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第3話「蓬莱古来」」(2006/07/03 (月) 01:17:26) の最新版変更点

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<p>J(・・・)</p> <br> <p>眠らなかった。</p> <br> <p>J(眠くは無いんだが・・・)</p> <br> <p>あまり眠らないと、精神的に参ってしまうが。<br> ・・・やはり、眠れなかった。</p> <br> <p>J(まぁいい、今日も今日とて、1日は始まる。)</p> <br> <p>そう言い聞かせると、ジュンは飯を作りに。<br> 鞄の中を開け、材料が入ってないのに気が付くと。<br> 蒼星石を起こして、食堂に食べに行った。</p> <br> <p>たいして人の居ない食堂で。<br> 蒼星石は欠伸をして、食べ物が来るのを待っていた。<br> まだ慣れない旅で、疲れてしまったのも有るが。<br> 暇を持て余しているのも、紛れも無い事実である。<br> 今日は適当に車で、国内の名所巡りをする予定だが。<br> 先ず最初に歴史博物館に、行きたいと思った。<br> だがまだ会館までには、時間が有るので。<br> 適当に町で、暇を潰す事にした。<br> しかし、腹へっては何も出来ない。<br> 其処で食堂で、お稲荷と梅干でも注文して。<br> ずっと待っているわけだが・・・<br> 遅い・・・何してるんだか・・・</p> <br> <p>J「・・・」</p> <br> <p> ピンポーン・・・其れは待ち始めて、38分46.576秒位待った頃に、鳴って来た。<br> 余りに微妙な数字だが、体内時計がそう告げるのだから違いない。<br> 恐らくアルバイトらしき人が出てくる。<br> 胸の所にアルバイトと書いた、バッチらしき物があるから間違い無い。<br> ドン!・・・ガタン・・・カタン・・・</p> <br> <p>ア「・・・」</p> <br> <p>ゑー!?それだけ!?あんなに散々待たせておいて?!<br> 心の中でそう突っ込みながら、蒼星石にはあんなふうに、アルバイトしちゃ駄目だと言い。<br> 蒼星石が好きで頼んだ、お稲荷と、僕が好きで頼んだ梅干を食べる。</p> <br> <p>J「・・・そうだ、何か買わないか?」<br> 蒼「そうですね・・・僕の護身用の武器でも・・・」<br> J「それじゃあ、買いに行こうか。」</p> <br> <p>そう言うと、立ち上がり街まで行く。<br> ・・・何だか、そこ等辺の人の視線が・・・かなり痛いんだが・・・<br> 取り敢えず、雑貨「魔」店まで少し急ぎ足で向かう。<br> この不思議な世間、旅人を有効活用しようと。<br> 色々な研究が進められてきた、其れはオカルトでも同じことで・・・<br> 最近は外の世界の魔の領域までも、実験対称にしているらしい。<br> ・・・悪い事が起きなければ、良いのだが・・・<br> そんな事を考えている合間に、僕等は雑貨魔店に辿り着いた。</p> <br> <p>J「さて・・・何を買おうか・・・」<br> 蒼「ジュン君、僕は剣なんかが良いと思うだけど・・・」<br> J「うん、此処の店の人が、判断してくれるさ。」<br> 蒼「そうなの?」<br> J「まぁ、入れば分かるさ。」</p> <br> <p>そう言うとジュンは、雑貨魔店の中に入っていった。<br> 中では、自分の「性質」を見抜いてもらい。<br> 自分に一番見合った武器を、与えてくれるというシステムだが・・・<br> 蒼星石には何が・・・あ、俺も序に調べてもらうか。<br> 俺には一体、どんなのが来るんだろうか・・・</p> <br> <p>J「すみません、検査してもらいに着ました。」</p> <br> <p> すると中に居た店主は、死ぬほど嬉しそうな顔をした後。<br> 大声でいらっしゃいませ、と言ってくれた。<br> ・・・1体何が有ったのだろうか・・・</p> <br> <p>店「ようこそッッッ!