> <br> 後日談<br> <br> 「なぁ、ジュン。俺、この間ついにあの子に会ったんだ!」<br> 「あの子って……、この間見かけたって言う真紅のとこのメイドさんか?」<br>  興奮気味に話しかけてくるベジータに彼は少々複雑な表情で答える。<br> 「ああ。俺様の男らしさに惚れたのか自分から俺の胸に飛び込んできた」<br> 「…それは、きっと躓いて転んだだけだと思うぞ」<br>  彼は勝手に都合よく記憶を改竄するベジータにさりげなく真実を伝えた。<br> 「でもやっぱり恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にしながら走り去って行ったよ」<br> 「…きっと赤面症なんだよ」<br>  さらに止まらないベジータに彼は冷ややかにツッコミをいれた。<br> 「でも、ウチの学校の制服を着ていたから梅岡に訊いてみたんだがそんな生徒は居ないって言うんだ」<br> 「…そりゃあ、そうだろうね」<br>  彼は話を聞かないベジータに相槌をうった。<br> 「もしかしたら今度来る転校生かもしれないな」<br> 「それは絶対無いと思うぞ。つーか頼むから人の話聞けよ」<br> 「それからさ…」<br> 「…な、何だよ?」<br> 「……俺、彼女とは初めて会った気がしないんだ。もしかして、これは運命ってヤツなのかもしれないな…」<br> 「ち、違う! それは絶対に違う!!」<br>  感慨深げにフッ、と笑いカッコつけるベジータのセリフを彼は全力で否定した。<br> <br> ----<br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> ---------<br> ・桜田ジュン<br> <br>  罰ゲーム。一日女性らしく振舞うこと。それも街中で。<br>  それが今回少年桜田ジュンの今回の罰ゲームだった。<br>  今回の服装は前回と同じ黒い長髪のウィッグ。ピンクのリボンのついた麦藁帽子をかぶり、白いワンピースを身に着けている。<br>  例によって今回も見えないところまでバッチリムダ毛処理が施されており、ワンピースはノースリーブで白い腕を露出させている。<br>  それだけでも男を惑わすには十分な魅力を放っているが、長いスカートの裾からチラリと見える白い足首がさらにエロティシズムを感じさせる。<br> 「…うぅ、まだついてくるよ」<br>  彼は少し大人っぽく見えるナチュラルメイクを施された顔を朱に染めながらチラリと後ろを見やる。するとものすごい早さで電柱の後ろに隠れる影が見えた。<br>  キチンと女らしくしているか監視役がついているのだ。つかず離れずの距離でビデオカメラを回しながらこちらを見ている。<br>  どうでも良いが彼女は社会人のはずだ。平日なのに会社に行かなくて良いのだろうか?<br>  ため息を一つつくと、後ろへ向けた顔を前へ戻す。ふと、一つの看板が目に入った。<br> 「…『Rozen Garden』……。喫茶店か」<br>  この店の中も街中といえば街の中だ。ここで一日時間を潰して帰っても文句は言われないだろう。……多分。<br>  それに季節は夏。外は暑い。ここで涼を取るのも良いかもしれない。<br>  彼はそう結論付けると喫茶店の扉を開けた。<br> <br>  中に入るとカウンター席の中でグラスを磨いている男性と、グラスを片手にカウンターに突っ伏している男性。<br> 「お隣、良いですか?」<br>  とりあえず席に着こうと思い、男性に話しかける。そこで彼は後悔した。<br>  男性は薔薇水晶の父、槐だったのだ。<br> 「…ん? ああ、どうぞどうぞ」<br>  槐はむくりと起き上がると無造作に隣のイスを引き、彼に勧めた。<br>  困った。顔見知りである。しかし、今さら断れない。<br>  どうする? そうだ、猫を被りまくってしまおう。<br> <br>  彼は覚悟を決めた。<br> <br> <br> <br> <br> 「紅茶をください」<br>  注文をして席に着く。<br>  そして彼は姉に施された特訓を生かし、多種多様な笑顔と演技力を駆使し、見事完璧で理想の少女を演じきったのだった…。<br> <br> ・槐<br> <br>  今日、とても魅力的な少女に出会った。白のワンピースを着ていて、一瞬天使かと思ったほどだ。<br>  もしかしたらその時にはもう僕は恋に落ちたのかもしれない。<br>  彼女は妻が死んでから娘を育てることに精一杯だった僕に、懐かしい感情を思い出させてくれた。<br> <br>  …そう言えば、妻が死んでからもう10年。娘も「私に遠慮せずに再婚しても良いんだよ」と言ってくれている。<br> 「…なぁ、白崎」<br>  夜。誰も居なくなった店のカウンター越しに白崎に話しかける。<br> 「なんだい? 槐」<br>  グラスを磨きながら関心なさそうに答える白崎に、フッと少し照れくさそう笑って言う。<br> 「……俺、あの子となら再婚を考えても良いと思うんだ」<br> <br>  槐のひと夏の恋が、今始まる。