こんな所へッッッ!!!」<br> J「あ、はい・・・」</p> <br> <p>ビックリした・・・<br> 蒼星石は驚きのあまり、僕の後ろに隠れてしまった。<br> 流石に自分のしている事に、気が付いたのか。<br> 申し訳なさそうに、ジュンに話を進める。</p> <br> <p> 店「すみません・・・久しぶりの旅人だったもので・・・」<br> J「何か有ったんですか?」<br> 店「其れがですね・・・説明しますと・・・」</p> <br> <p>昔々、まだこの国が集落だった頃。<br> 犯罪も、殺人も無く。<br> 村は完全に安定していた。<br> その日々が永遠に続くかと思われた、ある日。<br> その村に一人のいや、一匹の妖怪が現れた。<br> 最初は人の形をしていて、喜んで向かい入れたんだが。<br> その後が不味かった、なんと妖怪が暴れたのだ。<br> それ以降旅人は、忌み嫌われる存在になり。<br> 国の民にだけ優しい法律を、其れ以外の者には厳しい法律で。<br> 少しでも国の損害を削ろうと、躍起になったわけだ。<br> そして皮肉として、民に優しい国なんて、仇名がついたんだろう。<br> 店員はそう言っていた。</p> <br> <p> 店「私も運悪く此処に、移転してきてしまったんですよ・・・」<br> J(・・・・・・)<br> 店「所で、何かようかい?」</p> <br> <p>其処で、本来するべき事を思い出し。<br> 蒼星石と、自分に見合った武器を、検出してもらう事にした。</p> <br> <p> 店「何もこんな辺鄙な所で、しないでも良いのに・・・」<br> J「ははは・・・生憎前の所はだめでね・・・」</p> <br> <p>そう言うと店長は、杖を取り出し。<br> 蒼星石の前で、判別呪文を謳った。<br> その発音は覚え辛く、常人には発っせない音だ。<br> すると蒼星石の周りで、淡い光が漏れたかと思うと。<br> 店主が口を開いた。</p> <br> <p>店「えっと?これは・・・両刀・繋ぎの型ですね。」<br> J「それじゃあ、僕もやってもらえますか?」<br> 店「あいよ。」</p> <br> <p>すると店主が、もう一度何かを発音して。<br> やはりジュンの周りで、淡い光が漏れた。</p> <br> <p>店「これは・・・」<br> J「何でした?」<br> 店「ナイフに、大鎌、大剣に・・・【魔具】・・・」<br> J「どうも。」<br> 店「・・・けどあんたは・・・」<br> J「シーッ・・・私も彼方も、平穏を望んでおります・・・」<br> J「どうぞ・・・この件は御内密に・・・」<br> J「何も・・・問題は無い・・・」<br> 店「何も・・・問題は無い・・・」</p> <br> <p> そう言うと、仮面のような笑みを浮かべたまま、店主は元に戻っていった。</p> <br> <p>蒼「ジュン君・・・何したの?」<br> J「気にするな、良くあることだ。」<br> 蒼「へぇ・・・」<br> J「此処から、両刀・繋ぎの型って書いてある武器を、持って来な。」<br> 蒼「分かったよ、ジュン君。」</p> <br> <p> そう言うと蒼星石は、今言われた武器を探しに行った。<br> ジュンは適当に、【魔具】と呼ばれた武器と、ナイフ、短剣と大鎌、大剣を取り出した。<br> 序にジュンは、店主を催眠状態に陥れているので、金を払う気は無かった。</p> <br> <p>J(これじゃあ、山賊だな・・・)</p> <br> <p> そんな事を考えながら、蒼星石が帰ってくるのを、唯ひたすら待っていた。<br> 暫くしてジュンが、投げナイフを実践し始めた頃。<br> 蒼星石が、鋏のような刀を取ってきた。<br> 其れは、分解したら二つの刀に成るタイプの、特殊な刀だった。<br> 時に、1対1にも使われるとか、使われないとか。<br> まぁ攻撃の型は、随分とイレギュラーに成るんだけど・・・</p> <br> <p>J「取ってきたか?」<br> 蒼「うん。」<br> J「それじゃあ出発だ。」</p> <br> <p> そう言うと外に出て手を叩き、店主を起こしていてあげた。<br> ・・・売り上げは、少ーし偽装しておいたけど・・・</p> <br> <p>J「さて・・・そろそろ開館かな?」<br> 蒼「何がですか?」<br> J「ゑ?歴史博物館だよ。」</p> <br> <p>そう言うと、蒼星石は思い出したように。<br> 2~3度頷いていた。<br> ・・・忘れてたのか・・・</p> <br> <p> さて・・・暫く歩いて、歴史博物館前に辿り着いた訳だが。<br> 中に入ると、行き成りチケット売り場の人に、顔見知りされた。<br> しょうがないので、そのままチケットを買って入ると。<br> 館長らしき人が嫌ーな顔をして、ここの国の歴史を教えてくれる事になった。<br> ・・・そんなに俺顔見知りされる顔か?</p> <br> <p>館「其れでですね・・・この国の歴史ですが・・・」</p> <p> 約1500年程前、一匹の狐が全世界で暴れていたんです。<br> 確かその時は、数百の人を捧げて静めたといいますが。<br> その騒動から数年後、この国もその騒動により、外の人が通うように成りました。<br> 此処までは我々の祖先も、ある程度は予想をして居ました。<br> しかしそれから数年後、とある国から来た奴が居たんです。<br> 何で人といわないのかは、そのうち分かります。<br> そいつがですね、何と有ろう事かこの国の中で、獣化したんです。<br> 獣化して人々を、数十人血祭りに上げた其れは、こう言い放ちました。</p> <br> <p> 狐「わが名は、血に飢えし十四尾の狐!!貴様等の血を喰らいに来た!」</p> <br> <p>その後、暫くその狐と人との交戦は続きました。<br> 数年続くほど、その狐一匹の力は強大でした。<br> そしてとある日、狐の死骸らしき物を見つけたのです。<br> 誰かは今となっては分かりませんが、誰かが助けてくれたのでしょう。<br> そしてこの国は、外からの旅人を危険視し。<br> 国の中の者だけを、丁重に扱うようになりました。</p> <br> <p>J(まさか・・・いやね・・・)<br> 館「どうかしましたか?」<br> J「いえ、何でも無いです・・・」<br> 館「それでは・・・ごゆるりと・・・」<br> J「・・・」<br> 蒼「ジュン君・・・あの人・・・」<br> J「いやいい、俺も気が付いてるから・・・」</p> <br> <p>外では、ゾロゾロと人が集まりつつある・・・<br> ジュンは微妙な、気の流れを読んでいた。</p> <br> <p>J(さっきのあの店主・・・俺を見破ったか。)</p> <br> <p>そう考えていると、外から声がする。</p> <br> <p> ***「おい!出て来い!狐野郎!人間のふりしてても、バレバレだぞ!!」<br> J「・・・はぁ、面倒臭い。」<br> 蒼「ジュン君?何言って・・・」</p> <br> <p> そう言うか早いかジュンは背中の下に、大き目の穴が開いた服に着替えていた。<br> その服は言うならば、男性が着るような神社の服で、この時ジュンは眼鏡をつけていない。</p> <br> <p>蒼「ジュン君・・・何を・・・」<br> J「ボクと君は同類項で纏められる、そんな所だ。」<br> 蒼「何を・・・」</p> <br> <p> すると、ジュンの背中の服の穴の所から、尻尾が生えてくる。<br> 1,2,3・・・40本!?狐は百年で、尻尾が一本生えるから・・・<br> 4000年以上!?ま、まさか・・・<br> 今は西暦3178年・・・紀元前から生きて居たんだ・・・<br> ・・・この事で、嫌な考えが思いつく。</p> <br> <p> J「そのまさかだ、あの大騒動を起こしたのは、私の半身だ。」</p> <br> <p>混乱する頭、え?一体何を・・・</p> <br> <p>J「私は治す者、あの事件の収拾をつけている。」<br> 蒼「・・・其れは一体・・・」<br> J「・・・こう言う事だ。」</p> <br> <p>そう言うと、ジュンはそのまま外に出て行く。