<br> <br> -----<br> 続かない。<br> 本当は「娘と亡き妻に背徳感を感じながらも女装少年との倒錯愛へ溺れ堕ちていく槐」というネタがあったけど、<br> 男の俺には未知の世界だから想像力及ばずで書けなかった。書きたくもなかった。<br> <br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> ------<br>  発端はのりのこの一言だった。<br> 「ジュンちゃん用に可愛いお洋服いっぱい買ったら家系がピンチになっちゃった!」<br>  …そういうわけで彼、桜田ジュンは真紅の紹介するバイト先に飛ばされた。<br>  そのバイト先とは…<br> <br> 『女装カフェ』<br> <br>  看板こそ普通の喫茶店であるが、知る人ぞ知る店である。<br> <br> 「い、いやだー!」<br> -------<br> 「あーるー晴れた、ひーるさがり~…」<br>  彼は従業員用控え室の片隅で膝を抱え、目幅の涙を流しながらドナドナを歌っている。<br> 「ドナドナドーナードーナー…」<br> 「あら、あなたが新人の桜田ジュン君ね?」<br>  そこへ現れたのは店長代理の草笛みつ。通称みっちゃんである。<br> 「さ、早く着替えて。お店始まっちゃうわ」<br>  みっちゃんは顔を期待で輝かせながら彼の腕を掴み、更衣室へ連れて行こうとする。<br> 「い、イヤだ! 助けて風営法ーっ!」<br> 「ウチは健全な喫茶店よぉ」<br> 「いやああああ」<br>  断末魔の叫びを残し、彼はみっちゃんの腕に引きずられていった。<br> <br> 「これは…、屈辱だ」<br>  連行されて数分、現れたのは頭にウィッグを被り、フリルのついたカチューシャをつけ、ヒラヒラフリルなウェイトレスの衣装に身を包み、照れくさそうな表情で顔を真っ赤にしている彼と、<br>  目を輝かせながらカメラのシャッターを切りまくるみっちゃんだった。<br> <br> <br> <br> <br> 「あぁ~、暑いぜ」<br>  汗だくになりながら街を歩いているのはプリンス オブ M字ハゲ。またの名をベジータという。<br> 「こんな時は冷たい飲み物でも飲んで…って、おおこんなところに喫茶店があるじゃないか」<br>  ベジータは都合よく喫茶店を発見した。<br> 「ちょうどいい。喉が渇いていたんだ」<br>  ベジータは都合の良い展開を微塵も疑わず喫茶店のドアを開けた。<br> --------<br>  数日後…<br> <br> 「そこであの子が働いてたんだよ!」<br> 「へ、へぇ……」<br>  興奮気味に話すベジータに、話すベジータにジュンは引き気味に答える。<br>  勿論ベジータの言う「あの子」とは「真紅さんちのメイドさん」だ。<br>  店で働いていたときにベジータを見てすぐに奥に隠れた彼であったが、どうやら見られていたらしい。<br> 「彼女はきっと病気のお父さんを養うために頑張っているに違いない!」<br>  しかも脳内幸せ回路全開で勝手な設定まで付け加えている。<br> 「俺はモーレツに感動した! 俺は売上に貢献するために今日もその店に行くぞ!」<br> 「…ああ、そう」<br>  …どうやらあそこが女装カフェであることに全く気づいていないらしい。ジュンは呆れるしかなかった。<br> <br> <br> 「確かこの店だったな。よし入るぞ」<br>  そして、扉を開けたベジータが見たものは<br> 「ベジータじゃないか! 見てくれ! 先生はついに天職を見つけたぞ!」<br> <br>  女装した梅岡だった。<br> <br> <br> <br> <br> <br> 以上です。今回は改行規制のせいで服装の詳細描写ができなかったのは残念です。<br> それと、本来考えていた展開としては<br> <br> イヤな客が「キミかわいいね、ホントに男の子?」とセクハラ<br>   ↓<br> 「こ、困ります…」と困惑するジュン<br>   ↓<br> ジュンを助けるために2階の男装カフェで働くタキシードを来た蒼星石が「お客様、おさわりは禁止ですよ」と颯爽と登場しイヤな客撃退。<br>   ↓<br> 『お姫様(男)のピンチを救う王子様(女)』の図が出来上がる<br> <br> という流れにしたかったが良いオチが思いつかなかったのでしかたなくボツにした。<br> 他に客に趣味を聞かれて「お裁縫が大好きです」と顔を真っ赤にしてテレながら言うジュンと言う小ネタもあった。<br> <br> 考えたネタや展開を全て盛り込むのって難しいなって思った。<br> あと、前スレでジュンの絵うpと言っていた方がいましたが、残念ながら私には絵心がありません。<br> 映像でお届けできないのが残念でなりません。<br> <br> <br> <br> <hr> <br> <br> <br> <br> 前回のが不発だったのでパターンを戻してみたらしっくり来たぜというお話。やっぱりオチは最初に考えておかないと書けないや。