<br> 蒼星石はジュンの余りのスピードに、付いて行くのが精一杯だった。<br> そしてジュンは、博物館の上に立ち、高々とこう叫んだ。</p> <br> <p>J「話を聞こうか!!私に何のようだ!!」<br> ***「ふざけるんじゃねぇ!またあの事件を起こしに着たんだろ!?」<br> J「貴方等が疑うのも無理は無い!!私は神々の一人として、平和を約束しに来たのだ!!!」<br> ***「証拠は何処に有るんだよ!」</p> <br> <p>するとジュンは、高々と手を振り上げる。<br> すると、数人が驚きどよめいた。</p> <br> <p>J「天の声を告げに来た!とくと聞くが良い!!」</p> <br> <p> すると、天地から何処からともなく、声が聞こえ始めた。<br> 耳を澄ませると、声は天の断層から出ているようだ。<br> 微妙に大きな図体も、見え隠れする。</p> <br> <p>神「そちらは37尾のジュンかの?」<br> J「惚けてるんじゃないぞ、爺さん私は40尾だ。」<br> 神「五月蝿いのぉ、たかが4098年生きてるからって、図に乗るんじゃないぞ?若造。」<br> J「アンタだって、もう何億と生きてるんだ、さっさと次の世代に変わりなよ。」<br> 神「これだから、若造は・・・」<br> J「さっさと、神のお告げを言いなよ、皆困ってるぜ?」<br> 神「分かってるわい・・・これだから若造は・・・」</p> <br> <p> 少し皆困っていた、こんな陽気な爺さんが神だと?中には神とすら疑う者さえ居た。</p> <br> <p>***「お前は誰だよ!」<br> 神「五月蝿いのぉ、年寄りの話は静かに聞くものじゃぞ?」</p> <br> <p> そう聞こえるたと思うと、若者の口は何かで固定されていた。<br> すると、周りの人も其れに驚いたのか、口を閉じる。</p> <br> <p>神「では諸君!お告げを語ろう!」<br> 神「此処に居るのは!かつて暴れた狐のもう片割れの兄弟じゃ!」</p> <br> <p> 思わず、少し怒鳴ろうとしたが、諦めて口を塞ぐ者が居た。</p> <br> <p> 神「皆の怒りは判らないでもないが!もう過ぎた事じゃ!いい加減許したらどうかと思う!」<br> 神「そこでじゃ!此処に居る2人が出て行ったら、それ以降の旅人には優しくする。」<br> 神「其れで納得してくれるかの?」</p> <br> <p> 暫く沈黙が続いたが、皆は息を合わせたように、それに賛同した。</p> <br> <p> 神「それでは私は消えるが、この者達を傷つけないように!」</p> <br> <p> そう言うと、神の現れていた場所には、何も無くなっていた。</p> <br> <p>J「其れでは私は去ろう!さようならだ!」</p> <br> <p>そう言うが早いか、ジュンは皆が動き出す前・・・<br> いや正確には、ジュンは蒼星石と自分以外の時を止め。<br> さっさと荷物を出して、宿屋から町の外に時空の歪を作りあげ。<br> 蒼星石を軽トラに乗せ、とっとと町の外に出ていた。<br> 恐らく数年後には、この町に怪奇話として残っているだろう。<br> 蒼星石は余りの早業に、この間声を出す暇さえなかった。</p> <br> <p>街から暫くして、蒼星石が口を開く。</p> <br> <p>蒼「・・・ジュン君・・・」<br> J「その・・・何だ?黙ってて済まなかったな・・・」<br> 蒼「・・・うん・・・」<br> 蒼「僕は今7尾なんだ・・・僕は、九尾が一番強いのかと思っていたよ・・・」<br> J「・・・十尾から上は、伝説上の生き物として、神として崇められてきた。」<br> J「知らないのも無理は無い・・・」</p> <br> <p>そう言うと、暫くしてジュンが口を開いた。</p> <br> <p> J「・・・この服着替えたら、全部を簡単に話すよ・・・」<br> 蒼「・・・うん・・・」</p> <br> <p>暫く、このあたりを車のエンジン音だけが包んだ</p>

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