<br> 今回は初めJUM視点、次にアニメでのりに片思いをしていた印象の薄いキャラの山本君視点。<br> 例によって今回もNGワードは「josou」<br> <br> <br> ・桜田ジュン<br> <br>  彼の名前は桜田ジュン。彼は今メモを片手に商店街を歩いている。…女装で。<br>  しかしここで勘違いしないで欲しい。決してこれは彼の趣味によるものではない。友人の双子と賭けをして負けたその罰ゲームなのだ。<br>  よって彼は無理矢理このような格好をさせられているのであり、女装は彼の性癖によるものではないということをご了承いただきたい。<br> 「……うぅ、肩とか足とかスースーする」<br>  まずは今回の格好を手短に説明しよう。<br>  頭のウィッグはいつもの黒髪の長髪だが所々に編みが入っており、小さなリボンでアクセントがつけてある。<br>  服は白いキャミソールとミニスカート。ポイントは露出した白い肩とミニスカートからスラッとのびる美脚。<br>  足には少し踵の高い白の編みサンダルを素足で履いている。<br> <br>  次に罰ゲームの詳細を説明しよう。<br>  簡単に言えば女装したその格好で指定された物を買って来いというものだ。<br>  そういったわけでメモを片手に街を歩いていると言うわけだ。<br> <br> 「…蒼星石までノリノリでやるんだもんな。全くなんてことを…」<br> <br>  愚痴をこぼし始めた彼は、ふと視線の先に橋の上で靴を揃え、手すりに足をかける青年を発見した。<br> <br> 「なんてことをしているんだーっ!」<br>  <br>  彼は慌てて駆け出した。<br> <br> <br> ・山本君<br> <br>  彼の名は山本君。アニメにしか出てこない山本君。誰が呼んだか山本君。下の名前は多分山君。下から読んでも山本山。<br>  そんな無個性の象徴ともいえる彼は今、橋から飛び降りようとしていた。<br>  原因は女性に振られたこと。…まぁなんだ、皆の予想通り相手は桜田ジュンの姉、桜田のりだ。<br>  彼は勇気を振り絞り、珍しく邪魔の入ることなく告白に成功した。<br>  しかし結果は惨敗。一度目は天然ボケでスルーされ、二度目は空から飛んできた鞄で頭を打ち、三度目の正直と挑んだが断られた。<br>  そう、彼の恋はここで終わりを告げたのだった…。<br>  そんなわけでここは橋の上、靴を揃えて遺書置いて、辞世の句を詠いながら鳥人間になろうと言うわけだ。<br>  そして彼は意を決し、片足をかけたところで…<br> <br> 「死んじゃダメだーっ!」<br> <br>  突然駆けてきた女の子(正確には男の子)に突き飛ばされた。<br> <br> <br> <br> <br> ・山本君 2<br> <br>  西暦200X年、彼は絶望を経験した。<br>  告白をスルーされ、鞄アタックをくらい、失恋し川へ身を投げようとした。あらゆる希望は絶たれたかに見えた。<br>  …だが<br>  山本君は生きていた!<br> <br> <br>  あの後なんとか踏ん張って落下を免れた彼は、彼女との出会いと会話を思い出していた。<br>  初めて見たときは驚いた。だってどことなくのりに似ていたからだ。<br> <br> 「あの、ありがとうございます。僕は山本って言います。あなたのお名前は?」<br> 「ぼ…じゃなくて、私は桜田じ……桜田です」<br> <br>  名前を訊いてさらに驚いた。自分が好きだった相手と同じ苗字ではないか。<br>  そして振られたこのタイミングでこの出会いである。もしかしたらこれは、ある意味運命なのかもしれない。<br>  彼女が「命を無駄にするな」とか「そんなことで死んだら貴方を振った彼女に迷惑がかかる」とか言っているが彼にはもう何も聞こえてはいなかった。<br>  彼はひたすら呆けながら自分を助けてくれた可愛い女の子の顔を見つめていた。<br> <br> <br> <br>  かつて彼は絶望を経験した。しかし、なんとかそれを乗り越え新たな希望を見つけることができた。<br>  そう、その希望とは新しい恋。<br>  街へ駆けて行く彼女の背中を見送りながら、彼は一人、この新しい恋を成功させようと誓うのだった……。<br> <br> ---<br> <br> …以上です。久々の投下でドキドキですよ。<br> 今回はオチは決まっていたのですが、ジュンの服装に何日も悩みました。<br> <br> <br> <br> <br> メル欄<br> さくらだじゅんで変換しようとすると桜打順と出てくる不思議。とりあえず今回の服装すげー悩んだ。<br> 桜田ジュン 女装 の検索結果のうち 日本語のページ 約 2,740 件中 1 - 10 件目 (0.02 秒)<br> 山本君のキャラは殆ど勝手な想像です。そしてこれは飛び降りのドキドキを利用した釣り橋効果がかかっていると思われます。<br> ミニスカ&素足にサンダルって密かにエロいと思うんだ。<br> <br>

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